2023.01.13英語学習・フレーズ

【英語学習者必見】第二言語習得論を活用した「失敗知らずの学習法」をわかりやすく解説

最近の日本社会では、英語が必要になる機会が増えましたよね。就職・転職・昇進の際に英語力が求められたり、海外の企業と取引するために、英語でミーティングやプレゼンが行われたり。

「英語を学習しなきゃ!」とは思うものの、インターネット上には「おすすめの学習法」についての情報がありすぎて、どの学習法が自分に合っているのか分かりませんよね。

しかし、世界中の誰にでも「合っている」最強の学習法が存在します。それは、「第二言語習得理論を利用した学習法」です。


そもそも第二言語習得論って何?

まず、「第二言語」とは、『母語である第一言語を習得した後に学習し、使用できるようになった母語以外の言語』です。

簡単に言うと、多くの日本人にとっては、日本語が第一言語で、英語が第二言語といえるケースが多いのです。

第二言語習得のことを「SLA」と言ったりしますが、これは「Second Language Acquisition(第二言語獲得)」の略です。

そして、「第二言語習得論」とは、学習者が第二言語を習得していくメカニズムを科学的に解明していく学問分野です。

また、英語学習に関しては、「ESL」という略語もよく聞きますよね。
ESLは「English as a Second Language(第二言語としての英語習得)」の略です。

ESLは、「一般英語」とも呼ばれます。英会話においての基礎、つまり、文法・リスニング・スピーキング・リーディング・ライティング・語彙力などを総合的に勉強していく学習法のことです。

第二言語習得論が英語学習に役立つ理由

カナダで親子留学する場合、滞在する期間によって学生ビザが必要となります。カナダの観光ビザ(ビザといっても発行はされません)は、最長6カ月が取得できるため、6カ月未満の場合、親も子どももビザの申請は必要ありません。

もし子どもが留学する場合は、親は観光ビザで滞在でき、子どもの留学期間が6カ月を超える場合は、親の観光ビザを延長する申請が必要です。

親と子どもが留学し6カ月以上滞在する場合は、親子それぞれの学生ビザの申請が必要になります。


人間は「生まれつきどんな言葉でも習得できる」!?

第二言語習得について考える前に、まず、第一言語習得、つまり、赤ちゃんの頃、日本語を覚えた時のことについて考えてみましょう。
赤ちゃんの時に、「日本語がなかなか覚えられなかった」という人は、まずいませんよね。
当たり前のように日本語を覚えた人が大半でしょう。

しかし、そもそも、日本語をすんなり覚えることができたのはなぜでしょうか?
それは、人間の脳の中に、うまれつき言語の「骨組み」のようなものが備わっているからだといわれています。

そして、周りの大人たちから、日本語で話しかけられることで、「骨組み」に日本語の「肉」がつけられて、私たちは日本語を話せるようになるのです。

両親が日本人であっても、アメリカ生まれ・アメリカ育ちの子どもが、日本語をほとんど話せず、英語がペラペラになるのは、「言語の骨組み」に、日本語ではなく英語が「肉づけ」されるからです。

この、「人間なら誰もが生まれ持っている言語の骨組み」をUG(Universal Grammar、普遍文法)といいます。


第一言語習得を第二言語習得に生かせないか?

赤ちゃんの時、日本語を覚えたのと同じくらい簡単に、英語を覚えられたら嬉しいですよね。
ただ、残念ながら、言語に対する感受性は、年齢を重ねるにつれて減少していきます。

しかし、1990年代から、第一言語を覚えるプロセスを分析することで、第二言語の学習に生かせないかという研究が盛んになりました。
現在は、英語講師になる資格「TESOL」などでも、第二言語習得論の知識が必須になっています。

つまり、第二言語習得論は、英語学習には必須の知識であり、基本となる知識なのです。

インターネット上では、よく「この学習法でTOEICが400点から900点まで上がった!」などとおすすめされていますが、それは、そのインフルエンサーの体験に基づく成功例ですよね。
その人の「おすすめ学習法」をそのままマネしても、英語を習得できるとは限りません。

一方で、第二言語習得論は、「誰もが生まれつき持っている言語能力」について、専門家たちが研究した結果です。

つまり、第二言語習得論を把握すれば、「どうしたら言語を習得できるか」について、学術研究によって裏打ちされた根拠を身につけることができます。

そうすれば、シャドーイングでも、瞬間英作文でも、どんな学習法を選んでも、結果的に英語学習成功へとつながるのです。


英語学習のために覚えておきたい第二言語習得論

第二言語習得の研究によって明らかになったことはいくつかありますが、ここでは、特に学習者が知っておくと良い知識に絞って紹介します。
そして、第二言語習得論を応用した、具体的な学習法の例を紹介します。


スーザン・ガスの英語学習の「4つのプロセス」

第二言語習得論の一つとして、スーザン・ガスが提唱した「第二言語学習の時に脳内で起こるプロセス」を解説します。

ガスは、第二言語の学習者が学習の過程で、インプットをアウトプットに転換できるようになるまでの間には、4つのプロセスがあると主張しています。

(インプット)
     ↓
1.気づき(Noticed input)
     ↓
2.理解(Comprehended input)
     ↓
3.内在化(intake)」
     ↓
4.統合(Integration)
     ↓
(アウトプット)

という流れです。

どこかの段階で問題が生じていると、英語の学習効率が悪くなるというのが第二言語習得論の考え方です。

「1.気づき」のプロセスでは、英語を聞き流す(hear)のではなく、意識的に聞く(Listen)必要があります。
英語を意識的に聞くことで、初めて短期記憶に保存されるようになります。

「2.理解」のプロセスでは、最初に、バラバラの単語の意味だけが理解できる状態を経て、文の構造を理解できる状態へと到達します。

「3.内在化」のプロセスを理解する上でおさえておきたいのが、「中間言語」という考え方です。
日本人が英語を学んでいる時は、脳内に「日本語と英語の中間の、学習過程の言語」が存在すると考えられています。

内在化のプロセスでは、この中間言語に、今までのインプットを落とし込みます。
この段階で、仮説と検証を繰り返すことで、英語の文が徐々に理解できるようになります。

「4.統合」のプロセスでは、短期記憶に蓄えられていた記憶を、さらに長期記憶へ落とし込みます。
このプロセスによって、仮説検証を経ずに、英語で質問されると、瞬時に英語で答えられるようになるのです。

4つのプロセスを経て、ようやくインプットがスムーズにアウトプットに変換されるのです。

「4つのプロセス」をもとにしたおすすめ学習法

ガスの「4つのプロセス」から分かることは、まず、英語が聞き取れるようになるためには、英語に意識を向けなければならないということが分かります。 また、仮説と検証を繰り返すために、「理解できそうでできない」適度な難易度のインプットにたくさん触れる必要があります。 そして、全体を通して言えることは、第二言語をアウトプットできるようになるには、膨大なインプットが必要になるということです。 日本人はアウトプット(特に英会話)のトレーニングが足りないということはよく知られていますが、アウトプットできるようになる前には、インプットの量をもっと増やす必要があります。

おすすめ学習法: リスニング編

リスニングのトレーニングとして、おすすめの学習法は、例えば、好きな洋画や、アニメの英語吹き替え版を繰り返し見るというのはいかがでしょう。

ストーリーをよく知っているなら、「ここではこういう内容が話されているのではないか」という仮説と検証ができます。

字幕なしで仮説・検証ができそうなら字幕なしで、映像と音声だけでは厳しいという方は英語字幕付きで見ると、「分かりそうで分からない」適度な難易度に調節することができます。

「分かりそうで分からない」英語に、繰り返し触れるうちに、少しずつ聞き取れるようになってきます。
「あれ?聞き取れるようになってきたぞ?」という小さな成功体験も、大切に感じ取ってあげてください。

リーディング編

インプットには、リスニングだけではなくリーディングのトレーニングも含まれます。
初心者には、例えば、日本のマンガの英訳版を繰り返し読むのがおすすめです。

また、英語を上達させるためには、英語で書かれたニュースを読むのがおすすめです。
ただ、実際のニュースを英文で読むのは、初心者にはハードルが高いですよね。

そこでおすすめしたい教材が、「News in Levels」のサイトです。

オンライン英会話のレッスンなどでよく教材として使われるサイトですが、同じニュースをLevel 1からLevel 3まで難易度を変えて表記してあり、内容を読み上げた音声も収録されています。

そして、News in Levelsを使ったおすすめ学習法は、オンライン英会話などの場で、自分が興味のあるニュースのトピックについてディスカッションすることです。

「アウトプットできるようになるには、膨大なインプットが必要」であると紹介しましたが、完璧にアウトプットできるようになるまでインプットに専念しなければならないという意味ではありません。

むしろ、英語学習は四技能(読む・聞く・書く・話す)をバランスよく鍛える方が効果的です。

また、私の経験上の話ですが、好きな話題は初心者の段階でも割と聞き取りやすい一方、興味のない話題については、上級者になってもあまり聞き取れないということがありました。

それに、自分の興味のある話題なら、自分もそれについて意見を言いたくなりますよね。
そして、自分の意見を発信するためなら、前知識を得るために、レッスン前に教材となる文章を読みたくなり、自然と予習につながると思います。

「英語学習に効果的なモチベーション」とは

このセクションでは、第二言語習得論に基づいた、「英語学習を効果をアップさせるモチベーション」について解説します。

近年、第二言語習得研究の、モチベーション分野で研究されているのが、「L2自己」という考え方です。
L2自己というモチベーションには、「 L2理想自己(Ideal L2 self)」と、「L2義務自己 (Ought to L2 self)」の2種類があります。

要するに、「理想の自分になりたいから」英語を学習するというモチベーションが「L2理想自己」、親や上司など、「周りに学習するように要請されたから・必要に迫られて」英語を学習するというモチベーションが「L2義務自己」です。

そして、第二言語を使う ”理想の自分”(L2理想自己) を具体的にイメージできる学習者ほど、第二言語学習に成功しやすいことが、第二言語習得理論の研究結果として、明らかになっています。

当たり前のことかもしれませんが、他人に言われて英語学習を進めても、英語学習の効果は出にくいのです。

しぶしぶ英語学習をするよりは、「かっこよく英語をしゃべる自分」をイメージして、楽しみながら英語を学習するのが効果的です。

まとめ

実を言うと、私にとって、近年のモチベーション研究で分かってきた、「理想の自分を思い描いて英語を学習する」方が「必要に迫られて学習する」よりも学習効果が高いという結果は、驚きの事実でした。

私自身は、必要に迫られて英語を習得しました。そのため、「必要に迫られて学習する」のが最も強いモチベーションだと思っていたのです。
そして同時に、英語を習得している間は、とてもつらい思いをしたので、今の英語学習者たちには同じ道を辿ってほしくないとも思っていました。

そのため、「理想の自分を目標に学習すること」、あるいは「好きなトピックについて学習すること」「楽しんで学習すること」が英語学習に非常に効果的だと知った時は、とても嬉しかったです。

社会人の皆さんの中には、「仕事上必要だから」というモチベーションで英語を学習している方が多いと思います。
それは致し方ないことなのですが、学習したくないのに、ムリに学習を続けると、非効率的なだけでなく、挫折にもつながりかねません。

遠回りなようですが、ぜひ自分の好きな映画やアニメなどを利用して、楽しんで学習してもらえればと思います。

そして、英語でかっこよくプレゼンする自分、オールイングリッシュのミーティングで堂々と意見を述べる自分を妄想してみて下さい。

理想と現実はあまりにもほど遠いと思えるかもしれませんが、スモールステップで目標を立て、小さな成功体験に素直に喜びながら学習を続けていくと、いつの間にか「理想の自分」になっていると思いますよ。


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