2023.07.02英語学習・フレーズ

英語の「イントネーション」って何?基本ルールを分かりやすく解説・効果的な練習法とは

英語は「イントネーションが大事」と言われますが、「イントネーション」といわれても、なんとなく分かったようで分からない言葉かもしれません。 しかし、イントネーションは発言する内容を伝える意味でも、正しいニュアンスを表現する意味でも非常に重要です。 この記事では、イントネーションとその基本ルールについて解説し、効果的な練習法について紹介します。

イントネーションとは

「イントネーション」とは、日本語で「抑揚」ともいい、声の調子を上げたり下げたりする変化のことを言います。つまり、「声の上げ下げ」のことです。

日本語ではイントネーションがあまり重視されませんが、英語ではイントネーションによって文のニュアンスがガラリと変わってしまうケースもあります。

英語でのコミュニケーションをスムーズに行うために、正しいイントネーションの知識を身につけましょう。

イントネーションは、文の種類によって、ある程度決まっています。そして、話者の意図によっても様々に変化します。具体的な例文とともに見ていきましょう。

英語のイントネーションの基本ルール

文の種類によって決まっているイントネーション

①下がり型

「下がり型」のイントネーションが使われるのは、平叙文(肯定文)・感嘆文・命令文・Wh疑問文の場合です。
具体的な例文とともに見ていきましょう。

平叙文(肯定文)・否定文
肯定文や否定文では、基本的には文の語尾を下がり調子のイントネーションで発音します。

I like basketball.↓(バスケットボールが好きです。)
He isn’t young anymore.↓(彼はもう若くない。)

感嘆文
何かに感動した気持ちを表現する感嘆文でも、文の語尾は下がり調子で発音します。

What a beautiful view!↓(なんて美しい景色だろう!)
How high the mountain is!↓(なんて高い山だろう!)
命令文
命令文でも、文の語尾は下がり調子です。
Look at this picture.↓(この写真を見てください。)
Help youeself.(楽にしてください。)

ここまでは問題ないですよね。

Wh疑問文
疑問文の場合、語尾を上がり調子で読むイメージがあると思いますが、Wh疑問文の場合、語尾を下がり調子で読みます。

What’s your name?↓(お名前は何ですか?)
Why do you think so?↓(なぜそう思うのですか?)

②上がり型

Yes/No疑問文
Yes/No疑問文では、文を上がり調子で読みます。これは問題ないかと思います。

Are you insane?↑(正気ですか?)
Is he a police officer?↑(彼は警察官ですか?)

付加疑問文
肯定文に付け加える形で、「~ですよね?」と念を押す表現を付加疑問文といいます。
付加疑問文の場合も、語尾は上がり調子で発音します。

You eat dinner tonight, aren’t you?↑ (今日は夕食を食べるんですよね。)
He wasn’t the criminal, was he?↑(彼は犯人じゃなかったんだよね。)

③and・orのイントネーション

「and」や「or」でフレーズを結ぶ時にも、決まったイントネーションがあります。
andとorの前にあるフレーズは上がり調子に発音し、後に続くフレーズは下がり調子に発音すると自然です。
フレーズが2つ以上続く場合も同様です。

I like fish, ↑ and chicken.↓(魚も鶏肉も好きです。)
He plays baseball, ↑ soccer, ↑, and tennis. ↓(彼は宇阿求もサッカーもテニスもこなします。)
Do you work this weekend, ↑ or just rest?↓(この週末も仕事ですか、それとも休みますか?)

話者の意図によるイントネーションの違い

肯定文では文を下がり調子に読むと紹介しましたが、文を上がり調子に発音して、疑問文に近いニュアンスを作ることも多々あります。

You like fish.↓(魚が好きなんだね。)
You like fish?↑(魚が好きなの?)

また、イントネーションによってニュアンスが変わるとよくいわれるのが、「Excuse me.」というフレーズです。

Excuse me.↓

と下がり調子で読むと、「すみません」という学校で習った意味になりますが、

Excuse me?↑

と上がり調子で読むと、「(よく聞こえなかったので)もう1回言ってくれませんか」という意味になります。
また、同じ上がり調子でも強く発音すると、

Excuse me!?↑

聞き返す意味でも、「何ですって!?」とかなり憤慨したニュアンスになるので注意しましょう。

さらに、イントネーションを変えることで、「特に強調したい内容」を伝えることができます。
例えば、「You like soccer.」という文の語尾だけを下げると、通常通り「サッカーが好きなんだね」という意味になりますが、

You LIKE↓ soccer?↑

likeを強めに読んでイントネーションを下げ、語尾を上がり調子で発音すると、「サッカーなんか好きなの!?」とサッカー嫌いのイギリスで聞き返されてしまうかもしれません。

このように、イントネーション一つで文の意味が大きく変化してしまうこともあります。
自分の発言で誤解を招かないためにも、相手の発言の意図をくみ取るためにも、イントネーションのルールをしっかり理解しましょう。

英語のイントネーションの練習法

アプリを利用する

英語の発音やイントネーションを練習する方法としては、まずアプリを利用するという方法があります。
お手本となるネイティブの音声を聞いて、それをスマホに向かって真似して発音すると、合格・不合格で判定されたり、点数で判定されたりします。
そして、どの発音を改善すればいいかフィードバックがもらえる場合も多いです。

スマホアプリを使ったトレーニングなら、場所と時間を選ばず好きな時に練習できるのがメリットです。
ただし、自分だけで練習すると、本当にネイティブに通用する発音なのか、どこを改善すればいいのか、客観的な判断ができないというデメリットがあります。

動画サイトを利用する

YouTubeチャンネルなどの動画配信サービスにも、発音を練習できる動画が数多くアップされています。
アプリと違って、お手本となるネイティブの音声に加えて口の形も確認できるので、より正確に真似しやすい環境といえます。
ただ、動画配信サービスの場合も、1人で練習していると、自分の発音が合っているかどうか、改善すべき点はどこかなど客観的に判断しづらいのがデメリットです。

英語コーチングを利用する

英語の発音をトレーニングする方法としては、プロの助けを借りるという手段もあります。

例えば英語コーチングサービスなら、学習者それぞれの苦手分野に対応したレッスンをオーダーメイドしてくれる場合が多く、またコーチから適切なフィードバックがもらえます。

自分の発音を客観的に判断してくれる相手がいて、改善点も正しく把握できるので、効果的に発音を習得することができます。

おわりに

「英語の正しい発音」というと、英語の音それぞれの発音に目が行きがちですよね。
イントネーションが重要という印象はあまりないかもしれません。

確かに、個々の英語の音を正しく発音するのは、発音習得の第一歩です。
しかし、イントネーションやストレス、リズムなど、個々の音を超えたルールも非常に重要で、正しく把握していないと、伝えたい内容やニュアンスが変わってしまう場合さえあります。

イントネーションが原因で相手に気を悪くされたり、逆にこちらが気を悪くしていると誤解されたら、相手との関係が崩れてしまいますよね。
逆に、イントネーションを使いこなして英語でのコミュニケーションを円滑にすることで、人脈が増え、ビジネスチャンスや人生のチャンスが巡ってくるかもしれません。

英語の発音学習の総仕上げとして、正しいイントネーションを学ぶことを強くおすすめします。


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