2026.10.01英語ビジネス

「逆算」は英語で何という?ビジネスで使える表現と「ゴールから考える」英語思考

ビジネスシーンでは、時間軸に沿う考え方だけでなく、「逆算」の思考を求められることも多いですよね。
プロジェクトのスケジュールを決めるときや、売上目標を設定するとき、将来のキャリアを考えるときなど、「いつまでに」「何を」進めるか「逆算する」ことは極めて重要です。


それでは、「逆算」は、英語でなんといえばよいのでしょうか。
「逆算」を直訳すると、back calculationといった表現になりますが、これは、実際に数字などを「計算」するケースで使われるものです。


ただ、「逆算して考える」と言う場合は、実際に数字を計算するケースだけでなく、「目標・目的から、さかのぼって考える」ことも多いですよね。
英語でそういった「逆算」について話す際は、状況に応じていくつかの表現を使い分ける必要があります。


さらに、英語で話す際は、「逆算」のケースに限らず、「ゴールから考える」思考法を身につけておくと便利です。


この記事では、まず英語の「ゴールから考える」思考法を紹介し、続いて「逆算」を指す3つの代表的な英語表現について、例文とともに解説します。


英語での「逆算」の思考法を身につけて、ビジネスシーンをリードしたい方は、ぜひ参考にしてください。


英語で考える「逆算」とは

まず、英語における「ゴールから考える」思考法についてみていきましょう。
「逆算」とは、いわば、最終的なゴールを先に決め、そこから必要なことを考えていく思考法です。


Goal → Steps → Actions の順番で考える

英語では、先に「最終的に何を達成したいのか」を決めることが多いです。
そこから、必要なステップや具体的な行動を逆向きに整理していくのが、「逆算」の考え方です。


たとえば、6月に新商品を発売するとします。


「6月に発売する」という Goal(ゴール)が決まったら、そこから逆算して、以下の順番で思考を進めていきます。


Goal(目標)
↓
Steps(必要なステップ)
↓
Actions(具体的な行動)


具体的には、以下のようなケースが考えられます。


Goal:6月に新商品を発売する
↓
Steps:商品開発・テスト・販売準備を終える
↓
Actions:今月中にテスト計画を作る


英語で「逆算」を表現するときも、この発想が基本になります。
必要な英語表現を覚えるだけでなく、「ゴールから必要なことを考える」という発想そのものを、身につけていきましょう。


「ゴール」や「結論」を先に示して、そこから考える

「逆算」の考え方は、仕事の計画だけでなく、英語での話の組み立てにもつながります。


英語のビジネスコミュニケーションでは、「結論ファースト」の話し方が好まれます。
まず、「何を伝えたいか」結論を示し、その後に「理由」や「具体的な情報」を加えるという構成です。


そのため、たとえば会議で「この案を採用すべきです」と主張するなら、以下のような順番で話すと効果的です。


Point(結論):
I think we should use this plan.
この案を採用すべきだと思います。
     ↓
Reason(理由):
It will save us time.
時間を節約できるからです。
     ↓
Example(具体例):
We can start the project next week.
来週からプロジェクトを始められます。


これは、英語学習などでよく紹介される PREP法(Point → Reason → Example → Point)にもつながる考え方です。


「逆算」=「PREP法」というわけではありませんが、どちらにも、「先に到達点を明確にする」→「そこから必要な情報を組み立てる」という共通した考え方があります。


相手に伝えたいゴールや結論を示し、そこから「なぜそう考えるのか」「具体的にはどういうことか」と情報を足していくのが、英語で「分かりやすく伝える」ための、基本的な考え方です。


「逆算」の英語表現

この章では、英語で「逆算」を指す代表的な表現を3つ紹介し、例文とともに解説します。


  • work backward
  • start with the end in mind
  • plan backward

それぞれ詳しくみていきましょう。


work backward

「逆算」を英語で表現するとき、まず覚えておきたいのが、work backwardという表現です。


workは「働く」という意味だけでなく、「考える・取り組む」という意味もあります。
work+「backward(後ろ向きに、逆方向に)」で、「ゴールや結果から、逆にたどって考える」となります。


たとえば、プロジェクトの締切が迫っている場合、「締切までに何をすればいいか」を逆にたどって考える場合は、以下のような表現が使えます。


We need to work backward from the deadline.
締切から逆算して考える必要があります。

「何を起点に逆算するのか」を具体的に示すときは、fromを使いましょう。

fromの後ろには、「deadline(締切)」のほかに、「goal」や「target」、「date」なども使われます。


Let’s work backward from our sales target.
売上目標から逆算して考えましょう。
We worked backward from the launch date to create a schedule.
発売日から逆算してスケジュールを作りました。

start with the end in mind

「逆算」を表す英語表現として、start with the end in mindも使えます。


start with〜は「〜から始める」、endは「終わり・ゴール」、in mindは「頭の中に、意識して」という意味です。
転じて「最終的なゴールを意識した上で、そこから考え始める」という意味のフレーズになります。
とくに、「最初にゴールを明確にしておく」ことに焦点の当たった表現といえます。


たとえば、新しいプロジェクトを始めるときは、以下のようなフレーズが使えます。


We should start with the end in mind when planning this project.
このプロジェクトを計画するときは、最終的なゴールを意識して考えるべきです。
Let’s start with the end in mind and plan from there.
まずゴールを考えて、そこから計画しましょう。

start with the end in mindは、必ずしも「期限から逆算して具体的な日程を決める」という意味ではありません。
「最終的な目的を先に考え、それを意識して行動する」という、より広い意味で使われます。


そのため、具体的な締切や目標から「逆にたどって考える」ときは work backward、ゴールを意識して行動を決める場合は start with the end in mindと使い分けると効果的です。


plan backward

ゴールから逆算して「計画を立てる」際は、plan backwardという言い方が便利です。
work backwardが、逆算して「考える」行為を表すのに対して、plan backwardは、逆算しながら、「具体的な計画を作ること」に重点があります。


以下の例文を参考にしてください。

We planned backward from the delivery date.
納期から逆算して計画を立てました。
We need to plan backward from our sales target.
売上目標から逆算して計画を立てる必要があります。

「逆算して考える」なら work backward、「逆算して計画を立てる」ことを強調するなら plan backwardと使い分けましょう。


【上級編】reverse-engineer

上級者の方は、「逆算」に関連する表現として、reverse-engineerという表現も覚えておきましょう。


reverseは「逆の」、engineerは「設計する」を指します。
もともとは、「完成した製品や部品を調べ、その構造や仕組みを明らかにする」という意味の、機械・製造分野の用語です。


転じてビジネスシーンでは、成功した商品や業務プロセスなどを分析して、「なぜうまくいったのか」「同じ結果を出すには何が必要なのか」を逆から考えるときに使われます。


以下の例文を参考にしてください。

We reverse-engineered their successful sales process.
彼らの成功した販売プロセスを逆から分析しました。
We reverse-engineered the process to identify the key steps.
そのプロセスを逆から分析し、重要なステップを特定しました。

ただ、reverse-engineerは「逆算」を指す典型的な英語表現ではないため、初心者の方は、work backwardを使いこなせるようにしましょう。


参考:calculate backward

「数字を逆向きに計算する」という意味の「逆算」を表現する場合は、calculate backwardというフレーズを使います。


以下の例文を参考にしてください。

We calculated backward to determine how many units we needed to sell.
必要な販売数を算出するために、逆算しました。

ただし、ビジネスで「締切から逆算してスケジュールを立てる」「目標から逆算して行動を決める」といった意味で「逆算する」という場合は、calculate backwardよりもwork backwardのほうが自然です。


ビジネスシーン別「逆算」の英語例文

この章では、これまで紹介した「逆算」を指す英語表現の具体的な使い方を、シーン別に解説します。


  • プロジェクト管理における「逆算」
  • 売上目標を設定するための「逆算」
  • スケジュール作成のための「逆算」
  • キャリア設計のための「逆算」

それぞれ詳しくみていきましょう。


プロジェクト管理における「逆算」

プロジェクトでは、納期や完成日が決まっていて、そこから逆算して予定を立てるケースが多いですよね。
そういった場合は、work backwardが使えます。


We can work backward from the launch date and set milestones.
発売日から逆算して、節目となる目標を設定できます。
Let’s work backward from the delivery date and see when we need to prepare the materials.
納品日から逆算して、いつ資料を準備する必要があるか考えましょう。
We worked backward from the opening day to make sure everything was ready.
開始日から逆算して、すべての準備が整うようにしました。

また、プロジェクトを始めるときに、まず最終的なゴールを考える場合は、start with the end in mindも使えます。


Start with the end in mind when you design the new service.
新しいサービスを設計するときは、最終的なゴールを意識しましょう。
We started with the end in mind and chose the right team members.
最終的なゴールを意識して、適切なチームメンバーを選びました。
If you start with the end in mind, you can focus on what really matters.
最終的なゴールを意識すれば、本当に重要なことに集中できます。

売上目標を設定するための「逆算」

売上目標を達成するためには、最終的な目標から逆算して、必要な売上や行動を考えるケースがありますよね。
そういった場合も、work backwardが使えます。


Let’s work backward from our sales goal and set monthly targets.
売上目標から逆算して、月ごとの目標を設定しましょう。
We worked backward from the annual target to decide our sales plan.
年間目標から逆算して、営業計画を決めました。
We need to work backward from our target to see how many new customers we need.
目標から逆算して、何人の新規顧客が必要か考える必要があります。

スケジュール作成のための「逆算」

仕事のスケジュールを作るときも、締切やイベントの日程から逆算して、いつ何をするかを決めることがありますよね。
この場合も、work backwardを使って表現できます。


Let’s work backward from the event date and decide when to start.
イベントの日から逆算して、いつ始めるか決めましょう。
We worked backward from the due date and made a weekly schedule.
締切日から逆算して、週ごとのスケジュールを作りました。

また、「逆算して計画を立てる」という意味を強調したい場合は、plan backwardも使えます。

We planned backward from the product launch and set clear deadlines for each step.
商品発売から逆算して、各段階の明確な期限を設定しました。
We should plan backward from the meeting date and prepare everything in advance.
会議の日から逆算して、すべてを前もって準備すべきです。
We planned backward from the opening day and divided the work into several steps.
開始日から逆算して、作業をいくつかの段階に分けました。

キャリア設計のための「逆算」

「逆算」は、仕事のスケジュールだけでなく、将来のキャリアについて考えるときにも使われますよね。
たとえば、「将来どのような仕事をしたいか」というゴールを先に考え、そこから必要な経験やスキルを考えるケースです。
そういった場面では、start with the end in mindが使えます。


Start with the end in mind and think about what skills you need.
まずゴールを考えて、どんなスキルが必要か考えましょう。
I started with the end in mind when I planned my career.
キャリアを考えるとき、まず将来のゴールを考えました。
If you start with the end in mind, it is easier to decide what to do next.
まずゴールを考えると、次に何をすべきか決めやすくなります。

キャリア設計では、具体的な期限から逆にたどるというより、「将来のゴールを先に決め、そこから必要なことを考える」ため、start with the end in mindがふさわしいケースが多いです。


まとめ

「ゴールから考える」という意味での「逆算」を指す英語表現を、表にまとめます。


表現使い分け
work backwardゴール・期限から、必要なことを逆にたどる
start with the end in mind最終的な目標を先にイメージして、行動を考える
plan backwardゴール・期限から、具体的な計画を立てる

さらに、英語表現を身につけるのと同じくらい重要なのが、「ゴールから考える」思考法を身につけることです。


ゴールから逆算すると、「今やるべきこと」と「今はやらなくていいこと」がはっきり分かれます。
英語学習で遠回りしてしまう最大の原因は、実はこの“逆算”が抜けていることです。


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ホール 奈穂子

株式会社ギャビーアカデミー代表取締役

元九州大学職員。TOEIC 990、IELTS 7.5(Speaking 8.0)を誇る、英語学習独学のスペシャリスト。27歳から英語を学び直し、自らの人生で英語習得がもたらす可能性を証明。米国赴任、留学プログラムや海外大学との共同学位取得プログラムの設計・運営に携わった経験から、日本人の英語学習における課題を深く理解し、効果的な学習方法を追求。その集大成として、東京大学と共同で、脳科学に基づいた独自の英語スピーキング習得メソッドを開発。現在カナダ・バンクーバーに在住。世界を舞台に活躍する日本人ビジネスパーソンの育成に情熱を燃やし、日本とバンクーバーを往復しながら精力的に活動中。趣味はカナダを舞台にしたサケ釣り。

© Gabby All rights reserved.