2023.08.03英語学習・フレーズ

英語脳って何?|日本に居ながらにして英語脳を作るトレーニング法・作り方とは

「英語脳」を身につけることができたらかっこいいですよね。でも、そもそも「英語脳」とは何なのかといわれると、ピンとこない人も多いのではないでしょうか。

「英語脳」とは、「英語を英語のまま理解する能力」です。英語上級者のほとんどは、「英語脳」を身につけています。

帰国子女だったり、インターナショナルスクールに通ったりしないと身につかないイメージのある「英語脳」ですが、実は日本人の大人でも英語脳を作る方法はあります。

この記事では、英語脳とは何か、そのメカニズムについて解説し、英語脳の作り方について紹介します。
英語でスムーズなコミュニケーションをとるには、英語脳の習得は不可欠です。英語脳を身につけたい人はぜひ参考にしてください。

英語脳って何?

英語脳とは、読んだり聞いたりした英語を、日本語を介さずに、英語のままのイメージや感覚で捉え、英語で理解できる状態のことをいいます。

ネイティブスピーカーや英語上級者は、「英語脳」を身につけているといえます。
英語初級者〜中級者のほとんどは、英文を読んだり聞いたりする時に、一度頭の中で和訳、つまり日本語に訳して理解しようとしてしまいますよね。
その一方で、英語上級者や、実際に英語を使って働いている人の多くは、「英語を英語のまま理解している」場合がほとんどです。

ネイティブスピーカーの「英語脳」と上級レベルの英語学習者の「英語脳」は、メカニズムに違いはありますが、ほとんど違いのないパフォーマンスを発揮することができます。

英語脳を身につけるメリットとデメリット

英語脳を身につけると、英語でのコミュニケーションをスムーズにとることができるようになるというメリットがあります。

英会話をしている時に、一度日本語に訳して考えるクセがあると、その分コミュニケーションにタイムラグが生じ、結果として会話についていけないという事態が考えられます。

英文を読む上でも、一度日本語に訳して読むのと、英語を英語のまま理解して読むのでは、読解のスピードは段違いです。

英語を実際に使って仕事をしたり、英語でのコミュニケーションを円滑にしたいと考えるなら、「英語脳」を身につけた方が良いでしょう。

「英語脳」を身につけることのデメリットは、「和訳」が苦手になる傾向があるということですが、翻訳を職業としていない限り、上手に和訳するスキルが必要になることはあまりありません。
「英語脳」を身につけるデメリットはほぼ「ない」といっていいでしょう。

英語脳は日本にいても身につく?

大人の英語学習者が「英語脳」の作り方としては、まず海外留学が考えられると思いますが、忙しい社会人にとって、海外留学は金銭的・時間的に難しいですよね。

日本に居ながらにして英語脳を身につけるのは、可能です。ただ、トレーニングの量をこなす必要があるので、英語学習に集中できる環境を整えて、本気で取り組む必要があります。

英語脳=「知識の自動化」

大人が英語を使えるようになるには、まず文法と語彙の知識を学ぶのが大前提です。
その上で、学んだ語彙や文法の知識が、日本語で考えることなく「自動的に」出てくるようにする(知識を自動化する)必要があります。

ネイティブスピーカーの場合、英語の文法・語彙の知識はすでに自動化されています。
英語学習者の場合は、学んだ知識が自動化されるよう、徹底した反復練習をすることで、大人でも「英語脳」を身につけることができます。

おすすめトレーニング1:多聴

知識を自動化するには、トレーニングの「量」をこなすのが重要です。

「多聴」は、文字通り大量の英文を聞き続けるトレーニングです。集中してリスニングする必要はなく、半分聞き流しで構わないのですが、必ずおさえておきたいポイントが1つあります。
それは、初めて聞いても8割方理解できる簡単な英語音声を選ぶことです。

英語習得に必要なのは「理解可能なインプット」なので、難しすぎて理解できない英文を聞き続けても、英語力はアップしません。
スキマ時間に楽しく聞き続けられる英語音声を聞き流すことから始めましょう。

おすすめトレーニング1:多聴

知識を自動化するには、トレーニングの「量」をこなすのが重要です。

「多聴」は、文字通り大量の英文を聞き続けるトレーニングです。集中してリスニングする必要はなく、半分聞き流しで構わないのですが、必ずおさえておきたいポイントが1つあります。
それは、初めて聞いても8割方理解できる簡単な英語音声を選ぶことです。

英語習得に必要なのは「理解可能なインプット」なので、難しすぎて理解できない英文を聞き続けても、英語力はアップしません。
スキマ時間に楽しく聞き続けられる英語音声を聞き流すことから始めましょう。

おすすめトレーニング2:多読

「聞く」インプットだけでなく、「読む」インプットも、量をこなすことが大事です。
「多読」は大量の英文を読み進めるトレーニングです。「多聴」と同じく、初見で8割方理解できる簡単な英文を選びましょう。
量をこなすのが目的なので、分からない単語があっても辞書は引きません。また、できる限り「後ろから訳す」クセが出ないように、英語の語順のまま読むことを心がけましょう。

おすすめトレーニング3:スラッシュ・リーディング

「後ろから訳す」クセがどうしても抜けないという人におすすめの読み方が「スラッシュ・リーディング」です。
スラッシュ・リーディングとは、意味のまとまりごとに文中にスラッシュ(/)を入れて、英文を読んでいく方法です。

例えば、「That was a man that I met at the store.」という文は、「a man」「関係代名詞節」が後ろから修飾していますよね。そのため、「後ろから戻って訳しなさい」と学校で教わった人も多いかと思います。

この文にスラッシュを入れると、以下のようになります。

That was a man / that I met / at the store.

スラッシュで区切ったかたまりごとに意味を解釈すると、「あれは男の人だ / 私が会った / 店で」となり、訳さなくても内容は理解できますよね。

「綺麗な日本語に訳そう」と心がけず、大雑把な内容だけ把握しながら読み進めていってください。

おすすめトレーニング4:シャドーイング

シャドーイングは、英語音声を聞いて、音声の数秒後に影のようにお手本の後をついて発音していくトレーニング法です。
リスニング(インプット)に加えて、スピーキング(アウトプット)のトレーニングになるため、「英語脳」を作るのに非常に高い効果を発揮します。

ただ、初心者が無理をしてシャドーイングに挑戦するのはあまりおすすめできません。シャドーイングは難易度の高いトレーニング法なので、英語脳を身につけるどころか、英語学習に挫折してしまう可能性があるからです。
中級以上の英語レベルの学習者で、短期間で集中的に英語脳を手に入れたいという人におすすめのトレーニングです。

おすすめトレーニング5:ディクテーション

リスニング(インプット)のトレーニングと、アウトプットのトレーニングとして「書く」練習を同時にできるのが「ディクテーション」です。
ディクテーションは、流れてきた英語音声を書きとめるトレーニングです。
シャドーイングに比べると、自分の声で音がさえぎられない分、少しとっつきやすいトレーニング法といえます。
英語の音声や語順に慣れることができるので、英語脳を身につけるのに効果的なトレーニングです。

アウトプットの機会も設けよう

独学でトレーニングをしていると、どうしてもインプット(読む・聞くスキル)のトレーニングに偏りがちなので、アウトプット(書く・話すスキル)のトレーニングもまんべんなく行うようにしましょう。

オンライン英会話を利用すれば、たくさん「話す」機会を得ることが可能です。また、英語コーチングを利用すれば、文法や語いの知識について適切なフィードバックが得られるので、より効果的なアウトプットの機会を設けることができます。
アウトプットのトレーニングを積むには、第三者の手を借りるのがおすすめです。

ただ、オンライン英会話などの英語学習サービスは、基本的に予約を必要としているので、学習時間をうまく確保できない人もいるかもしれません。
また、いきなり英語講師相手に英会話を始めるのは緊張するという人もいるでしょう。

そこで次のセクションでは、英語脳を作るためのアプリを、スピーキングの練習ができるものを中心に紹介します。

英語脳を作れるアプリ5選

ニック式英会話ジム

「英語脳」の「6種の筋肉」を鍛える「脳トレジム」というコンセプトのアプリです。

日本語をヒントにせず英文を生成する能力を養う「3ステップ」のほかに、お題の英文をどんどん別の表現に言い換える「置き換え」や、自分で組み合わせた質問をネイティブ音声が読み上げてくれ、それをリピーティングする「Q」など、日本語を介さずに英文を生成できるようになる6つのトレーニングが搭載されています。

日々のトレーニングで英語脳を作ることができるアプリです。

トーキングマラソン

50年以上語学学習に携わってきた英語学習サービス「アルク」が、「キクタン英会話」をベースに開発したアプリです。いきなりオンライン英会話などを利用するのは不安だという人におすすめです。

内容としては「瞬間英作文」に近く、与えられた日本文を瞬時に英語で発話できるようひたすら「自主トレ」を行うアプリです。
大量の「発話量」を確保することで、「英語を英語で考える」英語脳を作ることができます。

スピークバディ

第二言語習得理論に基づいて開発されたAI英会話アプリです。こちらも、いきなり英語話者と英会話レッスンを行うのが不安だという人におすすめです。

高精度AIによるリアルな英会話を体験することができるため、予約なしで英会話レッスンを行うことができます。

1日15分からの学習が推奨されていますが、英語脳を身につけるためにたっぷりと英会話の時間を設けるのがおすすめです。

30日間英語脳育成プログラム

世界トップクラスの言語学者・英語教育者が開発したアプリです。
初級編と中級編に分かれており、初級編はTOEIC300点〜500点の学習者が対象なので、英語を苦手とする初心者の方でも安心して利用することができます。

英語学習者が陥りがちな「文字面に引っ張られる」クセをなくすことができ、英語を英語の順番で理解できるよう工夫されています。

想定されている学習時間は1日15分〜1時間、学習期間は1〜3ヶ月です。
ただ、前のセクションで述べたように、英語脳を作るには、反復練習の量をこなす必要があるので、1日15分、1ヶ月の学習で英語がペラペラになるかというと、それは難しいのではないかと個人的には思います。

ただ、「どうしても和訳して考えてしまう、英語を英語の順番で考えるのは難しい」という人は、英語脳を作るとっかかりとして利用してみると良いかもしれません。

English Audio Books

有名な「TED」のスピーチを視聴できるアプリです。すべてのプレゼンテーションにスクリプトがついているため、シャドーイングやディクテーションの素材にピッタリのアプリといえます。

ただ、TEDのスピーチは専門的な内容が多く、シャドーイングやディクテーション自体も難易度の高いトレーニングなので、上級者におすすめしたいアプリです。

初心者が無理をしてTED Talkを利用すると、難易度が高すぎて挫折につながりかねないので、自分のレベルに合った教材を選ぶようにしましょう。

ギャビーアプリ

言語脳科学理論に基づいて開発された英語コーチングサービス「ギャビーアカデミー」が提供するアプリです。
レベルチェックテストの判定結果に合わせて、AIがその日のトレーニングメニューを提案してくれます。

アプリを使ったドリルでは、英語音声に素早く回答したり、置き換え練習をしたりする4つのトレーニングを通じて、日本語を介さずに自然な英文を生成する能力を養うことができます。

トレーニングを行うとポイントが加算されたり、ランキングに参加して他の利用者と切磋琢磨することができたりと、英語学習のモチベーション維持の工夫もされているため、途中で挫折することなく英語脳を作ることができます。

終わりに

「英語を英語で考える」なんて日本人の大人にはムリだと思う人も多いかもしれません。

筆者の場合、日本生まれ・日本育ちで、20歳になって初めてイギリスに留学したのですが、すでに留学前にある程度の「英語脳」の萌芽のようなものはできていた気がします。

言語学を専攻していたため、教科書のほとんどが洋書で、読み込んでいかないと怒られたので、毎日泣きそうになりながら英文を読み続けたのが、功を奏したのかもしれません。

イギリスに行って、シャワーのように英語を浴びることで、それまで蓄積されていた学習結果が爆発したかのように、TOEICスコアが1ヶ月の留学で200点以上上がりました。

これは少し極端な例かもしれませんが、日本に居ながらにしても、多読を重ねることで、英語脳が育つという一例になるかと思います。
多読だけでなく、「聞く」・「書く」・「話す」トレーニングの量をこなせば、英語脳はもっと効率よく身につくでしょう。

簡単な道のりではありませんが、本気でトレーニングすれば必ず身につくスキルです。諦めずに学習を続けてください。



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