「メールのやり取り」「顧客とのやり取り」「情報のやり取り」などと、英語ビジネスシーンでは、「やり取り」という表現が頻繁に飛び交いますよね。
しかし、英語で「やり取り」を表現する時は、何といえばよいのでしょうか。
多くの方が真っ先に思い浮かべる英訳がcommunicationかと思いますが、communicationが指す範囲は限定的です。
communication一択ではなく、正しく言い換えないと、「話が分かりにくい」と思われたり、思わぬ誤解を生んだりするかもしれません。
この記事では、「やり取り」を表す英語表現を体系的に整理し、ビジネスシーンでそのまま使える形で解説します。
基本の3表現からシーン別の使い分け、ネイティブがよく使うフレーズ、NG表現までカバーしているので、グローバルなコミュニケーションを重視している方は、ぜひ参考にしてください。
知っておきたい「やり取り」基本の3表現

ここでは、最低限押さえておきたい「やり取り」を指す基本の3表現を紹介します。
- communication(もっとも一般的)
- interaction(双方向のやり取り)
- exchange(情報・意見のやり取り)
それぞれくわしくみていきましょう。
communication(もっとも一般的)
「やり取り」と聞いて多くの人がまず思い浮かべる英訳が、communicationでしょう。
実際communicationは、「やり取り」を表す単語でもっともカバーする範囲が広く、社内外・口頭・メールなど、あらゆる場面で使えます。
クライアントと頻繁にやり取りしました。
効果的なチームワークには円滑なやり取りが不可欠です。
チーム間のやり取りが不足していました。
ただ、communicationは万能なようにみえますが、単独で使うと「何をどのようにやり取りしたのか」具体性に欠ける側面があります。
communicationを使う時は、具体的な周辺情報を忘れずに盛り込みましょう。
また、communicationは不可算名詞のため、フォーマルな文脈や、法務・公文書などの例外をのぞいて、複数形をとることはありません。
英語ビジネスシーンでは、以下のような文を使わないよう注意しましょう。
この場合、以下のような言い換えをおすすめします。
interaction(双方向のやり取り)

interactionは、「やり取り」を指す英語表現の中でも、「双方向の関わり」を強調する言葉です。
会話・顧客対応・チーム内の連携など、「人と人のやり取り」の場面でよく使われます。
顧客とのやり取りはこの仕事の重要な要素です。
関係者と直接やり取りしました。
頻繁なやり取りが良好な関係構築につながります。
チーム間のやり取りは限られていました。
interactionは、communicationより「人と人のリアルな関わり」というニュアンスが強いため、顧客対応やチームの連携など、現場レベルのシーンで使われることが多い表現です。
exchange(情報・意見のやり取り)

exchange は、「交換」というコアイメージを持つため、情報や意見をやり取りする際に使われます。
ワークショップで意見をやり取りしました。
チーム間で定期的に情報をやり取りしました。
セッション中に活発なフィードバックのやり取りがありました。
ただ、exchangeを使う際に注意したいのが、「何を交換したか」を明示しないと不自然になってしまう点です。
以下の例文を見てください。
この英文は、文法的には正しいのですが、どんな意見交換がなされたのかは分かりにくいですよね。
この場合、以下のように言い換えるとよいでしょう。
アイディアのやり取りをしました。
情報のやり取りをしました。
【中級編】シーン別で使い分けたい「やり取り」の英語表現

ここでは中級者向けに、さらに3つの「やり取り」を指す英語表現を紹介します。
- discussion(会議・話し合いのやり取り)
- coordination(調整としてのやり取り)
- correspondence(メール・文書のやり取り)
漠然とcommunicationを使うより、「どんなやり取りか」を明示することによって、誤解を防ぎ、ビジネスコミュニケーションをスムーズに進めることができます。
それでは、それぞれの表現を例文とともに詳しくみていきましょう。
discussion(会議・話し合いのやり取り)
discussion は、会議や打ち合わせで特定のテーマについて意見を出し合い、結論や方向性を導くやり取りを指します。
提案について有意義なやり取りを行いました。
長いやり取りの末、意思決定に至りました。
その課題について会議で詳細なやり取りが行われました。
このように、discussionは「目的のあるやり取り」であり、「意思決定」や「問題解決」がからんでいるのが特徴です。
coordination(調整としてのやり取り)

coordination は、スケジュール・業務・関係者の動きをすり合わせ、調整する「やり取り」を指します。
このプロジェクトではチーム間の密なやり取り・調整が不可欠です。
そのイベントには複数の関係者とのやり取り・調整が必要です。
部門間のやり取り・調整を改善する必要があります。
日本語の「調整」「連携」に近く、日本企業の実務と相性が良い表現です。
correspondence(メール・文書でのやり取り)
correspondence は、メールや書簡など文書ベースの「やり取り」を指す、フォーマルな表現です。
日々のビジネスメールから契約関連のやり取りなど、幅広く使われます。
契約に関してクライアントと多くのやり取りを行いました。
数週間にわたりメールでのやり取りが続きました。
詳細はこれまでのやり取りをご確認ください。
すべてのやり取りはこのメールアドレス宛にお願いします。
ビジネスメールで自然な英語表現を目指している方なら、必ず押さえておきたい単語です。
【ネイティブが使う】「やり取り」の重要フレーズ

ネイティブは単語だけでなく、フレーズで「やり取り」を表現することも多いです。
以下のフレーズを押さえておくと、自然なビジネスコミュニケーションを身につけることができます。
- back-and-forth(何度も続くやり取り)
- keep someone in the loop(情報共有)
- touch base(軽いやり取り)
それぞれくわしくみていきましょう。
back-and-forth(何度も続くやり取り)
back-and-forth は、英語ネイティブが「やり取り」を表現するときによく使うフレーズで、何度も「行ったり来たりする」やり取りを指します。
メール・チャット・会話など、手段を問わず使えるのが特徴で、ビジネスシーンでも自然に使われます。
クライアントと何度もやり取りがありました。
価格について何度かメールでやり取りしました。
何度かやり取りした末に合意に至りました。
back-and-forthは日本語の「やり取り」のニュアンスにもっとも近い表現といえます。
「やり取り」をよりリアルに、自然に表現したいなら、ぜひ覚えておきたいフレーズです。
ただ、ややカジュアルな表現なので、フォーマルな文書などでは、correspondenceなどを使って言い換えた方がよいでしょう。
keep someone in the loop(情報共有)

keep someone in the loop は、ビジネスで非常によく使われる表現で、関係者を「やり取りの中に入れておく=継続的に情報共有する」という意味です。
単発の連絡ではなく、プロジェクトの進行に合わせてアップデートする情報を共有し続けるというニュアンスがあります。
進捗をやり取り [共有] してください。
進捗に応じて随時やり取り [共有] します。
この件についてクライアントとも随時やり取り [情報共有] しましょう。
関係者全員に情報のやり取り [共有] を徹底してください。
こちらも、英語で自然に「やり取り」を表現するなら、必ず押さえておきたいフレーズといえるでしょう。
ただ、やはりカジュアルな表現なので、フォーマルな文書では「keep someone informed」「provide updates」などと言い換えるのがおすすめです。
touch base(軽いやり取り)
touch baseは、「簡単に連絡を取る」「軽く状況を確認する」という意味で、長い議論ではなく、短時間で要点だけを共有するやり取りに使われます。
プロジェクトの進捗について簡単に確認したくご連絡しました。
今日、あとで少しやり取りできますか?
チームとちょっとやり取りしてから折り返します。
こちらも、自然なビジネス英語を目指すなら、ぜひ使いこなしたい表現です。
ただ、やはりカジュアル寄りな表現なので、フォーマルな文書では「follow up」「check in」などと言い換えるのがおすすめです。
「やり取り」の【上級者向け】表現3選

near-native, nativelikeな、より洗練されたビジネス英語を目指したい方に、上級編の「やり取り」を指す英語表現も紹介します。
- negotiation(交渉としてのやり取り)
- alignment(認識合わせ)
- engagement(関係構築としてのやり取り)
それぞれくわしくみていきましょう。
negotiation(交渉としてのやり取り)
negotiationは、価格・条件・契約などについて、利害を調整するためのやり取り(交渉)を指します。
単なる意見交換ではなく、合意形成(agreement)に向けたやり取りなのが特徴です。
価格についてサプライヤーとやり取り [交渉] 中です。
契約は現在もやり取り[交渉] が続いています。
複数回のやり取り [交渉] を経て合意に至りました。
negotiationは、条件・利害を調整する「目的」に焦点を当てた「やり取り」で、価格・納期・契約条件などのテーマで頻出の表現です。
合意形成・条件調整に特化した言葉なので、ビジネス英語上級者なら必ず使いこなしたい表現といえます。
alignment(認識合わせ)

alignment は、目標・方針・認識などを関係者間で一致させるためのやり取りを指します。
近年のビジネス英語で非常に重要度が高いキーワードです。
全チーム間でやり取りし、認識を合わせましょう。
戦略についてやり取りの [認識の] ズレがあるようです。
部門間でのやり取り [認識の整合性] を確保する必要があります。
alignmentは「正解を出す」よりも「方向性を揃える」やり取りを指し、プロジェクト・マネジメント・戦略で頻出の表現です。
現代ビジネスで必須の概念ともいえます。
engagement(関係構築としてのやり取り)
engagement は、顧客や関係者との関係性を築き、深めるための「やり取り」を指します。
マーケティングやカスタマーサクセスの場面でよく使われます。
顧客とのやり取り [関係性] が大きく改善しました。
顧客とのやり取り [関係構築] を強化する必要があります。
その施策がユーザーとのやり取りを活性化させました。
継続的なやり取りが信頼関係の構築につながります。
単発のやり取りではなく「継続的な関係性」にフォーカスしているのが特徴で、数値(エンゲージメント率など)で語られることも多いです。
marketing / CX領域で頻出の表現でもあります。
この章の中でも特に上級者向けの表現ですが、使いこなせると一気にプロフェッショナルな印象を演出できます。
「やり取り」は動詞で表すと自然になる

ここまで、名詞形で「やり取り」を指す英語表現を見てきましたが、実は「やり取りをする」話は、動詞で表現した方が自然な場合も多いです。
動詞を使うとシンプルな文章を組み立てることができ、話が伝わりやすくなります。
また、そもそもネイティブは動詞を中心に話すことが多いため、ネイティブの話し方・書き方を理解しやすくなります。
動詞を使うとシンプルな文章を組み立てることができ、話が伝わりやすくなります。
また、そもそもネイティブは動詞を中心に話すことが多いため、ネイティブの話し方・書き方を理解しやすくなります。
以下に挙げた例文のペアをそれぞれ参考にしてください。
We had frequent communication with the client.
(クライアントとたくさんやり取りをしました)
→ We communicated frequently with the client.
We had a discussion about the issue.
(その問題についてやり取りしました)
→ We discussed the issue.
We had coordination with the team.
(そのチームとやり取りしました)
→ We coordinated with the team.
We had an exchange of information.
(情報をやり取りしました)
→ We exchanged information.
英語ビジネスシーンでは、要件を「短く・明確に」伝えることが重要になってきます。
英語で自然に「やり取り」を表現したいなら、動詞で考えるクセをつけるのもおすすめです。
日本人が陥りがちなNG表現

ここでは、日本人ビジネスパーソンが陥りがちなミスのうち、代表的なものを3つ紹介します。
- communicationを使いすぎる
- doに頼りすぎる
- 名詞に頼りすぎる
それぞれくわしくみていきましょう。
communicationを使いすぎる
「やり取り」といえば、やはりcommunicationという英訳を思いつく方が多いと思います。
しかし、ここまで紹介してきたように、communicationは抽象度の高い単語なので、具体的な情報とセットにしないと、何を言いたいのか分かりにくくなってしまいます。
以下の例文を見てください。
提案について多くのやり取りがありました。
この言い方では何をしたのか、たとえば話し合いをしたのか、意見交換をしたのかがよくわかりません。
以下の例文も同様です。
クライアントと価格についてやり取りをしました。
この言い方は漠然としていて、メールでやりとりをしたのか、会議で話し合ったのかさえ分かりません。
実務の場で「やり取り」について話す時は、以下のように、より具体的な言い方を心がけましょう。
提案について何度かやり取りしました。(議論)
価格についてクライアントとやり取りしました。(議論)
提案についてやり取りしました。(情報交換)
doに頼りすぎる

日本語でいう「コミュニケーション ”する” 」という言い方に引っ張られて、英語でもdoを多用してしまう方も多いかもしれませんね。
doをhaveに置き換えるとうまくいくことも多いので、初心者の方におすすめです。
また、名詞形より動詞形を選ぶと、より自然でネイティブっぽい表現になります。
名詞に頼りすぎる
日本のビジネスシーンでは「やり取り」「調整」「検討」など、名詞を使うことが多いですよね。
そのため、英語表現でもcommunicate(動詞)よりcommunication(名詞)が好まれがちです。
しかし、英文の中で名詞ばかり使っていると、文が不必要に長くなってしまうため、内容がぼやけてしまいます。
英語で文を組み立てる際は、なるべく動詞を中心に考えるクセをつけるのがおすすめです。
以下の例文のペアを見てください。
We had a lot of communication and coordination with the client.
クライアントと密にやり取り・調整しました。
→We communicated and coordinated closely with the client.
名詞を使った文は「直訳感」が強いですが、動詞を使うとスッキリした文になり、一気にプロっぽくなりますよね。
上級者の方は、「We had…」と文を組み立てる前に、「動詞で言い変えられないか?」と考えてみてください。
まとめ

この記事では、12個の「やり取り」を指す英語表現を紹介しました。
基本の3表現:
- communication(もっとも一般的)
- interaction(双方向のやり取り)
- exchange(情報・意見のやり取り)
シーン別で使い分けたい中級表現:
- discussion(会議・話し合いのやり取り)
- coordination(調整としてのやり取り)
- correspondence(メール・文書でのやり取り)
ネイティブが使う「やり取り」の英語フレーズ:
- back-and-forth(何度も続くやり取り)
- keep someone in the loop(情報共有)
- touch base(軽いやり取り)
「やり取り」の上級者向け表現
- negotiation(交渉としてのやり取り)
- alignment(認識合わせ)
- engagement(関係構築としてのやり取り)
また、「had communication」より「communicate」など、動詞形を使いこなせるようになると、より自然でプロっぽい英語表現を目指すことができます。
コミュニケーションの重要性を知っていた方は多いかと思いますが、communicationという英単語が万能でないことを知っていた方は少ないかもしれませんね。
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ホール 奈穂子
株式会社ギャビーアカデミー代表取締役
元九州大学職員。TOEIC 990、IELTS 7.5(Speaking 8.0)を誇る、英語学習独学のスペシャリスト。27歳から英語を学び直し、自らの人生で英語習得がもたらす可能性を証明。米国赴任、留学プログラムや海外大学との共同学位取得プログラムの設計・運営に携わった経験から、日本人の英語学習における課題を深く理解し、効果的な学習方法を追求。その集大成として、東京大学と共同で、脳科学に基づいた独自の英語スピーキング習得メソッドを開発。現在カナダ・バンクーバーに在住。世界を舞台に活躍する日本人ビジネスパーソンの育成に情熱を燃やし、日本とバンクーバーを往復しながら精力的に活動中。趣味はカナダを舞台にしたサケ釣り。

