2026.01.05

「論点」を英語で|英語ビジネスシーンで議論を制するには

英語で議論をしていて、「リスニング・スピーキングはできているのに、なぜか話が噛み合わない」とか、「話の流れについていけない、置いて行かれた気がする」などと感じたことはないでしょうか。
もしかしたら、それは語彙力や文法力以外の問題かもしれません。
英語で「論点」を指す表現について、うまく切り分けができていない可能性があります。


日本語の「論点」という言葉は、幅広い範囲をカバーしています。
そのため、文脈から自然とどんなことが「論点」となっているか、文脈から類推することができます。


しかし、英語で「論点」について語る場合には常に、以下の3つをはっきりさせなければなりません。


  • 何について話しているのか(topic)
  • 判断すべき争点は何か(issue)
  • 自分が主張したい点は何か(point)

そして、英語の議論では、topic→issue→pointの順に議論を進めるのが、いわば暗黙の了解となっています。
そのため、どこかの段階を省略したり、順番を間違えたりすると、議論が成立しなくなってしまうのです。


英語で「論点」について語るには

先ほどお伝えした通り、英語で「論点」について語る場合、以下の3つの言葉を把握する必要があります。


  • topic
  • issue
  • (main) point

「論点」という視点に立つとどんな意味になるのか、それぞれ詳しく見ていきましょう。


topic

「topic」は、和訳すると「論点」というよりは「話題」や「テーマ」に近いですが、「論点」を語る上では欠かせない単語です。
なぜなら、先ほどお伝えしたように、英語のビジネスディスカッションでは、暗黙のうちに次の構造が前提になっているからです。


  1. topic(何について話しているのか)
  2. issue(その中で何を判断すべきか)
  3. point(それに対してどんな意見・結論を出すか)

つまり、論点が置かれる「土台」が「topic」なのです。


日本人の中には、topicを軽視したり、曖昧にしたりする人も多いかもしれませんね。
しかし、英語ビジネスシーンでは、topicを明示しないで話すと、「議論の前提を共有していない」と受け取られてしまいます。


英語会議で評価される人は、いきなりissueやpointに飛びつきません。そこで、まずは以下のような表現を使って、議論の範囲を確定・固定しましょう。

Let’s confirm the topic first.
まず、議題を確認しましょう。
Are we still discussing pricing?
今は価格についての話で合っていますか?

topicをおさえずにissueやpointについて語ることはできないと、ぜひ把握しておいてください。


issue

日本語の「論点」にもっとも近いのは、「issue」という表現です。issueは「論点」以外に、「問題」「課題」などと訳されます。
まだ結論が出ていなくて、議論や判断が必要な「問い」というイメージです。


英語の会議では、「今、何について判断しようとしているのか」を明確にしないまま議論を進めることはほとんどありません。その中心に置かれるのがissueです。


issueの使い方としては、以下の例文を見てください。

The issue is cost.
論点はコストです。
The issue is whether we should proceed now.
今すぐ進めるべきかどうかが論点です。

ここで注意したいのは、issue自体は主張や結論ではないということです。
そのため、以下のような文は、ピントがずれた発言になってしまいます。

The issue is that we should reduce costs.
論点はコストを減らすべきだということです。

この文は文法的には成り立ちますが、内容としてはすでに「主張」を述べています。つまり、issueではなく、pointの話になってしまっているのです。


issue は「答え」ではなく「問い」を示す言葉であると念頭においておいてください。
以下のような表現を使いこなせるようにしておくとよいでしょう。

The key issue here is …
ここまでの論点は……です。
Let’s clarify the issue.
論点をはっきりさせましょう。

これらの表現を使えるだけでも、「議論をきちんとできる人」という印象を与えることができます。


(main)point

point は、日本語では「点」「ポイント」「要点」と訳されますが、ビジネス英語では特に
論点(issue)に対する「自分の主張・結論」を指す言葉として使われます。
issue が「まだ答えの出ていない問い」だとすれば、point は、その問いに対する「答え」
なのです。


以下はpointの使い方の例です。

My point is that the risk is too high.
私の主張は、リスクが高すぎるという点です。

この文では、「リスクが高い」という評価・判断を自分の立場として明確に示しています。
一方で、以下のような表現は、文法的には合っているものの、不自然な表現になってしまいます。

The point is whether we should proceed now.
今進むべきかが結論です。

この文は「問い」を投げかけているので、pointではなく、issueを使うべきですよね。


論点に関連する動詞

ここでは、論点について語る際に役立つ6つの動詞を紹介します。


  • clarify
  • define
  • narrow down
  • focus on
  • address
  • resolve

clarifyとdefineには「論点を明確にする」はたらき、narrow downとfocus onには「論点を絞る」はたらき、そして「address」と「resolve」には論点に決着をつけるはたらきがあります。


英語の会議において、「論点をはっきりさせる」ことができると、重要な発言ができる人として評価が高まります。
そして、話題になっている論点や議論について、曖昧さを取り除くときに使えるのがclarifyです。


たとえば、以下のような表現が使えます。

Let’s clarify the issue first.
まず論点を整理しましょう。
Just to clarify the issue, we’re talking about operating costs, not initial costs.
念のため整理すると、初期費用ではなく運用コストの話ですよね。

相手を否定せずに軌道修正できる、便利な表現といえます。


define

議論の最初や、枠組みを作りたい場面で使われるのがdefineです。
「何を議論の対象とするのか」、「何を含み、何を含まないのか」といった、論点の「境界線」を決める表現ともいえます。


以下のような表現が参考になるかと思います。

Let’s define the issue before we go into details.
詳細に入る前に、論点を定義しましょう。
We need to clearly define what the issue is.
何が論点なのかを明確に定義する必要があります。

narrow down

narrow down は、選択肢が多すぎる時・論点が広がりすぎている時に「検討対象を減らしていく」ニュアンスを持つ表現です。


以下のような表現が使えます。

We need to narrow down the issues.
論点を絞り込む必要があります。
Let’s narrow down the issue to cost and timeline.
論点をコストとスケジュールに絞りましょう。

focus on

focus on は、「注意・エネルギーを向ける」というイメージの動詞です。
話が脱線している時や、重要でない点に時間を使っている時に使われます。

Let’s focus on the main issue.
主要な論点に集中しましょう。
We should focus on what we can decide today.
今日決められることに集中すべきです。

基本的には、narrow down→focus onの順で、議論が進められます。


address

address は、論点や問題を正面から取り上げるというニュアンスを持ちます。
目の前の課題を無視せず、きちんと扱う姿勢を示す動詞です。


以下の例文をみてください。

Today, we need to address the cost issue.
今日はコストの問題に取り組む必要があります。
We haven’t addressed this issue yet.
この論点にはまだ対応できていません。

それぞれ「まだ結論は出ていないが、重要だと認識している」というニュアンスがあります。


resolve

resolve は、論点や問題を最終的に解決するという意味を持つ、やや強い動詞です。
未解決であることを示す時も、強めの意味になります。


以下の例文を参考にしてください。

This issue hasn’t been resolved yet.
この論点はまだ解決していません。
We need to resolve this issue as soon as possible.
できるだけ早くこの論点を解決する必要があります。

日本人が犯しがちなミス

ここでは、英語の議論に慣れていない日本人ビジネスパーソンが特に陥りがちなミスをまとめました。


  • 「論点」=point of discussionと言ってしまう
  • 「論点」=main pointという英訳で固定してしまう
  • topicについて話さずにいきなりissue・pointについて話す

それぞれどんなミスか、どんな解決法があるのか、詳しく見ていきましょう。


「論点」= point of discussion と言ってしまう

日本語の「論点」をそのまま英語に置き換えようとして、「point of discussion」という表現を使ってしまう人は少なくありません。


以下の例文を見てください。

The point of discussion is cost.

なんとなく通じそうに見えますが、英語のビジネスシーンではほとんど使われない、不自然な表現です。
日本語を直訳した印象が強く、「結局、何を判断したいのか」がはっきり伝わりません。
話しているのが「議題(topic)」なのか、「問題提起(issue)」なのか、「point(自分の主張)」なのか、曖昧なままなのです。


英語ビジネスシーンでは、「今、何を議論しているか、明確にすること」 が非常に重視されるため、この曖昧さは大きなマイナスになります。


以下のように言い換えましょう。

The issue is cost.
論点はコストです。

「論点」= main pointという英訳で固定してしまう

「論点」の和訳として、「main point」という表現はよく使われます。
ただし、「main point」が当てはまる状況は限られているので、使い分けには注意が必要です。


最初の章で解説した通り、「(main)point」は、「自分の主張」を表す言葉です。議論すべき「問い」を表す言葉ではありません。
そのため、以下のような文は、文法的には正しいものの、不自然な表現になってしまいます。

The main point is the budget.
私の主張は予算です。

この文を聞いた英語話者は、「予算について、何が言いたいの?」と感じてしまいます。
「論点」が「予算」であると言いたい時は、以下のように言い換えるとよいでしょう。

The issue is the budget constraints.
今回の論点は、予算に制約がある点です。

issueを使い、さらに漠然と「budget」とだけいうのではなく、論点を絞るのがおすすめです。


topicについて話さずにいきなりissue・pointについて話す

日本人が英語会議で犯しがちなミスが、topic(話題・議題)を明確にしないまま、いきなりissueやpointを述べてしまうケースです。

たとえば、英語ミーティングでいきなり以下のようなフレーズから話を切り出してはいないでしょうか。

Fiest, the main point is cost.
まず、論点はコストです。

何度もお伝えしているように、英語の議論では、暗黙のうちに、以下の順序が前提となっています。


topic → issue → point


topic は「論点」そのものではありませんが、論点が成立するための土台です。
この土台を飛ばすと、同じissueを話しているつもりでも、話がズレている、という状況が生まれます。


英語で議論を主導したいなら、まず「何について話しているのか」をおさえることが必要不可欠なのです。


まとめ

この記事では、「論点」として、3つの単語を紹介しました。


  • topic
  • issue
  • point

実際に「論点」と直訳できるのは「issue」や「(main)point」ですが「topic」も「論点」を語る上で欠かせない概念です。


日本語の「論点」は、話題や問題点・争点など、幅広い範囲を指すため、英語話者のように切り分けて考えるのはなかなか難しいですよね。


ただ、だからこそ、英語会議で「論点」をうまく整理し、議論をリードできる人材が、高い評価を得るのだともいえます。


ぜひ、「論点」を制して、あなたのリーダーシップを存分に発揮してください。

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ホール 奈穂子

株式会社ギャビーアカデミー代表取締役

元九州大学職員。TOEIC 990、IELTS 7.5(Speaking 8.0)を誇る、英語学習独学のスペシャリスト。27歳から英語を学び直し、自らの人生で英語習得がもたらす可能性を証明。米国赴任、留学プログラムや海外大学との共同学位取得プログラムの設計・運営に携わった経験から、日本人の英語学習における課題を深く理解し、効果的な学習方法を追求。その集大成として、東京大学と共同で、脳科学に基づいた独自の英語スピーキング習得メソッドを開発。現在カナダ・バンクーバーに在住。世界を舞台に活躍する日本人ビジネスパーソンの育成に情熱を燃やし、日本とバンクーバーを往復しながら精力的に活動中。趣味はカナダを舞台にしたサケ釣り。

© Gabby All rights reserved.