日本のビジネスシーンでは、よく「この商品の魅力は〜です」「当社の魅力は〜です」といった表現を使います。
英語ビジネスシーンだと、こうした場面で真っ先に「attractive」という単語を選んでしまう方も多いのではないでしょうか。
もちろん「attractive」でも間違いではありませんが、ビジネスの交渉やプレゼンの場では、「具体的で論理的な根拠に欠ける、抽象的で弱い言葉」として受け取られてしまうリスクがあります。
なぜなら、グローバルなビジネス環境において求められる「魅力」とは、単なる主観的な感想ではないからです。
必要なのは、「相手にとってどのような価値(value)や利益(benefit)があるのか」という客観的な事実です。
そのため、英語ビジネスシーンで「魅力」について語る時は、シーンに応じて様々な表現を使い分ける必要があるのです。
この記事では、「魅力」という一つの日本語を、英語ビジネスシーンで通用する「論理的な武器」へと変換するための7つの表現を詳しく紹介します。
また、良かれと思って使ってしまいがちな、注意が必要な3つのNG表現についても解説します。
ご自身の手がける商品・サービスの魅力や真価を、国際社会で正しく強く発信したい方は、ぜひ参考にしてください。
英語ビジネスシーンで使える「魅力」の英語7選

この章では、英語ビジネスシーンで「魅力」を語る際に使い分けたい7つの表現を紹介します。
| value | 価値 |
| appeal | 相手をひきつける魅力 |
| selling point | 売るための魅力 |
| feature | 機能としての魅力 |
| benefit | それを使うことで得られる魅力 |
| advantage | 比較によって得られる魅力 |
| differentiator | 他社との違いとしての魅力 |
それぞれ日本語では「魅力」の一言で済んでしまう概念ですが、英語では「どんなことが優れているのか」・「どの点で顧客・取引先にとってメリットがあるのか」を明示する必要があるのです。
具体的にどのように言えばいいか、例文とともにそれぞれの表現を見ていきましょう。
value
ビジネス英語において、「魅力」を表す言葉として最も中心的な役割を果たすのが「value」という表現です。
英語ビジネスシーンでは、「魅力的です」と感覚的に伝えるよりも、「どのような価値を提供できるか」が重視されます。
そのため、日本語で「この商品の魅力は〜です」と言いたい時は、valueを使うとうまくいくことが多いのです。
以下の例文を参考にしてください。
この製品の魅力は、信頼性です。
その魅力は、シンプルなことです。
また、valueとセットで覚えておきたいのが、「value proposition(価値提案)」という表現です。
value propositionとは、「誰に」「どんな価値を提供できるか」「それがなぜ重要か」を明確にすることです。
以下の例文を参考にしてください。
私たちは、自社の価値提案を顧客に明確に伝えています。
この価値提案は、実際のビジネス課題に対応しています。
appeal

appealは日常英会話でもよく使われますが、英語ビジネスシーンにおいては、「聞き手目線の魅力」という意味合いを持ちます。
日本語の「魅力があります」という言葉は話し手の主観を含みやすいですが、appealは「市場・顧客・対象者から見た魅力」を客観的に表します。
以下の例文を参考にしてください。
この製品は、中小企業にとって強い魅力があります。
さまざまな年齢層に魅力があります。
ちなみに、日本のビジネスシーンでは、「幅広い層に魅力がある」という表現がよく使われますが、英語ビジネスシーンでは、ターゲットとなる対象を明確にするのも重要です。
selling point
「selling point」は、日本語で言う「ウリ」に近い表現です。sales pointという言い方の方が、日本人にはなじみが深いかもしれませんね。
英語ビジネスシーンでは、「魅力があります」と抽象的に述べるよりも、「何がウリになるのか」を具体的に示すことが求められます。
そのため、selling pointは営業やマーケティングの場面でよく使われます。
selling pointを使う場合は、顧客に選ばれる理由、競合と比べた時の強みなどを端的に示すことが求められます。
以下の例文を参考にしてください。
私たちの主なセールスポイントの1つは、使いやすさです。
このモデルのセールスポイントは、なんといってもお求めやすい価格です。
ちなみにselling pointは、複数形で使われることも多く、商品やサービスの魅力をいくつかの観点に分けて整理する際にも便利です。
feature

featureは、商品やサービスの「機能・特性」という意味の言葉です。
「魅力」そのものを指すわけではありませんが、商品・サービスの「魅力」を客観的に説明することができます。
特に、製品説明、資料、Webサイトなどで使われる表現です。4
以下の例文を参考にしてください。
このソフトウェアには、いくつかの便利な機能があります。
特に重要な機能の一つが、リアルタイムでのデータ分析です。
上の例文でも挙げたように、いくつかある機能の中でも、特に重要なものを強調したい場合には、「key feature」や「best feature」といった表現が使われます。
以下の例文も参考にしてください。
この製品の大きな特長の一つは、高い拡張性にあります。
このツールの最大の特長は、直感的に使えるインターフェースです。
ただ、注意したいのは、featureは、必ずしも「魅力」そのものではないということです。
機能を並べるだけでは、聞き手は「それがどうしたの?」と思ってしまうだけです。
そのため、featureを使う際は、「benefit(それを使うことで得られる魅力)」と組み合わせて提示するのがおすすめです。
たとえば、以下のような形です。
主な機能は自動化で、手動による工程を減らします。
このように、「機能」だけでなく、「その結果、どんなメリットがあるか」を示すことで、featureが「魅力」としての役割を果たします。
以下の例文も参考にしてください。
リアルタイムでデータにアクセスできることの魅力は、より良い意思決定につながる点です。
この機能の魅力は、精度が向上することです。
benefit

benefitは、いわば「それを使うことで得られる魅力」で、featureとよくセットで使われます。
featureを使って機能や特徴を説明したあと、benefitを使って、相手にどんなメリットがあるのか、なにが得られるのか説明します。
営業、提案、プレゼンなど、あらゆるビジネスシーンで使われる表現です。
日本語のプレゼンテーションでは、機能や仕組みの説明をしたあとに、「以上がこの商品(サ-ビス)の魅力です」とまとめてしまいがちですよね。
一方で、英語ビジネスシーンでは、「結果としてどんなメリットがあるのか」を明確に言語化する必要があります。
以下の例文を参考にしてください。
顧客にとっての大きな魅力は、対応スピードの速さです。
企業にとっての魅力は、柔軟性の高さです。
benefitについて語る時は、常に「相手視点で語ること」を心がけましょう。
自分にとって便利かどうかではなく、顧客・利用者・取引先にどんなことが魅力なのか、示す必要があります。
また、先ほどもお伝えした通り、benefitはfeatureと組み合わせて使うと効果的です。
以下の例文を参考にしてください。
主な機能は一元管理で、業務効率を向上させます。
主な機能の1つはクラウドアクセスで、リモートワークをサポートします。
製品やサービスを紹介したり、プレゼンを行ったりするときだけでなく、自身の思考を整理する時も、自分が扱っている製品・サービスにどんなfeatureとbenefitがあるかまとめるのがおすすめです。
advantage

advantage は、「他と比べたときに有利な点」という意味での「魅力」を指す言葉です。
日本のビジネスシーンでは、単に「強み」「魅力」と言ってしまいがちですが、英語では「何に対して、どこが有利なのか」を明確にすることが求められます。
以下の例文を参考にしてください。
これが、競合他社に対する明確な強みになります。
スピードは、当社が競合と比べて優位に立てるポイントの1つです。
advantageについて語る時は、主観的な感想ではなく、価格、スピード、品質、スケール、専門性など、比較可能な他者を想定しながら話しましょう。
ちなみにadvantageは、competitive advantage(競争優位)という形で使われることも多いです。
以下の例文を参考にしてください。
コスト効率の高さは、当社の重要な競争優位です。
当社のグローバルネットワークは、地域企業に対する競争優位となっています。
differentiator
「differentiator(差別化)」は、「他と違う点」「差別化要因」という意味での「魅力」を指す表現です。
英語のビジネスシーンでは「なぜそれが選ばれるのか」を端的に表すために使われます。
以下の例文を参考にしてください。
カスタマーサポートは、当社にとって重要な差別化要因です。
この市場では、技術力が大きな差別化要因になっています。
differentiatorはadvantageと似ていますが、differentiatorがたくさん存在する必要はなく、「他も同じ条件を満たしている中で、何が決定的に違うのか、その1点」をハイライトする言葉といえます。
英語ビジネスシーンで注意したい「魅力」の英語3選
ここでは、「魅力」を指す表現の中でも、英語ビジネスシーンで誤解を生みやすいものを3つ紹介します。
- attractive
- charming
- fascinating
それぞれ詳しく見ていきましょう。
attractive
「魅力的な」という言葉の和訳として、真っ先に思い浮かぶのは、「attractive」という単語かもしれません。
実際、日常英会話ではよく使われる言葉ですが、ビジネスシーンで使う際には注意が必要です。
なぜなら、attractiveが指す「魅力」は抽象的なニュアンスを持っていて、「何が魅力的なのか」「なぜ魅力的なのか」が伝わりにくいからです。
たとえば、以下の文を見てください。
この文は、「魅力的な解決策です」と言っているだけで、判断材料にはなりません。
以下のような文を使うのも、おすすめできません。
このような言い方では、「なぜそう思うのか」が分からず、説明が不充分です。
実際の英語ビジネスシーンでは、attractiveを使う代わりに、具体的に魅力の中身を伝える言い方が好まれます。
先ほどの2つの文であれば、以下のように言い換えるのがおすすめです。
コスト面ではっきりとメリットのある解決策です。
この提案の魅力は、リスクが低い点です。
charming

「魅力的な」の英訳として、「charming」を思いつく方も多いのではないでしょうか。
こちらも日常英会話ではよく使われますが、ビジネスシーンではかなり使いづらい言葉です。
というのも、charmingが表すのは、「主観的な好意」や「カジュアルな評価」です。
それに対して、商品やサービスへの評価には、合理性が求められます。
そのため、ビジネスシーンでcharmingを使うと、「軽い」「評価軸があいまい」と受け取られてしまうのです。
たとえば、以下の文を見てください。
この文は、「印象の良い提案ですね」とも「かわいらしい提案ですね」といった意味にもとれ、何を言いたいのかよく分かりません。
以下のような文も、使うのは避けた方がよいでしょう。
この文は、「your idea」をほめているようで、実質的に何をほめているのかが伝わりません。
実際の英語ビジネスシーンでは、charmingを使う代わりに、何が評価されているのか、明確にする表現が好まれます。
先ほどの2つの文であれば、たとえば以下のように言い換えるとよいでしょう。
きちんとした構成のご提案で、分かりやすいです。
そのアイディアは、ターゲット顧客にとってのメリットがはっきりしていますね。
fascinating

「魅力的な」の英訳として「fascinating」を思いつく方も多いかもしれませんね。
fascinatingは「とても興味深い」「強く関心を引く」という意味をもち、話題・アイデアなどに対する知的な関心を表すときによく使われます。
一見英語ビジネスシーンにふさわしい語彙にも思えますが、実際にはビジネス上の「評価」とは別物として扱われる言葉です。
というのも、fascinatingが指すのは「面白い」・「発想がユニーク」・「話として興味深い」といった評価です。
英語ビジネスシーンで重要な、「採用したい」・「価値がある」・「競争で優位になる」という評価ではありません。
そのため、ビジネスの場で fascinatingと言われた場合、「前向きに検討してはいるが、まだ判断していない」というニュアンスが強くなります。
そのため、以下のような表現を使うと、誤解を生みかねません。
「魅力的なアイディアですね!」というつもりでこのように言っても、実際には「発想は面白いと思うが、実行するかは別ですね」という印象を与えてしまうかもしれません。
以下のような言い方にも、注意が必要です。
こちらも、「魅力的なアプローチですね」という和訳になりますが、実際には、「興味はあるが、評価には至っていない」といったニュアンスが伝わってしまいます。
つまり、日本人話者が「すごくいい!」というつもりで使っても、英語話者は「まだ検討段階なんだな」だと受け取る可能性があるのです。
本当に「魅力がある」「評価している」と伝えたいなら、以下のように伝えましょう。
そのアイディアには、事業としての高い可能性があります。
このアプローチには、明確な価値があると考えています。
きちんと言語化するのが、英語ビジネスシーンでの「賞賛」の流儀です。
まとめ

この記事では、英語ビジネスシーンで「魅力」を語る際に使い分けたい7つの表現を紹介しました。
- value
- appeal
- selling point
- feature
- benefit
- advantage
- differentiator
日本のビジネスシーンでは「魅力」の一言で済んでしまう概念ですよね。
でも、英語ビジネスシーンでは、「どこが優れているのか」「どの点で顧客・取引先にメリットがあるのか」をはっきり言語化しなければなりません。
漠然と「魅力的な商品なんです」というのではなく、どういうところに魅力があるのか、その魅力を、まずは分解して考えましょう。
そして、その商品が魅力的な「理由」と「価値」を伝えられるようにしましょう。
あなたが提供する商品・サービスの価値は、きっと魅力的です。
しかし、その魅力を英語で十分に伝えられないのは、もったいないことです。
ぜひ、世界にその魅力を堂々と伝えて、国際社会でそのパフォーマンスを存分に発揮してください。
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ホール 奈穂子
株式会社ギャビーアカデミー代表取締役
元九州大学職員。TOEIC 990、IELTS 7.5(Speaking 8.0)を誇る、英語学習独学のスペシャリスト。27歳から英語を学び直し、自らの人生で英語習得がもたらす可能性を証明。米国赴任、留学プログラムや海外大学との共同学位取得プログラムの設計・運営に携わった経験から、日本人の英語学習における課題を深く理解し、効果的な学習方法を追求。その集大成として、東京大学と共同で、脳科学に基づいた独自の英語スピーキング習得メソッドを開発。現在カナダ・バンクーバーに在住。世界を舞台に活躍する日本人ビジネスパーソンの育成に情熱を燃やし、日本とバンクーバーを往復しながら精力的に活動中。趣味はカナダを舞台にしたサケ釣り。

