2025.11.22英語学習・フレーズ

世界のビジネスマナー2025|海外出張・国際会議で気をつけたい英語フレーズと文化の違い

近年、ビジネスシーンはどんどんグローバル化していますよね。
それにともない、さまざまな国のビジネスパーソンと接する機会も増えるでしょう。

グローバルなビジネスシーンでは、英語でのやりとりそのものよりも、「相手の文化や価値観を理解して接すること」が重要です。

相手の国のマナーや、文化の違いを知らないと、意図せず相手に失礼な印象を与えてしまうかもしれません。
逆に、相手の国の文化を理解し、適切な言葉を選べれば、より良い第一印象を与えることができ、やがては強固な信頼関係を築くことができるでしょう。

この記事では、世界共通で役立つ基本のビジネスマナーの知識と、国別の違い、そして2025年最新のビジネスマナートレンドを、実際に使える英語フレーズとともに見ていきます。

基本の心構え|世界共通で通じるビジネスマナー

海外の取引先とのビジネスでは、言語や習慣が違っても、相手に敬意を示し、誠実に対応する姿勢は共通して求められます。特に重視されるのが、以下の3点です。

  • 約束の時間を守る
  • 相手への敬意を示す
  • シンプルで分かりやすい英語表現を選ぶ

グローバルなコミュニケーションというと、「文法的に正しい英語表現」を追究する方も多いかもしれません。
しかし、実際には、「相手を思いやる心」と「わかりやすい伝え方」を意識すると、英語ビジネスシーンでのコミュニケーションを、円滑に進めることができます。

約束の時間を守る

どの国のビジネスパーソンが相手でも、「時間を守ること」は基本的なマナーです。
特に欧米では、数分遅刻するだけでも「信頼性に欠ける人物」と見なされることがあります。


オンラインミーティングでも、開始5分前にはログインしておくのが理想です。
どうしても時間に遅れてしまう場合は、事前に一言メッセージを送るだけでも、印象が大きく変わります。

スケジュールが時間通りに進んでいる場合、以下のようなフレーズが使えます。

I’ll be there on time.
時間通りに到着します。
Thank you for joining on time.
時間通りにご参加いただきありがとうございます。

一方、やむを得ず予定より遅れてしまった場合は、以下のような表現を使いましょう。

Sorry to keep you waiting.
お待たせして申し訳ありません。
Apologies for the delay. Thank you for your patience.
遅れてしまい申し訳ありません。お待ちいただきありがとうございます。

相手への敬意を示す

相手に敬意を示すことは、世界共通のビジネスマナーですよね。

英語を使ってコミュニケーションをとる場合は、直接的な表現だけでなく、間接的でていねいな言い回しをレパートリーに入れておきましょう。

例えば、レポートを送るよう頼むとき、日本人は「Please send me the report by tomorrow.」などと言ってしまいがちですよね。
これは間違った表現ではないのですが、少し「強め」で「命令口調」なニュアンスを含んでいます。
そのため、以下のような表現を覚えておくと、相手との関係をスムーズに保つことができます。

Could you please send me the report by tomorrow?
明日までにレポートを送っていただけますか?
I’d appreciate it if you could send me the report by tomorrow.
明日までにレポートを送っていただけると助かるのですが。

議論する場合も、真っ向から反対するのではなく、相手の意見を尊重しながら、自分の意見を発信する姿勢が重要です。

以下のフレーズを参考にしてください。

I see your point, but I have a slightly different view.
おっしゃることは分かります。ただ、私の意見は少し違います。
That’s interesting — perhaps we could also consider another option.
興味深いお話です。ただ、別の考え方もあると思います。

そして、相手が「当たり前」のことをした時も、「当たり前」ととらえず、感謝の一言を添えましょう。

I really appreciate you taking the time out of your busy schedule.
お忙しい身かと存じますが、お時間をいただきありがとうございます。
Thank you for your quick response.
迅速なご返信ありがとうございます。
Thank you for your continued support.
いつもご支援ありがとうございます。

シンプルで分かりやすい英語表現を選ぶ

上の項では、「直接的な表現だけでなく、間接的で丁寧な言い回しも覚えておくべき」とお伝えしましたが、「あいまいさ」=「ていねい」というわけではありません。

英語ビジネスシーンには、「Clarity is kindness.”(明確さこそ思いやり)」という考えが根付いています。

また、グローバルなビジネスシーンでは、英語を母語としない相手と話すケースもありますよね。
予期せぬ誤解を防ぐために、シンプルで分かりやすい英語表現を選ぶ必要があります。

たとえば、日本人ビジネスパーソンは、「We’ll think about it.(検討します)」と言ってしまいがちかもしれません。
しかしこれは、英語では事実上の「No」ととらえられます。
本当に「検討する」つもりなら、以下のような表現を使いましょう。

We’ll review this internally and get back to you by next week.”
社内で検討し、来週までにご連絡します。

「I’ll get back to you soon.(すぐにお返事します)」といった表現もおすすめできません。

以下のように言い換えましょう。

I’ll get back to you by Friday.
金曜までにご連絡します。
You’ll hear from me tomorrow morning.
明日の朝にご連絡します。

具体的な「時間」や「期限」を明示するクセをつけておくとよいでしょう。

また、英語コミュニケーションの最中は、発言した相手の意図を確認することで、認識のズレを防ぐことができます。
以下のフレーズを活用してください。

Let me clarify that.
それについて確認させてください。
Just to make sure we’re on the same page…
念のため確認ですが…
Could you please elaborate on that point?
その点をもう少し詳しく教えていただけますか?

国別マナーと使える英語フレーズ集

ここまで、世界各国共通のマナーを見てきましたが、国によるマナーの違いもあります。
たとえば、アメリカでは率直でスピーディーな意思決定が好まれる一方で、アジア諸国では慎重な合意形成を重んじる傾向があります。
そのため、同じ「Yes」でも、国によってニュアンスが異なることも少なくありません。

この章では、文化やマナーの違いを4つの地域に分けて紹介します。

  • 北米(アメリカ・カナダ)
  • ヨーロッパ(イギリス・ドイツ・フランスなど)
  • アジア(中国・韓国・シンガポールなど)
  • 中東・南米・アフリカ

それぞれどんな文化やマナーの違いがあるか、どのように気を付ければよいか解説します。

北米(アメリカ・カナダ)

北米(アメリカ・カナダ)のビジネスシーンでは、率直さと明確さが重視されます。

遠回しな言い方をすると、意図が伝わりにくかったり、自信のなさの表れととらえられてしまうかもしれません。

「自分と相手の意見が違う」のは当たり前で、意見が違った際にも、論理的に説明すればむしろ好印象につながります。

アメリカ・カナダのビジネスシーンでは、以下のようなフレーズが役立ちます。

Let’s get straight to the point.
本題に入りましょう。
I appreciate your feedback.
ご意見ありがとうございます。

ヨーロッパ(イギリス・ドイツ・フランスなど)

ヨーロッパのビジネスシーンでは、礼儀正しさと専門性のバランスが重視されます。

イギリスでは遠回しで丁寧な言い方が好まれる一方、ドイツでは明確で論理的な表現が評価されます。

フランスでは形式を大切にしつつも、自分の意見をしっかり主張することが求められます。

どの国でも、感情的にならず、相手の立場を尊重しながら話す姿勢が大切です。

ヨーロッパのビジネスシーンでは、以下のようなフレーズが役立ちます。

I see your point, but I’d like to add something.
おっしゃることは分かりますが、補足させてください。
Would you mind if I share my opinion?
私の意見を少し述べてもよろしいでしょうか?

アジア(中国・韓国・シンガポールなど)

アジアのビジネスシーンでは、「上下関係」や「調和(harmony)」を重んじる文化が強く、直接的な表現よりも、相手の面子を保つ言い回しや、間接的な伝え方が好まれます。

カジュアルすぎる表現より、礼儀正しく穏やかな挨拶を心がけましょう。

日本や韓国、中国では、「ノー」と言わずに断る方法を選べるかどうかが鍵になります。

以下のような表現を活用しましょう。

We’ll take it into consideration.
前向きに検討いたします。
It may be difficult for us to offer the service for free, but we can provide an alternative option.
無料サービスでのご提供は難しいですが、別のご提案が可能です。
That might be difficult at this moment.
現時点では難しいかもしれません。

中東・南米・アフリカ

中東・南米・アフリカのビジネスシーンでは、「信頼できる人間関係(trust)」が取引の基盤になります。

まずは雑談や食事などを通して関係を築き、信頼ができてから本題に入るスタイルが一般的です。

時間の感覚も柔軟で、スケジュール通りに進まないことも珍しくありません。

そのため、柔軟に対応しつつ、誠実な姿勢を見せることが成功のポイントです。

中東・南米・アフリカのビジネスシーンでは、以下のようなフレーズが役立ちます。

It’s great to finally meet you in person.
実際にお会いできて光栄です。
We look forward to building a long-term business relationship.
長期的なビジネス関係を築けることを楽しみにしています。
Let’s keep in touch.
これからも連絡を取り合いましょう。

2025年・最新のビジネスマナーとは

最後に、2025年現在、グローバルなビジネスシーンでおさえておきたいビジネスマナーをおさえておきましょう。
特に注目したいのが、以下の4つのポイントです。

  • “ハイブリッド型” コミュニケーションへの対応
  • ESG(環境・社会・ガバナンス)
  • 「自分で英語を話す」姿勢
  • 多様性(ダイバーシティ)への理解

具体的にどんな内容か、解説していきます。

“ハイブリッド型” コミュニケーションへの対応

2025年のビジネスシーンでは、オンラインでのやりとりと、対面でのコミュニケーションが混在する“ ハイブリッド型” の働き方が定着しつつあります。

会議や商談がオンラインで行われることも多くなり、画面越しの印象づくりも重要になっています。

たとえば、背景はシンプルで清潔感のあるものを選び、カメラ目線で話すことで信頼感を高められます。服装も相手国の文化に合わせて整えることが大切です。

ESG(環境・社会・ガバナンス)

ESG(Environment・Social・Governance)とは、企業の持続的な成長を評価するための国際的な基準です。

「E」は環境への配慮、「S」は社会への責任、「G」は公正で透明な経営を意味します。

利益だけを追求するのではなく、環境問題や人権、企業統治などへの取り組みも重視される時代なのです。

ESGを実践することで、信頼を高め、長期的な企業価値を築くことができます。

多様性(ダイバーシティ)への理解

グローバル化が進む今、ビジネスでは多様な文化や価値観を尊重する姿勢が欠かせません。

性別・国籍・年齢・宗教などの違いを前提に、相手の考えを理解しようとする態度が信頼を生みます。


価値観の違いを尊重し、個々の力を活かすことで、新しい発想やイノベーションが生まれます。

多様性を受け入れることは、単なる礼儀ではなく、チームの創造性を高める重要なビジネススキルなのです。

「自分で英語を話す」姿勢

AI通訳ツールの普及により言語の壁は低くなっていますが、「自分の言葉で英語を話す姿勢」には今も高い価値があります。

多少の文法ミスがあっても、積極的に発言する人は信頼と好印象を得やすいものです。

むしろ、黙ってばかりいると、「意見がない人」と誤解されることもあります。

相手の文化や立場を尊重しながら、自分の考えをはっきり伝えることが、グローバルな信頼関係を築く第一歩です。

まとめ:「違い」を楽しみながら信頼関係を築こう

グローバルなビジネスの現場で、国や文化の違いを完全に理解することは難しいですよね。
そんな中でも、できる限り準備をして、「相手を尊重しようとする姿勢」が何よりも重要です。

文化の違いを「壁」としてではなく、「学びと発見のチャンス」として受け止めることで、より豊かな国際的コミュニケーションが生まれます。

世界のどこにいても通じるのは、相手を思いやる気持ちです。マナーを、相互理解のための「かけ橋」として活かしていきましょう。

たった2週間で英語スピーキングの変化を実感!

英語が話せるようになりたいけど、何から始めればいいかわからない…。

言語脳科学に基づいた実践型トレーニングを無料で体験できるチャンス!

✅ 学習満足度92%
✅ 3ヶ月でVERSANTスコア平均4.8アップ
✅ 東京大学と共同開発のメソッド

📍 無料体験でできること
✔ スピーキング力の無料診断であなたの英語力をチェック!
✔ 4つの英語ドリルが使い放題で弱点を徹底トレーニング
✔ 100種類以上の発音レッスン動画で発音を根本から改善
✔ ネイティブコーチとのレッスン1回で実践練習

今なら2週間無料トライアル実施中!
まずは気軽に試して、スピーキング力の変化を実感してください。

詳しくはこちら

ホール 奈穂子

株式会社ギャビーアカデミー代表取締役

元九州大学職員。TOEIC 990、IELTS 7.5(Speaking 8.0)を誇る、英語学習独学のスペシャリスト。27歳から英語を学び直し、自らの人生で英語習得がもたらす可能性を証明。米国赴任、留学プログラムや海外大学との共同学位取得プログラムの設計・運営に携わった経験から、日本人の英語学習における課題を深く理解し、効果的な学習方法を追求。その集大成として、東京大学と共同で、脳科学に基づいた独自の英語スピーキング習得メソッドを開発。現在カナダ・バンクーバーに在住。世界を舞台に活躍する日本人ビジネスパーソンの育成に情熱を燃やし、日本とバンクーバーを往復しながら精力的に活動中。趣味はカナダを舞台にしたサケ釣り。

© Gabby All rights reserved.