ビジネスシーンで「戦略」について話す機会は多いですよね。「営業戦略」や「成長戦略」、「デジタル戦略」など、幅広い分野で使われる言葉です。
英語ビジネスシーンにおいても、自社の「戦略」についてきちんと伝えられるかどうかは、成功を大きく左右する問題です。
「戦略」を意味する代表的な英単語は、「strategy」です。
この記事では、「strategy」の使い方を、例文とともに詳しく解説します。また、「strategy」の類語表現も見ていきます。
「strategy」の使い方を把握して、「戦略的に考える」スキルを身につけると、より説得力のある発言・提案ができるようになります。
ビジネスシーンでの発言力も上がっていくでしょう。
基本の英単語「strategy」の意味と使い方

「strategy 」は、「目的を達成するための長期的な計画」や「全体的な方針」を表す言葉です。
ビジネスでは、日々の業務よりも一段高い視点から、「会社や組織をどう導くか」の方向性を示すときに使われます。
以下の例文を参考にしてください。
当社の経営戦略は顧客満足を重視しています。
アジア市場に進出するための明確な戦略が必要です。
そして、「strategy(戦略)」とよく対比されるのが、「tactics(戦術)」です。
「strategy(戦略)」は、長期的な目標を達成するための、全体的な方向性です。
それに対し、「tactics(戦術)」は、そのstrategy(戦略)を実行するための、具体的な手段です。
たとえば、「顧客を増やす」という目的があったとします。
この場合、「戦略(strategy)」の例として、「ブランドの信頼性を高めること」が挙げられます。
そしてその場合の「戦術(tactics)」は「SNS広告を強化する」「口コミキャンペーンを行う」といった形になります。
まずは「strategy」=「全体的な方向性」という意味を把握しておいてください。
「strategy」を含むビジネス表現

英語ビジネスシーンでは、「strategy」を単独で使うよりも、特定の分野や目的と組み合わせて使うことが多いです。
たとえば、以下のような形です。
- marketing strategy(マーケティング戦略)
- business strategy(経営戦略)
- growth strategy(成長戦略)
- digital strategy(デジタル戦略)
- pricing strategy(価格戦略)
これらの表現は、会議・プレゼンテーション・メールと、どんな場面でも使えます。
それぞれ「develop(立てる・策定する)」「implement(実行する)」「review(見直す)」などの動詞とも相性の良いフレーズです。
それぞれ詳しく見ていきましょう。
marketing strategy(マーケティング戦略)
「marketing strategy(マーケティング戦略) 」は、会社やブランドが「どんなお客様に、どのような価値を届けるか」を考える長期的な方針を指します。
ターゲット層・価格設定・販売チャネル・プロモーションの方法など、ビジネス全体の方向性を決めるのが「strategy」です。
「marketing strategy」は「ただの宣伝活動」ではなく、「目的に基づいた計画的な取り組み」なのです。
具体的な使い方としては、以下の例文を参考にしてください。
若い世代をターゲットにした新しいマーケティング戦略を立てています。
当社のマーケティング戦略はSNSとインフルエンサー施策に重点を置いています。
次の四半期にマーケティング戦略を見直す予定です。
business strategy(経営戦略)

「business strategy(経営戦略)」 は、企業がどの方向に進み、どのように競争に勝っていくかを決める、全体的な方針を指します。
たとえば、どの市場に注力するか、どの顧客層をターゲットにするか、どんな価値を提供していくかなど、会社全体の方向性を定める「羅針盤」のような戦略です。
以下の例文も参考にしてください。
当社の経営戦略は、今後5年間でグローバル展開を目指しています。
市場の変化に対応するため、経営戦略を見直しています。
business strategyとよく一緒に使われる、以下の表現もおさえておきましょう。
- corporate strategy(企業戦略)
- competitive strategy(競争戦略)
- long-term business plan(長期経営計画)
growth strategy(成長戦略)

「growth strategy(成長戦略)」 は、会社や事業を「どのように拡大していくか」を考える、長期的な方針を指します。
新しい市場に進出したり、新商品を投入したり、既存の顧客との関係を深めたりするための全体的な方向性を示す言葉です。
以下の例文も参考にしてください。
当社の成長戦略では、東南アジア市場への進出に重点を置いています。
新たな投資家を引きつけるために、明確な成長戦略が必要です。
同社の成長戦略には、合併や買収が含まれています。
「growth strategy」とよく一緒に出てくる、以下の表現もおさえておきましょう。
- expansion strategy(事業拡大戦略)
- long-term strategy(長期戦略 )
- investment strategy(投資戦略)
digital strategy(デジタル戦略)

「digital strategy(デジタル戦略)」 は、企業がデジタル技術を活用して、ビジネスを成長させるための方針を指します。
たとえば、オンラインでの販売強化、SNSを使ったブランド発信、データ分析による顧客理解の向上など、テクノロジーを活かして企業価値を高める戦略が「digital strategy」です。
近年では、ほとんどの企業が「DX(デジタルトランスフォーメーション)」を進めており、その核となる考え方として、「digital strategy」の理解は欠かせません。
以下の例文を参考にしてください。
現代のビジネス環境では、強力なデジタル戦略が不可欠です。
顧客体験を向上させるためのデジタル戦略を策定しています。
当社のデジタル戦略は自動化とデータ分析に重点を置いています。
「digital strategy」は、単にITを導入するだけでなく、ビジネスの成長を支えるために、デジタル技術をどのように使うかという全体的な方針を示します。
digital strategyとよく一緒に出てくる、以下の表現もおさえておきましょう。
- digital transformation (DX):デジタル変革
- IT strategy:IT戦略
- online marketing strategy:オンラインマーケティング戦略
pricing strategy(価格戦略)

「pricing strategy(価格戦略)」 とは、企業が、製品やサービスの価格をどのように設定するかを決める方針を指します。
単に「いくらにするか」だけでなく、どんな価値を提供し、どの市場でどのように競争するかを考えることが、「pricing strategy」です。
以下の例文を参考にしてください。
競争力を維持するために、価格戦略を見直す必要があります。
当社の価格戦略は、顧客にプレミアムな価値を提供することに重点を置いています。
柔軟な価格戦略によって、市場の変化に迅速に対応できます。
「pricing strategy」とよく一緒に出てくる以下の表現もおさえておきましょう。
- pricing model(料金体系)
- discount strategy(割引戦略)
- value-based pricing(価値基準の価格設定)
Strategyの類語表現

「strategy」以外にも、「戦略」に近い意味の類語がいくつかあります。
状況に応じて単語を使い分けることで、よりプロフェッショナルな印象になります。
- plan(計画・プラン)
- approach(取り組み方・アプローチ)
- policy(方針・ポリシー)
- roadmap(行程表・ロードマップ)
- framework(枠組み・仕組み)
それぞれ詳しく見ていきましょう。
plan(計画・プラン)
「plan(プラン・計画)」 は、短期的な計画から長期的な計画まで、幅広く対応できる言葉です。
「何を・いつ・どのように実行するか」という具体的な行動内容を示す言葉です。
目的を達成するための道筋(方向性)が「strategy(戦略)」、strategyで建てた道筋に沿って実行する具体的なステップが「plan」といえます。
以下の例文を参考にしてください。
私たちの戦略はアジアへの進出です。プランとしては来年、3つの拠点を設立する予定です。
このように、「strategy」が「全体の方向性」を指し、「plan」が「具体的な行動」を指します。
approach(取り組み方・アプローチ)
「approach」は、「目的を達成するための方法や姿勢」を表す言葉です。
「strategy」が「大きな方向性」だとすれば、approach はその方向に進むための「具体的なやり方」を指します。
strategyより柔らかく、実務の中でも自然に使いやすい表現です。
会議やメールでも「Let’s take a different approach.(別のやり方を試してみましょう)」などと言うことができます。
policy(方針・ポリシー)

policy(ポリシー・方針) は、会社や組織が「どのように行動するか」を定めた基本的なルールや指針を意味します。
「policy」が組織の一貫性を支えるルールで、「strategy」はそのルールに基づいて目標を実現するための方向性といえます。
実務では、人事(HR policy)、情報セキュリティ(security policy)、品質管理(quality policy)など、あらゆる分野で使われます。
roadmap(行程表・ロードマップ)
「roadmap」は、「目標に向かうための時間軸のある計画」を意味します。
「strategy」が「方向性」を示すのに対して、「roadmap」 は「いつ、何をするか」を整理した具体的な道筋といえます。
プロジェクト管理や長期計画を説明する場面でよく使われる単語です。
英語ビジネスシーンでは、「clear roadmap(明確なロードマップ)」 や 「detailed roadmap(詳しいロードマップ)」 などと組み合わせて使います。
framework(枠組み・仕組み)
framework は、「考え方やプロセスを整理するための構造や仕組み」を指します。
「strategy」が「何を目指すか」を示すなら、「framework」は「どう整理して考えるか」を支える土台のような存在です。
ビジネス文書やプレゼン資料など、少しフォーマルな文脈で使われることが多い単語ですが、「考え方の整理」「戦略を支える構造」を示したいときに便利です。
frameworkを使った考え方の整理法に興味のある方には、以下の記事もおすすめです。
まとめ:戦略的に英語を使おう

英語で戦略を語れるようになると、自分の仕事を「作業」ではなく「方向性を持った取り組み」として説明できるようになります。これは、上司や海外のパートナーに対して説得力を持って意見を伝える大きな武器になります。
この記事では、以下の表現を紹介しました。
- strategy(戦略)= 長期的な方針
- tactics(戦術)= 実行の手段
- plan / approach / policy などの類似表現
これらの表現を目的に応じて使い分けられれば、英語はただの「ツール」ではなく、ビジネスを動かす「戦略的な武器」となるでしょう。
日々のミーティングやメールでも、「どう戦略的に考えるか(think strategically)」を意識し、実践してみてください。
この「戦略的な思考」こそが、あなたの英語力とビジネススキルを次のレベルへと引き上げてくれるでしょう。
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ホール 奈穂子
株式会社ギャビーアカデミー代表取締役
元九州大学職員。TOEIC 990、IELTS 7.5(Speaking 8.0)を誇る、英語学習独学のスペシャリスト。27歳から英語を学び直し、自らの人生で英語習得がもたらす可能性を証明。米国赴任、留学プログラムや海外大学との共同学位取得プログラムの設計・運営に携わった経験から、日本人の英語学習における課題を深く理解し、効果的な学習方法を追求。その集大成として、東京大学と共同で、脳科学に基づいた独自の英語スピーキング習得メソッドを開発。現在カナダ・バンクーバーに在住。世界を舞台に活躍する日本人ビジネスパーソンの育成に情熱を燃やし、日本とバンクーバーを往復しながら精力的に活動中。趣味はカナダを舞台にしたサケ釣り。

