英語で議論をしていて、「リスニング・スピーキングはできているのに、なぜか話が噛み合わない」とか、「話の流れについていけない、置いて行かれた気がする」などと感じたことはないでしょうか。
もしかしたら、それは語彙力や文法力以外の問題かもしれません。
英語で「論点」を指す表現について、うまく切り分けができていない可能性があります。
日本語の「論点」という言葉は、幅広い範囲をカバーしています。
そのため、文脈から自然とどんなことが「論点」となっているか、文脈から類推することができます。
しかし、英語で「論点」について語る場合には常に、以下の3つをはっきりさせなければなりません。
- 何について話しているのか(topic)
- 判断すべき争点は何か(issue)
- 自分が主張したい点は何か(point)
そして、英語の議論では、topic→issue→pointの順に議論を進めるのが、いわば暗黙の了解となっています。
そのため、どこかの段階を省略したり、順番を間違えたりすると、議論が成立しなくなってしまうのです。
英語で「論点」について語るには

先ほどお伝えした通り、英語で「論点」について語る場合、以下の3つの言葉を把握する必要があります。
- topic
- issue
- (main) point
「論点」という視点に立つとどんな意味になるのか、それぞれ詳しく見ていきましょう。
topic
「topic」は、和訳すると「論点」というよりは「話題」や「テーマ」に近いですが、「論点」を語る上では欠かせない単語です。
なぜなら、先ほどお伝えしたように、英語のビジネスディスカッションでは、暗黙のうちに次の構造が前提になっているからです。
- topic(何について話しているのか)
- issue(その中で何を判断すべきか)
- point(それに対してどんな意見・結論を出すか)
つまり、論点が置かれる「土台」が「topic」なのです。
日本人の中には、topicを軽視したり、曖昧にしたりする人も多いかもしれませんね。
しかし、英語ビジネスシーンでは、topicを明示しないで話すと、「議論の前提を共有していない」と受け取られてしまいます。
英語会議で評価される人は、いきなりissueやpointに飛びつきません。そこで、まずは以下のような表現を使って、議論の範囲を確定・固定しましょう。
まず、議題を確認しましょう。
今は価格についての話で合っていますか?
topicをおさえずにissueやpointについて語ることはできないと、ぜひ把握しておいてください。
issue

日本語の「論点」にもっとも近いのは、「issue」という表現です。issueは「論点」以外に、「問題」「課題」などと訳されます。
まだ結論が出ていなくて、議論や判断が必要な「問い」というイメージです。
英語の会議では、「今、何について判断しようとしているのか」を明確にしないまま議論を進めることはほとんどありません。その中心に置かれるのがissueです。
issueの使い方としては、以下の例文を見てください。
論点はコストです。
今すぐ進めるべきかどうかが論点です。
ここで注意したいのは、issue自体は主張や結論ではないということです。
そのため、以下のような文は、ピントがずれた発言になってしまいます。
論点はコストを減らすべきだということです。
この文は文法的には成り立ちますが、内容としてはすでに「主張」を述べています。つまり、issueではなく、pointの話になってしまっているのです。
issue は「答え」ではなく「問い」を示す言葉であると念頭においておいてください。
以下のような表現を使いこなせるようにしておくとよいでしょう。
ここまでの論点は……です。
論点をはっきりさせましょう。
これらの表現を使えるだけでも、「議論をきちんとできる人」という印象を与えることができます。
(main)point

point は、日本語では「点」「ポイント」「要点」と訳されますが、ビジネス英語では特に
論点(issue)に対する「自分の主張・結論」を指す言葉として使われます。
issue が「まだ答えの出ていない問い」だとすれば、point は、その問いに対する「答え」
なのです。
以下はpointの使い方の例です。
私の主張は、リスクが高すぎるという点です。
この文では、「リスクが高い」という評価・判断を自分の立場として明確に示しています。
一方で、以下のような表現は、文法的には合っているものの、不自然な表現になってしまいます。
今進むべきかが結論です。
この文は「問い」を投げかけているので、pointではなく、issueを使うべきですよね。
論点に関連する動詞

ここでは、論点について語る際に役立つ6つの動詞を紹介します。
- clarify
- define
- narrow down
- focus on
- address
- resolve
clarifyとdefineには「論点を明確にする」はたらき、narrow downとfocus onには「論点を絞る」はたらき、そして「address」と「resolve」には論点に決着をつけるはたらきがあります。
英語の会議において、「論点をはっきりさせる」ことができると、重要な発言ができる人として評価が高まります。
そして、話題になっている論点や議論について、曖昧さを取り除くときに使えるのがclarifyです。
たとえば、以下のような表現が使えます。
まず論点を整理しましょう。
念のため整理すると、初期費用ではなく運用コストの話ですよね。
相手を否定せずに軌道修正できる、便利な表現といえます。
define
議論の最初や、枠組みを作りたい場面で使われるのがdefineです。
「何を議論の対象とするのか」、「何を含み、何を含まないのか」といった、論点の「境界線」を決める表現ともいえます。
以下のような表現が参考になるかと思います。
詳細に入る前に、論点を定義しましょう。
何が論点なのかを明確に定義する必要があります。
narrow down

narrow down は、選択肢が多すぎる時・論点が広がりすぎている時に「検討対象を減らしていく」ニュアンスを持つ表現です。
以下のような表現が使えます。
論点を絞り込む必要があります。
論点をコストとスケジュールに絞りましょう。
focus on
focus on は、「注意・エネルギーを向ける」というイメージの動詞です。
話が脱線している時や、重要でない点に時間を使っている時に使われます。
主要な論点に集中しましょう。
今日決められることに集中すべきです。
基本的には、narrow down→focus onの順で、議論が進められます。
address

address は、論点や問題を正面から取り上げるというニュアンスを持ちます。
目の前の課題を無視せず、きちんと扱う姿勢を示す動詞です。
以下の例文をみてください。
今日はコストの問題に取り組む必要があります。
この論点にはまだ対応できていません。
それぞれ「まだ結論は出ていないが、重要だと認識している」というニュアンスがあります。
resolve
resolve は、論点や問題を最終的に解決するという意味を持つ、やや強い動詞です。
未解決であることを示す時も、強めの意味になります。
以下の例文を参考にしてください。
この論点はまだ解決していません。
できるだけ早くこの論点を解決する必要があります。
日本人が犯しがちなミス

ここでは、英語の議論に慣れていない日本人ビジネスパーソンが特に陥りがちなミスをまとめました。
- 「論点」=point of discussionと言ってしまう
- 「論点」=main pointという英訳で固定してしまう
- topicについて話さずにいきなりissue・pointについて話す
それぞれどんなミスか、どんな解決法があるのか、詳しく見ていきましょう。
「論点」= point of discussion と言ってしまう
日本語の「論点」をそのまま英語に置き換えようとして、「point of discussion」という表現を使ってしまう人は少なくありません。
以下の例文を見てください。
なんとなく通じそうに見えますが、英語のビジネスシーンではほとんど使われない、不自然な表現です。
日本語を直訳した印象が強く、「結局、何を判断したいのか」がはっきり伝わりません。
話しているのが「議題(topic)」なのか、「問題提起(issue)」なのか、「point(自分の主張)」なのか、曖昧なままなのです。
英語ビジネスシーンでは、「今、何を議論しているか、明確にすること」 が非常に重視されるため、この曖昧さは大きなマイナスになります。
以下のように言い換えましょう。
論点はコストです。
「論点」= main pointという英訳で固定してしまう

「論点」の和訳として、「main point」という表現はよく使われます。
ただし、「main point」が当てはまる状況は限られているので、使い分けには注意が必要です。
最初の章で解説した通り、「(main)point」は、「自分の主張」を表す言葉です。議論すべき「問い」を表す言葉ではありません。
そのため、以下のような文は、文法的には正しいものの、不自然な表現になってしまいます。
私の主張は予算です。
この文を聞いた英語話者は、「予算について、何が言いたいの?」と感じてしまいます。
「論点」が「予算」であると言いたい時は、以下のように言い換えるとよいでしょう。
今回の論点は、予算に制約がある点です。
issueを使い、さらに漠然と「budget」とだけいうのではなく、論点を絞るのがおすすめです。
topicについて話さずにいきなりissue・pointについて話す
日本人が英語会議で犯しがちなミスが、topic(話題・議題)を明確にしないまま、いきなりissueやpointを述べてしまうケースです。
たとえば、英語ミーティングでいきなり以下のようなフレーズから話を切り出してはいないでしょうか。
まず、論点はコストです。
何度もお伝えしているように、英語の議論では、暗黙のうちに、以下の順序が前提となっています。
topic → issue → point
topic は「論点」そのものではありませんが、論点が成立するための土台です。
この土台を飛ばすと、同じissueを話しているつもりでも、話がズレている、という状況が生まれます。
英語で議論を主導したいなら、まず「何について話しているのか」をおさえることが必要不可欠なのです。
まとめ

この記事では、「論点」として、3つの単語を紹介しました。
- topic
- issue
- point
実際に「論点」と直訳できるのは「issue」や「(main)point」ですが「topic」も「論点」を語る上で欠かせない概念です。
日本語の「論点」は、話題や問題点・争点など、幅広い範囲を指すため、英語話者のように切り分けて考えるのはなかなか難しいですよね。
ただ、だからこそ、英語会議で「論点」をうまく整理し、議論をリードできる人材が、高い評価を得るのだともいえます。
ぜひ、「論点」を制して、あなたのリーダーシップを存分に発揮してください。
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ホール 奈穂子
株式会社ギャビーアカデミー代表取締役
元九州大学職員。TOEIC 990、IELTS 7.5(Speaking 8.0)を誇る、英語学習独学のスペシャリスト。27歳から英語を学び直し、自らの人生で英語習得がもたらす可能性を証明。米国赴任、留学プログラムや海外大学との共同学位取得プログラムの設計・運営に携わった経験から、日本人の英語学習における課題を深く理解し、効果的な学習方法を追求。その集大成として、東京大学と共同で、脳科学に基づいた独自の英語スピーキング習得メソッドを開発。現在カナダ・バンクーバーに在住。世界を舞台に活躍する日本人ビジネスパーソンの育成に情熱を燃やし、日本とバンクーバーを往復しながら精力的に活動中。趣味はカナダを舞台にしたサケ釣り。

