グローバルなビジネスシーンにおいて、仕事をよりスムーズに、より良くしていくために大切なのが「業務改善」ですよね。
海外のメンバーと働く機会が増えて、業務改善について英語で意見を発信する必要性を感じた方も多いのではないでしょうか。
しかし、「改善」や「業務改善」について英語で伝えなければと思っても、なんといえばいいか、とっさには出てこないものですよね。
そこでこの記事では、「業務改善」や業務改善にまつわる表現を、実際に使える例文とともに解説します。
グローバルに活躍したいビジネスパーソン必見です。
「業務改善」の代表的な英語表現2つ

英語ビジネスシーンで「業務改善」を指す表現としてもっともよく使われるのが、以下の2つの表現です。
- Process Improvement
- Business Improvement
それぞれの表現を、具体的な例文とともに見ていきましょう。
Process Improvement
「Process Improvement」は、「業務改善」を指す英語表現としてもっとも一般的といえます。
幅広い場面・幅広い業種で使える定番表現です。
とくに作業手順を見直したい時や、業務の効率を上げたい時など、主に「現場レベル」・「作業単位」での業務改善に対して使われます。
具体的な使い方としては、以下の例文を参考にしてください。
ミスを減らすため、業務改善に取り組む必要があります。
新しいツールは当社の業務改善のたすけになります。
業務改善の一環として、現在の作業手順を見直しています。
Business Improvement

「業務改善」を指す英語表現として、もうひとつよく使われる言葉が、「Business Improvement」です。
Business improvementは、process improvementの上位概念的な表現です。企業活動や事業全体など、より広い視野での業務改善に対して使われます。
具体的な使い方としては、以下の例文を参考にしてください。
当社は継続的な業務改善に取り組んでいます。
今年の目標は、全部署にわたって大きな業務改善を実現することです。
新しい戦略は顧客サービスの面で大きな業務改善をもたらしました。
「業務改善」を指すその他の表現

「業務改善」を指す英語表現には、ほかにもさまざまなものがあります。
ここでは、特に重要な以下の5つの表現を扱います。
- Operational Improvement
- Workflow Optimization
- Efficiency Improvement
- Streamlining
- Operational Enhancement
「業務改善」を英語で表現する時は、「improve・improvement(改善)」という表現を使うのが一般的です。
ただ、文脈に応じて「optimize・optiimization(最適化)」「streamline・streamlining(合理化)」「enhance・enhancement(強化)」などの表現を使い分ける必要があります。
それぞれの表現を、実際に使える具体的な例文とともに見ていきましょう。
Operational Improvement
「Operational improvement」は、業務オペレーション全体の改善を指す、広い意味の概念です。
単なる作業プロセスではなく、企業や部署全体の運営レベルでの改善を指します。
具体的な使い方としては、以下の例文を参考にしてください。
部署間のコミュニケーションを促進することで、業務改善に取り組んでいます。
この取り組みは、組織レベルでの業務改善のたすけになります。
新システムの導入は大きな業務改善につながりました。
Workflow Optimization

「Workflow Optimization」は「最適化(optimization)」に焦点を当てた表現です。
「ムダを減らし、作業手順をより効率的にする」という意味での「業務改善」に特化しています。
具体的な使い方としては、以下の例文を参考にしてください。
処理時間を短縮するための業務改善に取り組んでいます。
業務改善により、不要な工程が減りました。
「workflow(作業フロー)」は、「optimize・optimization(最適化)」と相性の良い英語です。
ただ、シンプルに「improve・improvement」と組み合わせて、「workflow improvement」と言うことも多いです。
Efficiency Improvement

「Efficiency Improvement」は、「efficiency(効率)」に焦点を当てています。
作業スピード、コスト、リソース配分など、効率面での業務改善を表すときにぴったりです。
以下の例文を参考にしてください。
業務改善により、運営コストを削減することができました。
業務改善により、より早く、より効率的な仕事が実現できました。
運営コストを削減することで、業務効率を改善しました。
workflow optimizationが「どう流すか(やり方・手順)」に焦点を当てているのに対し、efficiency improvementは「どれだけ速く・安く・少ない資源でできるか」つまり「結果」を重視している表現といえます。
Streamlining

「Streamline・Streamlining(合理化)」は、ムダをなくし、すっきりさせることを指します。
あとで扱う「Lean(ムダ削減)」に近い概念でもあり、業務改善の場で非常によく使われる表現です。
以下の例文を参考にしてください。
遅れを減らすため、承認業務を改善 [合理化] しています。
業務改善 [合理化] により、全体の効率が向上しました。
新しいシステムにより、業務を改善 [合理化] し、時間を節約できました。
「Operational Enhancement」について
「業務改善」を指す英語表現として、「Operational Enhancement」が挙げられることも多いかと思います。
ただ、「業務改善」は、「現場レベルで作業を効率化する」という意味合いの強い言葉ですよね。
それに対して、「operational enhancement」は、組織運営全体の「質を高める」・「価値を高める」という意味合いがあります。
そのため、DXや組織改革・会社改善など、限られたシーンでのみ、ふさわしい表現といえます。
「業務改善」に関連する英語表現
ここでは、業務改善について英語で意見を交換するにあたって、ぜひ覚えておきたい5つの用語を紹介します。
- BPR (Business Process Re-engineering)
- Lean
- Six Sigma
- “KAIZEN”
- PDCA
BPR (Business Process Re-engineering)
BPR(Business Process Re-engineering) とは、既存の業務プロセスを根本から見直し、抜本的に作り直すことを指します。
日々の業務改善(process improvement)よりも、はるかに大規模で、「改善」よりも「改革」に近い言葉です。
たとえば、次のようなケースでBPRが行われます。
- 業務が複雑になりすぎている
- 古い仕組みがデジタル化に合わない
- 効率が悪く、競争力が落ちている
- 新システム導入を機に業務を全面的に見直したい
「今のやり方を前提にする」のではなく、「あるべき姿から逆算」するのが BPRの考え方です。
英語ビジネスシーンでの具体的な使い方としては、以下の例文を参考にしてください。
会社は新しいERPシステム導入と同時に、BPRを開始しました。
経営陣は、競争力強化のためにBPRを採用することを決定しました。
Lean

Leanは「脂肪のない・引き締まった・ムダのない」という意味の英単語に由来します。
「ムダ(waste)をなくし、価値を最大化する」 ことを目的とした業務改善の考え方です。
もともとはトヨタ生産方式から生まれ、現在では、製造業だけでなく、サービス業・IT・事務業務など、幅広い分野で使われています。
Leanは海外でも完全に定着している考え方ではありますが、「lean(寄りかかる)」といった英単語と区別するために、「principle」や「approach」などと組み合わせて伝えると、より親切です。
業務改善のために、Leanの考え方を取り入れています。
作業フローを合理化するために、Leanアプローチを採用しました。
Six Sigma
Six Sigma は、データや統計を使って、業務プロセスのばらつきやミス(欠陥)を減らすことを目的とした改善手法です。
「ほぼエラーのない状態(欠陥を限りなくゼロに近づける)こと」が目標で、感覚や経験ではなく、数字で改善を進めるのが特徴です。
英語ビジネスシーンでは、以下のように使いましょう。
品質を向上させ、欠陥を減らすためにSix Sigmaを使っています。
プロセスの正確さを高めるため、Six Sigmaプロジェクトを開始しました。
“Kaizen”

「KAIZEN」は英語ビジネスシーンでも通用する国際語です。「KAIZEN」と大文字で表記されることもあります。
ただ、日本語の「改善」とは少しニュアンスが違うので、注意が必要です。
英語ビジネスシーンで「Kaizen」と言う場合は、「小さな改善をコツコツ積み重ねる」というニュアンスが生まれます。
以下の例文を参考にしてください。
日々の現場業務を改善するため、KAIZENを推進しています。
改善点を見つけるため、定期的にKAIZENイベントを実施しています。
PDCAについて
「PDCAサイクル」という考え方は、1950年代にアメリカで提唱された考え方なので、英語でも通じそうに思えてしまいますよね。
しかし現在は、むしろ「日本発の改善フレームワーク」という認識が強く、PDCAを知っている英語話者もいますが、必ずしも通じるとは限りません。
そのため、「Let’s do PDCA.」と言っても、うまく通じなかったり、「ああ、日本人的な言い方だな」と苦笑されたりするかもしれません。
ただ、PDCAサイクルという考え方が時代遅れというわけではありません。
ビジネスシーンの業務改善法としては非常に有効な考え方ですが、英語ビジネスシーンに持ち込む場合は、内容をきちんと英語で説明できるようにしておきましょう。
たとえば、以下のような言い方が使えます。
結果をふまえてプロセスを改善していきましょう。
業務改善のために段階的なアプローチを行っています。
継続的な改善に力を注いでいます。
まとめ

業務改善を指す英語表現として一般的なのは「Process Improvement」と「Business
Improvement」で、とくにprocess improvementは幅広いシーン・幅広い業種で使える万能ワードです。
この記事では、ほかにも以下の「業務改善」を指す英語表現を紹介しました。
- Operational Improvement
- Workflow Optimization
- Efficiency Improvement
- Streamlining
また、「業務改善」について語る際に役立つ、以下の英語表現について解説しました。
- BPR (Business Process Re-engineering)
- Lean
- Six Sigma
- “Kaizen”
グローバルなビジネスシーンで業務改善が必要だと感じても、英語で伝えるのは勇気がいりますよね。
そんな時でも口をつぐむのではなく、たとえば、「One area we could improve is 〜.(〇〇の分野は改善してもいいかもしれません)」「There is room for improvement in 〜.(△△には改善の余地があります)」のように、スマートに改善点を伝えてみましょう。
言いたいことがあっても口にしないでいると、不当に低く見られてしまいます。
最初はつたない英語でもいいので、業務改善についてどんどん意見を発信していってください。
この記事がその一助になれば幸いです。
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ホール 奈穂子
株式会社ギャビーアカデミー代表取締役
元九州大学職員。TOEIC 990、IELTS 7.5(Speaking 8.0)を誇る、英語学習独学のスペシャリスト。27歳から英語を学び直し、自らの人生で英語習得がもたらす可能性を証明。米国赴任、留学プログラムや海外大学との共同学位取得プログラムの設計・運営に携わった経験から、日本人の英語学習における課題を深く理解し、効果的な学習方法を追求。その集大成として、東京大学と共同で、脳科学に基づいた独自の英語スピーキング習得メソッドを開発。現在カナダ・バンクーバーに在住。世界を舞台に活躍する日本人ビジネスパーソンの育成に情熱を燃やし、日本とバンクーバーを往復しながら精力的に活動中。趣味はカナダを舞台にしたサケ釣り。

