英語ビジネスシーンにおいて、遅刻をしてしまったり、納期が遅れたりしてしまう可能性は、誰にでもありますよね。
仮にそのような事態に陥ったら、単に「I’m sorry.」と謝罪するだけではなく、理由をきちんと伝える必要があります。
たとえば「電車が遅れてしまって……」「すみません、寝坊しました」などと言い訳したくても、英語だと、とっさに何と言っていいか迷う方も多いのではないでしょうか。
英語で「言い訳」をする場合は、状況や相手との関係性に応じて、ユーモアを交えたり、やわらかい表現を選びましょう。
多少の遅れやミスがあっても、適切な英語フレーズで状況を説明できれば、信頼を損なうことなく乗り切ることができるでしょう。
移動に関する言い訳フレーズ
公共交通機関などの遅れによって遅刻してしまった場合と、道に迷ってしまった場合のユーモラスな言い訳表現を紹介します。
- The train left without me.(電車が私を置いて行ってしまったんです)
- Google Maps took me on a scenic route.(グーグルマップに観光ルートを案内されました)
それぞれのバリエーションとともに、詳しく見ていきましょう。
The train left without me.
「電車に乗り遅れてしまいました」という場合、「I missed the train.」という表現が一般的ですよね。
ただ、そんな時、英語圏でよく使われるのが、「The train left without me.(電車が私を置いていったんです)」という言い回しです。
「missed the train」より少しドラマチックでユーモラスなニュアンスがあります。
公共交通機関の遅れに関しては、ほかにも以下のようなユーモラスな言い回しが使われています。
私は順調だったんですが、電車がそうじゃなかったんです。
どうやら、バスには別の予定があったようです。
公共交通機関と今日は口をきいてません。
ただし、フォーマルな場面では、このようなユーモラスでカジュアルな表現は避け、事実を丁寧に伝えましょう。
たとえば、以下のような表現が使えます。
予期せぬ遅延で電車に乗り遅れてしまいました。
あいにくの交通トラブルで電車に乗り遅れてしまいました。
遅れて申し訳ありません。スケジュールの都合で電車に間に合いませんでした。
「uexpected(予期せぬ)」「transportation issue(交通トラブル)」「scheduling issue(スケジュールの都合)」など、やわらかい言い回しを使うのがポイントです。
Google Maps took me on a scenic route.
道に迷って遅刻してしまった場合、「Google Maps took me on a scenic route.(グーグルマップに観光ルートに連れて行かれました)」とITのせいにするのも、定番ネタです。
ほかにも以下のようなユーモア表現があります。
今日のGPSはちょっと創造的でした。
グーグルマップと意見が食い違いました。
GPSは私に冒険が必要だと思ったみたいです。
寝坊・サボりに関する言い訳フレーズ
寝坊・サボりに関する言い訳表現としては、以下のようなユーモラスなフレーズがあります。
- My coffee failed to wake me up.(コーヒーが起こしてくれなかったんです)
- I was waiting for motivation to show up.(やる気待ちしてました)
それぞれのバリエーションとともに詳しく見ていきましょう。
My coffee failed to wake me up.
「My coffee failed to wake me up.(コーヒーが起こしてくれなかったんです)」は、寝坊して遅刻してしまった時などに使える言い訳表現です。
「コーヒーが私を起こすのに失敗した」ということで、遅刻の責任をコーヒーに転嫁する言い方です。
寝坊や遅刻について言い訳する時には、以下のような言い回しも使われます。
目覚まし時計とちょっと意思疎通がうまくいきませんでした。
毛布との戦いに敗れました。
アラームをセットしたんですが、どうやらアラームも眠かったようです。
I was waiting for motivation to show up.
「やる気が出なくて何もできなかった」「先延ばしにしてしまった」ことを「I was waiting for motivation to show up. (やる気待ちしてました) 」と表現することもできます。
「motivation(やる気)」が「現れるのを待っていた」という言い回しで、タスクに取りかかるのが遅れたときに使える言い訳表現です。
以下のような言い回しもあります。
ノートパソコンを開いて、天使待ちしてました。
脳がスヌーズボタンを押しました。
ただ、こういった表現は、フレンドリーな職場環境でのカジュアルなやりとりでは笑いを誘いますが、フォーマルなメールや上司への報告などでは、控えた方がよいでしょう。
スケジュール管理のミスに関する言い訳フレーズ
この章では、スケジュール管理のミスに関する言い訳表現を紹介します。
- The deadline came faster than I did.(締め切りの方が早かったです)
- I misunderstood the schedule.(スケジュールを勘違いしていました)
「The deadline came faster than I did.」はユーモアを交えた表現で、カジュアルなシーンに限定されますが、「I misunderstood the schedule.」は丁寧で誠実な印象があり、幅広いシーンで使われます。
それぞれのバリエーションとともに詳しく見ていきましょう。
The deadline came faster than I did.
締切の方が早かったです。
「締切の方が私よりも早くやって来た」、つまり「締切に間に合わなかった」「提出が遅れた」という意味になる文です。
以下のような類似表現もあります。
締め切りに負けてしまいました。
締め切りが私を待っていてくれなくて。
時間の方が私より走るのが速くて。
「beat」は「打ち負かす」という意味の他動詞です。「締め切りが私を打ち負かした」=「私は締め切りに負けた」という意味になります。
ちなみに「beat」は現在形も過去形も、同じ形をとる動詞です。
I misunderstood the schedule.
「I misunderstood the schedule.(スケジュールを勘違いしてました)」は、自分の認識ミスや勘違いによる遅刻・行動ミスをやわらかく伝える表現です。
「misunderstand」 は「誤解した」こと・「勘違いした」ことを丁寧にいう表現で、誰かを攻撃するようなニュアンスがありません。
自分のミスを認めつつも、意図的ではないということを伝えられるため、責められにくい表現です。
似た言い方としては、以下のようなものがあります。
時間を間違えていました。
日付を勘違いしていました。
時間をとり違えました。
トラブルによるミス・遅刻の言い訳フレーズ
この章では、トラブルによるミスや遅刻が生じた時に使える言い訳表現を紹介します。
- I had a meeting that ran over.(ミーティングが長引いてしまって)
- I had technical issues.(技術的な問題がありまして)
どちらもフォーマルな場面まで幅広く使える表現です。
それぞれのバリエーションとともに詳しく見ていきましょう。
I had a meeting that ran over.
「I had a meeting that ran over. (会議が長引いてしまって)」は、遅刻などの言い訳として、フォーマルな場所でも使える便利な表現です。
「run over」 は「(時間を)超過する」「長引く」という意味の句動詞で、「a meeting that ran over」は「長引いた会議」という意味の関係節です。
以下のように応用することもできます。
もうすぐ着きます、ちょっと会議が延びてしまってて。
遅れて申し訳ありません。前の会議が15分押してしまいました。
また、会議などが「長引いた」ことを表すには、以下のような表現も使えます。
会議が思ったより長くなってしまって。
会議が予定より長くなってしまって。
会議が押してしまって。
I had technical issues.
「I had technical issues. (技術的な問題がありまして)」は、オンライン会議やリモートワークが一般化した現在、非常によく使われている表現です。
責任の所在をはっきりさせずにぼかすこともできますし、詳細をあとで説明することもできます。
「technical issues(技術的な問題)」とは、具体的には、以下のようなことを指します。
- ネット回線の不調(Wi-Fi切断、遅延 など)
- マイク/カメラの不具合
- ソフトウェアのバグ(ZoomやGoogle Meetが開かないなど)
- デバイスのクラッシュや再起動
- ファイルが開かない・送れない
そのため、もう少し具体的に説明したい時は、以下のように言い換えることもできます。
ネット接続に問題がありまして。
システムが強制終了してしまって。
ログインがうまくできなくて。
マイク/カメラが故障していて。
言い訳を伝えるときの注意点
軽いユーモアや比喩を交えた言い訳表現は、場を和ませる効果がありますが、言い過ぎると不真面目な印象を与えてしまいます。
状況や相手に合わせて言い訳表現を使い分けることも重要です。
たとえば、遅刻してしまった場合、相手が同僚・上司・クライアントだったなら、それぞれ以下のように使い分けることができます。
(同僚)
ごめん!またカレンダーに裏切られちゃって。
(上司)
遅れてすみません……スケジュール上の問題がありまして。
(クライアント)
遅れて申し訳ありません。スケジュールを勘違いしていました。今後このようなことはいたしません。
最後の例文のように、ただ遅刻やミスの理由を述べるだけでなく、今後の行動(今すぐ着手する・次は注意する)を添えると、さらに信頼感が生まれます。
そしてなにより大事なのは、同じ遅刻やミスを繰り返さないことです。
その場で上手に言い訳できて、一度は笑って許されたとしても、2度・3度と同じミスを繰り返せば、信頼関係は損なわれてしまいます。
まとめ
ビジネスの現場では、予期せぬトラブルやスケジュールの遅れが生じることも珍しくありません。
そうした場面で重要なのは、単に理由を述べるだけでなく、相手に不快感を与えず、信頼を損なわない形で事情を伝えることです。
「I had technical issues.」や 「I misunderstood the schedule.」のような丁寧な言い方に加え、「The deadline came faster than I did.”」のようなユーモアを交えた一言が、場を和らげることもあります。
日頃から言い訳表現のレパートリーを増やしておくと、もしもの時に慌てなくて済むでしょう。
ただし、言い訳を伝える際には、以下の点に注意してください。
- 相手や場面にふさわしいトーンを選ぶこと
- 理由を伝えるだけでなく、次にとるべき行動を添えること
- 同じミスを繰り返さないこと
遅刻やミスは、誰にでもあるものです。そういったピンチの時に、適切にフォローすることで、ピンチはチャンスに変わります。
トラブルが起こった時にきちんと「言い訳」ができるようにするのも、大切なスキルのひとつなのです。
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ホール 奈穂子
株式会社ギャビーアカデミー代表取締役
元九州大学職員。TOEIC 990、IELTS 7.5(Speaking 8.0)を誇る、英語学習独学のスペシャリスト。27歳から英語を学び直し、自らの人生で英語習得がもたらす可能性を証明。米国赴任、留学プログラムや海外大学との共同学位取得プログラムの設計・運営に携わった経験から、日本人の英語学習における課題を深く理解し、効果的な学習方法を追求。その集大成として、東京大学と共同で、脳科学に基づいた独自の英語スピーキング習得メソッドを開発。現在カナダ・バンクーバーに在住。世界を舞台に活躍する日本人ビジネスパーソンの育成に情熱を燃やし、日本とバンクーバーを往復しながら精力的に活動中。趣味はカナダを舞台にしたサケ釣り。