取引先に「値上げ」を伝えるとき、英語でどう言えば角が立たず納得してもらえるのか、悩んだことはありませんか?
対訳としては、increase pricesという表現が考えられますが、英語ビジネスシーンでは、ストレートすぎる印象があります。
英語ビジネスシーンで「値上げ」を伝えるには「シンプルながらストレートすぎない」伝え方が重要になってくるのです。
そこでこの記事では、まず「値上げ」を指す英語表現について簡単に紹介したのち、英語で「値上げ」を伝える際の3つのコツを紹介します。
「値上げ」を伝える際にそのまま伝えるフレーズ集や、逆に、避けるべきNG表現も紹介するので、「コスト」と「信頼関係」の最適なバランスを追求したい方は、ぜひ参考にしてください。
「値上げ」を指す基本の英語表現3つ

「値上げ」を指す表現として代表的なのが、以下の3つです。
- increase(動詞)/ price increase(名詞)
- raise(動詞)/ price rise(名詞)
- hike(動詞)/ price hike(名詞)
それでは、それぞれの表現のニュアンスの違いをみていきましょう。
increase / price increase
「値上げする」ことを意味する最も一般的な英語表現は、increaseです。
値上げします。
来月、値上げがあります。
increaseはニュートラルかつ客観的で、感情を伴わない表現です。
少し直接的すぎる印象もありますが、誤解なく「値上げ」を伝えたいなら、「increase」を選ぶとよいでしょう。
raise / price rise
raiseという単語は、「手を挙げる」シーンなどで聞き馴染みのある方も多いでしょう。「人が意志を持って引き上げる」というニュアンスのある表現です。
increaseよりも主体性が強くなり、より直接的な意味合いを持つ表現です。
価格を引き上げます。
最近、価格上昇がありました。
「価格を挙げる側」に立ってraiseを使う場合、「自分たちが上げる」という意志が強く表れるため、強く聞こえすぎてしまうこともあります。
ビジネスシーンでは、使い方に注意したい表現です。
hike / price hike
「hike」は「大幅に値上げする」「急な値上げ」という意味で、ネガティブなニュアンスを含む表現です。
昨年、大幅に値上げしました。
顧客は値上げに不満を持っています。
hikeは新聞やニュースなどの批判的な文脈でよく使われる表現で、取引先への説明ではまず使いません。
なぜならば、hikeは『一方的で急激な値上げ』というニュアンスがあるため、当事者が使うと相手への配慮を欠いた印象になるからです。
英語ビジネスシーンで「値上げ」を伝える3つのコツ

ここまで、「値上げ」を指す、基本的な表現を紹介してきました。
ただ、今まで紹介した表現を使うだけでは、英語で角が立たないよう「値上げ」を伝えるのは難しいかもしれません。
「値上げ」を伝えながら、取引相手との信頼関係も維持できるよう目指すなら、以下の3つのコツをおさえておきましょう。
- 動詞選びを工夫する
- 理由を先に伝える
- クッション表現を使う
それぞれどんなコツなのか、くわしくみていきましょう。
動詞選びを工夫する
最初の章で、increase(ただ単に値上げする(感情なし、直接的))やraise(自分が意志を持って引き上げる)、hike(大幅に値上げする)といった表現を紹介しました。
これらの表現は「正しい」のですが、「ストレートすぎる」「直球過ぎる」響きがあります。
そのため、英語ビジネスシーンで「値上げ」を伝える時は、以下のような、よりおだやかなニュアンスの動詞を選ぶのがおすすめです。
- adjust(調整する)
- revise(見直す・改定する)
来月から価格を調整いたします。
7月1日より価格を改定いたします。
理由を先に伝える
「値上げ」はどうしてもネガティブに受け取られる話題です。
そのため、いきなり値上げを伝えるのではなく、理由を先に説明することが重要です。
先に背景を共有することで、相手に「仕方ない」と納得してもらいやすくなり、印象をやわらげる効果があります。
コスト上昇のため、価格を調整いたします。
原材料費の上昇により、価格を見直します。
クッション表現を使う

英会話では基本的にシンプルな表現が好まれますが、話しにくい内容になると、適切なクッション表現(遠回しな表現)も有効です。
ここでは、口頭で「値上げ」を伝える上で、特におすすめのクッション表現2つを紹介します。
- I wanted to talk about …(~についてお話したかったのですが)
- We may need to …(~する必要があるかもしれません)
それぞれ簡単に解説します。
I wanted to talk about …
「I wanted to talk about …」は、話しにくいテーマをやわらかく「切り出す」ためのクッション表現です。
直訳すると「〜についてお話ししたかったのですが」という意味で、結論を伝える前の、会話の「入り口」を作る役割があります。
価格についてお話ししたいのですが。
価格変更についてお話ししたいのですが。
この表現は、単体ではなく、その後に話題をつなげることが前提となっています。
たとえば、以下のような形です。
I wanted to talk about our pricing.
Costs are going up.
So we may need to adjust our prices.
価格についてお話ししたいのですが、
コストが上がっているため、
価格調整が必要になる可能性があります。
このフレーズは、値上げ(価格)について、まず話題を提示して、相手に心の準備をさせる効果があります。
言いにくいことを話すなら、まず「話題を切り出す」表現を使えるようにしましょう。
We may need to …

「We may need to …」は、値上げのようなデリケートな話題を、断定せずに、やんわり伝えるクッション表現です。
直訳すると「〜する必要があるかもしれません」となり、「決定事項」として言い切らず、「可能性」として伝えることで、印象をやわらげます。
価格を調整する必要があるかもしれません。
価格の見直しが必要になる可能性があります。
一方的な通知ではなく、交渉の余地を残すことで、相手への「圧」を下げる効果があります。
英語ビジネスシーンでそのまま使える「値上げ」フレーズ集

それでは、実際に「値上げ」について話す実践的なフレーズを、順を追ってみていきましょう。
- 話題を切り出すフレーズ
- 先に理由を伝えるフレーズ
- 角が立たないように「値上げ」を伝えるフレーズ
- 相手に配慮するフレーズ
1. 話題を切り出すフレーズ
「値上げ」などのデリケートな問題について話す際には、いきなり本題に入るのではなく、まず話題を「切り出し」て、先方にも考える余裕を与えましょう。
先ほど紹介したクッション表現「I wanted to talk about…」などが使えます。
本日は価格についてお話したいのですが。
価格についてお話ししたいです。
少し価格についてお話しできますか?
2. 先に理由を伝えるフレーズ
話題を切り出したら、いきなり「値上げします」と言うのではなく、「値上げをするのにはちゃんと理由がある」ということを前もって伝えるようにしましょう。
背景となる事実をシンプルに伝えるのがポイントです。
燃料費が上昇しているので……
原材料費が上昇しているので……
物流コストが上昇しているので……
初心者の方は、口頭なら「Because…」や「so…」を使っても全く問題ないのですが、これらの表現はやや口語的です。
徐々に「As…」や「Given…」などの、フォーマルな表現を使えるようにしていきましょう。
3. 角が立たないように「値上げ」を伝えるフレーズ

理由を伝えたら、続けて「値上げ」を伝えましょう。動詞はadjustやreviseなど、穏やかなニュアンスのものを選ぶと効果的です。
クッション表現「We may need to…」も使えます。
価格調整が必要になるかもしれません。
価格見直しを予定しています。
価格の見直しが必要になる可能性があります。
「値上げ」を穏やかに伝える動詞は、ほかにreviewやupdateなどがあります。
4. 相手に配慮するフレーズ
値上げを伝えたら、伝えっぱなしにするのではなく、フォローする一言を添えると、より効果的です。
ご意見を頂戴できますか?
ご理解いただけますでしょうか?
ご意見をいただければ幸いです。
このような表現を使って、「一方的に値上げを伝える」形を避けると効果的です。
「値上げ」を伝える時に避けたいNG表現

「上げる」というと、カタカナ語の「アップ」を連想する方も多いかと思います。
そのため、「値上げ」をする際に、以下のような表現を使ってしまう方もいるかもしれませんね。
これらの表現でも、意味は通じるでしょうが、「子どもっぽい」あるいは「スラング寄り」という印象があり、ビジネスシーンでは不適切です。
また、「✕ We will price up. 」も和製英語なので注意です。
こういった場合は、以下のように言い換えられるようにしましょう。
さらに、以下のような言い回しを活用すると、より効果的です。
まとめ

この記事では、主に「値上げ」を英語で、角が立たないよう伝える方法を紹介しました。
具体的な方法は以下の3つです。
- 動詞選びを工夫する(adjust / revise)
- 理由を先に伝える
- クッション表現を使う
テンプレートは以下のようになります。
コストが上がっているので、価格を調整する必要があるかもしれません。
そして、相手に配慮する一文も付け加えましょう。
ご意見をうかがえますか?
「値上げ」を伝える時は、おだやかな表現を選ぶのももちろん重要なのですが、納得感のある理由を提示したり、相手への配慮を示す姿勢はより重要です。
グローバルなビジネスシーンにおいて、価格の改定は事業を継続し、より良い価値を届けるための正当なプロセスです。
だからこそ、必要以上に萎縮することなく、対等なパートナーとして論理的かつ誠実に伝えるスキルが求められます。
今回紹介したadjustやreviseといった表現を使いこなせるようになると、あなたの英語のプロフェッショナル度は一気に引き上がります。
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ホール 奈穂子
株式会社ギャビーアカデミー代表取締役
元九州大学職員。TOEIC 990、IELTS 7.5(Speaking 8.0)を誇る、英語学習独学のスペシャリスト。27歳から英語を学び直し、自らの人生で英語習得がもたらす可能性を証明。米国赴任、留学プログラムや海外大学との共同学位取得プログラムの設計・運営に携わった経験から、日本人の英語学習における課題を深く理解し、効果的な学習方法を追求。その集大成として、東京大学と共同で、脳科学に基づいた独自の英語スピーキング習得メソッドを開発。現在カナダ・バンクーバーに在住。世界を舞台に活躍する日本人ビジネスパーソンの育成に情熱を燃やし、日本とバンクーバーを往復しながら精力的に活動中。趣味はカナダを舞台にしたサケ釣り。

