2023.08.19英語ビジネス

ビジネス英語と日常英会話の違いとは|ビジネスシーンで実際に使えるフレーズも紹介


「ビジネス英語」は、日常英会話と違うとよく聞きますよね。
ビジネス英語では、日常英会話ではあまり使わないようなフォーマルな言い回しが用いられるのが最大の違いです。
この記事では、ビジネス英語独特の言い回しについて解説し、実際にビジネスシーンで使えるフレーズを紹介します。
ビジネス英会話を習得するにはどうすればいいかも解説しますので、ビジネス英語を身につけたい人はぜひ参考にしてください。

ビジネス英語とは?



ビジネス英語とは、挨拶や電話、メール、会議など、ビジネスの場で使用する英語のことをいいます。

ビジネス英語には、日本語の敬語やビジネス表現と同じように、さまざまな場面に即した表現や言い回しのルール、よく使うフレーズなどがあります。

ビジネスの場で重要なスキルを併せて学ぶ必要もあります。
たとえば、「交渉」や「依頼」の仕方や、ビジネス英語を用いたプレゼンテーションの手法など、英語圏の文化に即したビジネスコミュニケーションスキルを身に付けることが必要です。

ビジネス英語は仕事の場で実際にコミュニケーションを取ることが目的となるため、実践的なアウトプットの量を確保する必要があります。
しかし、独学でアウトプットの機会を設けるのは難しいため、オンライン英会話や英語コーチングサービスなどを活用するのがおすすめです。

ビジネス英語と日常英会話の違い



ビジネス英会話では、日常英会話より丁寧な表現を使います。
同じ意味の表現でも、よりフォーマルな単語が存在する場合、ビジネス英会話ではそちらを優先して使います。
例えば、ビジネスの場で「buy(買う)」という表現はあまり使わず、「purchase(購入する)」という表現が好まれますし、日常英会話で「but」というところを「however」などと言ったりします。

また、日常英会話では短縮形(isn’tなど)や省略形(wanna, ‘causeなど)がよく使われますが、ビジネスシーンではこのような表現は極力控えましょう。

そして、ビジネス英語を学ぶとなると、日常英会話を基礎として学ぼうとする人が多いですよね。
確かに、ビジネス英語は日常英会話の延長戦所にあると考えることができます。
そのため、日常英会話を学んで、語彙を置き換えれば済む話だ、という人もいます。

しかし、洋画などを参考にしてくだけた英語表現を身につけてしまうと、ビジネスの場でうっかりその場にふさわしくない表現を使ってしまう可能性もあります。
ビジネスシーンで英語を使うのが目的なら、最初からビジネス英語を学ぶのが無難といえます。

ビジネスシーンで役立つフレーズ集



メール編


英語のビジネスメールでは、件名は簡潔な名詞句に収めるのが妥当です。

Schedule confirmation for July 1st
7月1日のスケジュールのご確認

Request for Product Documents
製品資料の請求


そのほかにも「inquiry(お問合せ)」「deadline(締め切り)」「urgent(緊急)」などの単語を覚えておくと良いでしょう。

宛先は、相手の名前が分かっている場合は「Dear」のあとに「Mr.」や「Ms.」などを付けて苗字で呼ぶのが一般的です。
相手の名前が分からない場合は、以下のような表現を使うことができます。

To whom it may concern
ご担当者様


続いて自分の名前や所属について言及します。

My name is Taro Yamada and I am responsible for marketing at Gabby Corporation.
私は山田太郎といい、ギャビー社でマーケティング担当をしています。


「be responsible for〜(担当である)」という表現を覚えておくと便利です。

感謝の言葉で書き出す時は、「appreciate(感謝する)」という単語を使うと改まったニュアンスを伝えることができますが、「Thank you」を使っても問題ありません。

Thank you for your reply.
お返事ありがとうございます。

I appreciate for your quick response.
迅速なお返事感謝いたします。


要件は簡潔に伝えましょう。

I am writing to ask you to send us your company brochure and product catalog.
貴社のパンフレットと製品カタログを送っていただきたくご連絡しました。

We would be pleased to have an opportunity to work with your company.
ぜひ御社とお取引させていただきたく思います。


そして締めます。

Best regards,
Sincerely,
敬具


プレゼン編



英語でプレゼンを行う場合は、まず挨拶と集まってくれた人への感謝から始めるとよいでしょう。

Hello everyone, thank you all for coming today. 
皆さんこんにちは、本日はお越しいただきありがとうございます。

I’m delighted to meet you today.
本日は皆さまとお話しできて大変嬉しいです。


そして自己紹介と所属などを述べましょう。

My name is Taro Yamada, responsible for marketing at Gabby Corporation.
ギャビー社でマーケティングを担当している山田太郎です。

I am Hanako Sato, the head of the sales department.
営業部長の佐藤花子です。



プレゼンの本題は、順序だてて理論的に進めましょう。

I would like to introduce our new products from our company.
我が社の新商品を紹介させていただきたく思います。

Today I am pleased to report on the latest financials from our sales department.
本日は営業部門の最新の財務状況について報告します。


プレゼンの本題は、順序だてて理論的に進めましょう。

This presentation consists of 3 sections.
このプレゼンは3つのセクションで構成されています。


To begin/start with …
始めに…。

Let’s start/begin by looking at …
…から見ていきましょう。

I’d like to start by looking at…
…から見ていきたいと思います。


Let’s move on to…
次に移りましょう。

Now I’d like to move on to …
それでは、…に移りたいと思います。

Moving on to the next section, let’s take a look at …
次のセクションに移ります。さて、…を見てみましょう。


Now, I’d like to summarize by …
さて、ここでまとめたいと思います。

Well, that brings us to the end of the final section.
さて、これで最終セクションは終わりです。

That concludes my presentation. Now, let’s quickly look at the main points again.
以上で私のプレゼンテーションは終わりです。さて、もう一度要点を簡単に見てみましょう。


そして、感謝の言葉とともに締めくくります。

That’s all from me. Thank you very much for listening.
以上です。ご清聴ありがとうございました。


そして、プレゼンで重要なのは、発表後に適切に質疑応答できるかです。ただ用意した原稿を読み上げるだけでは、プレゼンとは呼べません。
以下に、議論する際に役立つ表現を挙げます。

I respect your point, but in my opinion…
ご意見は尊重しますが、私の意見では、…です。

I see it a little differently.
私は少し違う見解です。

I’m sorry, but I have to disagree with you.
申し訳ないですが、同意しかねます。

That’s a fair point, but . . . [state opinion]
それはごもっともですが…です。

I understand where you’re coming from, but . . . [state opinion]
仰りたいことは分かりますが…です。


反対意見は相手の意見を尊重しながら述べるのがマナーです。「I don’t agree with you.」や「I disagree with you.」と強い言葉で反対するのは避けましょう。

ビジネス英語を身につけるにはどうしたらいい?



独学で学ぶ


目的意識を明確にする


独学で学ぶのにまず大事なのは目標設定です。英語学習は途中で挫折しがちなもの。独学で学習を進めていると、「なんのためにこんなに頑張ってるんだろう……」と考え込んでしまうこともしばしばあります。

「会議で言いたいことをどんどん言えるようになりたい」「かっこよくプレゼンをして昇段を成功させたい」など、自分なりの目標を決めて学習に臨みましょう。

必要な用語を覚える


ビジネスシーンでは、業種によって特殊な用語を使う場合があります。例えば食品業界なら、「Food Sanitatin Act(食品衛生法)」や「Additives(添加物)」などは必須の語彙となります。

また、ビジネスメールでのコミュニケーションは非常に重要になるので、慣れるまでは前のセクションで紹介したような提携表現を使うとよいでしょう。

ちなみに、中学3年レベルの語彙を覚えておくことは大前提となります。

4技能をバランスよくトレーニング


ビジネス英語に限らず、英語を学習する時は、「読む」・「書く」・「聞く」・「話す」の4つのスキルをバランスよくトレーニングすることが基本です。
リーディング力は「多読」、リスニング力は「多聴」を行って鍛えた上で、ディクテーションでライティング力、シャドーイングでリスニング力をトレーニングするのがおすすめです。

そして、ビジネス英語を学ぶなら、ビジネスに関する報道やニュース記事などを教材にすると、効果的に学習を進めることができます。
ただし、ビジネス関連のニュースでは難易度が高すぎるという人は、自分の好きな題材を扱っても問題ありません。

そして総仕上げとして、実践の場でとにかく英語を使ってみるというのが最良のトレーニングになります。
未完成な英語表現で構わないので、どんどん実践することでビジネス英語を身につけることができます。

オンライン英会話を利用する


独学でビジネス英語を学習することの弱点として、インプット(読む・聞く)の機会は多く取れるものの、アウトプット(書く・話す)の機会があまり設けられないという点があります。

「話す」機会を設ける手軽な手段として考えられるのがオンライン英会話です。
スマホやパソコンなどのデバイスとインターネット環境さえあれば、どこにいてもレッスンを受講することが可能なので、スキマ時間を有効利用することができます。

ただし、オンライン英会話スクールの中には、ビジネス英語を扱っていないスクールもあるので、事前に希望する内容が扱われているかどうか確認しましょう。

英語コーチングを利用する



ビジネス英語を短期間で効果的に身につけたい人には、英語コーチングの利用がおすすめです。
一般的に英語コーチングサービスでは、最初のカウンセリングを通じてそれぞれの受講生に合わせたカリキュラムがオーダーメイドされるので、自分の業種に合わせたレッスンを提供してもらえます。
さらに、最初のカウンセリングでは受講生それぞれの課題も明確にしていくので、自分の弱点を集中的に補修することができます。

「読む」・「書く」・「聞く」・「話す」トレーニングを独学で行うのはかなりの労力が必要ですが、英語コーチングではプロコーチが最適な学習法を提案してくれるので、効果的に英語学習を進めることができます。

あと2、3ヶ月後に海外赴任が決まっているとか、すでに英語を使う職場環境でうまくいかずに悩んでいるという方は、即効性の高い英語コーチングを利用するとよいでしょう。

英語知識だけではビジネスの現場で通用しない



ここまで「ビジネス英語」について解説してきましたが、いくらビジネス関連の英語知識が豊富でも、それだけではビジネスの現場で活躍することはできません。
「TOEICで高得点をマークしていても、実際の現場で英語を運用できない人材もいる」ということを、企業側も認知し始めています。

そもそもTOEICは、「国際資格」と謳われていますが、実際に英語力の指標として利用しているのは、日本と韓国ぐらいです。仮に欧米で英語力の指標としてTOEICスコアを提示しても、TOEIC自体知らないと言われてしまう可能性があります。

実践的な英語力を示すなら、国際的に認知されている資格、特にVERSANT(バーサント)のようにスピーキング力の指標となる資格試験を受験するのがおすすめです。

そして、グローバルに活躍するためには、英語力を磨くだけでは不十分です。総務省では、「グローバル人材」を以下のように定義しています。

“日本人としてのアイデンティティーや日本の文化に対する深い理解を前提として、豊かな語学力・コミュニケーション能力、主体性・ 積極性、異文化理解の精神等を身に付けて様々な分野で活躍できる人材”
(総務省:「グローバル人材育成の推進に関する政策評価」より)

「豊かな語学力」、つまり高い英語力を持っているのはもちろん、主体性・積極性をもって堂々と英語でコミュニケーションをとれる人材が、真の「グローバル人材」といえます。

用意した英語原稿をただ読み上げるプレゼンしかできないのでは、「グローバル人材」とはいえません。
ビジネス英語を用いたプレゼンテーションの手法や交渉や依頼の仕方など、英語圏の文化に即したビジネスコミュニケーションスキルも身に付ける必要があるのです。

終わりに



ビジネス英語を身につける最も効果的なトレーニング法は、「実際に使う」ことです。
しかし多くの日本人は、「間違えたらどうしよう」と恐れてなかなかその一歩を踏み出せません。
特に「文法的な誤り」が気になって、「文法的に正しい一文」を作ってから話そうとすることで、発言がどんどん遅れていってしまいます。

しかし、「文法的に正しいこと」は重要性としては二の次で、国際社会で最も重要視されるのは「自分の意見をはっきり言える人物かどうか」ということです。

たとえ英語の文法が少々おかしくても、しっかりとした「自分」を持っていて、それを表現できる人物は一目置かれます。
逆に、あいまいな笑みを浮かべながら「Yes.」「Thank you.」などと言ってばかりだと、いつの間にか劣った人間と見なされてしまうのです。

優れたビジネススキルを持った日本人が、英語力のせいで国際社会で埋もれてしまうのは非常にもったいない話です。
国際社会で自分のスキルを100%生かすために、まずはとにかく実際に英語を話すことから始めてみてください。



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