2024.06.22英語ビジネス

効果的な英語での交渉術とは?実際に使えるビジネス英語フレーズと交渉のコツを紹介

ビジネスシーンで英語を使うことに慣れてくると、英語での交渉という高度な場面を任されることになるかもしれません。

そして交渉というデリケートな場面では、英会話は「通じればいい」ものではありません。相手の気分を害さないよう、ふさわしい英語表現を身につけておく必要があります。

そこでこの記事では、交渉の場で実際に使える英語表現を紹介します。

英語での交渉を控えている方、今後英語で交渉をする予定がある方はぜひ参考にしてください。

英語での交渉のプロセス

英語で交渉を行う場合、主に以下のようなプロセスを経ることになります。

・交渉前に良好な関係を構築する
・自分の希望や条件を伝える
・相手の希望や条件を聞く
・お互いに譲歩できる点を見つける
・提案を受け入れる or 拒否する

交渉とは、単に自分の意見を押し通すだけではありません。相手の意見をよく聞き、双方が納得できる条件を一緒に考える場です。

次の章では、そのような交渉を行うために実際に使えるフレーズを紹介します。

英語での交渉で実際に使えるフレーズ集


この章では、英語で交渉をする際に実際に使えるフレーズを紹介します。

交渉を始める前のスモールトーク


英語で交渉を行う際には、交渉内容を話し合うだけではなく、交渉が円滑に進むような雰囲気作りをすると効果的です。

そのため、ちょっとしたスモールトークを行うことで、コミュニケーションがとりやすくなり、よりスムーズに交渉を進めることができます。

スモールトークを切り出すには、以下のような表現を使うことができます。

Did you find this place all right?
ここまでの道は分かりづらくなかったですか?

Nice weather today.
今日は良い天気ですね。

How was your trip?
道中は快適でしたか?

I like your suit.
素敵なスーツですね。

このようなスモールトークは「アイスブレイク」とも呼ばれ、張り詰めた空気を和ませる役割があります。

ただし、政治や宗教などのデリケートな話題は避けた方が無難です。あくまで当たり障りのない話題を選びましょう。

交渉のトピックを伝える

スモールトークで場を和ませたら、いよいよ交渉本番です。
まずは、「何について交渉を行うのか」「何について話し合うのか」を明確にしましょう。

We’ll be discussing the possibility of extending the payment deadline today.
本日は支払期限の延長が可能かについて話し合います。

The topic of today’s discussion is the terms of our partnership.
本日の議題は提携条件についての話し合いです。

We have some concerns regarding the proposed delivery schedule.
ご提案の納期についていくつか懸念があります。

We would like to reach a deal on the price of product A.
製品Aの価格についての取引をまとめたいと思います。

英語の交渉で必ず押さえておきたい表現が、動詞「discuss(議論する)」や名詞「discussion(議論する)」です。

「topic(議題)」や「concern(懸念)」、「deal(取引)」などの表現も使えるようにしておきましょう。

自分の希望する条件を伝える

交渉の際には、自分の希望する条件や意見をきちんと伝えることが重要です。
ただ、自分の主張を相手に押し付けるのではなく、相手の意見を尊重する姿勢を伝えるよう心がけましょう。

例えば、「Would it be possible〜?(~は可能でしょうか?)」などという表現を使うと、相手の気分を害することなく自分の主張を伝えやすくなります。

Would it be possible to extend the delivery deadline?
納期を延長していただくことは可能でしょうか?

Would it be possible to offer a slight discount on the product price?
製品価格についてご相談させていただくことは可能でしょうか?

その他にも、以下のような表現を使ってこちらの主張を伝えることができます。

「Ideally, we are looking to…(理想としては〜したいと思っています)」

以下の例文を参考にしてください。

Ideally, we are looking to have a $500 increase in compensation for the upcoming season.
理想的には、来季の報酬は500ドル上乗せしていただきたいと思っております。

「We would prefer it if we could…(〜できるならより望ましいのですが)」などと言う表現も使えます。
以下の例文を参考にしてください。

We would prefer it if we could extend the deadline by one week.
納期を1週間遅らせていただけるとありがたいのですが。

すべての表現に共通しているのは、相手のことを気づかう気持ちが表現されているということです。

自分の希望する条件を伝えたら、相手が提示する条件をよく聞きましょう。

相手に譲歩する

相手の提示する条件がこちらの要望と完璧に合致していたら何も問題はないのですが、交渉の場ではそうもいきませんよね。

そういう時は、相手と一緒に妥協できる点を探していきます。以下の表現を参考にしてください。

If you increase the order quantity, we can lower the price.
発注数を増やしていただけるなら、お値引きも可能です。

If you could extend the delivery deadline, we would be able to provide quality that meets your expectations.
納期を延長していただけましたら、ご希望に沿った品質を提供できます。

Is there room for consideration at this amount?
この金額でしたらご検討の余地はありますか?

If the proposal we suggested the other day seems challenging, how about considering this alternative? 先日ご提案した内容が難しいようであれば、こちらの案はいかがでしょうか?

相手の条件に同意する

相手と一緒に妥協点を見つけることができたのであれば、以下のような表現を使いましょう。

That sounds acceptable.
よいですね。

That could be possible.
可能だと思います。

That could work.
それで大丈夫です。

相手の条件を拒否する

どうしても意見が折り合わない場合もありますよね。
ストレートに断る場合は、以下のような表現を使います。

I’m not sure about that.
ご承諾いたしかねます。

That would be difficult for us.
それは難しいです。

ただ、ストレートに断るよりは、相手の気持ちを気遣い、残念な気持ちを伝える表現を使う方がおすすめです。

I’m afraid we’re unable to accept those conditions.
申し訳ありませんが、その条件を受け入れることはできません。

I understand what you are saying, but it would be difficult for us to accept the order at that price.
おっしゃることは分かるのですが、その金額での受注は難しいです。

残念な気持ちを伝える時は、「I’m afraid…」という表現が便利です。ビジネスシーンでも頻出の表現なので、ぜひ覚えておきましょう。

交渉を終える

交渉を終える時は、それまで話し合った内容を簡単に振り返ってまとめるとよいでしょう。

In that case, I would like to confirm the agreed-upon terms.
それでは、合意した内容について確認させていただきます。

Let’s organize the agreed-upon conditions.
合意した内容を整理しましょう。

また、フォローアップする表現を添えると親切です。

Let me know if there are any problems.
何かありましたらご連絡ください。

If you have any further inquiries, please don’t hesitate to contact us via email.
もし何かご不明点がありましたらメールでご相談ください。

英語で交渉するときのコツ

相手の希望や条件に耳を傾ける

そもそも「交渉」は、自分の意見を押し通すことが目的ではありません。

自分の希望する条件を伝えつつ、相手はその条件をどうとらえているのか、相手方はどんな条件を希望しているのか、よく聞くようにしましょう。

交渉の場なので、空いても当然要求を伝えてくるでしょうが、相手の意見をこちらから促すような一言があると、交渉はよりスムーズに進みます。

例えば、以下のような表現です。

Do you have any thoughts on these conditions?
これらの条件に関して何かご意見はありませんか?

What do you have in mind with regards to our requirements?
こちらの要求に対してどのようにお考えですか?

交渉に適した英語表現を身につける

英語で交渉をするにあたっては、自分の意見をきちんと伝えることが重要ですが、シンプルすぎる表現を使ってしまうと、相手の気分を害してしまう恐れがあります。

交渉に臨むにあたっては、ビジネスレベルの丁寧な英語表現を身につけておきましょう。

例えば、相手に意見を伝える時に「If you could…」というように、「仮定法」が多用されていたことに気づいた方もいるかと思います。

「もし、可能でしたら……」というように、丁寧にこちらの要求を伝える表現です。

また、相手の意見に同意できない時に、ストレートに「I cannot agree to those terms.」などと伝えるのも望ましくありません。

「I’m afraid…(残念ですが……)」などという表現を上手に使って、相手との関係が壊れないよう気遣うようにしましょう。

相手と日頃から良好な関係を築いておく

交渉を成功させるためには、相手と日頃から仲良くしておくことも1つのコツといえます。

全く初対面の相手との交渉は成功しづらいかもしれませんが、日頃からよい関係を築けている相手となら、交渉がスムーズに進むかもしれません。

交渉相手が全くの初対面であれば、最初のスモールトークを使って打ち解けたりすることで、和やかな雰囲気を作るのがおすすめです。

交渉ごとはプライベートとは別物とはいえ、明るい雰囲気、良好な関係のもとで交渉を進めれば、少しでも良い結果がついてくるかと思います。

まとめ

英語で交渉を行う際に重要なのは、以下の3つのポイントです。

・相手の意見に耳を傾ける
・自分の意見を押し通すのではなく、お互いが納得できる妥協点を見つける
・丁寧な英語表現を使う

そして、英語での交渉に慣れていない人、自信がない人におすすめしたいのが、自分の希望を明確にし、事前準備をしっかり行うことです。

まずは、自分の提示したい条件をはっきりさせ、それを英語で言語化できるよう準備をしておく必要があります。

その上で、相手からの発言を何パターンか想定し、それに対応する発言も用意しておきましょう。

この時、セリフの文を用意しておくのではなく、要点だけを書き留めておくと、想定外の質問に対しても応用が利きます。

事前の準備をしっかり行っていれば行っているほど、交渉本番に自信を持って臨むことができますし、交渉がうまくいく可能性も高くなるかと思います。

また、ビジネス英語自体のトレーニングを積んでおくことも自信につながります。

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