ビジネスの現場では、プロジェクト・プログラム・施策に「どれほどの経済効果があるのか」説明する機会も多いですよね。
海外向けのプレゼンテーションや国際会議などにおいては、英語を使って「経済効果」について語ることもあるでしょう。
日本人ビジネスパーソンの多くは、「経済効果」をeconomic effectと英訳しがちです。
この英訳は間違いではないのですが、場合によっては、説得力が弱い印象になってしまいます。
その「経済効果」が「重要性」なのか、「結果」なのか、「メリット」なのか、正しくニュアンスを伝えられないと、内容自体が不当に過小評価されてしまうかもしれません。
この記事では、「経済効果」を指す基本の3フレーズと、覚えておくと差がつく3フレーズを例文とともに紹介します。
そして、説得力をアップさせるコツを、段階を追って解説します。
国際社会において、説得力ある意見を発信していきたい方は、ぜひ参考にしてください。
「経済効果」を指す基本の英語3つ

ここでは、「経済効果」について英語で語る上で絶対におさえておきたい基本のフレーズ3つを紹介し、例文とともに解説します。
- economic impact
- economic effect
- economic benefit
それぞれ詳しく見ていきましょう。
economic impact
economic impactは、「経済効果」を指す英語表現としては、もっとも一般的で、もっとも評価されやすい言い方です。
新規事業、投資判断、政策、M&A、海外向けプレゼンなど、意思決定が関わる場面で欠かせません。
impactには、単なる「影響」だけではなく、「規模の大きさ」・「重要性」・「意思決定への影響」といったニュアンスが含まれます。
そのため、「影響の大きさや重要性を伝えたいとき」・「相手に判断・意思決定を促したいとき」に便利な表現です。
具体的な使い方としては、以下の例文を参考にしてください。
この施策は地域経済に大きな経済効果をもたらすと見込まれています。
この投資は長期的に見てプラスの経済効果があります。
「経済効果」を表す英語表現に迷ったら、economic impactを選んでおけば、大きく外すことはないでしょう。
economic effect

economic effectは、「経済効果」の対訳として、もっとも適切な英語といえるでしょう。
しかし、ビジネスの何かを決定する場面や、相手を説得する場面では、やや控えめに聞こえる表現です。
なぜなら、economic effectは、良し悪しを強調せず、事実・結果を説明する、中立的な表現だからです。
客観的・分析的なトーンを保ちたいときや、研究・調査・説明が目的であるときに向いている表現といえます。
以下の例文を参考にしてください。
その研究は中小企業への経済効果を検証しています。
長期的な経済効果はまだ不明です。
ただ、繰り返しになりますが、economic effectは中立的で客観的な表現なので、意思決定を促したり、相手を説得したりする場面では、少々弱く聞こえてしまいます。
前項で紹介したeconomic impactや、後の項で紹介するeconomic benefitを使った方が、ビジネスシーンでは効果的に響くケースが多いです。
economic benefit

economic benefitは、「影響全体」を指すeconomic impactや、結果を中立的に述べるeconomic effectと違い、「ポジティブな効果」を前提とした表現です。
そのため、説得や訴求を目的として「経済効果」を語る時に、「なぜその提案を採用する価値があるのか」を端的に示すことができます。
具体的な使い方は、以下の例文を参考にしてください。
このプロジェクトは地元企業に大きな経済効果をもたらします。
経済効果 [経済的メリット] は初期コストを上回ります。
ただ、economic benefitは、乱用すると「主観的」または「楽観的」に聞こえることがあります。
economic benefitはここぞという時に使い、基本的にはeconomic impactを選ぶ方が無難です。
また、のちの章で紹介するeconomic contributionの活用もおすすめです。
覚えておくと差がつく「経済効果」の英語表現3選

ここでは、economic impact / economic effect / economic benefitの基本3フレーズ以外の、「経済効果」を指す英語表現を3つ紹介します。
- economic contribution
- economic value
- value creation
それぞれ詳しく見ていきましょう。
economic contribution
economic contributionは、「経済効果」の中でも、「経済全体」や「特定の地域・産業」に対して、「どれだけ貢献しているか」を表します。
単なる「影響」や「メリット」ではなく、社会・経済にとっての「価値」や「役割」を客観的に語りたいときに使われます。
具体的な使い方としては、以下の例文を参考にしてください。
このプロジェクトは大きな経済効果を生んでいます [地域経済に大きく貢献します]。
当社は雇用創出を通じて重要な経済効果を生んでいます [経済的貢献をしています]。
この産業の経済効果 [経済的貢献] は拡大し続けています。
economic contributionは、経済全体・地域・社会への寄与を示すのに最適な表現といえます。
そのため、公的・対外的な説明で活躍します。
たとえば、ステークホルダー向けのIR・統合報告書・サステナビリティレポート、あるいは地域活性化・雇用創出・産業振興の説明といった場面です。
一方で、フォーマルなニュアンスが強いため、日常的な営業トークには不向きです。
また、小さな成果を強調する時にもあまり向かないので注意しましょう。
economic value

economic valueは、製品・サービス・事業・施策が、「どれだけの価値を生み出しているか」を、経済的な観点で表す言い方です。
「経済効果」を、ビジネス上の価値・成果として語りたいときに使われます。
投資家・経営層・事業責任者向けの説明などで特に重要になる表現です。
具体的な使い方は、以下の例文を参考にしてください。
このサービスは顧客にとって大きな経済効果 [経済的価値] を生み出します。
この施策は長期的な経済効果 [経済価値] を提供することを目的としています。
当社はイノベーションを通じて持続的な経済効果 [経済価値] の創出に注力しています。
economic valueを使う上で注意したいのが、「profit(利益)」と同義ではないという点です。
economic value は、短期の利益というより、中長期の価値を指します。
そのため、ビジネスとしての意味・価値を説明したいときや、投資・戦略について話すときにおすすめの表現です。
value creation
value creation は、「経済効果」を、「結果」ではなく「プロセス」として捉えるときに使われる表現です。
そのため、戦略やビジョン・中長期的な方針について語るとき、「今後どのように価値を創出していくのか」を示すことができます。
具体的な使い方は、以下の例文を参考にしてください。
当社の戦略は長期的な経済効果 [価値創出] に重点を置いています。
当社はイノベーションを通じた持続的な経済効果 [価値創出] を目指しています。
「経済効果」の話で説得力をアップさせるコツ

日本人ビジネスパーソンが使って損をしてしまいがちな表現が2つあります。以下のような表現を使ってしまったことはないでしょうか。
どちらの文も自然なように見えますが、よく見ると、誰にとっての影響なのか、どんな影響なのかが分かりにくく、情報不足ですよね。
そのため抽象的で説得力が足りず、幼稚な印象すら与えかねません。
経済効果について、説得力のある発言・提案をするには、以下のようなステップを踏みましょう。
- 適切な動詞を選ぶ
- 「何に対する経済効果か」を明示する
- 性質・規模を添える
順を追って詳しく見ていきましょう。
1. 適切な動詞を選ぶ
まずは、経済効果が「ある」という時に「there is」で済ませるのではなく、経済効果を「生み出す」・「もたらす」動詞を選びましょう。
代表的な動詞としては、以下のようなものがあります。
- have
- create
- generate
- deliver
- contribute
それぞれの使い方を簡単に見ていきます。
have
haveは「(影響・効果が)ある」という意味で、経済効果について語る上で、もっともポピュラーな動詞です。
以下の例文を参考にしてください。
その提携は、双方に経済効果 [経済的メリット] をもたらすよう設計されています。
その投資は中小企業に経済効果 [経済的メリット] をもたらす可能性があります。
create
createは「新たに生み出す」という意味の動詞で、「経済効果」と非常に相性のよい言葉です。
「経済効果」という意味の「value creation」でも名詞形creationが登場しましたよね。
具体的な使い方は、以下の例文を参考にしてください。
その施策はイノベーションを通じて経済効果 [経済的価値] を創出します。
このプロジェクトは地域に持続的な経済効果を生み出すことを目的としています。
generate

generateもcreateと同じく「生む」という意味合いの単語ですが、こちらは「測定可能な成果を生む」というニュアンスを含んでいます。
具体的な使い方は、以下の例文を参考にしてください。
そのプログラムは今後5年間で経済効果を生むと予測されています。
その戦略は大きな経済効果を生み出す可能性があります。
deliver
deliverは経済効果を「(成果として)提供する」という意味です。経済効果をビジネス相手に「ちゃんと届ける」といったニュアンスです。
その施策はステークホルダーに経済効果 [経済的価値] をもたらしました。
当社のソリューションは短期間で具体的な経済効果をもたらします。
contribute
contribute は「貢献する」という意味で、公共の場や地域性が求められる場・ESGの文脈で必須になる単語です。
以下の例文を参考にしてください。
そのプロジェクトは長期的な経済効果を生み出すことで経済に貢献します。
この施策は前向きな経済効果に貢献すると期待されています。
2.「何に対する経済効果か」を明示する

次に、前置詞句を使って「経済効果が影響する対象」をはっきりさせましょう。
ここでは、よく使われる代表的な3つの前置詞を紹介します。
- on~
- for~
- across~
それぞれの前置詞の使い方を、簡単に見ていきましょう。
on~
前置詞onは、「経済効果がどこに影響するのか」を表現するときに使います。
施策や出来事など、対象に向かっていく矢印のようなイメージです。
そのため、分析や説明など、客観的な記述でよく使われます。
economic impactやeconomic effectと相性がよく、economic benefitとは相性がよくありません。
具体的な使い方は、以下の例文を参考にしてください。
その規制は投資活動にマイナスの経済効果を与える可能性があります。
その投資は生産性に大きな経済効果をもたらす可能性があります。
for~
前置詞forは、「経済効果によって誰が得をするのか」を表現するときに使います。
economic benefit / economic value と特に相性が良い言葉です。
以下の例文を参考にしてください。
このプロジェクトは地域の事業者に経済効果 [経済的メリット] をもたらします。
この施策はステークホルダーに経済効果 [経済的価値] を創出します。
across~
前置詞acrossは、「経済効果がどの範囲まで及ぶのか」を表現するときに使います。
単一の対象ではなく、複数の分野・地域・関係者に広がる面的・横断的な広がりについて話したい場合に有効です。
経済効果のスケール感を伝えたいときに役立つ言葉です。
以下の例文を参考にしてください。
その投資は複数の産業にわたってよい経済効果をもたらします。
その施策は地域全体によい経済効果をもたらすと期待されています。
3. 規模・性質を明示する

適切な動詞を選び、さらに経済効果の向かう先を明示できたら、最後に、以下の言葉を使って経済効果の「規模」や「性質」を明示しましょう。
- significant(規模)
- substantial(規模)
- positive(性質)
- long-term(性質)
- sustainable(性質)
これで、経済効果について語る時の説得力がぐんとアップするでしょう。
それでは、経済効果の「規模」や「性質」の語り方についても、簡単に見ていきます。
significant
significantは経済効果の「規模」を語る上で、もっともポピュラーな言葉の1つです。
経済効果に「重要で、無視できない規模」の影響があることを表現しています。
数や量の上で「大きい・多い」というより、「意味」や「影響の大きさ」に焦点を当てた言葉です。
このプロジェクトは地域経済に大きな経済効果をもたらすと期待されています。
その施策は長期的に見て無視できない経済効果をもたらしました。
economic impact / effect / benefitのすべてと相性が良いため、迷ったらsignificantを選べば外すことはあまりないでしょう。
「big」ではなく「significant」を選べるだけでも、発言の説得力がグッと高まります。
substantial
substantialは、経済効果の「量的・質的な大きさ」を強調したい時に使う言葉です。
significantが「重要さ」や「意味」に焦点を当てているのに対し、substantialは「かなりの量・規模がある」というニュアンスを持ちます。
以下の例文を参考にしてください。
その投資は地域にかなり大きな経済効果をもたらすと期待されています。
そのプロジェクトは雇用創出の面で相当な経済効果を生み出しました。
positive
positiveは、経済効果が「よいもの」であることを明確に示すための言葉です。
「明らかによい効果だ」と思える場面でも、あえて「positive」を使うことで、国際社会で誤解を避けることができます。
以下の例文も参考にしてください。
このプロジェクトは地域経済によい経済効果をもたらすと期待されています。
その施策は地域社会にプラスの経済効果をもたらします。
long-term

long-term は、経済効果が短期的なブームや一過性のものではなく、時間をかけて続くことを強調したい時に使うフレーズです。
短期的な成果に偏らず、中長期的な視点での価値を強調し、「今だけでなく、先も見る」視点を表現します。
以下の例文を参考にしてください。
その施策は地域に長期的な経済効果を生み出すことを目指しています。
その投資は長期的な経済効果をもたらすと期待されています。
sustainable
sustainableは、「経済効果」が一時的ではなく、無理なく継続できることを表現する言葉です。
long-termは時間軸に焦点を当てていますが、sustainableは継続できるような「仕組み」や「健全性」というニュアンスを強く持ちます。
以下の例文を参考にしてください。
このプロジェクトは地域社会に持続可能な経済効果をもたらすことを目指しています。
当社のアプローチは、すべてのステークホルダーにとって持続可能な経済効果 [経済的メリット] を生み出すことに重点を置いています。
まとめ

この記事では、「経済効果」を表す基本の3フレーズと、覚えておくとさらに差がつく3フレーズを紹介しました。
それぞれどんな時に使えばよいか、簡単に表にまとめておきます。
| economic impact | 規模感・インパクトを示したい(最も一般的) |
| economic effect | 結果・影響を客観的に述べたい |
| economic benefit | メリットを強調したい |
| economic contribution | 社会・地域・経済への貢献度を示したい |
| economic value | 事業としての価値を語りたい |
| value creation | 価値を生み出すプロセスを強調したい |
そして、「economic effect」という表現は、「経済効果」の英訳としては正しいものの、ビジネスシーンではやや弱く響くということをおさえておいてください。
さらに、「There is an economic impact.」やThe economic impact is big.」といった表現は、1文の中の情報量が少ないため、説得力に欠け、稚拙な印象を与えかねません。
「適切な動詞」「何に対する経済効果か」「経済効果の性質・規模」など、必要な情報を織り込んで話しましょう。
「経済効果」について語るあなたの言葉が、国際社会で力強く響くことを祈っています。
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ホール 奈穂子
株式会社ギャビーアカデミー代表取締役
元九州大学職員。TOEIC 990、IELTS 7.5(Speaking 8.0)を誇る、英語学習独学のスペシャリスト。27歳から英語を学び直し、自らの人生で英語習得がもたらす可能性を証明。米国赴任、留学プログラムや海外大学との共同学位取得プログラムの設計・運営に携わった経験から、日本人の英語学習における課題を深く理解し、効果的な学習方法を追求。その集大成として、東京大学と共同で、脳科学に基づいた独自の英語スピーキング習得メソッドを開発。現在カナダ・バンクーバーに在住。世界を舞台に活躍する日本人ビジネスパーソンの育成に情熱を燃やし、日本とバンクーバーを往復しながら精力的に活動中。趣味はカナダを舞台にしたサケ釣り。

