グローバルな取引が当たり前になった現在、物流は、もはや現場任せの業務ではなく、ビジネスの成果を左右する、重要な要素となっています。
特に海外の取引先やフォワーダー、倉庫業者とやりとりをする場面では、英語での正確なコミュニケーションが不可欠です。
しかし、一般的なビジネス英語は問題なく進められても、「出荷」「納期」「在庫」といった物流特有の用語や表現になると、自信が持てない方も多いのではないでしょうか。
物流に関する英語表現の使い方を誤ると、納期に誤解が生じたり、余計なコストが発生したりして、信頼関係の低下につながるかもしれません。
この記事では、物流にまつわる英語の重要表現を、例文とともに詳しく解説します。
「物流」に関して絶対におさえておきたい単語3選

「物流」は英語で logistics と表現するのがもっとも一般的です。
そして、物流の重要な要素である「輸送」と「配送」を指すのが「transportation」と「delivery」です。
- logistics:物流全体・しくみ
- transportation:移動・輸送そのもの
- delivery:顧客への届け渡し
それではまず、logisticsについて詳しくみていきましょう。
「物流」を指すもっとも一般的な英語は「logistics」

「物流」を意味するもっとも一般的な英語表現は、「logistics」です。
logisticsは、輸送、保管、在庫管理、配送計画などを含む、物流全体の仕組みやプロセスを指します。
個々の配送作業というよりも、戦略・管理の視点で使われるのが特徴です。
物流関連の英語表現はある程度パターン化されており、logisticsの場合、以下のような単語とペアで使われることが多いです。
- logistics cost / logistics costs
- logistics center
- logistics hub
- logistics network
- logistics operations
- logistics process
ちなみにlogisticsは不可算名詞であり、単独では、a logisticやa logisticsのような形はとりません。
ただ、別の名詞と組み合わせて、a logistic hubやlogistic costs(複数形)などといった形をとることはできます。
それでは、それぞれの表現の意味をざっと見ていきましょう。
logistics cost / logistics costs
logistics cost(s)とは、物流に関わるコスト全般をまとめて指す表現です。
輸送費・人件費や、在庫関連のコストなどを含みます。
単数形で「logistics cost」というと、概念・総称としての「物流コスト」を指し、複数形で「logistics costs」というと、「実際に発生している複数のコスト、数値・削減対象」を指すため、実務で使われるのは圧倒的に「costs」の方です。
具体的には、以下のような形で使われます。
今年の物流コストは増加しています。
物流コストの削減に取り組んでいます。
logistics center

logistics centerは、商品を一時的に保管し、仕分け・梱包・出荷などを行う物流業務の拠点を指します。
日本語の「物流センター」とほぼ同じ意味で使われ、英語でも非常に一般的な表現です。
具体的な使い方は、以下の例文を参考にしてください。
東京近郊に新しい物流センターを建設しました。
その物流センターは保管と出荷を担当しています。
logistics hub
logistics hubは、複数の物流ルートや物流拠点が集まり、モノの流れを統合・分配する中核となる拠点を指します。
単なる保管や出荷を行う logistics centerと異なり、logistics hubは地域・国・国際レベルでの物流をつなぐ役割を担います。
具体的な使い方は、以下の例文を参考にしてください。
シンガポールはアジアの主要な物流拠点です。
その会社はその都市を地域の物流拠点として利用しています。
logistics network

logistics networkとは、物流に関わる拠点や輸送ルートの「つながり全体」を指す言葉です。
実際の英語ビジネスシーンでは、以下のように使いましょう。
アジアで物流ネットワークを拡大しています。
強固な物流ネットワークは配送時間短縮に役立ちます。
logistics operations
logistics operationsは、物流に関わる日常的・実務的な業務全体を指します。
保管、在庫管理、仕分け、梱包、輸送手配など、現場で実際に行われる作業や運用が含まれます。
具体的な使い方は、以下の例文を参考にしてください。
物流業務を改善する必要があります。
その遅延は物流業務上の問題によって引き起こされていました。
logistics process
logistics processは、物流業務がどのような手順・流れ(プロセス)で行われているかを表す言葉です。
受注、在庫確認、出荷、輸送、納品までの一連の流れをまとめて指します。
logistics operationsが「現場で行われる日々の作業」を意味するのに対し、logistics process は 業務全体の流れを俯瞰して見る視点に重点があります。
そのため、改善や見直しの文脈でよく使われます。
具体的な使い方は、以下の例文を参考にしてください。
リードタイム短縮のために物流プロセスを見直しました。
物流プロセスを簡略化する必要があります。
「物流」を構成するその他の表現

ここでは、logistics(物流)の重要な要素2つを紹介します。
- transportation:輸送
- delivery:顧客への引き渡し
それぞれ詳しくみていきましょう。
transportation
transportationは、「物を運ぶ行為」そのものに焦点を当てた言葉です。トラック、船、航空便など、輸送手段や移動を指す時に使います。
具体的な使い方は、以下の例文を参考にしてください。
輸送は明日予定されています。
運送業者と輸送の手配をしました。
delivery
delivery は、商品を顧客や指定された場所に届ける行為そのものを指します。
物流全体(logistics)の中では、最後のステップにあたります。
logisticsやtransportationが「全体の仕組み」や「輸送」を表すのに対し、deliveryは「実際に届けること」「顧客に渡す瞬間」に焦点を当てた言葉です。
そのため、納期、遅延、品質といった話題とよく一緒に使われます。
具体的な使い方は、以下の例文を参考にしてください。
悪天候のため配送が遅れました。
この商品は翌日配送に対応しています。
日本語の場合、「物流」は、輸送・配送・保管・在庫などを含む幅広く抽象的な概念です。ただ、英語で「物流が滞っていまして」という意図で「logistics is late.」などと言っても、意味が通じません。
物流の「どの段階で」「何が」滞っているのか、明確に伝える必要があるのです。
たとえば、配送が滞っている場合は、「The delivery is delayed.」などという表現を使うとよいでしょう。
物流に似た意味を持つ表現

この章では、「物流」と似た意味を持つ言葉を紹介します。
- supply chain / Supply Chain Management(SCM)
- distribution
それぞれ詳しく見ていきましょう。
supply chain / Supply Chain Management(SCM)
「supply chain」は、原材料の調達から、製造・在庫管理・物流・販売までの、「商品が顧客に届くまでの全体の流れ」を指します。
そして「Supply Chain Management(SCM」 は、その supply chain全体を計画・管理・最適化する考え方や取り組みのことです。
物流(logistics)は、SCMの中の一部の機能にあたります。
日本語では「物流」と「supply chain」が混同されがちですが、英語ではlogisticsとsupply chainは必ずしも同義ではなく、後者はより広い経営・戦略の概念として使われます。
具体的には、以下のように使います。
その会社はサプライチェーン全体の効率化を改善しています。
優れたSCMは物流の効率を高めます。
distribution

「distribution(流通)」は、商品を市場や販売チャネルに行き渡らせることを指します。
物流(logistics)が「保管・輸送・配送」といった物理的な動きに焦点を当てるのに対し、distribution は 「どこで・どう売るか」 という、販売側の視点に立った言葉です。
そのため、distribution はマーケティングや営業戦略と一緒に語られることが多く、必ずしも物流と同義ではありません。
具体的には、以下のように使われます。
その会社はアジアで流通網を拡大しました。
流通戦略は商品の入手しやすさに影響します。
physical distributionについて
physical distribution は、商品を物理的に移動・保管・配送する活動を指す表現です。
かつては「物流」を表す言葉として使われていましたが、現在はほとんどの場合、logisticsに置き換えられています。
そのため、現代の実務では physical distribution という言葉を使う場面はあまりありません。
ただ、古い資料・学術文献・マーケティング理論などの場面で見かける可能性はあります。
物流に関連する重要表現

ここでは、物流に関係の深い2つの単語を紹介します。
- inventory(在庫)
- shipment(出荷)
それぞれ詳しく見ていきましょう。
inventory
inventory は、倉庫や店舗などに保管されている商品や原材料の数量を指します。
物流の文脈では、inventoryの量や管理方法が物流コスト、納期、キャッシュフローに大きく影響します。
在庫が多すぎれば保管コストが増え、少なすぎれば欠品のリスクが高まります。
そのため、inventoryは「管理(management)」・「水準(level)」といった表現と一緒によく使われます。
以下の例文を参考にしてください。
在庫水準を下げる必要があります。
在庫管理は物流効率にとって重要です。
shipment
shipment は、商品を出荷する行為、または出荷された荷物そのものを指します。
物流(logistics)の中では、「1回分の発送」や「特定の出荷単位」を表す言葉として使われます。
inventoryが「保管」の段階を指すのに対し、shipment は「倉庫や工場から商品が送り出されるタイミング」に焦点を当てています。
具体的な使い方は、以下の例文を参考にしてください。
その出荷は今日、倉庫を出発します。
その出荷をオンラインで追跡しています。
まとめ

日本語の「物流」は、「輸送」「出荷」「納品」「管理」など、幅広い範囲を指す言葉です。
「物流」を指すもっとも一般的な英語表現はlogisticsですが、そのほかにも以下の表現を使い分ける必要があります。
- transportation:輸送・配送
- delivery:顧客への引き渡し
物流に関して語る上で大切にしてほしいのは、「文法的正確さ」より、「情報を正確に伝えること」です。
たとえば、「The logistics is late.(物流が遅れています)」という文は、文法的には正しいですが、意味は通じません。
「The shipment is late.(出荷が遅れています)」や「The delivery is delayed.(納品が遅れています)」などと、「何が遅れているのか」はっきりと明示すべきです。
ただ、物流に関するやりとりは、慣れればある程度パターン化できるので、とにかく実践の場でガンガン使ってみてください。
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ホール 奈穂子
株式会社ギャビーアカデミー代表取締役
元九州大学職員。TOEIC 990、IELTS 7.5(Speaking 8.0)を誇る、英語学習独学のスペシャリスト。27歳から英語を学び直し、自らの人生で英語習得がもたらす可能性を証明。米国赴任、留学プログラムや海外大学との共同学位取得プログラムの設計・運営に携わった経験から、日本人の英語学習における課題を深く理解し、効果的な学習方法を追求。その集大成として、東京大学と共同で、脳科学に基づいた独自の英語スピーキング習得メソッドを開発。現在カナダ・バンクーバーに在住。世界を舞台に活躍する日本人ビジネスパーソンの育成に情熱を燃やし、日本とバンクーバーを往復しながら精力的に活動中。趣味はカナダを舞台にしたサケ釣り。

