2023.11.18英語学習・フレーズ

英語4技能とは何か|4つの技能をバランスよく伸ばすコツとおすすめ資格試験

近年のグローバル化により、英語力はますます重要になっています。

世界に通用する本質的な英語力を身につけるには、英語4技能をバランス良く伸ばすことが不可欠です。

この記事では、英語4技能が求められている背景や、英語4技能を測ることができる主要資格試験、英語4技能をバランス良く伸ばす勉強法についてわかりやすく解説します。

実践的な英語力を身につけたい方は、ぜひ参考にしてください

英語4技能とは



英語4技能とは、英語の「読むスキル(リーディング)」・「書くスキル(ライティング)」・「聞くスキル(リスニング)」・「話すスキル(スピーキング)」の4つのスキルを指します。

読むスキル(リーディング)とは、英語の文章を読んで、素早く正確に理解する能力のことです。
日本語を介さずに英語の文章を英語のまま理解できる、いわゆる「英語脳」を鍛えることが重要になります。

書くスキル(ライティング)は、頭にインプットされている文法と語いの知識を使って、英語の文章を生成する能力のことです。
文法的に正しい文章を書くことだけでなく、論理的で明快な文章を生成することが求められます。

聞くスキル(リスニング)は、話し手の英語を聞き取って正しく理解する能力で、英語でのコミュニケーションに不可欠といえます。

話すスキル(スピーキング)は、自分の考えや意見を相手に伝えて理解してもらう能力、つまり英語を使ってコミュニケーションをとる能力のことです。

英語4技能が重視されている背景



それでは、なぜ近年「英語4技能」の重要性が叫ばれるようになったのでしょうか。
以下ではその理由を分析します。

英語でのコミュニケーション能力が求められているから


日本の英語教育では、伝統的に「読む」スキルと「書く」スキルの習得が重視されてきました。
英語学習の目的も、主に「テストや試験でよい成績をおさめるため」や「英検・TOEICハイスコアを取得して就職につなげるため」など、実践とはかけ離れていました。

しかし、近年のグローバル化に伴い、日常生活やビジネスの場で、コミュニケーションのツールとして英語を使える人材が求められるようになりました。

英語をコミュニケーションの手段として使いこなすには、「読む」スキルと「書く」スキルだけではなく、「聞く」スキルと「話す」スキルを加えた、英語4技能をバランス良く身につける必要があるのです。

文科省の学習指導要領にも「英語4技能」の記述が



文部科学省の学習指導要領では、従来から英語4技能が重要視されていました。

そして新しい学習指導要領(小学校では2020年度、中学校では2021年度から全面実施、高校では2022年度の入学生から年次進行の形で実施)は英語4技能がより一層重視される形になっています。

これまで英語能力は、日本で生活していく上で必要不可欠なものではありませんでした。
「将来は英語を使って社会で活躍をしたい」と考えている学生のみが、英語を集中的に学ぶ傾向が強かったといえます。

しかし、新しい学習指導要領では、すべての子どもたちがバランスよく4技能を身につけることが求められているのです。

文科省の具体的な計画では、中学生がCEFR(セファール、後のセクションで説明)のA1レベルを習得することを目指しています。
CEFRのA1レベルは英検では3級、TOEICのL&Rテストでは300点以上に相当するスコアになります。
高校生は、A2レベル(英検の準2級レベル相当、TOEIC600点以上相当)を身につけることが目標とされています。

参考:

文部科学省「平成29年7月告示小学校学習指導要領(平成29年告示)解説外国語活動・外国語編」


大学入試でも英語4技能が重視されている


従来から、高等学校の学習指導要領では、英語の4技能を総合的に学習することが定められてきました。
しかし、大学入試センター試験では、英語の4技能をバランスよく測定できていませんでした。

大学入試センター試験が共通テストに変更された今でも、英語の4技能すべてを判定するのは難しいのが現状です。

そのため、一部の大学では英検やTOEICなどの外部試験をもって英語試験の成績に替えるシステムを導入しているケースもあり、大学入試の現場でも英語4技能の習得がますます重視されるようになっています。

CEFRとは



「その言語を使って何ができるか」の指標として、欧米で採用されているのが「CEFR(セファール)」です。
CEFRでは各言語レベルについて具体的に「何ができるか」が設定されています。

言語使用者レベル

自立した言語使用者 C2 聞いたり読んだりした、ほぼ全てのものを容易に理解することができる。いろいろな話し言葉や書き言葉から得た情報をまとめ、根拠も論点も一貫した方法で再構築できる。自然に、流暢かつ正確に自己表現ができる。
C1 いろいろな種類の高度な内容のかなり長い文章を理解して、含意を把握できる。言葉を探しているという印象を与えずに、流暢に、また自然に自己表現ができる。社会生活を営むため、また学問上や職業上の目的で、言葉を柔軟かつ効果的に用いることができる。複雑な話題について明確で、しっかりとした構成の、詳細な文章を作ることができる。
自立した言語使用者 B2 自分の専門分野の技術的な議論も含めて、抽象的な話題でも具体的な話題でも、複雑な文章の主要な内容を理解できる。母語話者とはお互いに緊張しないで普通にやり取りができるくらい流暢かつ自然である。幅広い話題について、明確で詳細な文章を作ることができる。
B1 仕事、学校、娯楽などで普段出会うような身近な話題について、標準的な話し方であれば、主要な点を理解できる。その言葉が話されている地域にいるときに起こりそうな、たいていの事態に対処することができる。身近な話題や個人的に関心のある話題について、筋の通った簡単な文章を作ることができる。
基礎段階の言語使用者 A2 ごく基本的な個人情報や家族情報、買い物、地元の地理、仕事など、直接的関係がある領域に関しては、文やよく使われる表現が理解できる。簡単で日常的な範囲なら、身近で日常の事柄について、単純で直接的な情報交換に応じることができる。
A1 具体的な欲求を満足させるための、よく使われる日常的表現と基本的な言い回しは理解し、用いることができる。自分や他人を紹介することができ、住んでいるところや、誰と知り合いであるか、持ち物などの個人的情報について、質問をしたり、答えたりすることができる。もし、相手がゆっくり、はっきりと話して、助けが得られるならば、簡単なやり取りをすることができる。
出典:

ブリティッシュ・カウンシル(ケンブリッジ大学英語検定機構)



日本の学校の英語の授業でも、「〜できる」という表現で学習目標が設定されており、CEFRが到達目標の基準となっています。
CEFRの指標を意識して英語を学ぶことで、世界に通用する英語力を習得することができるといえます。

英語4技能を身につけるには



英語4技能をバランスよく鍛えるには、スキルを学ぶ適切な順番を意識するのが効果的です。

赤ちゃんが母語を学ぶ時には、周囲の人の声を聴き、自分でも発話し、その後に読み・書きを覚えます。
しかし、大人の第二言語習得では順番が少し違います。
第二言語習得では、「聞く・読む(インプット)」が先行し、充分なインプットを経て、「話す・書く(アウトプット)」につながります。

例えば、インプットのトレーニング量が乏しい状況で英会話(アウトプット)のレッスンに臨んでも、十分な効果は得られません。

アウトプットのトレーニングを効果的に行うには、充分なインプットのトレーニングが前提となるのです。

そして、インプットのトレーニングを行う前提として、最低限の文法・語彙の基礎知識が必要になります。

つまり、基礎→インプット→アウトプットという順番を意識してトレーニングしていくと、4技能をバランスよく伸ばすことができるのです。

英語4技能を測定するテスト



英語4技能を測るテスト


英語の4技能を測るおもな語学検定試験は、以下の7つがあります。

● ケンブリッジ英語検定
● 実用英語技能検定
● TOEIC®
● TOEFL iBT®
● IELTS
● GTEC
● TEAP

ケンブリッジ英語検定は、CEFRを規定しているブリティッシュ・カウンシルが実施しているテストで、多くの機関が英語力の指標として採用しています。

「英検」として知られる実用英語技能検定は、試験結果は合格・不合格で示されますが、成績表にはCEFRに対応した「英検CSEスコア」が記載されます。

TOEICは、一般的に知られているTOEIC L&Rテスト(リスニングとリーディングのスキルを測定するテスト)以外に、S&Wテスト(スピーキングとライティングのスキルを測定するテスト)が実施されています。

そのほか、TOEFL iBTやIELTSなど、英語圏の大学への進学や英語圏の移住を目指す人向けのテストが実施されています。

スピーキング力を測るテスト


英語4技能の中でも、日本の英語教育で最も必要とされている「スピーキング力」を測定するテストとしておすすめなのがVERSANTです。

VERSANT Speaking Testは、スピーキング力の指標として世界的に採用されているテストで、インターネット環境さえあれば、簡単にスピーキング力を測定できます。

採点は20点から80点満点で行われ、79〜80点がCEFRのC2レベル、69〜78点がC1レベルなどCEFRとの対応もチェックできます。

参考:

VERSANT スコア活用法


VERSANTでは高精度AIが採点を行うため、試験官の主観による偏りがなく、客観性の高い採点が行われます。
人の手による採点を経ないため、試験終了から数分で試験結果を確認することができます。

外資系企業や世界中の政府機関などへの転職を目指す際には、VERSANTのスコアで英語力をアピールするのがおすすめです。

まとめ:英語4技能をバランスよく鍛えよう



英語4技能をバランスよく伸ばすのは、とても重要です。

一般的に「TOEIC」と呼ばれている「TOEIC L&R テスト」の対策を頑張って、ハイスコアをマークしても、英会話ができないというケースはよくあります。

いくら単語や文法の知識を豊富に持っていても、英語でコミュニケーションが取れないのでは、意味がありませんよね。

その一方で、「TOEICは400点台だけれど英語はペラペラ」というケースも聞きます。

しかし、それは「英語がペラペラに見える」だけで、話している内容は充実していない場合が多いです。

読む・書く・聞く・話す、どのスキルが欠けていても、本当に英語を運用する能力があるとはいえません。

また、それぞれのスキルはリンクしており、例えば、聞くスキルを伸ばせば話すスキルも伸びますし、読むスキルも伸びます。

冒頭で例に挙げた「TOEICでハイスコアをマークしているけれど英語が話せない」人は、いざスピーキングのトレーニングを始めると、英語の基礎知識が乏しい人に比べて、爆発的な成長を見せるといいます。

TOEIC対策で学んだことがムダにはなるわけではありません。

しかし、4技能を別個に鍛えるのではなく、バランスよく鍛えた方が、それぞれの相乗効果によって、より最短距離で英語運用能力が身につけることができるといえます。

これから英語学習を始めようという人は、ぜひ英語4技能をバランス良く学ぶよう心がけてください。


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