英語を使って、海外で就職するにはもちろん語学力が問われます。実際に仕事をしていくとなると、一緒に働く社員や顧客とのコミュニケーション、特にビジネスコミュニケーションは非常に大事です。しかし、コミュニケーションといっても一概に直接的な会話だけではなく、様々な手段があります。電話やメール、そして会社内で使われる Microsoft Teams や Slack などのビジネスチャットも含まれます。
今回の記事を通して、実際に私が授業で学んだ内容とともに、効果的で説得力のあるビジネスコミュニケーションツールを4つ紹介します。その使い方、そして情報伝達のスキルアップに役立たせてほしいです。
ビジネスコミュニケーションとは
ビジネスコミュニケーションは、職場の従業員、社外の人々(顧客)との間で情報を共有するプロセスのことを指します。目的としては、効率的なコミュニケーションを通して、相手との信頼関係が築き、双方向の今後のビジネスの発展、そして成功に繋げていくことです。また、あらゆるビジネスシーンに応じて様々なツールを比較し、見分けることで、より円滑に迅速なコミュニケーションをとることができるでしょう。一般的な組織におけるコミュニケーションは大きく二つに分けられます。
1.社内でのビジネスコミュニケーション(Internal Business Comunication)
部下から上司、上司から部下、他の部署の社員間を指しており、フォーマル・インフォマールコミュニケーションが用いられます。社内間の情報伝達や従業員が仕事に最善を尽くすように導くなどといった目的で、メモ、スタッフニュースレター、ファックス、通知、会議議事録、プレゼンテーション、マニュアルなどをコミュニケーション手段として使用します。
2.社外でのビジネスコミュニケーション(External Business Communication)
顧客やクライアント、投資家などの社外の人々に対して、基本的にフォーマルコミュニケーションで進められます。良好な関係を構築し、維持、促進することに重点を置きます。そのため会話よりも文書化されることが多く、広告、お客様の声レポート、プレスリリース、招待状、カスタマイズレポートなどが含まれます。
海外では授業で教えられる
現地の大学では、 Business Communication (ビジネスコミュニケーション) や Business Writing (ビジネスライティング) という、会社内でのメールやレポートの書き方、顧客に送るメールの書き方などを学ぶ授業があります。シチュエーションごとに効果的なフォーマットや書き方、そしてツールが違うため、どのように効率的で簡潔に相手に伝えるかが重要です。単純なことですが、海外でビジネスを行い、成功するためには必要不可欠なスキルの一つです、海外で働き始めてからもすごく役に立ちました。
英語でビジネスコミュニケーションを取るためのおすすめツール4選
もちろん毎日の会話も大事ですが、その後のやりとりはほとんどメールやビジネスチャットを利用することが多いと思われます。中でも、それぞれに合うコミュニケーションを取ることが大切です。私が履修した授業では、ケーススタディを通してオーディエンスによって適切なトーンやスタイルを選び、様々なビジネス文書を書きました。では具体的にどのツールをいつ使うのかみていきましょう。
1.ビジネスメール
多くの職場で日常的に最も頻繁に使用されるツールなため、同僚、上司、顧客との仕事上のコミュニケーションの多くはメールでやりとりするでしょう。海外で仕事をする上で英語のビジネスメールで押さえておきたいポイントは以下の通りです。
件名(Subject)
主な情報や要望を動詞を入れて要約します。
挨拶(Greetings)
挨拶はメールのトーンを設定します。例えば、友人や同僚には、「Hi」や「Good morning」で始めますが、社外、顧客へのメッセージの場合は、よりフォーマルな表現で始めます。
冒頭(Opening)
メールの冒頭ですぐに主旨を明らかにすることが大事です。「Please」に続き動詞を入れるなど、ダイレクトに書くことで、忙しいであろう読者を引き留める効果もあります。
本文(Body)
冒頭に続き、メールの内容について詳しく説明する短い本文を書きます。ポイントは、例のように、見出し、番号、箇条書き、スペースなどを使って、読者が読みやすいように工夫することです。
Closing (締め)
メールの内容をもう一度要約し、要件に対する返信の期限や目的を明確にしましょう。「返信が○○までに欲しい」や「○○までに提出してほしい」などのアクションの言葉を含むことがポイント。そして感謝のフレーズや結びの言葉で締めくくります。
[URGENT: Budget Request Approval]
[Opening]
Dear I am following up on the email I sent two weeks ago about the budget request in response to the incident in January 2022.
[Body]
To avoid such incidents in the future, I am requesting an increase in our budget for the following: 1. Hire a trusted humane extermination company. 2. Buy cleaning and janitorial supplies, off-ground composters, and tight-fitting lids on the compost bins. 3. Replace pipes and taps that lead to potential propagation. 4. Educate all employees about rodent prevention strategies.
使用シーン
Internal Business Comunication (社内でのビジネスコミュニケーション) 、External Business Communication (社外でのビジネスコミュニケーション) で通知、指示、要求、返答、好意・善意を示すとき。
職場でのハウスキーピングルール、リマインダー、変更事項などを伝達する場合などはフォーマル形式でメールを使います。
2.メモ
海外では、メモは会社内の情報を伝達するための日常的なツールです。必要最小限の記述で、社内の記録メモのようなもので、会社によって書き方やフォーマットが違うこともあります。一般的に英文メモに必要な項目は以下のようになります。
件名(Subject)
メモの内容を要約。
冒頭(Opening)
主旨を一文で簡潔に述べます。
本文(Body)
読みやすくするために、リストや箇条書き、見出しを使用して説明します。手順を説明したり、指示を与える場合は、命令形「do this, don’t do that」を使用します。
締め(Closing)
具体的な行動を求め、メッセージを要約しましょう。ここでは期限をしっかり書くことが大事です。
Solutions to Student Absenteeism
[Opening]
Your concerns about student absenteeism have been acknowledged in our department, and we have come up with possible solutions.
[Body]
To reduce student absenteeism in your classes, please consider the following options for your classes:
1. Deliver HyFlex classes (a hybrid of in-person and online classes) by hiring SWAP students who can manage the online classes to run the entire class smoothly and efficiently.
2. Set up the “pods” at the beginning of the semester for students so they can communicate in small groups to catch up on the content when missing the class.
3. Remind students about the attendance policy at the beginning of the class to make sure they know the instructions for what to do when absent.
4. Engage with students during the class by using survey apps (such as iClicker) that students have already signed in at the beginning of the semester, making sure that attendance is mandatory.
[Closing]
These options will help you and your students operate the class as effectively as possible. Please email me at if you have any questions.
使用シーン
社内でのビジネスコミュニケーション(Internal Business Comunication)で指示をするとき。
社内向けのコミュニケーションツールですが、プロフェッショナルで簡潔なフォーマットを維持する必要があります。多くの場合、ビジネスメモの目的は、問題を特定し、解決策を提案することです。
3.ビジネスチャット
最近では、社員同士の連絡は Slack や Microsoft Teamsなどを使い、リアルタイムに情報を共有することが多いです。グループでのオンラインチャット機能でより早く情報伝達し、素早く答えを得ることができます。そのためマナーとして以下を参考にしましょう。
-
・メッセージには早く反応する
・要件に関係するキーワードを含め簡潔に
・長文だと読みにくくなるため短い文章を送ることを心掛ける
使用シーン
社内でのビジネスコミュニケーション(Internal Business Comunication)で通知、要求、返答、好意・善意を示すとき。
すぐに返信を要する場合はTeamsのグループチャットに送ることが多いです。
4.ソーシャルメディア
Facebook、Instagram、Twitter などを通してサービスやマーケティング、ブランドイメージの構築、ニュースや問題解決のための顧客との連絡などを行う会社を多くなっています。授業で学んだ情報によると、Facebook の投稿を画像付きで80文字以下におさえ、Twitterの場合は、120〜130文字程度でハッシュタグ付けることでエンゲージメントが増えるそうです。
使用シーン
社外でのビジネスコミュニケーション(External Business Communication)で通知、要求、返答、好意・善意を示すとき。
最後メッセージ
将来海外就職を考えている方にはぜひ、日本にいる間からビジネス英会話、コミュニケーション能力を高めるなどといった事前準備をすることをおすすめします。ビジネスコミュニケーションは仕事をしていくうえで大事なスキルです。培った英語力を使い、もっとビジネスパートナーと効果的で円滑なコミュニケーションをとれるようになっていきましょう。