2025.06.29英語ビジネス

実は英語で通じない?ビジネス用語で使われがちなカタカナ英語10選

日本のビジネスシーンでは、英語をもとにしたカタカナ語が日常的に使われていますよね。
「コンセンサスを取る」「アポを取る」「リスケする」などの表現を、なにげなく使っている方も多いでしょう。
しかし、こうした「カタカナ英語」の中には、ネイティブの英語話者には通じないものや、ニュアンスが微妙に異なるものも少なくありません。

この記事では、特に誤解を生みがちな「カタカナ英語」10個をピックアップし、英語圏で本当はどう表現すべきかを解説します。
グローバルなビジネスシーンで活躍したい方はぜひ参考にしてください。

アポイント

日本語では、面談の約束を取り付けることを「アポイントを取る」「アポを取る」などといいますよね。
しかし、「apoint」や「apo」という略語は、英語話者に通じないケースがほとんどです。
「appointment(面談・約束)」は省略せずに使いましょう。

例えば、以下のような使い方が挙げられます。

I’d like to make an appointment with Mr. Brown.
ブラウンさんにアポイントを取りたいのですが。
Do you have an appointment?
(受付などで)アポイントはおありですか?
Can we reschedule the appointment to next week?
アポイントを来週に変更できますか?

コンセンサス 

日本のビジネスシーンでは、合意に達することを「コンセンサスをとる」といいますよね。
確かに「consensus」は「合意」という意味の英単語です。

しかし、「コンセンサスをとる」という表現を直訳して「get a consensus」「take a consensus」などと言っても、英語話者にはなかなか通じません。

どうしても「consensus」を使いたい場合は、「reach a consensus」という表現を使いましょう。
また、「consensus」を使わずに、別の言い方をするのもおすすめです。

例えば、以下の例文を見てください。

We reached a consensus in the meeting.
会議でコンセンサスをとりました。

この表現は、以下のように言い換えることもできます。

Everyone agreed in the meeting.
会議で合意に達しました。

次のような場合も言いかえが可能です

Let’s reach a consensus before we proceed.
次に進む前に、コンセンサスをとっておきましょう。

この文は、「consensus」を使わずに、以下のような言い方ができます。

Let’s make sure we’re all on the same page before moving forward.
次に進む前に、全員の足並みをそろえておきましょう。

このような言い換え表現を覚えておくと、いざという時に誤解を生みにくいのでおすすめです。

プレゼン

日本のビジネスシーンでは「プレゼン」という用語がよく使われますよね。
英語ビジネスシーンでもうっかり「presen」と言ってしまいそうになりますが、「プレゼン」は日本独自の略し方で、英語圏では通じません。

英語のビジネスシーンでは、「presentation」という単語を略さずに使いましょう。

以下の例文を参考にしてください。

We need to prepare the presentation materials.
プレゼン資料を準備する必要があります。
Can you help me with the presentation slides?
プレゼンのスライドを手伝ってもらえますか?

トラブル

日本のビジネスシーンでは「仕事上のトラブル」などという表現がよく使われますよね。
日本語で「トラブル」という場合、「問題」「障害」「不具合」「もめ事」などを広く指すことができます。

しかし、英語で「trouble」といえるケースは限定されます。日本語の「トラブル」より感情的なニュアンスがあり、人間関係や法律上の問題によく使われる表現です。
英語の「trouble」は以下のような文脈で使われます。

He’s having trouble sleeping.
彼は眠れなくて困っている。

She’s in trouble with the police.

彼女は警察沙汰にあっている。

She’s in trouble with the police.
彼女は警察沙汰にあっている。

そのため、「仕事上のトラブル」を指す時は、「problem」や「issue」を使う方が無難です。

以下の例文を参考にしてください。

There was a problem with the server.
サーバーにトラブルがありました。
We had an issue during the business trip.
出張中にトラブルがあったんです。

クレーム 

日本では、顧客などからの「苦情・文句」「製品やサービスへの不満の申し立て」を「クレーム」といいますよね。
しかし、この表現は和製英語で、英語で「claim」といっても、全く通じません。

そもそも「claim」は「主張する」という意味の英単語で、以下のように使います。

He claimed that he was not responsible.
彼は自分に責任はないと主張した。
She filed a claim for the damaged goods.
彼女は破損した商品の補償請求をした。

「日本語の「クレーム」に当たる表現としては、「complaint」「make a complaint」が挙げられます。

以下の例文を参考にしてください。

We received a complaint from the client.
クライアントからクレームがありました。
The customer made a complaint about the delay.
お客様から遅れについてクレームがありました。
How should we handle this complaint?
このクレームはどう対処すべきでしょうか?

サラリーマン

「クレーム」と同じように、「サラリーマン」も和製英語です。

そのため、「What do you do for living?(ご職業は?)」と訊かれて、「I’m a salaryman(サラリーマンです)」と答えても、困惑されてしまうでしょう。

英語で「会社員」と言いたい時は、「an office worker」を使うのが無難かつ一般的です。

I’m an office worker at a trading company.
私は商社の会社員です。

ちなみに、「I’m a businessman.」という言い方をすると、「サラリーマン」というより「経営者・実業家」という意味合いが強くなります。

コピーを取る

英語で「コピーをとる」という時、「take a copy」と言ってしまいがちですが、英語ビジネスシーンでは通じにくい表現です。

英語で「コピーをとる」と言いたい場合は、「make a copy」という表現が自然です。

また「photocopy」という表現を使うこともできます。

以下の例文を参考にしてください。

Could you make a copy for me?
コピーを取ってくれますか?
Please photocopy these files.
これらのファイルをコピーしてください。

ちなみに、「photocopy」の方が、ややフォーマルな表現です。

OB

 「卒業生」という意味で使われる「OB」「OG」は、「Old Boy」「Old Girl」の略語ですが、これらも和製英語で、英語では全く通じません。

「OB」を英語に直訳するならば、「alumnus(アラムナス)」という単語になります。

「alumnus」は「OB」と同じく、男性の「卒業生」を表す言葉です。


男女問わず幅広く使える表現では、「graduate」「a former student」があります。
以下の例文を参考にしてください。

University
彼女は早稲田大学の卒業生です。
I had an informational interview with an alumnus working at the company.
その会社で働くOBとOB訪問をしました。
I learned a lot about the company by talking with a former student.
OBと話すことで、その会社について多くを学びました。

「alumnus」という単語は、難しく感じるかもしれませんが、「OB訪問」などの文脈でよく使われるので、ぜひ覚えておきましょう。

リスケ

予定を変更したり、調整したりすることを「リスケ」「リスケする」と表現することも多いですよね。
「リスケ」は「reschedule(リスケジュール)」の略語ですが、日本独自の略し方です。

英語ビジネスシーンで「resche」といっても通じません。

「reschedule」は略さずそのまま使いましょう。
以下の例文を参考にしてください。

I’ll reschedule it for another time that works for you.
ご都合の良い別の時間にリスケします。
The meeting has been rescheduled to next Monday.
会議は来週の月曜日にリスケされました。

なお、「reschedule」は他動詞です。目的語をとり、受動態で使うこともできます。

モチベ

 日本語では「モチベーション」ということもありますが、少し長い表現なので、「モチベ」と略してしまうこともありますよね。
「モチベ」も、日本独自の略し方で、英語圏では通じません。
英語ビジネスシーンでは、「motivation」を略さずに使いましょう。

以下の例文を参考にしてください。

We need to improve employee motivation.
社員のモチベーションを高める必要があります。
Lack of motivation can affect performance.
モチベーションの欠如は業績に影響を与えることがあります。

まとめ

「英語で通じると思っていたのに通じない」カタカナ英語は、意外と多いですよね。
そして、ビジネスシーンでのちょっとした英語表現のミスが、思わぬ誤解を生むこともありえます。

グローバルな場でも自信を持ってやりとりできるよう、少しずつ言葉の感覚を磨いていきましょう。

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