2026.01.29英語ビジネス

「Attractive」では伝わらない?英語ビジネスシーンで「商品・サービスの魅力」を論理的に語る7つの表現

日本のビジネスシーンでは、よく「この商品の魅力は〜です」「当社の魅力は〜です」といった表現を使います。
英語ビジネスシーンだと、こうした場面で真っ先に「attractive」という単語を選んでしまう方も多いのではないでしょうか。


もちろん「attractive」でも間違いではありませんが、ビジネスの交渉やプレゼンの場では、「具体的で論理的な根拠に欠ける、抽象的で弱い言葉」として受け取られてしまうリスクがあります。


なぜなら、グローバルなビジネス環境において求められる「魅力」とは、単なる主観的な感想ではないからです。
必要なのは、「相手にとってどのような価値(value)や利益(benefit)があるのか」という客観的な事実です。
そのため、英語ビジネスシーンで「魅力」について語る時は、シーンに応じて様々な表現を使い分ける必要があるのです。


この記事では、「魅力」という一つの日本語を、英語ビジネスシーンで通用する「論理的な武器」へと変換するための7つの表現を詳しく紹介します。
また、良かれと思って使ってしまいがちな、注意が必要な3つのNG表現についても解説します。


ご自身の手がける商品・サービスの魅力や真価を、国際社会で正しく強く発信したい方は、ぜひ参考にしてください。


英語ビジネスシーンで使える「魅力」の英語7選

この章では、英語ビジネスシーンで「魅力」を語る際に使い分けたい7つの表現を紹介します。


value価値
appeal相手をひきつける魅力
selling point売るための魅力
feature機能としての魅力
benefitそれを使うことで得られる魅力
advantage比較によって得られる魅力
differentiator他社との違いとしての魅力

それぞれ日本語では「魅力」の一言で済んでしまう概念ですが、英語では「どんなことが優れているのか」・「どの点で顧客・取引先にとってメリットがあるのか」を明示する必要があるのです。
具体的にどのように言えばいいか、例文とともにそれぞれの表現を見ていきましょう。


value

ビジネス英語において、「魅力」を表す言葉として最も中心的な役割を果たすのが「value」という表現です。
英語ビジネスシーンでは、「魅力的です」と感覚的に伝えるよりも、「どのような価値を提供できるか」が重視されます。
そのため、日本語で「この商品の魅力は〜です」と言いたい時は、valueを使うとうまくいくことが多いのです。


以下の例文を参考にしてください。

The value of this product is its reliability.
この製品の魅力は、信頼性です。
The value lies in its simplicity.
その魅力は、シンプルなことです。

また、valueとセットで覚えておきたいのが、「value proposition(価値提案)」という表現です。
value propositionとは、「誰に」「どんな価値を提供できるか」「それがなぜ重要か」を明確にすることです。


以下の例文を参考にしてください。

We clearly communicate our value proposition to customers.
私たちは、自社の価値提案を顧客に明確に伝えています。
The value proposition addresses a real business need.
この価値提案は、実際のビジネス課題に対応しています。

appeal

appealは日常英会話でもよく使われますが、英語ビジネスシーンにおいては、「聞き手目線の魅力」という意味合いを持ちます。
日本語の「魅力があります」という言葉は話し手の主観を含みやすいですが、appealは「市場・顧客・対象者から見た魅力」を客観的に表します。


以下の例文を参考にしてください。

This product has strong appeal to small businesses.
この製品は、中小企業にとって強い魅力があります。
It has broad appeal across different age groups.
さまざまな年齢層に魅力があります。

ちなみに、日本のビジネスシーンでは、「幅広い層に魅力がある」という表現がよく使われますが、英語ビジネスシーンでは、ターゲットとなる対象を明確にするのも重要です。


selling point

「selling point」は、日本語で言う「ウリ」に近い表現です。sales pointという言い方の方が、日本人にはなじみが深いかもしれませんね。


英語ビジネスシーンでは、「魅力があります」と抽象的に述べるよりも、「何がウリになるのか」を具体的に示すことが求められます。
そのため、selling pointは営業やマーケティングの場面でよく使われます。


selling pointを使う場合は、顧客に選ばれる理由、競合と比べた時の強みなどを端的に示すことが求められます。

以下の例文を参考にしてください。

One of our key selling points is ease of use.
私たちの主なセールスポイントの1つは、使いやすさです。
Price is a major selling point for this model.
このモデルのセールスポイントは、なんといってもお求めやすい価格です。

ちなみにselling pointは、複数形で使われることも多く、商品やサービスの魅力をいくつかの観点に分けて整理する際にも便利です。


feature

featureは、商品やサービスの「機能・特性」という意味の言葉です。
「魅力」そのものを指すわけではありませんが、商品・サービスの「魅力」を客観的に説明することができます。
特に、製品説明、資料、Webサイトなどで使われる表現です。4


以下の例文を参考にしてください。

This software offers several useful features.
このソフトウェアには、いくつかの便利な機能があります。
One key feature is real-time data analysis.
特に重要な機能の一つが、リアルタイムでのデータ分析です。

上の例文でも挙げたように、いくつかある機能の中でも、特に重要なものを強調したい場合には、「key feature」や「best feature」といった表現が使われます。


以下の例文も参考にしてください。

One of the key features is its high scalability.
この製品の大きな特長の一つは、高い拡張性にあります。
The best feature of this tool is its intuitive interface.
このツールの最大の特長は、直感的に使えるインターフェースです。

ただ、注意したいのは、featureは、必ずしも「魅力」そのものではないということです。
機能を並べるだけでは、聞き手は「それがどうしたの?」と思ってしまうだけです。
そのため、featureを使う際は、「benefit(それを使うことで得られる魅力)」と組み合わせて提示するのがおすすめです。


たとえば、以下のような形です。

A key feature is automation, which reduces manual work.
主な機能は自動化で、手動による工程を減らします。

このように、「機能」だけでなく、「その結果、どんなメリットがあるか」を示すことで、featureが「魅力」としての役割を果たします。


以下の例文も参考にしてください。

A key benefit of real-time data access is better decision-making.
リアルタイムでデータにアクセスできることの魅力は、より良い意思決定につながる点です。
The benefit of this feature is improved accuracy.
この機能の魅力は、精度が向上することです。

benefit

benefitは、いわば「それを使うことで得られる魅力」で、featureとよくセットで使われます。
featureを使って機能や特徴を説明したあと、benefitを使って、相手にどんなメリットがあるのか、なにが得られるのか説明します。
営業、提案、プレゼンなど、あらゆるビジネスシーンで使われる表現です。


日本語のプレゼンテーションでは、機能や仕組みの説明をしたあとに、「以上がこの商品(サ-ビス)の魅力です」とまとめてしまいがちですよね。
一方で、英語ビジネスシーンでは、「結果としてどんなメリットがあるのか」を明確に言語化する必要があります。


以下の例文を参考にしてください。

A major benefit for customers is faster turnaround time.
顧客にとっての大きな魅力は、対応スピードの速さです。
The benefit to businesses is greater flexibility.
企業にとっての魅力は、柔軟性の高さです。

benefitについて語る時は、常に「相手視点で語ること」を心がけましょう。
自分にとって便利かどうかではなく、顧客・利用者・取引先にどんなことが魅力なのか、示す必要があります。


また、先ほどもお伝えした通り、benefitはfeatureと組み合わせて使うと効果的です。


以下の例文を参考にしてください。

A key feature is centralized management, delivering better operational efficiency.
主な機能は一元管理で、業務効率を向上させます。
One of the key feature is cloud-based access, which supports remote work.
主な機能の1つはクラウドアクセスで、リモートワークをサポートします。

製品やサービスを紹介したり、プレゼンを行ったりするときだけでなく、自身の思考を整理する時も、自分が扱っている製品・サービスにどんなfeatureとbenefitがあるかまとめるのがおすすめです。


advantage

advantage は、「他と比べたときに有利な点」という意味での「魅力」を指す言葉です。
日本のビジネスシーンでは、単に「強み」「魅力」と言ってしまいがちですが、英語では「何に対して、どこが有利なのか」を明確にすることが求められます。


以下の例文を参考にしてください。

This gives us a clear advantage over competitors.
これが、競合他社に対する明確な強みになります。
Speed is one of our main competitive advantages.
スピードは、当社が競合と比べて優位に立てるポイントの1つです。

advantageについて語る時は、主観的な感想ではなく、価格、スピード、品質、スケール、専門性など、比較可能な他者を想定しながら話しましょう。


ちなみにadvantageは、competitive advantage(競争優位)という形で使われることも多いです。


以下の例文を参考にしてください。

Cost efficiency is a key competitive advantage for us.
コスト効率の高さは、当社の重要な競争優位です。
Our global network gives us a competitive advantage over local players.
当社のグローバルネットワークは、地域企業に対する競争優位となっています。

differentiator

「differentiator(差別化)」は、「他と違う点」「差別化要因」という意味での「魅力」を指す表現です。
英語のビジネスシーンでは「なぜそれが選ばれるのか」を端的に表すために使われます。


以下の例文を参考にしてください。

Customer support is an important differentiator for us.
カスタマーサポートは、当社にとって重要な差別化要因です。
Technology is a major differentiator in this market.
この市場では、技術力が大きな差別化要因になっています。

differentiatorはadvantageと似ていますが、differentiatorがたくさん存在する必要はなく、「他も同じ条件を満たしている中で、何が決定的に違うのか、その1点」をハイライトする言葉といえます。



英語ビジネスシーンで注意したい「魅力」の英語3選

ここでは、「魅力」を指す表現の中でも、英語ビジネスシーンで誤解を生みやすいものを3つ紹介します。


  • attractive
  • charming
  • fascinating

それぞれ詳しく見ていきましょう。


attractive

「魅力的な」という言葉の和訳として、真っ先に思い浮かぶのは、「attractive」という単語かもしれません。
実際、日常英会話ではよく使われる言葉ですが、ビジネスシーンで使う際には注意が必要です。


なぜなら、attractiveが指す「魅力」は抽象的なニュアンスを持っていて、「何が魅力的なのか」「なぜ魅力的なのか」が伝わりにくいからです。


たとえば、以下の文を見てください。

△This is an attractive solution.

この文は、「魅力的な解決策です」と言っているだけで、判断材料にはなりません。


以下のような文を使うのも、おすすめできません。

△We find this proposal attractive.

このような言い方では、「なぜそう思うのか」が分からず、説明が不充分です。


実際の英語ビジネスシーンでは、attractiveを使う代わりに、具体的に魅力の中身を伝える言い方が好まれます。


先ほどの2つの文であれば、以下のように言い換えるのがおすすめです。

This solution offers clear cost benefits.
コスト面ではっきりとメリットのある解決策です。
One advantage of this proposal is its low risk.
この提案の魅力は、リスクが低い点です。

charming

「魅力的な」の英訳として、「charming」を思いつく方も多いのではないでしょうか。
こちらも日常英会話ではよく使われますが、ビジネスシーンではかなり使いづらい言葉です。


というのも、charmingが表すのは、「主観的な好意」や「カジュアルな評価」です。
それに対して、商品やサービスへの評価には、合理性が求められます。
そのため、ビジネスシーンでcharmingを使うと、「軽い」「評価軸があいまい」と受け取られてしまうのです。


たとえば、以下の文を見てください。

△This proposal is charming.

この文は、「印象の良い提案ですね」とも「かわいらしい提案ですね」といった意味にもとれ、何を言いたいのかよく分かりません。


以下のような文も、使うのは避けた方がよいでしょう。

△We find your idea charming.

この文は、「your idea」をほめているようで、実質的に何をほめているのかが伝わりません。
実際の英語ビジネスシーンでは、charmingを使う代わりに、何が評価されているのか、明確にする表現が好まれます。


先ほどの2つの文であれば、たとえば以下のように言い換えるとよいでしょう。

The proposal is well-structured and easy to understand.
きちんとした構成のご提案で、分かりやすいです。
The idea has clear value for our target customers.
そのアイディアは、ターゲット顧客にとってのメリットがはっきりしていますね。

fascinating

「魅力的な」の英訳として「fascinating」を思いつく方も多いかもしれませんね。
fascinatingは「とても興味深い」「強く関心を引く」という意味をもち、話題・アイデアなどに対する知的な関心を表すときによく使われます。


一見英語ビジネスシーンにふさわしい語彙にも思えますが、実際にはビジネス上の「評価」とは別物として扱われる言葉です。


というのも、fascinatingが指すのは「面白い」・「発想がユニーク」・「話として興味深い」といった評価です。
英語ビジネスシーンで重要な、「採用したい」・「価値がある」・「競争で優位になる」という評価ではありません。


そのため、ビジネスの場で fascinatingと言われた場合、「前向きに検討してはいるが、まだ判断していない」というニュアンスが強くなります。


そのため、以下のような表現を使うと、誤解を生みかねません。

△That’s a fascinating idea.

「魅力的なアイディアですね!」というつもりでこのように言っても、実際には「発想は面白いと思うが、実行するかは別ですね」という印象を与えてしまうかもしれません。


以下のような言い方にも、注意が必要です。

△We find your approach fascinating.

こちらも、「魅力的なアプローチですね」という和訳になりますが、実際には、「興味はあるが、評価には至っていない」といったニュアンスが伝わってしまいます。


つまり、日本人話者が「すごくいい!」というつもりで使っても、英語話者は「まだ検討段階なんだな」だと受け取る可能性があるのです。


本当に「魅力がある」「評価している」と伝えたいなら、以下のように伝えましょう。

The idea has strong business potential.
そのアイディアには、事業としての高い可能性があります。
We see clear value in this approach.
このアプローチには、明確な価値があると考えています。

きちんと言語化するのが、英語ビジネスシーンでの「賞賛」の流儀です。


まとめ

この記事では、英語ビジネスシーンで「魅力」を語る際に使い分けたい7つの表現を紹介しました。


  • value
  • appeal
  • selling point
  • feature
  • benefit
  • advantage
  • differentiator

日本のビジネスシーンでは「魅力」の一言で済んでしまう概念ですよね。
でも、英語ビジネスシーンでは、「どこが優れているのか」「どの点で顧客・取引先にメリットがあるのか」をはっきり言語化しなければなりません。


漠然と「魅力的な商品なんです」というのではなく、どういうところに魅力があるのか、その魅力を、まずは分解して考えましょう。
そして、その商品が魅力的な「理由」と「価値」を伝えられるようにしましょう。


あなたが提供する商品・サービスの価値は、きっと魅力的です。
しかし、その魅力を英語で十分に伝えられないのは、もったいないことです。
ぜひ、世界にその魅力を堂々と伝えて、国際社会でそのパフォーマンスを存分に発揮してください。

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ホール 奈穂子

株式会社ギャビーアカデミー代表取締役

元九州大学職員。TOEIC 990、IELTS 7.5(Speaking 8.0)を誇る、英語学習独学のスペシャリスト。27歳から英語を学び直し、自らの人生で英語習得がもたらす可能性を証明。米国赴任、留学プログラムや海外大学との共同学位取得プログラムの設計・運営に携わった経験から、日本人の英語学習における課題を深く理解し、効果的な学習方法を追求。その集大成として、東京大学と共同で、脳科学に基づいた独自の英語スピーキング習得メソッドを開発。現在カナダ・バンクーバーに在住。世界を舞台に活躍する日本人ビジネスパーソンの育成に情熱を燃やし、日本とバンクーバーを往復しながら精力的に活動中。趣味はカナダを舞台にしたサケ釣り。

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