2025.07.09英語学習・フレーズ

それ、英語じゃないかも?通じないカタカナ英語【会議・メール編】|例文付き

日本のビジネスミーティングやメールのやり取りでは、さまざまなカタカナ英語が、当たり前のように使われていますよね。ただ、カタカナ英語には、実際の英語ビジネスシーンにおいて、意味が通じないものや、誤解を生みかねないものも多いです。
例えば、「アポイント」や「リスケ」などは、英語の会議やメールのやりとりで使っても、まったく通じないので注意が必要です。
この記事では、特に会議やメールで使われがちな「通じないカタカナ英語」を厳選し、正しく伝えるためのポイントと自然な英語表現を紹介します。英語ビジネスシーンで相手に失礼のない表現を磨きたい方、スムーズなコミュニケーションを目指したい方は、ぜひ参考にしてください。

通じないカタカナ英語【会議編】

この章では、英語で会議を行う際に、つい使ってしまいそうなものの、実はネイティブに通じないカタカナ英語を紹介します。

  • プレゼン
  • コストパフォーマンス
  • コンセンサス
  • セールスポイント
  • メリット・デメリット
  • プラスアルファ
  • ネームバリュー
  • キャッチコピー・キャッチフレーズ
  • ペンディング

これらのカタカナ英語は、英語に存在しない言葉だったり、実在しても、日本語とはまったく違う内容だったりします。

それぞれ詳しく見ていきましょう。

プレゼン

「プレゼン」は「presentation」という英単語の略なので、英語でも通じそうに感じてしまいますよね。
ただ実は、「プレゼン」のような、「2音+2音」の略語は、日本人独特の感覚から生まれるものです。
そのため、英会話の中で「presen」という表現を使っても、まず通じません。

英語で話す場合は、「presentation」を略さずに使うのが一般的です。

以下の例文を参考にしてください。

Good luck with your presentation today!
今日のプレゼン、頑張ってね!
Let me know if you need anything before your presentation.
プレゼン前に何か必要なことがあれば言ってくださいね。

コストパフォーマンス

「コストパフォーマンス」は、完全なる和製英語です。英語で「cost performance」といっても、まったく通じないでしょう。
もちろん、「コスパ」という略語も通じません。

「コストパフォーマンス」について英語で言いたい時は、「value for money」や「cost-effectiveness」といった表現を使います。

以下の例文を参考にしてください。

This product offers great value for money.
この製品はコストパフォーマンスがいいですね。
We selected the current system based on cost-effectiveness.
コストパフォーマンスに基づいて、現在の方式を導入しました。

ちなみに、「cost-effectiveness」の応用編として、「cost-effective」という形容詞形も覚えておいてください。

以下のように使います。

We’re looking for a more cost-effective alternative.
よりコストパフォーマンスのよい選択肢を探しています。

コンセンサス

「コンセンサス」は、英語の「consensus(意見の一致、総意)」に由来する言葉ですが、英語とはニュアンスが大きく違うため、和製英語的な表現といえます。

英語の「consensus」は、例えば以下のような文脈で使う、フォーマルで限定的な表現です。

There is a growing consensus that climate change is a serious issue.
気候変動が深刻な問題であるという総意が高まっている。

日本語の「コンセンサス」は、もっと実務的で、対人関係的なニュアンスを含みますよね。

そのため、英語で「コンセンサスをとる」と言いたい場合は、別の英語表現で言い換えることをおすすめします。

例えば、以下のような言い方です。

We need to get internal approval first.
まず社内コンセンサスが必要です。
Have you aligned with the stakeholders?
関係者とコンセンサスをとりましたか?
Let’s make sure everyone’s on board.
コンセンサスがとれていることを確認しましょう。

「コンセンサス」の言い換え方として、「internal approval(会社内部での総意)」「aligned(足並みがそろっている)」「eneryone’s on board(全員の意見が一致している)」などのフレーズが使えます。

セールスポイント

「セールスポイント」という表現は、英語で通じそうに見えますが、こちらも和製英語です。英会話で使っても、相手を困惑させてしまうでしょう。

「セールスポイント」を英語で言いたい場合は、「selling point」というのが自然です。
また、マーケティング用語ですが、「unique selling proposition (USP)」を使うこともあります。
以下の例文を参考にしてください。

Its lightweight design is a key selling point.
軽量さがセールスポイントです。
Our unique selling proposition is fast delivery at no extra cost.
当社のセールスポイントは、追加料金なしの迅速な配送です。

メリット・デメリット

「merit」「demerit」という言葉は、英語にも存在しますが、英会話で使う時のニュアンスは、日本語の「メリット」「デメリット」とはかなり異なります。

英語の「merit」は「価値・功績・長所」という意味で使われ、「利点」という意味では使われません。

例えば、以下の例文を参考にしてください。

This plan has some merit.
この計画には一定の価値があります。
We will evaluate each option on its own merit.
各選択肢をそれぞれの価値に基づいて評価します。

そのため、「merit」を日本語の「メリット(利点)」という意図で使うと、違和感が強くなってしまいます。
「demerit」にいたっては、学校での「懲罰」や「減点」を指す言葉で、日本語の「デメリット」とはまったくニュアンスが違うので注意しましょう。

英語で「メリット」について言いたい場合は、以下のような表現が適切です。

  • advantage
  • benefit

「デメリット」について言及したい時は、以下のような表現を使いましょう。

  • disadvantage
  • drawback
  • downside

以下の例文も参考にしてください。

Let’s weigh the advantages and disadvantages.
メリットとデメリットを比較しましょう。
One benefit of remote work is flexibility, but a drawback is less team communication.
リモートワークのメリットは柔軟に働けることですが、デメリットとして、チーム内のやり取りが減るという点が挙げられます。

プラスアルファ

プラスアルファは、完全なる和製英語です。英会話で使っても、まったく通じません。
英語で「プラスアルファ」と言いたい時は、以下のような表現を使うとよいでしょう。

  • something extra
  • added bonus
  • a little extra

以下の例文を参考にしてください。

She always gives her clients something extra.
彼女はいつも顧客にプラスアルファの価値を提供しています。
Not only is the system faster, but it also saves energy—an added bonus.
このシステムは高速なだけでなく、省エネというプラスアルファもあります。
As this was your first order, we added a little extra for you.
初回のご注文ということで、少しプラスアルファを加えさせていただきました。

ネームバリュー

「ネームバリュー」も和製英語です。英会話でそのまま使わないよう注意しましょう。
英語で「ネームバリュー」について言及したい時は、以下のような言い方があります。

  • brand recognition
  • brand power
  • strong reputation

以下の例文を参考にしてください。

The company has strong brand recognition in the Asian market.
その企業はアジア市場で高いネームバリューを持っています。
Apple’s brand power continues to drive customer loyalty.
アップルのネームバリューは、顧客の信頼を支え続けています。
A strong reputation helps attract both customers and investors.
ネームバリューによって、顧客と投資家の両方を引きつけられます。

キャッチコピー・キャッチフレーズ

「キャッチコピー」「キャッチフレーズ」も和製英語です。英語では、「slogan」や「tagline」を使うのが自然です。

以下の例文を参考にしてください。

Just Do It is Nike’s famous slogan.
“Just Do It”はナイキの有名なキャッチコピーです。
We’re working on a new tagline for the product launch.
製品発売に向けて、新しいキャッチコピーを制作中です。

ちなみに、「catchphrase」という英単語は存在しますが、日本語とは意味が異なります。
英語の「catchphrase」は、芸能人、キャラクター、コメディアンなどの「お決まりのせりふ」のことです。

ペンディング

「pending」は、確かに「保留の、未決定の」という英単語ですが、主に前置詞や形容詞として使われる表現です。
そのため、日本語のビジネスシーンで使われる「この件はペンディングで」「ペンディング案件です」といった名詞的な言い方を英語に直訳すると、不自然な表現になってしまいます。

カタカナ英語の「ペンディング」は、ほぼ「和製英語」と考えた方がよいでしょう。

英語ビジネスシーンで「ペンディング」を表現したい場合は、「pending」ではなく、別の表現を使いましょう。

例えば、以下のような言い方があります。

Let’s put this on hold.
これはいったんペンディングにしましょう。
This issue is still unresolved.
この問題はまだペンディングのままです。

通じないカタカナ英語【メール編】

この章では、英語でのメールのやりとりで使われがちな、「通じないカタカナ英語」を紹介します。

  • アポイント
  • リスケ
  • クレーム
  • トラブル

この4つは、英語には存在しない言葉や、日本語とはニュアンスが違い、誤解を生みかねない言葉です。
それぞれ詳しく見ていきましょう。

アポイント

「アポイント」または「アポ」という表現は、「apointment」という英単語の略語であるため、英語でも通じそうに思えますよね。

しかし、これは日本独自の略し方であるため、英語メールの中で「apoint」「apo」を使っても、まず通じることはありません。

「apointment」を、略さずにそのまま使うか、別の表現に言い換えるとよいでしょう。
例えば、アポイントをお願いするメールを送る場合、以下のような言い方ができます。

I’d like to set up an appointment with you.
アポイントを取りたいのですが。
I’d like to schedule a meeting at your convenience.
ご都合のよいタイミングでアポを取りたいのですが。

そして、メールの件名に「appointment」を使う場合は、以下のような表現が自然です。

Appointment Request – Taro Yamada, ABC Company
ABC社の山田太郎より、アポイントのお願い
Appointment Confirmation – July 16 at 3:00 PM(JST)
7月16日13時(日本時間)のアポイントのご確認

ちなみに、時間について言及する時、「15:00」といった24時間単位の表現は、英語圏では使いません。
「午後3時(15時)」は「3:00 PM」といわないと通じないので気を付けましょう。

リスケ

「リスケ」も、「reschedule」という英単語の和訳なので、英語で通じそうですが、この略し方も英語では通用しません。
略さずに「reschedule」をそのまま使うか、別の表現に言い換えましょう。
次の例文を参考にしてください。

Could you reschedule the meeting?
会議をリスケしていただけますか?
Can we move the meeting to tomorrow?
会議を明日にずらせますか?
Is it possible to push the meeting back to next week?
会議を来週に延期できますか?

ちなみに、リスケを申し込まれた時の返信としては、以下のような言い方をすることができます。

Sure, we can reschedule. Could you please suggest some alternative dates and times that work for you?
もちろん、リスケ可能です。ご都合の良い日時をご提案いただけますか?
I understand, but unfortunately my schedule is tight this week. Would it be possible to keep the original time, or perhaps meet briefly instead?
ご事情は理解しますが、今週は予定が詰まっております。もとの時間で行うか、短時間での実施は可能でしょうか?

クレーム

「claim」は、「主張する・請求する」という意味の英単語です。日本語の「クレーム」は和製英語といっていいでしょう。
英語で「クレーム」に当たる表現は、「complaint」です。

以下の例文を参考にしてください。

We received a complaint from the customer.
お客様からクレーム(苦情)をいただきました。
The client filed a complaint about the delayed delivery.
納品の遅れについて、クライアントからクレームがありました。

トラブル

「トラブル」は「trouble(問題)」という英単語に由来するので、英語でまったく通じないわけではありません。


ただ、英語の「trouble」は、抽象的な「困難」や「厄介ごと」に直面している状況を指す、狭い意味の単語です。

そして、カジュアルな意味合いが強い単語なので、ビジネスシーンには向きません。

英語で「トラブル」と言いたい時は、「trouble」という表現は避け、「problem」や「issue」を使った方が無難です。

以下の例文も参考にしてください。

We’ve encountered an issue.
トラブルが発生しました。
A problem has occurred.
トラブルが発生しました。

「issue」は日本人にはなじみのうすい表現かもしれませんが、広い意味で「問題」を指すことができる便利な表現なので、ぜひ覚えておいてください。

まとめにかえて

今回の記事を受けて、英語会議への参加やメールでの連絡が、怖いと感じてしまった方もいるかもしれませんね。

ただ、ここで強調したいのは、「『英語っぽい表現だから』という理由で、『通じるだろう』という ”過信” は禁物」ということです。


英語に不慣れなうちは、あらゆる英語での表現は、「通じなくても当たり前」です。
そのため、言いたいことがうまく通じなかった時は、さまざまな方法で「言い換える」習慣をおすすめします。

例えば、「コストパフォーマンスがいい」と言いたい時に、「value for money」や「cost-effectiveness」といった表現が思い浮かばなかったとします。

それでも「high-quality service(高い品質のサービス)」や「good product(質のよい製品)」と「reasonable price(良心的な価格)」などの表現を組み合わせれば、正しい意図が伝わるでしょう。

簡単な言葉の組み合わせでいいので、英語で自分の意思を正しく伝えられるよう、トレーニングを積んでいきましょう。

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ホール 奈穂子

株式会社ギャビーアカデミー代表取締役

元九州大学職員。TOEIC 990、IELTS 7.5(Speaking 8.0)を誇る、英語学習独学のスペシャリスト。27歳から英語を学び直し、自らの人生で英語習得がもたらす可能性を証明。米国赴任、留学プログラムや海外大学との共同学位取得プログラムの設計・運営に携わった経験から、日本人の英語学習における課題を深く理解し、効果的な学習方法を追求。その集大成として、東京大学と共同で、脳科学に基づいた独自の英語スピーキング習得メソッドを開発。現在カナダ・バンクーバーに在住。世界を舞台に活躍する日本人ビジネスパーソンの育成に情熱を燃やし、日本とバンクーバーを往復しながら精力的に活動中。趣味はカナダを舞台にしたサケ釣り。

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