2024.02.17英語ビジネス

英語面接でよくある質問と回答の例文まとめ|事前準備や印象をよくする方法も

海外の企業や、国内の外資系企業では、英語で面接が行われることがありますよね。
英語面接を控えていて、「失敗したらどうしよう……」「英語で何を言えばいいの?」と、不安に感じている方も多いのではないでしょうか。

実は、英語面接で聞かれる内容は、ある程度パターン化されています。
そのため、必要な対策をして臨めば、英語力が低くても、合格できる可能性は十分にあります。

そこでこの記事では、英語面接に対するコツをお伝えするとともに、事前の準備や実際に聞かれる質問・使えるフレーズについて紹介します。

英語面接で印象を良くする方法についても解説するので、英語面接を控えている方・英語面接を行う企業への就職を考えている方は、ぜひ参考にしてください。

英語面接で求められる英語力とは

TOEICを運営するIIBC(国際ビジネスコミュニケーション協会)が発表している「PROFICIENCY SCALE」によると、「業務上も大きな支障はない」とされているのは730点〜855点の範囲です。

もちろん、TOEICのスコアはあくまで目安であり、必ずしもTOEICで高得点をマークしている必要はありません。

そして業種にもよりますが、ネイティブレベルの英語力を求められることはほとんどありません。

また、英語面接には必要最低限の英語力は必要ですが、英語面接でチェックされているのは、必ずしも英語力だけではありません。

英語力は入社した後に伸ばすこともできるため、スキルや人柄が企業の求める条件とマッチしていれば、採用される可能性は十分にあります。

英語面接で注目されているポイント


それでは、英語面接でどんなポイントをチェックされているのか、具体的に見ていきましょう。
英語面接でチェックされるポイントは、主に以下の4点です。

  • 充分なコミュニケーション能力があるか
  • 即戦力になる自己アピールができているか
  • どのような企業なのか理解できているか
  • 業務に必要な英語力があるか

  • これらのポイントは、英語力そのものよりも重要視されている可能性が高いです。
    それぞれ具体的に見ていきましょう。

    充分なコミュニケーションが能力があるか


    英語面接において、英語力よりも重要視されているのが、「コミュニケーション能力」です。

    コミュニケーション能力は、英語のスピーキング力とは違います。
    自分の意見を的確に発信しながら、協調性を両立させるのが、コミュニケーション能力です。

    そのため、採用面接では、実践的な視点で発言内容をチェックされます。
    文法や発音が間違っていても、自分の考えを「正しく伝える」ことが重要です。

    ちなみに、英語面接に慣れていない初心者が犯しがちなミスが以下の2つです。

  • 英語の正確さを最優先し、ミスするたびに言い直す。
  • 自分の真意とは異なる内容を話す。

  • これらのテクニックは、英語のスピーキングテストでよく使われるテクニックですが、英語面接ではマイナスに働く可能性があります。

    必要最低限の英語力は必要ですが、自分の意見を正しく発信できる人材かどうかが、英語面接では重要視されています。

    即戦力になれる人材か

    日本では、新入社員を社内でじっくり育成する仕組みが一般的ですが、海外の企業や外資系企業は、むしろ即戦力になる人材を求めています。

    そのため、応募するポジションに必要なスキルや強みを持っているかどうかが重視されます。

    英語力をアピールしたり、熱意を伝えたりするのではなく、「自分にはどんな強みがあるか」「その強みをどのように生かすことができるか」を伝えることが重要です。

    企業のニーズを理解できているか

    英語面接を控えている場合は、企業研究を通じて「企業のニーズ」を理解しておきましょう。
    応募する企業の事業内容や企業理念だけでなく、応募するポジションについても調べておくと、企業について深い理解があることをアピールできます。

    さらに、以下のようなポイントについて押さえておくと、より企業についての理解をアピールすることができます。

  • 自分がそのポジションにつくことで企業にどんな利益があるか
  • 応募するポジションと自分の強みがどのようにマッチしているか
  • 応募するポジションについてどのような点で魅力を感じたか
  • 必要な英語力を備えているか

    英語力そのものよりコミュニケーション能力が重要であることをお伝えしましたが、やはり必要最低限の英語力を備えているかも、英語面接では重要視されます。

    先ほど述べたように、一般的に「TOEIC」と呼ばれている「TORIC Listening&Readingテスト」のスコアでは730点以上が目安になります。

    また、英語のリスニング力とリーディング力だけでなく、スピーキング力が重要になるので、VERSANTなどスピーキング力を測定するテストなどを通じて、スピーキング力を磨いておくとよいでしょう。

    英語面接当日までの準備

    英語面接を迎えるにあたってやっておくべき事前の準備は、以下の3つです。

  • 採用面接を受ける企業や業界のリサーチをしておく
  • 英語で志望動機を明確に伝えられるようにしておく
  • 具体的な回答を用意しておく

  • それぞれ詳しく見ていきましょう。

    採用面接を受ける企業や業界のリサーチをしておく

    前のセクションでもお伝えした通り、英語面接を控えている場合は、企業研究をして、応募する企業やポジションについて理解しておくことが重要です。
    さらに、関連業界の動向についてもリサーチしておきましょう。

    面接を受ける企業の公式ホームページを見ると、企業理念や採用情報が記載されています。志望企業がどのような人物像を求めているかなどを分析し、面接の回答に盛り込むとよいでしょう。

    企業理念の中で共感している点や、企業に対する知識を英語で伝えられるようにメモを作成するのがおすすめです。

    言いたい英語表現をメモしておき、繰り返し口になじませることで、面接をスムーズに進めることができるでしょう。

    英語で志望動機を明確に伝えられるようにしておく

    英語面接では、日本語の面接と同じように、志望動機が非常に重視されます。

    志望動機を明確に言語化できないと、企業に入りたいという意欲が低いと判断されるので、応募する企業・ポジションに合った志望動機を答えられるように練習しておきましょう。

    どのように志望動機を伝えればいいか、実際の例文は後のセクションで紹介します。

    具体的な回答を用意しておく


    英語面接で実績などについて回答する時は、ざっくりした言い方より、明確で具体的な回答をするとより効果的です。

    抽象的な回答では、「その話がどこまで真実なのか」「思い込みではないか」「まったく話のイメージが湧かない」と不信感を抱かれてしまう可能性があります。

    例えば、「前職で業務の効率化に成功した」と言いたい時、以下のような表現だけでは不十分です。

    I was successful in raising my work efficiency at my last job.
    私は前職で業務の効率化に成功しました。

    この場合、具体的な数字を盛り込むことで、効果的に自分の実績をアピールすることができます。

    I was successful in raising my work efficiency by 130% at my last job.
    私は前職で130%以上の業務の効率化に成功しました。

    このように、自分の具体的な実績を英語で言えるよう準備しておきましょう。

    必ずアウトプットの練習をしておく

    英語の面接においては、用意した内容のみを答えるというわけにはいきません。
    用意したせりふを十分に練習しておけば、ある程度応用もききますが、英会話自体に慣れておくことも必要です。

    外国人の友人を見つけて練習相手になってもらったり、スキマ時間に独り言をつぶやいたりと、アウトプットの練習量を確保しておくとよいでしょう。

    練習相手に心当たりがいない時は、オンライン英会話や英語コーチングを利用するのがおすすめです。

    特に英語コーチングを利用すると、自分の回答の誤りや、より良い回答を具体的に教えてもらえるので、効率よくアウトプットの練習を進めることができます。

    英語面接で使えるフレーズ集

    このセクションでは、英語面接で行われる質疑応答に使われるフレーズについて、以下の7つの場面に分けて紹介します。

  • 自己紹介・挨拶
  • スモールトーク
  • 志望動機
  • 転職理由
  • 経験・実績
  • 長所と短所
  • 今後の目標や将来のビジョン

  • 自己紹介・挨拶

    英語面接は、以下のような問いかけで始められます。

    Tell me about yourself.
    あなたのことを教えてください。

    その返答として、以下のような発言から面接を始めます。

    My name is Taro Yamada. Pleased to meet you.
    私の名前は~です。お会いできて光栄です。

    名前を名乗った後に、お礼を添えると効果的です。

    Thank you for giving me the opportunity to talk to you today.
    本日はお時間をいただきありがとうございます。

    At first, thank you for giving me the opportunity to speak with you today.
    本日は面接の機会をいただきありがとうございます。

    スモールトーク

    自己紹介の後には、スモールトーク(雑談)が行われる場合もあります。
    場を和ませる役割があるため、「アイスブレイク(氷を砕くもの)」と呼ばれたりもします。

    スモールトークの例としては、以下のように聞かれることがあります。

    How are you today?
    今日はご機嫌いかがですか?

    回答例としては、以下のような答えが考えられます。1文ずつ見ていきましょう。

    I’m doing great, thank you.
    とても元気です。ありがとうございます。

    I’ve been looking forward to this interview, so I’m happy to be here at last.
    本日の面接を楽しみにしておりまして、ついに来ることができてうれしいです。

    I really like one of the new models from your company .
    御社の新商品をとても気に入っているんです。

    「How are you~?」に対する答えとして、「I’m fine.」で終わるのではなく、もう1文、2文付け加えられるようにしておきましょう。

    スモールトークではありますが、ただの雑談として扱うのではなく、相手企業に関する興味などを盛り込むと効果的です。

    また、英語面接では、セルフマネジメントができる人物かどうかもチェックされます。そのため以下のような回答も有効です。

    I’m well, thanks.
    元気です、ありがとうございます。

    I had a productive morning, keeping up to date on the news and doing some yoga.
    ニュースをチェックしたり、ヨガをしたり充実した朝を過ごしました。

    そして「How are you~?」のほかによく聞かれるのが、「会社に来るとき道に迷わなかった?」という質問です。

    Did you have any trouble finding your way here? 
    会社までの道は分かりにくくなかったですか?

    この質問には、以下のように答えましょう。

    No, it was easy enough to find.
    大丈夫です、簡単に見つけられました。

    The traffic was also smooth on the way here, so everything has been fine.
    交通の便も良かったですし、何の問題もありません。

    どんな質問に対しても、「Yes.」や「No.」だけで終わらないように、日ごろから英会話の練習をしておきましょう。

    志望動機

    英語面接では、転職の理由についても尋ねられます。

    Why did you decide to change your job?
    転職したい理由はなんですか?

    この時、「上司がイヤな人だったから」「前職では十分な年収がもらえなかったから」などのネガティブな転職理由を答えることは避けましょう。

    以下のような回答がおすすめです。

    I have been working at ABC Company for 3 years. I am now looking for a new challenge.
    ABC社で2年働きましたが、新しい挑戦をしたいと思っているからです。

    I have experience expanding our product to the Japan market at my company, but I would like to challenge for an opportunity where I can leverage my skillset in a global company like XYZ.
    現職では自社製品を日本のマーケットに広げる仕事をしていますが、御社のような国際企業で自身のスキルを更に活かしたいと思ったのです。

    「新しい挑戦をしたい」「自分のスキルを伸ばしたい」など、前向きな転職理由を答えられるようにしておくとよいでしょう。

    経験・実績

    英語面接において、非常に重要なポイントとなるのが経験や実績のアピールです。
    例えば、以下のような質問をされることがあります。

    What is your greatest achievement?
    あなたの代表的な実績はなんですか

    こういった質問に対しては、数字などを織り交ぜて具体的に答えられるようにしましょう。
    以下の例文を参考にしてください。

    My greatest achievement was creating a new sales plan.
    私の代表的な実績は新しい販売計画を立案して実行したことです。

    We achieved 35% above our targets.
    目標を35%上回る成果をあげました。

    以下のような例文も参考にしてください。

    As a result of my efforts I was able to achieve the highest system quality index in my department in the past 20 years which is why I consider this to be my most notable achievement.
    私の尽力の結果、所属部門において過去20年の間で最高のシステム品質指数を達成できました。

    長所と短所

    英語面接においては、長所を聞かれることも多いです。また、短所を聞かれる場合もあります。

    長所を答える際には、応募先のポジションにつながる点を答える一方で、虚勢を張ったり、うそをついたりしないように心がけましょう。

    短所を答える際には、単に短所を述べるのではなく、そのベースにポジティブな面をのぞかせるようにしましょう。

    長所を尋ねられるときは、以下のように質問されます。

    What is your biggest strength?
    あなたの最大の強みはなんですか?

    そこで、長所について答える時は、以下のような表現を使いましょう。

    My personal strength is that I am a good listener.
    私の長所は聞き上手であることです。

    My biggest strength is the ability to make an emotional connection with people.
    私の長所はひとの心を動かす会話術です。

    一方、短所を聞かれるときは、以下のように尋ねられます。

    What is your biggest weakness?
    あなたの短所は何ですか?

    先ほどもお伝えしたように、短所を述べる時は、正直に短所を答えるより、ベースにポジティブな面をのぞかせるよう工夫しましょう。

    My greatest weakness is public speaking. However, I’ve been trying to improve it.
    私は人前で話すことが苦手ですが、改善しようと努力しています。

    例文:English is my weakness, but now I am studying everyday.
    英語が苦手ですが、毎日勉強をしています。

    今後の目標や将来のビジョン

    英語面接では、今後の目標、将来へのビジョン、キャリアプラン等について尋ねられる場合も多くあります。

    例えば、以下のように質問されます。

    What is your vision in life?
    将来のビジョンはなんですか?

    I would like to improve my English and work abroad.
    英語を身につけて、海外で働きたいです。

    また、英語面接では、以下のように尋ねられることも多いです。

    Where do you see yourself in 5 years?
    5年後(近い将来)あなたは何をしていると思いますか?

    こういった質問に対しては、謙虚な姿勢をとりながらも、大きな展望を見せるのが望ましいです。

    そのため、以下のように答えるとよいでしょう。

    Ideally, I’d like to be responsible for supervising a sales team.
    理想を言うなら、ゆくゆくは営業チームを監督する立場でいたいです。

    英語面接で印象をよくする6つのテクニック

    英語面接においては、面接官の印象をよくするテクニックもいくつかあります。
    ここでは、6つのテクニックを紹介します。

  • 話す「内容」にフォーカスする
  • 逆質問をする
  • 準備した台本を丸暗記しない
  • 丁寧な言葉を使う
  • 同じ言い回しばかり使わない
  • アイコンタクト・ジェスチャーを使う

  • それぞれ詳しく見ていきましょう。

    話す「内容」にフォーカスする

    英語面接で見られているのは、英語力そのものだけではありません。
    英語力も一つのポイントではありますが、もっと重要視されるのが話の「内容」です。

    勤労意欲や人間性、計画力や行動力など、話す「中身」で自分をアピールするよう心がけてください。

    また、「自分はどういう人物で、この会社にどう貢献できるか」アピールすることは英語面接でも最も重要な要素となります。

    英語力だけにフォーカスせず、話す内容についてブラッシュアップすることを心がけましょう。

    逆質問をする

    英語面接では、面接官の言っていることが聞き取れないことも多いかと思います。
    そんな時は、「もう一度言っていただけますか?」と逆質問しましょう。

    「聞き返す=英語を聞き取れなかったことのマイナスアピール」と考えてしまう人も多いかと思いますが、聞こえた単語から内容を推測して、的外れな回答をしては、かえってマイナスイメージにつながります。

    「Excuse me?」「Could you say that again?」などと丁寧な表現を使うと、面接官はゆっくり分かりやすく質問内容を繰り返してくれるでしょう。

    聞き返しを通して的確な回答をすることで、面接官によい印象を与えることができます。

    準備した台本を丸暗記しない

    前のセクションで、メモを用意して、言いたい英語表現を繰り返し練習することをおすすめしましたが、暗記した内容を思い出しながら話しても、情熱や人間性は伝わりません。

    メモはあくまで実際の面接の手がかりです。台本を丸暗記するのではなく、自分の言葉で熱意を伝えられるように、話すべきポイントを事前にまとめておきましょう。

    丁寧な言葉を使う

    英語面接では、丁寧でフォーマルな表現を使うと効果的です。

    英語ではフランクな表現が使われるイメージがあるかもしれませんが、面接に限らずビジネスシーンではフォーマルな表現が求められます。

    例えば先ほども紹介しましたが、「もう一度言っていただけますか?」という時は、「Could you say that again?」という表現を使います。
    面接の場で、「Can you~?」というようなくだけた表現はふさわしくありません。

    特に英語を海外ドラマや映画を通じて学習していた人は、スラング(俗語)などを口にしてしまわないよう注意しましょう。

    同じ言い回しばかり使わない

    英語初級者〜中級者にありがちなのが、自分が言いたい内容を表すのに、自分が慣れ親しんだフレーズばかり好んで使ってしまうという行動です。

    そのため、同じような内容を表現するのに同じフレーズを何度も使ってしまうことになりますが、これは面接官に稚拙な印象を与えてしまいます。

    例えば、自分の考えを述べる時に、常に「I think…」を使っているということはないでしょうか。

    無意識のうちに同じ表現ばかり使っている可能性もあるので、自分の発言内容を録音したり、第三者に指摘してもらったりして、同じ言い回しを多用していないか確認しましょう。

    「〜だと思う」という表現には、「I think…」以外に「I guess…」「I suppose…」など様々な表現があります。
    適切に使い分けていきましょう。

    アイコンタクト・ジェスチャーを使う

    海外、特に英語圏では、アイコンタクトやジェスチャーは大切な要素です。

    不自然なジャスチャーはあまりいい印象になりませんが、情熱を表現するためには、少し大げさに身振り手振りを使うと効果的です。

    また、日本人はアイコンタクトに慣れていない人も多いかと思いますが、適切にアイコンタクトを行うだけで自信にあふれた態度を演出することができます。

    どうしても相手の目を見て話すと緊張するという人は、相手の口元や首元を見て話しましょう。下を見ながら話すのはNGです。

    まとめ

    英語で面接を受ける準備として、台本を丸暗記するのは避けた方がよいでしょう。
    台本を丸暗記していると、予期せぬ質問をされた時に、頭が真っ白になってしまう可能性があります。

    ただ、事前に準備を重ねるに越したことはありません。本番での「自信」のベースとなるのは、「事前の入念な準備」だからです。

    できることなら英語コーチなどの第三者に壁打ち相手になってもらって、何十通りものロールプレイを重ねることをおすすめします。

    練習を重ねれば重ねるほど、自信につながります。あとは相手の目を見て、ゆっくり堂々と話してください。


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