英語の前置詞「on」と聞くと、「~の上に」と和訳したくなる方は多いかもしれません。
しかし、「on」はほかにもさまざまな用法で使われています。
とくにビジネス英語においては、プロジェクトの進捗管理や会議、メールでのやり取りなど、あらゆる場面で活躍する単語です。
この記事では、ビジネスシーンで役立つ「on」の英語表現を5つ厳選し、実際に使える例文とともに解説します。
「on」のコアイメージ
「on」を使った英語表現をおさえるためには、「on」のコアイメージを理解するのが効果的です。
「on」といえば、「There is an apple on the table.(リンゴがテーブルの上にのっている)」のように、「~の上に」という意味を思い浮かべる方が多いと思います。
ただ、「A picture is on the wall.(絵が壁にかかっている)」という表現を習った方も多いと思います。
さらに、「天井にとりつけてある照明」は「A light on the ceiling」といったりします。
つまり、「on」は必ずしも「~の上に」という意味ではないのです。
「on」のコアイメージは、「接触」です。ある物や面に「ぴったりくっついている」状態が、基本のイメージです。
そこから派生して、「on」には、「~に基づいている」「~の最中である」といったニュアンスが生まれています。
そのため「on」は、ビジネス英語でも非常によく使われる単語なのです。
ビジネスシーンでよく使われる「on」の英語表現5選
この章では、英語ビジネスシーンでよく使われる「on」の英語表現5つを見ていきます。
- on track(順調に進んでいる)
- on hold(保留にする)
- on the same page(認識を共有している)
- on behalf of 〜(〜を代表して)
- on site(現地で)
英語ビジネスシーンで使いこなせると、英会話の幅が大きく広がるフレーズです。
それぞれ詳しく見ていきましょう。
on track
「on track」は、「順調に進んでいる」「計画通りに進行している」という意味のイディオムです。
物事が予定・目標・方向性に沿っている状態を表します。
「track」は、もともと「線路・軌道・走路」のことです。
陸上競技場で選手が走る、丸い「トラック」をイメージすると分かりやすいかもしれません。
「on track」は、「陸上選手がトラックの上を、コースをそれずに走っている」ように、「計画から外れていない」状態を指すイディオムなのです。
具体的には、以下のような使い方をします。
プロジェクトは軌道に乗っていて、月末までに完了する見込みです。
彼は金曜日までにプロジェクトを終える見込みです。
彼女は今月の売上目標を達成できそうです。
このように、「on track」は、プロジェクト管理や進捗報告などのビジネスシーンで便利に使える表現です。
ちなみに、「on track」と反対に、「軌道から外れている」状態は、「off track」といいます。
以下の例文を参考にしてください。
今はちょっと計画から外れています。
on hold
「on hold」は、「一時的に中断して」「保留にして」「待機状態で」という意味のイディオムです。
なにかの進行を一時的に止めている状態を指します。
時の流れの中で、一時停止ボタンを押したようなイメージです。
具体的には、以下のように使います。
予算の問題で建設プロジェクトは現在保留中です。
何が保留中で、何が進行中なのかよく分かっていません。
(電話応対で)このままお待ちください。少々お待たせします。
「on hold」は、プロジェクト・計画・電話応対など、幅広い場面で活用できる便利な表現です。
「suspended(一時停止された)」より柔らかいニュアンスなので、さまざまなシーンで使いやすいでしょう。
on the same page
「on the same page」は、「意見や認識が一致している」「同じ理解を共有している」ことを意味するイディオムです。
もともとは、本や資料の「同じページ」を見ている状態に由来しています。
つまり、話している人同士が「同じ内容を見て・理解している」、つまり「認識にズレがない」状態を表します。
具体的には、以下のように使います。
先に進む前に、全員が同じ認識でいることを確認したいです。
認識がずれているようですね。少し整理しましょう。
私たちは顧客対応の方針について、同じ考えを持っています。
「on the same page」は、チーム内の認識共有・方向性確認の際に、非常に役立つフレーズです。
特に会議やプロジェクトの進行中に、「意見のズレを防ぐ」「再確認する」ための表現として、よく使われます。
on behalf of 〜
「on behalf of」は、「~を代表して」または「~の代理で」ということを指すイディオムです。
「behalf」は「側(がわ)」という意味なので、「~の側に立って」というイメージで理解すると分かりやすいかと思います。
具体的には、以下のように使います。
チームを代表して、皆さんのご尽力に感謝申し上げます。
私の部署を代表して、謝罪申し上げます。
私は田中さんの代理でメールを差し上げています。
on site
「on site」は「現地で」「現場で」を指し、ある特定の場所に直接いて、そこで活動している状態を表します。
ビジネスや工事現場、IT業界などで頻繁に使われる表現です。
「on-site」のように、ハイフンを使って形容詞的に使う場合もあります。
以下の例文を参考にしてください。
現地にスタッフがいて対応いたします。
今、この問題に対応できる人が現場にいますか?
すべての顧客に24時間365日の無料現地サポートを提供しています。
まとめ
「on」という前置詞は、英語ビジネスシーンのあらゆる場面で活躍する、重要な単語です。
今回は、「on」を使ったイディオムの中でも、特に重要な5つを厳選して紹介しました。
今回解説したイディオムの一覧がこちらです。
- on track(順調に進んでいる)
- on hold(保留にする)
- on the same page(認識を共有している)
- on behalf of 〜(〜を代表して)
- on site(現地で)
「on」にはほかに、「work on(取り組む)」や「focus on(集中する)」など、様々な動作に使われています。
「on」の用法があまりにも幅広くて、使いこなすのが難しいと感じる方も多いかもしれませんね。
一番の学習法はは、つたなくても、日々のビジネスシーンでこれらの表現を積極的に使うことです。
「on」をうまく使いこなすことで、より洗練されたビジネス英語力を身につけることができるでしょう。
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ホール 奈穂子
株式会社ギャビーアカデミー代表取締役
元九州大学職員。TOEIC 990、IELTS 7.5(Speaking 8.0)を誇る、英語学習独学のスペシャリスト。27歳から英語を学び直し、自らの人生で英語習得がもたらす可能性を証明。米国赴任、留学プログラムや海外大学との共同学位取得プログラムの設計・運営に携わった経験から、日本人の英語学習における課題を深く理解し、効果的な学習方法を追求。その集大成として、東京大学と共同で、脳科学に基づいた独自の英語スピーキング習得メソッドを開発。現在カナダ・バンクーバーに在住。世界を舞台に活躍する日本人ビジネスパーソンの育成に情熱を燃やし、日本とバンクーバーを往復しながら精力的に活動中。趣味はカナダを舞台にしたサケ釣り。