会議やプレゼンテーションの最中に、言葉に詰まってしまい、「気まずい沈黙」が流れた経験はありませんか?
日本語の会話では、多少の沈黙も自然に受け入れられることもありますが、英会話では「沈黙」は「自信のなさ」や「理解不足」と受け取られやすく、相手にマイナスの印象を与えることもあります。
英語で話すでは、会話のやりとりを途切れさせず、堂々とした姿勢を見せることが大切です。
そんな時に役立つのが「間のつなぎ」表現。
留学経験のある方や、海外のドラマや映画を見るのが好きな方なら、ネイティブの会話で「You know」や「Kind of」など、一見意味のない言葉がはさまっているのを、聞いたことがあるかもしれませんね。
実は、こういった短い一言を挟むことで、会話をスムーズにつなぎ、自分の印象を大きく改善できるのです。
この記事では、ビジネスシーンで使える実用的な「間のつなぎ」フレーズを例文とともに解説します。
Uh / Um
最もシンプルな「間のつなぎ」フレーズとして挙げられるのが、「Uh(アー)」「Um(アーム)」 です。日本語の「あー」「えーと」に相当します。
言葉を探すときや、考えているときに自然に出てくる音で、ネイティブもよく使います。
具体的な使い方としては、以下の例文を参考にしてください。
うーん、無料のサポートサービスを提供するのはどうでしょう?
うーんと、スケジュールをチェックしてまたご連絡しますね。
「Uh」「Um」を使うことで、単なる沈黙よりも、相手に安心感を与えることができます。
また、会話が一瞬止まっても「まだ話を続けますよ」というサインになり、相手が割り込まずに待ってくれます。
ただし、ビジネスシーンであまりに多用すると、少し頼りない印象になってしまいます。
「考えている間を稼ぐ、最低限の言葉」として使いましょう。
Well

「Well」 は、日本語の「ええと……」「そうですね……」に近い表現です。
「Uh」や「Um」よりは少し意味があり、単に考える時間を稼ぐだけでなく、「これから意見を言いますよ」という前置きにもなります。
具体的には、以下のように使います。
ええと、おっしゃることは分かりますが、よりデータが必要です。
そうですね、次のトピックに進みましょう。
「Well」には発言のトーンをやわらげる効果があるので、反対意見や難しいことを言う前に使うと、角が立ちにくくなります。
また、会話を始めたり、話題を切り替えるときにも便利な表現です。
ただし、「Well」をあまりに多用すると、優柔不断な印象になってしまいます。
「Well」を使ったあとは、できるだけ結論や理由をシンプルに伝えるとよいでしょう。
Let me see
「Let me see」は直訳すると「見させてください」ですが、会話では「ええと」「そうですね」に近いニュアンスの表現です。
考える時間を稼ぐときや、頭の中で情報を整理しているときに使われます。
「今、考えていますよ」というサインを丁寧に示すことができるため、英語ビジネスシーンでも使いやすい表現です。
具体的な使い方としては、以下の例文を参考にしてください。
そうですね……報告書は金曜日までに準備できると思います。
ええと、この間のオンラインミーティングではどこまで話を進めたっけ?
ちなみに、「Let me see」と似たような表現として、「Let’s see」や「Let me think」があります。
「Let’s me see」が「ちょっと見させてください」という意味であるのに対し、「Let’s see」は「ちょっと見てみましょう」という意味になります。
そのため、自分だけでなく、「一緒に確認しよう」というニュアンスを含み、カジュアルな場面でよく使われます。
以下の例文を参考にしてください。
さて、次の議題は何だったでしょうか?
また、「Let’s think」は、「考えてみよう」「一緒に考えてみましょう」という意味で、自分のためだけではなく、相手を巻き込む表現です。
会議やディスカッションで便利に使えます。
以下の例文を参考にしてください。
さて、決議の前に、ほかの解決策がないか考えてみましょう。
まとめとして、「Let me see」は「個人で考え込むときの丁寧なつなぎ」、「Let’s see」と「Let’s think」は 「相手を巻き込むリズム作り」ととらえるとよいでしょう。
You know

「You know」は、日常会話でとてもよく耳にする「間のつなぎ」表現ですが、ビジネスシーンでも適度に使うと会話が柔らかくなる便利な表現です。
直訳すると「ご存じの通り」ですが、会話では「ほら」「えっとね」のようなニュアンスになります。
ビジネスシーンで使うにはややカジュアルですが、相手との共通理解を確認する上で、有効な表現です。
具体的な使い方としては、以下の例文を参考にしてください。
ええと、まずはクライアントに相談した方がいいかもしれないね。
ええと、まあ、予想外だったんです。
ええとね、本当に対応の速さを改善しなければならないんだ。
「You know,…」には、発言を柔らかくし、会話に自然なリズムを与えるはたらきがあります。
そのため、難しいことを言う前に入れると、相手に「聞きやすい雰囲気」を作れます。
相手に共感や同意を促す役割もあります。
ただ、「You know,…」はかなりカジュアルさが強いため、プレゼンやフォーマルなスピーチで多用すると、軽い調子に聞こえてしまいます。
あくまでミーティングや雑談の中で活用するとよいでしょう。
I mean
「I mean,…」は、言い直しや補足をする時に便利な「間のつなぎ」表現です。
直訳すると「私は意図する」ですが、実際には、「つまり」「というか」「ほらね」に近いニュアンスで使われます。
自分の発言を言い換えたり、補足したりするときに便利です。
具体的な使い方としては、以下の例文を参考にしてください。
急ぎではありません。つまり、来週までには終わらせられるということです。
ほらね、データに明らかな傾向が表れている。
ちょっとリスクが高い。まだ十分な情報がないんだ。
カジュアル寄りの表現ではありますが、ビジネスのディスカッションでも十分活用できる表現です。
ただし、何度も繰り返すと「言い直しが多い人」という印象になるので注意しましょう。
Kind of

「Kind of」はネイティブが日常的によく使う、「あいまいさ」を表すときに便利な表現です。
直訳すると「〜の種類」となりますが、実際には「ちょっと」「まあ」「なんというか」に近い意味で使われます。
発言をやわらげたり、あいまいにしたいときに便利な表現です。
具体的な使い方としては、以下の例文を参考にしてください。
ちょっと込み入ってるんだけど、説明するね。
その結果は、なんというか、予想外だったんだ。
今週はちょっと忙しいんだけど、やってみるよ。
ただ、「Kind of」はかなりカジュアルな表現なので、フォーマルな場での使用は避けましょう。
ブレインストーミングなど、アイデアを探っているときに使うと効果的です。
似たような表現として、「Sort of」や「Like」もありますよね。
「Kind of」がアメリカ英語でよく使われるのに対し、「Sort of」は、イギリス英語でよく使われる表現です。
「Like」もアメリカ英語でよく使われる表現ですが、口語的で若者っぽさがあります。
まあ、賛成ですが、懸念もあります。
それが、なんか、すごく驚いたんだよね。
The thing is
The thing is は会話の中で話の核心に入るときや、少し言いにくいことを切り出すときに便利な表現です。
直訳すると「問題は〜です」となりますが、実際には「実はね」「というのも」「要するに」といったニュアンスで使われます。
本題に入る前のクッションとして便利な表現です。
実は、このプランには十分な予算がないんです。
参加したいんですが、実は、その日は忙しいんです。
要するに、結論を出す前にもっとデータが必要なんです。
「The thing is,…」を使うことで、「これから大事なことを言いますよ」という合図になり、難しい話題や懸念点をやわらかく提示することができます。
ただ、この表現もややカジュアルなので、フォーマルなスピーチやプレゼンでは避けましょう。
打ち合わせやディスカッションで効果的な表現です。
まとめ

今回は、英語ビジネスシーンで会話の流れを止めないための「間のつなぎ」表現を7つ紹介しました。
- Uh / Um
- Well
- Let me see
- You know
- I mean
- Kind of
- The thing is
日本人の認識以上に、英会話での「沈黙」は、ネガティブな印象が強いものです。
特に英語ビジネスシーンでは、「自信のなさ」「理解不足」「準備不足」と言う印象を与えてしまいます。
よどみなく英語を話すスキルだけが英語力ではありません。「間のつなぎ」表現を使って、言葉の詰まりをリカバーするのも、大切な英語スキルの1つです。
最初は、「間のつなぎ」言葉自体を使いこなすのが難しいと感じる方も多いかもしれませんが、ぜひ英語学習に「間のつなぎ」言葉の勉強も取り入れてみてください。
「間のつなぎ」は、英語ビジネスシーンにおいて、相手との信頼関係をもつなぐ、重要なツールになるでしょう。
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ホール 奈穂子
株式会社ギャビーアカデミー代表取締役
元九州大学職員。TOEIC 990、IELTS 7.5(Speaking 8.0)を誇る、英語学習独学のスペシャリスト。27歳から英語を学び直し、自らの人生で英語習得がもたらす可能性を証明。米国赴任、留学プログラムや海外大学との共同学位取得プログラムの設計・運営に携わった経験から、日本人の英語学習における課題を深く理解し、効果的な学習方法を追求。その集大成として、東京大学と共同で、脳科学に基づいた独自の英語スピーキング習得メソッドを開発。現在カナダ・バンクーバーに在住。世界を舞台に活躍する日本人ビジネスパーソンの育成に情熱を燃やし、日本とバンクーバーを往復しながら精力的に活動中。趣味はカナダを舞台にしたサケ釣り。