コロナ禍以降、海外企業との採用面接は、Zoomなどを使ったオンライン形式がすっかり主流になりました。
世界中の企業とつながれるというメリットもありますが、画面越しの英語コミュニケーションの難しさを感じる人も多いのではないでしょうか。
この記事では、英語面接でよく聞かれる質問を10個厳選して取り上げ、それぞれの質問に込められた意味を解説し、具体的な回答例を紹介します。
英語面接を「緊張する場」から「自分をアピールできるチャンス」に変えていきましょう。
英語面接でよく聞かれる質問10選

以下は、英語面接でよく聞かれる10個の質問です。
- Tell me about yourself.
- Why do you want to work for our company?
- What are your strengths and weaknesses?
- Tell me about a time you solved a problem.
- Describe a challenge you faced at work.
- Why are you leaving your current job?
- How do you handle tight deadlines?
- What motivates you at work?
- Where do you see yourself in five years?
- Do you have any questions for us?
それぞれの質問にはどんな意図が込められているか、そして具体的にどう答えればいいか、例文をまじえて詳しく見ていきましょう。
Tell me about yourself.

面接の冒頭でほぼ必ず聞かれる 「Tell me about yourself.(あなたについて教えてください)」 は、英語面接の「第一関門」ともいえる質問です。
この質問で求められているのは、「単なる自己紹介」ではありません。面接官は、あなたが「この仕事にどうつながるか」を見極めたいのです。
具体的にどう回答すればいいかは、以下の例文を参考にしてください。
現在、製造業の会社でアシスタント業務をしています。
主にスケジュール管理、書類作成、社内連絡を担当しています。
以前はカスタマーサービスに携わり、明確なコミュニケーションと整理力を身につけました。
今後は、これらのスキルを国際的な環境で活かしたいと考えています。
このように、現在の職務(Present) → 過去の経験(Past) → 今後の目標(Future)の順で話すと自然です。
リモート面接でのポイント
「Tell me about yourself.」は、面接での第一印象を決める重要な質問です。
面接の前に、カメラを「目線の高さ」に設定し、見上げることも見下ろすこともないようにしましょう。
そして、リモートでのやりとりでは、つい画面を見てしまいがちですが、面接を行う際は、カメラのレンズを見ながら話しましょう。
面接官からは「アイコンタクトをしている」ように見えるため、より好印象につながります。
Why do you want to work for our company?

「Why do you want to work for our company?(なぜ当社を志望したのですか? 」も、英語面接で非常によく聞かれます。
この質問では、「会社についてどれだけ調べているか」「自分の経験がその会社にどう活かせるか」を論理的に伝えるようにしましょう。
具体的には、以下の例文を参考にしてください。
御社のグローバルな事業展開と、常に新しいことに挑戦する姿勢に魅力を感じました。
国際的なチームから学べる環境で働きたいと考えています。
これまでのコミュニケーション力や整理力の経験を活かして、御社のチームに貢献できると考えています。
このように、「会社への理解」「自分の経験」「将来のビジョン」 の3点をバランスよく伝えましょう。
リモート面接でのポイント
「Why do you want to work for our company?」という質問では、熱意を見せることが重要ですが、リモート環境では、表情や声のトーンが淡く見えがちです。
そのため、対面での面接よりもさらに、声の調子を明るく保ち、抑揚をつけて話すよう心がけましょう。
また、この質問でも、カメラに目線を合わせて話すことが重要です。
What are your strengths and weaknesses?

「What are your strengths and weaknesses?(あなたの長所と短所を教えてください)」は、自己分析力と誠実さを問う質問です。
単なる性格の説明ではなく、「仕事でどう発揮されるか」「どう改善に努めているか」を具体的に示すのがポイントです。
まず、長所(strengths)では、応募職種に関連したスキルや行動特性を具体例とともに伝えましょう。
一方、短所(weaknesses)は、正直に述べつつも、克服のための努力や学びを添えることで、前向きな印象を与えられます。
以下の例文を参考にしてください。
例えば、「長所(strengths)」については、次のような言い方があります。
私は整理整頓が得意で、仕事を期限内に終わらせることができます。
たとえば、毎日やることリストを作って、進捗を管理しています。
Sometimes I spend too much time double-checking small details.
But I’m learning to balance accuracy and efficiency better.
そのため、正確さと効率のバランスを取るように意識しています。
このように、「長所 → 具体例 → 短所 → 改善の努力」という構成で答えると、誠実かつプロフェッショナルな印象を与えられます。
リモート面接でのポイント
リモート面接では、面接官が「この人はリモート環境でうまく働けるかどうか」を重視している可能性も高いです。
そのため、「長所」として、「Communication(オンラインでも積極的にやり取りできる姿勢)」や「Time management(時間管理)」を挙げるのもひとつの戦略です。
もし、オンラインでのやりとりを苦手としているなら、「短所」として正直に挙げたあと、「改善に取り組んでいる」こともセットで述べるとよいでしょう。
Tell me about a time you solved a problem.

「Tell me about a time you solved a problem.(問題を解決した経験を教えてください)」は、実践力や課題対応力を見極める質問です。
この質問に答える際には、STAR法(Situation・Task・Action・Result)を意識すると整理しやすくなります。
STAR法とは、以下の4つの観点に基づく情報整理の方法です。
- Situation(状況):どんな場面だったか
- Task(課題):どんな問題・課題があったか
- Action(行動):自分がどう行動したか
- Result(結果):最終的にどうなったか
どのように実践すればよいかは、以下の例文を参考にしてください。
Situation(状況)とTask(課題):
あるプロジェクトで、ウェブサイトの読み込みが遅く、顧客から不満が出ていました。
Action(行動):
チームと協力してコードを確認し、画像ファイルを軽くしました。
Result(結果):
サイトが大幅に速くなり、顧客からの評価も良くなりました。
このように、「問題 → 対応 → 結果」を具体的に話すことで、課題解決能力・リーダーシップ・実行力を効果的にアピールできます。
抽象的な説明ではなく、「自分が何をしたか」を中心に述べることがポイントです。
リモート面接でのポイント
リモート面接は、対面での面接よりも聞き手の集中力が切れやすいものです。
相手の集中力を途切れさせないためには、1文を短く切ったり、結論を先に話したりするとよいでしょう。
そして「Tell me about a time you solved a problem.」のような質問では、やはりSTAR法を使って、論理的に話すことが非常に重要になります。
Describe a challenge you faced at work.

「Describe a challenge you faced at work.(仕事で直面した課題について教えてください)」は、逆境への向き合い方やストレス耐性、問題解決への姿勢をみる質問です。
この質問も、「Tell me about a time you solved a problem.」と同様に、STAR法で整理すると分かりやすくなります。
特に重要なのは、「何が難しかったのか」「どう乗り越えたのか」「そこから何を学んだのか」の3点です。
具体的には、以下の例文を参考にしてください。
Situation(状況)とTask(課題):
前職に就いた当初、たくさんの業務を同時に進めなければなりませんでした。
Action(行動):
タスクリストを作り、優先順位をつけてスケジュールを整理しました。
Result(結果):
数週間後には仕事を効率的に進められるようになり、締め切りも守れるようになりました。
課題(Challenge)を正直に説明しつつ、前向きな姿勢や学びで締めくくるのが理想です。
特に、「苦労したけれど成長につながった経験」として話すと、ポジティブな印象を与えられます。
リモート面接でのポイント
もし、リモート環境で問題を解決した経験があるなら、その話を扱うのが非常に有効です。
面接官は「この人はオンライン環境でうまくやっていける人材か?」ということに興味を持っている可能性が高いからです。
オンラインツールを使いこなしていることをさりげなく盛り込むと、さらに効果的です。
How do you handle tight deadlines?

「How do you handle tight deadlines?(厳しい締め切りにはどのように対処しますか?)」は、時間管理力・優先順位付け・ストレス下での対応力を見極める質問です。
この質問では、抽象的な性格説明よりも「具体的な行動」を示すことが大切です。
たとえば「冷静に対処します」だけでは不十分で、どのようにタスクを整理し、どんな工夫をして納期を守ったのかを簡潔に伝えましょう。
過去の経験をベースにSTAR法を使って答えると、説得力が増します。
以下の例文を参考にしてください。
Situation(状況):
昨年、社内会議のプレゼン資料を短期間で準備しなければなりませんでした。
Task(課題):
わずか2日でデータを集めてスライドを作る必要がありました。
Action(行動):
計画を立てて、作業を小さなステップに分け、まず重要な部分から取りかかりました。
また、早めに上司に確認し、方向性が合っているか確かめました。
Result(結果):
そのおかげで、締め切りに間に合い、上司からも「分かりやすく整理されている」と褒められました。
「論理的な進め方」と「具体的な成果」をセットで示すのがポイントです。
単に「がんばります」ではなく、「どう動くか」を具体的に伝えることで、実務力のある印象を演出することができます。
リモート面接でのポイント
この質問でも、リモート環境でよく使いこなしているツールを具体的に挙げながら話すと、説得力が増します。
また、話がやや長くなるので、STAR法を使って論理的に話を進めていくことも非常に重要です。
Why are you leaving your current job?

「Why are you leaving your current job?(なぜ現職を辞めようとしているのですか?)」という質問で、面接官が本当に知りたいのは、「この人は前向きな理由で転職しようとしているか」「職場でのトラブルを引きずっていないか」という点です。
そのため、ネガティブな理由(人間関係・給与・不満など)は避け、キャリアアップやスキル成長といった前向きな動機を中心に伝えるのが基本です。
また、「御社で何を実現したいのか」につなげることで、ポジティブで説得力のある回答になります。
具体的には、以下の例文を参考にしてください。
現在の仕事では、コミュニケーションやチームワークについて多くを学びました。
しかし、今後は新しいことに挑戦し、国際的な環境でスキルを伸ばしたいと考えています。
そのため、このようなポジションを探しています。
このように、「辞める理由」よりも「次に進みたい理由」を中心に話すと、ポジティブで信頼感のある印象になります。
逆に、「上司と合わなかった」「給与に不満がある」といった説明は避け、あくまで「前進する姿勢」を見せるのがポイントです。
リモート面接でのポイント
「Why are you leaving your current job?」という質問に対しては、ネガティブな理由で現職をやめるのではなく、キャリアアップなどポジティブな理由を伝えるのが効果的です。
しかし、オンライン環境では表情や言葉のニュアンスが伝わりづらく、むしろ冷たく聞こえてしまう可能性もあります。
そのため、カメラに目線を合わせて、笑顔を浮かべながら、明るいトーンで話すことを心がけましょう。
What motivates you at work?

「What motivates you at work?(仕事へのモチベーションはなんですか?)」という質問では、「企業理解の深さ」と「自分の強みとの関連性」が問われます。
この質問に答える際は、以下の3つのポイントを意識しましょう。
- 応募先の企業をよく理解していること(会社の特徴・理念・最近の取り組みなどに言及する)
- 自分の経験とどうマッチしているか(どんな点でその会社に共感しているか、自分の強みがどう活かせるか)
- 今後、どう貢献できるか(入社した場合、どんな形で貢献したいかを伝える)
具体的な答え方の例は次のとおりです。
業務の進め方を改善し、成果が上がるのを見るとやる気が出ます。
現在の仕事では、報告書の整理方法を改善して、チームの時間を節約できました。
御社も効率化や継続的な改善を重視されていると伺い、その分野で力を発揮したいと考えています。
このように、「企業研究」「自分の経験」「貢献のビジョン」をバランスよく盛り込むことで、説得力のある回答になります。
リモート面接でのポイント
リモート面接で「What motivates you at work?」と聞かれたときは、「自律性(self-motivation)」を強調するのがおすすめです。
リモートでは上司や同僚が近くにいないため、自分でモチベーションを保つ力が重視されるからです。
また、「コミュニケーション能力」を強調するのも効果的です。
リモート環境では、「孤立せずにチームとつながる工夫」が重要になるためです。
Where do you see yourself in five years?

「Where do you see yourself in five years?(5年後、あなたはどうなっていたいですか?)」という質問には、「この人がすぐ辞めないか」「会社と一緒に成長してくれるか」を知りたいという意図があります。
答えるときは、以下の3つを意識しましょう。
- キャリア上の目標(どんなスキルやポジションを目指しているのか)
- 会社とのマッチ度(その目標が応募先企業の方向性と、どう重なるか)
- 学ぶ姿勢(成長意欲や柔軟性)
具体的には、以下の例文を参考にしてください。
5年後には、プロジェクトをリードし、御社のグローバル展開を支援できるようなプロフェッショナルに成長したいと考えています。
御社が掲げる「イノベーション」や「国際的な連携」の方向性に共感しており、そのビジョンとともに成長していきたいです。
このように、自分の成長ビジョンを示しながら、企業の方向性と重ねて語ることで、前向きで現実的な印象を与えられます。
リモート面接でのポイント
「Where do you see yourself in five years?」という質問に対しては、将来のビジョンを語る必要があります。
そのため、カメラのレンズを見つめて、前向きな表情を心がけることがとくに重要になります。
声のトーンも少し明るめにし、自信と熱意が伝わるように心がけましょう。
Do you have any questions for us?

「Do you have any questions for us?(私たちに何か聞きたいことはありますか?)」は、英語面接の最後によく聞かれる質問です。
ここでは、応募者の意欲や理解度、コミュニケーション力が見られています。
「特にありません(No, not really.)」と答えてしまうと、関心が低い印象を与えてしまうため注意しましょう。
おさえておきたいポイントは、以下の3つです。
- 会社やポジションに関心があることを示す
- 前向きで建設的な質問をする
- 相手の話を広げられるような質問にする
そのため、以下のような質問を準備しておきましょう。
今後数年間の会社の目標について教えていただけますか?
一緒に働くチームについて、もう少し教えていただけますか?
御社ではどのような研修や学びの機会がありますか?
この後の選考プロセスについて教えていただけますか?
このように、仕事への興味・成長意欲・前向きな姿勢が伝わる質問を用意しておくと、面接の印象がぐっと良くなります。
リモート面接でのポイント
リモート面接では、目の前に「カンペ」を貼っておくこともできますよね。
しかし、特に「Do you have any questions for us?」と質問された時に、カンペを棒読みすると、不自然になってしまいます。
カンペを利用する際は、キーワードだけを書き、自分の言葉で話すようにしましょう。
沈黙をチャンスに変えよう

英語面接で最も緊張する瞬間のひとつが、「質問にすぐ答えが出ない沈黙」でしょう。
しかし、沈黙が悪い印象につながるとは限りません。少し考える姿勢を見せることで、むしろ丁寧な印象を与えることもあります。
沈黙を埋めるには、以下のようなフレーズも使えます。
少し考えさせてください。
面白い質問ですね。そうですね…
こう言い換えると…
少し考える時間をいただけますか。
沈黙を埋めるために焦って話し始めそうになりますが、実は、「考えている」ことを英語で伝える方が自然な印象になります。
落ち着いたトーンでワンクッション置くことで、英語が少し詰まっても、堂々とした態度を演出することができます。
まとめ:「伝わる」英語を身につけよう

英語での面接は、英語力だけでなく、「論理的に話を組み立てる力」と、「自分の強みを明確に伝える力」が問われています。
面接官からの質問に対して、「自分の経験や強みをどう結びつけるか」「相手にどんな印象を与えたいか」を意識して準備しておきましょう。
また、面接は「英語力のテスト」ではなく、「あなたという人を理解してもらう場」です。そのため、「完璧な英語を話す」ことよりも、「自分の言葉で誠実に伝える」姿勢を重視しましょう。
しっかりと準備し、堂々とした態度で面接に臨めば、きっと相手先の企業にも、あなたの魅力が伝わるはずです。
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ホール 奈穂子
株式会社ギャビーアカデミー代表取締役
元九州大学職員。TOEIC 990、IELTS 7.5(Speaking 8.0)を誇る、英語学習独学のスペシャリスト。27歳から英語を学び直し、自らの人生で英語習得がもたらす可能性を証明。米国赴任、留学プログラムや海外大学との共同学位取得プログラムの設計・運営に携わった経験から、日本人の英語学習における課題を深く理解し、効果的な学習方法を追求。その集大成として、東京大学と共同で、脳科学に基づいた独自の英語スピーキング習得メソッドを開発。現在カナダ・バンクーバーに在住。世界を舞台に活躍する日本人ビジネスパーソンの育成に情熱を燃やし、日本とバンクーバーを往復しながら精力的に活動中。趣味はカナダを舞台にしたサケ釣り。

