2026.10.24英語ビジネス

英語で情報を整理する|伝わるプレゼンテーション・仕事を効率化する方法

英語でプレゼンテーションを控えている時、「何から話していいか分からない」「どのように話を進めていいか分からない」と迷った経験はありませんか?
あるいは、実際にプレゼンを行っても、「イマイチ相手に話が響かない」と感じたことがある方も多いのではないでしょうか。


英語で話をする際には、英語で情報を整理するのがおすすめです。
難しいことのように感じられるかもしれませんが、使うのはごく簡単な英語表現で、考え方もとてもシンプル。
英語での情報整理法を身につけてしまえば、英語で話をする時だけでなく、仕事全体を効率的に進めることもできます。


ぜひ「英語の情報整理術」を身につけて、国際社会で一歩先を行くビジネスパーソンを目指しましょう。


仕事を効率化する「英語の情報整理術」

情報を整理するとプレゼンは伝わる

より「伝わる」プレゼンテーションのコツは、伝える情報を整理し、伝えるべきポイントを明確にすることです。
例えば、新商品の販売戦略についてプレゼンする場合、売上データや市場動向、顧客の声、今後の施策など、さまざまな情報を扱うことになります。


しかし、それぞれの情報を順番に説明するだけでは、何が「問題」で、「どのような」対策が必要なのか、伝わりにくくなってしまいます。
そこでおすすめしたいのが、伝えたい情報を「どんな情報なのか」種類ごとに分類する整理術です。


  • 何が起きているのか
  • 何が問題なのか
  • なぜそうなっているのか
  • 何を決めるべきなのか
  • 次に何をするのか

このように整理すれば、「情報同士の関係」が見えやすくなり、話の道すじも明確になります。


この整理法は、プレゼンで話を伝えたい時だけでなく、会議や資料作成・メール・タスク管理など、日々の仕事にも応用できます。
必要な情報を見極め、問題を把握し、次の行動を明確にすることで、判断や作業を効率的に進めやすくなるのです。


仕事を効率化する「5つの視点」とは

ビジネスシーンで扱われる情報は、次の「5つの視点」で整理することができます。


  1. Fact(事実):現状はどうなっているのか
  2. Issue(課題):何が問題なのか
  3. Reason(理由):なぜそうなっているのか
  4. Decision(決定):何を決める必要があるのか
  5. Action(行動):次に何をするのか

項目を並べただけでは分かりづらいと思うので、例として、新商品の売上が目標を下回っているケースを考えてみましょう。


実際の売上データを確認するのはFactを把握する段階です。目標を達成できていないことを「問題」として捉えるのはIssue。売上が伸びない原因を探るのはReasonに当たります。
その上で、どのような対策を実施するかをDecisionで決め、担当者や期限を明確にしてActionにつなげるのです。



「今、自分が扱っている情報はどの段階に当たるのか」を意識し、必要な情報を整理しましょう。

例えば会議中に、「今は事実を確認しているのか、それとも対策を決めようとしているのか」、はっきりさせると、話がぐっと進みやすくなりますよね。
タスク管理でも、「何が問題なのか」を考えるだけで終わらず、「次に何をするのか」まで具体化することで、実行力がアップします。


英語で情報を整理するメリット

英語で情報を整理するメリットは、英語のシンプルなキーワードを「情報を整理するためのラベル」として使えることです。


仕事で問題が起きたとき、「現状はどうなっているのか」「何が問題なのか」……と日本語で考えるのも、悪くはないでしょう。


ただ、Fact・Issue・Reason・Decision・Actionという短い英語を目印にすれば、「今扱っている情報が、何に当たるのか」を意識しやすくなります。
そして、これらのキーワードを繰り返し使うことで、情報を整理するスキルが磨かれるのです。


英語で情報を整理するための「5つの視点」を深掘り

① Fact ― 事実を整理する

情報を整理するときは、まず「実際に何が起きているのか」「現状はどうなっているのか」を確認しましょう。
例えば、新商品の売上が目標を下回っている場合、次のような情報がFactに当たります。


  • 今月の売上は目標の80%だった
  • 前月と比べて売上が10%減少した
  • 商品を購入した顧客のうち、20代の割合は15%だった

このように、数値や確認できた出来事を整理すると、現状を具体的に把握できます。
そして、重要なのは、「事実」と「自分の解釈や推測」を、混同しないことです。


例えば、「若い顧客に商品の魅力が伝わっていない」という情報は、売上データだけでは事実と断定できません。若い顧客の購入割合が低いことは事実でも、その理由については別途調べる必要があります。


印象や思い込みだけで判断するのではなく、確認できている情報を土台にして考えるクセをつけましょう。
まずFactで現状を正しく捉えること。それが、問題を見極め、適切な判断や行動につなげる出発点といえます。


② Issue ― 解決すべき問題を明確にする

Factで現状を把握したら、次に、「何を解決する必要があるのか」を明確にしましょう。
例えば、新商品の売上が目標の80%にとどまっている場合、Factは「売上が目標の80%だった」という事実です。
一方、Issueは、「売上目標を達成するには、どのような課題を解決する必要があるのか」という視点になります。


売上が伸び悩んでいるからといって、すぐに広告を増やしたり、値下げをしたりするのは得策とは限りません。
まずは、そもそも何を改善すべきなのかを見極めることが大切です。
Issueを明確にすることで、解決策を考える前に、取り組むべき方向を定めることができます。



③ Reason ― 理由や原因を探る

Issueを明確にしたら、次は「なぜその問題が起きているのか」を考えます。
例えば、「新商品の売上が目標に届いていない」という問題が起こっているなら、次のような理由が考えられます。


  • 商品の認知度が低い
  • 競合商品に比べて価格が高い
  • 商品の魅力が顧客に十分伝わっていない

ただし、これらはあくまでも原因の候補です。実際に何が売上低迷につながっているのかは、販売データや顧客の声などを確認して判断する必要があります。


ここで大切なのは、自分が考えた理由を、確認済みの事実として扱わないことです。
「若い顧客への認知度が低いから売上が伸びない」と考えていても、調査してみると、認知度は十分なのに、購入につながっていない可能性もあります。


また、Reasonについて考えるときは、目に見える現象だけでなく、その背景にも目を向けましょう。
例えば、顧客の購入率が低い場合、商品の説明が分かりにくいことや、購入手続きが複雑なことが影響しているかもしれません。


原因を適切に捉えられれば、対策の方向性も見えてきます。
反対に、原因を確かめないまま対策を実行すると、効果の薄い施策に時間や費用を使ってしまうおそれがあります。

問題に対して思いつきで対処するのではなく、根拠をもとに解決策を考えるために重要な視点が「Reason」なのです。


④ Decision ― やるべきことを決める

問題とその原因を整理したら、次は「何をする必要があるのか」を決めましょう。


仕事では、情報を集めて議論しただけでは、具体的な結論が出ないこともありますよね。選択肢や課題を持ち寄ることは重要ですが、それだけではビジネスは前に進みません。
状況に応じて、何らかの判断を下す必要があります。


例えば、新商品の売上を改善するために、次のような選択肢があるとします。


  • SNS広告を増やす
  • 商品の価格を見直す
  • 商品の魅力を伝えるキャンペーンを実施する

「Decision」は「どの施策を実施するか決めること」です。施策ごとの費用や期待できる効果を比較し、どの選択肢が適切かを判断します。


たとえば、「次回の会議までに、売上改善施策を1つ選定する」と目的を明確にすれば、必要な情報や議論の範囲も定まりやすくなります。


もちろん、すべての問題について、その場ですぐに結論を出せるとは限りません。
追加調査が必要な場合は、「何を確認したうえで判断するのか」を決めることも、次に進むための重要なDecisionです。


⑤ Action ― 次の行動に落とし込む

Decisionで決めたことを実現するには、「具体的に何をするのか」を明確にする必要があります。


例えば、「新商品の売上改善に向けてSNS広告を増やす」と決めたら、「誰が何をすればよいのか」、次のように行動を具体化します。


  • マーケティング担当者が広告案を作成する
  • 来週金曜日までに広告予算を見積もる
  • 次回の会議で実施計画を確認する

このように、Actionでは、実行する内容だけでなく、担当者や期限なども明確にすると、実際の行動に移しやすくなります。


そしてActionは、決定したことを実行する場面だけでなく、問題の原因を調べる場面でも役立ちます。
原因がまだ分からない場合は、「顧客アンケートを実施する」「購入率のデータを確認する」といった調査行動を設定すれば、次の判断につなげられます。


Actionの目的は、考えたり決めたりしたことを、実際に進められる具体的な行動に変えることです。
「誰が」「何を」「いつまでに」行うのかを明確にすることで、仕事の停滞を防ぎ、次のステップへ進みやすくなります。


「5つの視点」で情報を整理する具体的な方法

ケース①:会議で意見をまとめたいとき

会議で意見が次々に出るものの、議論がまとまらず、結論が見えない。そんな時は、出てきた情報を「Fact・Issue・Reason・Decision・Action」の5つに分類してみましょう。
例えば、新商品の売上改善について話し合う会議で、次のような意見が出たとします。


  • 「今月の売上は目標の80%だった」
  • 「若い世代への認知度が低いのではないか」
  • 「SNS広告を増やしたほうがよい」
  • 「広告を増やすかどうか、次回までに決めたい」

これらを5つの視点で整理すると、情報の役割が見えてきます。


視点整理する情報
Fact(事実)今月の売上は目標の80%だった
Issue(課題)売上目標を達成できていない
Reason(理由)若い世代への認知度が低い可能性がある
Decision(決定)SNS広告を増やすかどうかを判断する
Action(行動)認知度や広告効果に関するデータを確認する

このように整理すると、「現状の確認」「原因の仮定」「解決策の提案」「決めるべきこと」が混在していたことがわかります。


また、「若い世代への認知度が低い」という点は、まだ仮説にすぎません。
事実として確認できていることと、これから検証すべきことを区別すれば、思い込みだけで対策を決めるのを防げます。


このケースでは、いきなり「SNS広告を増やす」と決めるのではなく、まず「認知度に関するデータを確認すること」が次の行動といえます。
その結果を踏まえて、次回の会議で広告施策の実施を判断したほうがよいでしょう。


ちなみに、情報を必ず「5つ」に分類する必要はありません。
今は「事実を確認しているのか」「解決策を検討しているのか」「何を決める必要があるのか」を明確にするだけでも、論点をそろえやすくなります。


ケース②:資料に何を盛り込むか迷ったとき

プレゼン資料や報告書を作成するとき、「伝えたいことが多すぎて、何を盛り込めばよいか分からない」と迷うことはありませんか?
そういった場合も、「5つの視点」を使って情報を整理すると、資料に必要な情報を選びやすくなります。


例えば、「新商品の売上改善策を提案する資料を作る」というケースを考えてみましょう。
手元には売上データや顧客アンケート、市場調査の結果、競合商品の情報など、さまざまな情報があります。
しかし、すべてを盛り込むと、かえって伝えたいことが分かりにくくなってしまいます。


そこで、資料を通じて「売上改善策の実施について判断してもらう」ことを目的とし、情報を次のように整理します。


視点整理する内容の例
Fact(事実)現在の売上は目標の80%
Issue(課題)売上目標の達成に向けて改善が必要
Reason(理由)顧客の購入率が低い可能性がある
Decision(決定)購入率の改善を優先して取り組む
Action(行動)購入率のデータを確認し、顧客の離脱が多い段階を特定する

このように整理すれば、「売上を改善する」という漠然とした目標から、まず取り組むべき作業を具体化できます。
特に重要なのが、最後のActionです。「売上改善」「顧客分析」「広告の見直し」といった言葉だけでは、具体的に何をするのかが曖昧になりがちです。


例えば、単に「顧客分析をする」というのではなく、「直近3か月の購入率を集計する」とすれば、作業内容が明確になります。
さらに、「今日中に集計する」と期限を設定すれば、着手するタイミングも決まります。


また、Reasonがまだ仮説の段階なら、原因を決めつけて対策を実行するのではなく、まずデータを確認することがActionになります。
必要な情報が足りないときも、「何を調べるか」「誰に確認するか」といった具体的な作業に置き換えれば、次の一歩を踏み出しやすくなります。


仕事が停滞していると感じたら、「今、何が分かっていて、何が課題なのか」「次に何をすれば前に進むのか」を整理するのがおすすめです。


情報を分類すると、プレゼンテーションの構成も見えてくる

ここまで、会議や資料作成、タスク管理を例に、「5つの視点」を使って情報を整理する方法を紹介しました。
この考え方は、プレゼンテーションの構成を考えるときにも役立ちます。
例えば、新商品の売上改善策を提案するプレゼンなら、5つの視点を次のように組み立てることができます。


視点プレゼンで伝える内容
Fact(事実)現在の売上は目標の80%にとどまっている
Issue(課題)売上目標の達成に向けて改善が必要である
Reason(理由)顧客の購入率が低いことが、売上未達の一因と考えられる
Decision(決定)購入率を改善するための施策を選定する
Action(行動)選定した施策の実施計画とスケジュールを提示する

このように整理すると、現状を示すだけでなく、何が課題で、どのような対策が必要なのか、そして次に何をするのかまで、一貫した流れで伝えられます。


5つの視点を同じ順番に並べる必要はありません。聞き手やプレゼンの目的によっては、最初に結論を伝えたほうがよい場合もあります。
また、Reasonについて十分な根拠がない場合は、原因を断定せず、仮説として示すことも大切です。


重要なのは、話す順番を決める前に、伝える情報の役割を整理しておくことです。
そうすれば、何を説明し、何を根拠として示し、相手にどのような判断や行動を求めるのかが明確になります。


プレゼンがうまく伝わらないときは、話し方やスライドのデザインだけでなく、情報の整理方法を見直してみましょう。
Fact・Issue・Reason・Decision・Actionという5つの視点を使えば、伝えるべき内容を組み立てやすくなり、聞き手にとっても理解しやすいプレゼンにつながります。


まとめ

この記事では、プレゼンテーションの準備や普段の仕事において情報を整理する方法を紹介しました。
実際のビジネスシーンで、情報がごちゃごちゃしてしまうと、会議で話がまとまらなかったり、業務に滞りが生じてしまう可能性があります。
そこで役立つのが、以下の5つの視点です。


  1. Fact(事実):現状はどうなっているのか
  2. Issue(課題):何が問題なのか
  3. Reason(理由):なぜそうなっているのか
  4. Decision(決定):何を決める必要があるのか
  5. Action(行動):次に何をするのか

日本語で考えてもいいのですが、「FactとIssueを混同しているかも」「今はReasonを話し合う段階だ」などと、簡単な英語のラベルを手掛かりにするのもおすすめです。


面白いもので、英語という “シンプルな言語” を手がかりにすると、頭の中まで整理されていきます。
Fact / Issue / Reason / Decision / Action——たった5つの英単語が、ごちゃついた情報に“仕分けのラベル”を貼ってくれるのです。


私自身、英語を学ぶほどに、日本語で考えるときの思考までクリアになっていく感覚がありました。
英語学習は、語学力だけでなく「考える力」そのものを鍛えてくれます。


また、情報を整理する型があるように、英語学習にも「伸びる型」があります。
やみくもに単語や文法を増やすのではなく、「今の自分はどの段階にいて、次に何をすべきか」を整理できた人から、着実に伸びていきます。


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ホール 奈穂子

株式会社ギャビーアカデミー代表取締役

元九州大学職員。TOEIC 990、IELTS 7.5(Speaking 8.0)を誇る、英語学習独学のスペシャリスト。27歳から英語を学び直し、自らの人生で英語習得がもたらす可能性を証明。米国赴任、留学プログラムや海外大学との共同学位取得プログラムの設計・運営に携わった経験から、日本人の英語学習における課題を深く理解し、効果的な学習方法を追求。その集大成として、東京大学と共同で、脳科学に基づいた独自の英語スピーキング習得メソッドを開発。現在カナダ・バンクーバーに在住。世界を舞台に活躍する日本人ビジネスパーソンの育成に情熱を燃やし、日本とバンクーバーを往復しながら精力的に活動中。趣味はカナダを舞台にしたサケ釣り。

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