厚生労働省の発表によると、2024年10月末の時点で、日本における外国人労働者は30万2,587人と、過去最高を更新しています。
炭鉱や鉱山に関連する事業でも、外国人労働者の数は増えているでしょう。炭鉱・鉱山における労働は、厳しい安全基準が設けられているとはいえ、崩落事故や酸欠・有毒ガス、重機事故などのリスクがともないます。
外国人労働者とともに働く時は特に、安全を確保するためにも、適切なコミュニケーションをとれるようにしておいた方がよいでしょう。
この記事では、炭鉱や鉱山に関連する英語フレーズを紹介します。職場に外国人労働者がいる方や、海外で事業に参加する方は、ぜひ参考にしてください。
炭鉱・鉱山にまつわる基本の英語
炭鉱・鉱山に関連する基本的な英語表現としては、以下のようなものがあります。
- Mine(鉱山)
- Coal mine(炭鉱)
- Ore(鉱石)
- Excavate(採掘する)
- Shaft(鉱坑)
- Pit(採掘坑)
- Vein(鉱脈)
それぞれ詳しく見ていきましょう。
Mine(鉱山)
「鉱山」という英語でいう場合は、「mine」という英単語を使います。
以下の例文を参考にしてください
鉱山では重機が使われている。
鉱山の安全確認は毎日行われる。
ちなみに「mine」は、「採掘する」という意味の動詞としても使われます。
その会社は銅と鉄鉱石を採掘している。
私たちは工業用の鉱物を採掘している。
そのため、「採掘すること」「採掘業」として動名詞「mining」が使われることもあります。
採掘業はこの地域の重要な産業だ。
彼は鉱業界で働いている。
ちなみに「鉱山労働者」は「miner」といいます。
その鉱山では数百人の鉱山労働者が働いている。
鉱山労働者は安全のために保護具を着用している。
Coal mine(炭鉱)
「炭鉱」と英語でいう場合は、「coal mine」という表現を使います。「mine」は前項で述べたように「鉱山」という意味で、「coal」は「石炭」「石炭の」という意味です。
具体的な使い方は、以下の例文を参考にしてください。
わたしたちは炭鉱で働いている。
この地域にはいくつかの炭鉱がある。
彼らは炭鉱での安全基準を改善するために取り組んでいる。
Ore(鉱石)
「鉱石」は「ore」といいます。「鉄鉱石」は「iron ore」、銅鉱石は「copper ore」です。
具体的な例文を見ていきましょう。
この鉱石を精錬する過程は数週間かかる。
その鉱山は大量の鉄鉱石を産出している。
彼らは鉱山から銅鉱石を採掘している。
「精錬する」は英語で「refine」といいます。
また、「採掘する」は「mine」以外にも「extract」という動詞が広く使われているので、ぜひおさえておきましょう。
Excavate(採掘する)
「採掘する」を意味する英語表現として、「mine」と「extract」を紹介しましたが、そのほかに広く使われている英単語に「excavate」があります。
それぞれのニュアンスの違いですが、最も一般的で直接的なのが「mine」です。
「extraxt」は、「取り出す」「抽出する」という意味があり、鉱石や鉱物を採掘して取り出す際に使います。
そして「excavate」は、広い意味で「掘る」ことを指す英単語です。考古学的な「発掘」という意味でも使われます。
次の例文を参考にしてください。
彼らは鉱山から石炭を採掘している。
もっと鉱石を見つけるために、もっと深く掘る必要がある。
その会社はこの地域で銅を採掘する予定だ。
Shaft(鉱坑)
地面深くで発掘作業を行う際、地下にアクセスするための深い竪穴は英語で「shaft」といいます。
鉱山労働者たちはエレベーターで鉱坑を降りた。
鉱坑での事故は非常に危険になり得る。
Pit(採掘坑)
地下にアクセスするための深い竪穴を英語で「shaft」というのに対し、露天掘りの採掘に使われる、広く開かれた採掘坑のことを、英語で「pit」といいます。
作業員たちはトラックを使って採掘坑から鉱石を運ぶ。
その採掘坑は20年以上操業している。
採掘坑周辺では安全対策を厳重に行う必要がある。
「操業している」は「in operation」、「安全対策」は「safety measures」といいます。
これらの表現もおさえておきましょう。
Vein(鉱脈)
「鉱脈」は英語で「vein」です。なにか重要なものの「流れ」を指す言葉で、「血管」や「静脈」を表す時にも使われます。
「鉱脈」という意味での「vein」の具体的な使い方は、以下の例文を参考にしてください。
この鉱脈は山の奥深くまで続いている。
掘削サンプルは高品位の鉱脈を示している。
鉱山労働者たちは地下の銅鉱脈をたどっている。
炭鉱・鉱山での作業中に使える英語フレーズ
ここでは、炭鉱・鉱山で実際に使えそうな英語フレーズをまとめました。
作業中に使えそうな実用的フレーズに加えて、安全に関するフレーズ、コミュニケーションをとる時のフレーズを紹介します。
作業中に使えるフレーズ
以下は、炭鉱・鉱山での作業中に実践的に使えそうな英語フレーズです。
このエリアをもっと深く掘ってください。
新しい縦坑を掘る必要があります。
鉱石をトラックに積んでください。
トンネルの安定性を確認してください。
金鉱脈をたどっています。
石炭を地上へ運んでください。
「dig」と「drill」はどちらも「掘る」という意味ですが、「dig」は広く大きな穴を掘るイメージで、「drill」は細長く狭い穴を掘るイメージです。
「積む」を英語でいうには、「load」という動詞を使います。
「stability(安全性)」や「surface(地上)」という単語もおさえておきましょう。
安全に関する英語フレーズ
ここでは、安全に関する簡単な英語フレーズを紹介します。
安全第一!
常に安全装備を着用してください。
足元に注意して!
助けを呼んで!
非常口はこっちです!
すぐに避難してください!
落ち着いて指示に従ってください。
医療緊急事態です!
「Safety first(安全第一)」という表現は、知らないとなかなか出てきませんよね。
「Watch your step!(足元に注意して!)」という表現は、聞き覚えのあるひとも多いと思いますが、とっさの時なかなか出てこないのではないでしょうか。
「Emergency exit(非常口)」や「evacuate(避難する)」、「emergency(緊急事態)」など、ほかの言葉で説明しづらい単語もあわせて、口になじませておきましょう。
ちなみに、その他トラブルが発生した時には、以下のようなフレーズが使えます。
機械の調子がおかしい。
監督を呼んで!
一旦止めて、問題を確認しよう。
「something is wrong」のような表現、「supervisor(監督)」や「issue(問題)」という単語をおさえておきましょう。
外国人作業員とコミュニケーションをとるフレーズ
ここでは、作業中に外国人作業員と円滑なコミュニケーションをとるための英語フレーズを紹介します。
今日の仕事はどう?
休憩時間だよ!少し休もう。
鉱石をトラックに積もう。
これを手伝ってくれる?
この作業を一緒にやろう。
質問があったら教えてね。
日常英会話フレーズについては、後の章でも紹介しますが、以上で紹介したような簡単なフレーズを使って、どんどん話しかけていくと、現場のムードも明るくなるでしょう。
外国人労働者と仲良くなれる日常英会話フレーズ
外国人労働者とのちょっとした雑談(スモールトーク)では、天気や趣味の話題をとり上げるのがおすすめです。
政治や宗教の話は避けましょう。日本と違って、結婚や家族といったパーソナルな話題も、あまり喜ばれません。
今日はいい天気ですね。
今朝は本当に寒いですね!
週末も晴れるといいですね。
趣味はありますか?
普段、仕事が終わった後は何をしますか?
週末はどうでしたか?
まとめ
炭鉱・鉱山に関連する業務では、安全に関する適切なコミュニケーションがとても重要になります。
「safety gear(安全具)」や「emergency exit(非常口)」といった英語表現は、非常時でもとっさに口にできるように、普段から練習しておきましょう。
また、現場のムードを明るく保つことも重要ですよね。
相手が外国人作業員だからといって、コミュニケーションを必要最低限にとどめず、趣味の話題などを積極的に投げかけてみましょう。