2023.06.29英語学習・フレーズ

英語の発音の「ストレス」って何?分かりやすく解説|オススメ勉強法3選

英語学習をしていると、「この単語はここにストレスを置きます」などといわれて、理解に苦しんだことがある人も多いのではないでしょうか。

日本人にとって「ストレス」というと、「精神的重圧」というイメージが強いですよね。
英語の「stress」という単語も、肉体・精神に対する強い圧力を指し、転じて「何かを強調する」という意味で使います。

この記事では英語の発音における「ストレス」について分かりやすく解説します。
なお、「ストレス」は「アクセント」と呼ばれることもありますが、「アクセント」という言葉には「訛り」という意味もあるので、この記事では「ストレス」という用語を採用しています。

英語の発音の「ストレス」とは


音節について


単語の中で、一つの母音を中心としたひとかたまりを「音節」といい、英単語はいくつかの音節で構成されています。

1音節の単語:car, shop, school など
2音節の単語:English, notebook, flower など
3音節の単語:beautiful, paradise など
4音節の単語:interesting など
5音節の単語:unbelievable など

具体的に音節を数えてみると、「English」は母音「E」と「i」を中心に「Eng・lish」の2音節で構成されている単語となります。 「interesting」は「in・te・res・ting」で4音節です。

どこをどう音節として切り分ければいいか分からないという人は、とりあえず母音の数を手掛かりにしてみてください。

ただし、「rain [rein]」の [ei] は二重母音なので、1かたまりの母音としてカウントされます。
そのため、「rain」は1音節の単語といえます。

音節とストレス



英語の発音における「ストレス」は和訳すると「強勢」といい、単語の特定の音節を強く読むことを指します。
英単語には、「ストレスのかかる(stressed)音節」と、それ以外の「ストレスのかからない(unstressed)音節」があります。

例えば「beautiful [bjúːtəfl] 」は、音節に分けると「beau・ti・ful」となりますが、最初の音節「beau」にのみストレスがかかります。

英語では、ストレスのかかる音節は大きくゆっくり発音し、それ以外の音節は弱く曖昧に発音します。
ストレスの意味を間違えると、単語の意味が変わってしまうこともあります。

例えば、「object」は「ob・ject」と2音節の単語ですが、「object」と最初の音節にストレスを置くと、主に「物体」という意味の名詞になります。しかし、「object」と2番目の音節にストレスを置くと、主に「反対する」という意味の動詞になるのです。

このように、ストレスの位置で意味が変わってしまったり、誤解を招く単語はたくさんあります。正しいストレスを覚えることは、英語の発音習得において非常に重要なのです。

「to(前置詞)」「the(冠詞)」は機能語に当たるため、弱く素早く発音するのが自然で伝わりやすくなります。

英語のストレスの基本ルール



英語のストレスについては理解できても、英単語のどこにストレスを置くのか覚えきれないと感じている人も多いかもしれません。

しかし、英単語のストレスの位置には、一定のルールがあります。
そのルールを把握すれば、それぞれの単語で個別にストレスの位置を覚えることなく、効果的に英語の発音を習得することができます。

音節が3つまでの単語は最初の音節にストレス


音節が3つまでの英単語は、基本的に第1音節にストレスを置きます。

curtain
calender
paradise

このように覚えると、「”calender” は日本語の ”カレンダー” と違う特殊な発音」とわざわざ覚えなくて済みますよね。

4音節以上の音は後ろから2番目にストレス


elementary
cafeteria

もともと欧米の言語は、後ろから2番目にストレスを置くことを好む傾向があります。

名詞と動詞


学校で「名前動後(めいぜんどうご)」と習った人もいるかもしれませんが、2音節の単語の場合は、名詞は最初の音節、動詞は2番目の音節にストレスを置く場合が多いです。

先ほどの「object」もそうでしたし、他にも多くの例があります。

record(記録)vs. record(記録する)
progress(進歩)vs. progress(進む)
export(輸出)vs. export(輸出する)

ぜひ覚えておきましょう。

接頭辞と接尾辞


英単語の中には、共通する語頭や語尾があることに気づいている人もいるかもしれません。
「in-(im-)」「ex-」「co-」などを「接頭辞(プレフィックス)」、「-tion」「-cious」「-cial」などを「接尾辞(サフィックス)」と呼びます。

接頭辞のある単語は接頭辞の直後に、接尾辞のある単語は接尾辞の直後にストレスを置く場合が多いです。

(接頭辞の直後にストレスが置かれる例)
impossible
exchange

(接尾辞の直前にストレスが置かれる例)
station
influencial

複合名詞


2つの名詞が合体してできた名詞を「複合名詞」といいます。複合名詞は、基本的に前の単語にストレスが置かれます。

notebook
feedback
keyboard

ここまで紹介した以外にもたくさんのルールがありますが、とりあえず基本的なルールをおさえておきましょう。

英語の正しいストレスを身につけるメリット



通じる発音が身につく


英語のそれぞれの音をマスターしているはずなのに、個々の単語の意味が通じにくい、英語を話してもよく聞き返されるという人は、ストレスの位置を間違えて発音しているのかもしれません。

「object」のようにストレスの位置の違いによって意味が変わる単語以外でも、誤解を招くケースは多々あります。

例えば、「personal(個人的な)」は第1音節にストレスを置いて発音する単語ですが、第3音節にストレスを置いてしまうと、「personnel(人員)」と非常に似た発音になってしまいます。
出てくる文脈も似ているので、「文脈から類推」してもらうことも困難です。

このように、「ストレスを正しい位置に置かなかったために他の単語と誤解される」例は無数にあります。
正しいストレスの位置で発音するクセをつけることで、英語で円滑なコミュニケーションを進めることができるのです。

リスニング力がアップする


英語の発音を学ぶと、リスニング力アップにもつながります。自分で発音できるようになると、それだけ英語の音に対する理解が深まるからです。
先ほどの例のように、「personal」と「personnel」の違いを、ストレスの違いによって判断できるようになります。
他にも、正しいストレスの位置を理解しているだけで、区別できるようになる単語の範囲が大きく広がります。
発音が良くなるだけでなく、相手の言っていることが聞き取れるようになり、リスニングテストでもハイスコアをマークできるでしょう。

英語の発音のストレスを身につける方法



アプリで練習する


英語の発音やイントネーションを練習する方法として、まず、アプリを利用する方法があります。
アプリを使ったトレーニングでは、ネイティブの音声を聞いて、それに続いて自分が発音し、その結果が合格・不合格や点数で評価されます。
また、改善点についてフィードバックを得ることもできます。

アプリを使ったトレーニングのメリットは、場所や時間を選ばずに自分の好きな時に練習できることです。
ただし、一人で練習する場合、自分の発音が本当にネイティブに通じるものなのかや、どこを改善すれば良いのかといった客観的な判断が難しいというデメリットもあります。

動画サイトを利用する


動画配信サービスには、発音を練習できる動画が数多くアップされています。
アプリとは異なり、これらの動画ではネイティブの音声だけでなく、口の形も確認することができるため、より正確に真似できる環境といえます。
ただし、動画配信サービスを利用する場合も、自分の発音が正しいのか、どこを改善すれば良いのかなどを客観的に判断するのは難しいというデメリットがあります。

英語学習サービスを利用する


英語の発音をトレーニングする方法として、プロの助けを借りるという手段もあります。

たとえば、英語コーチングサービスでは、学習者一人ひとりの苦手な分野に合わせたレッスンを提供してくれる場合が多く、またコーチから適切なフィードバックを受けることができます。

自分の発音を客観的に評価してもらえる相手がいるため、どの部分を改善すべきかを正確に把握することができ、効果的に発音を習得することができます。

おわりに



学校英語では、「ストレス」ではなく「アクセント」という用語でこの記事に書かれている内容を習った人も多いと思います。
「ストレス」というと、どうしても「仕事のストレスがたまる」というような意味を連想しがちですよね。

冒頭で触れた通り、「stress」は強い重圧を表す言葉なので、英語でも「肉体的・精神的負担」という意味で使います。
「アクセント」という言い方も、単語の特定の部分を強調するという意味で間違いはないのですが、「訛り」という意味合いも強い単語で、

I see his English has a French accent.
彼の英語にはフランス訛りがあるね

Southern English has a thick accent.
(アメリカ)南部の英語は訛りが強い

などのようにも使うので、誤解を避けるために、英語学習分野では「ストレス」という単語を採用する傾向があります。
「アクセント」といわれても「ストレス」と言われても戸惑うことなく、正しい英語の発音の習得を進めてください。


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