2024.01.06英語ビジネス

ビジネスシーンで必須!「契約」の英語表現と関連する英語表現を例文とともに紹介

ビジネスパーソンにとって、避けては通れないシーンが「契約」ですよね。
でも、「契約」というと難しいイメージがあって、契約が絡む業務に関わりたくないという人も多いかもしれません。

しかし、英語の契約書などは、日本語のように込み入っておらず、慣れてしまえば日本語よりわかりやすいという側面があります。

この記事では、「契約」に関するテンプレートとなる英語表現を紹介するので、ぜひ参考にしてください。

「契約」を意味する英語表現2つ


「契約」という意味の英語表現は大きく分けて2つあります。

  • contract
  • agreement

  • まずは、「contract」と「agreement」、2つの「契約」を意味する英単語の違いについて説明します。

    contract:文書化された正式な「契約」


    「contract」は「agreement」よりやや堅い表現で、文書化された正式な「契約」を指します。
    「contract」は法的拘束力を伴うことが多く、一方が契約に違反したり、適切に履行しなかったりした場合、契約相手は法的措置を講じることができます。

    「contract」の使い方は、以下の例文を参照してください。

    I signed a three-year contract with Gabby Corporation.
    私はギャビー社と三年契約を結んだ。

    How many years was the contract valid?
    その契約は何年間有効でしたか?

    「three-year-contract(3年契約)」は数字を置き換えて使いまわせる便利な表現です。ぜひ覚えておきましょう。

    agreement:当事者間の同意を伴う「契約」


    「agreement」は「contract」よりもややくだけた表現です。日常英会話でよく使う「agree(同意する)」の名詞形であり、契約を結ぶ両者の「合意」や「約束」・「協定」を指す言葉です。

    友人間の口約束など、文書化されていない、法的拘束力のない同意にも「agreement」が使われますが、ビジネスシーンで使っても不自然にならない表現です。

    「agreement」の使い方は、以下の例文を参照にしてください。

    You have broken our agreement.
    あなたは契約を破った。

    What will we gain from this agreement?
    この契約で私たちが得るものは何でしょうか?

    ちなみに、国家などの間での「協定」にも「agreement」が使われます。

    A trade agreement was signed between the three countries.
    3国間で貿易協定が結ばれた。

    「契約する」ことを指す英語表現

    「contract」は「契約する」という意味でも使える

    「契約」という意味の名詞「contract」は動詞形も同じ「to contract」で、「契約する」ことを表します。
    また、「contract」には「請け負う」という意味もあります。

    ちなみに「agreement(契約)」の動詞形「agree」を「契約する」という意味で使うことはまずありません。

    Some engineers contract with the legal department.
    エンジニアの中には法務部門と契約している人もいます。

    ABC Company has contracted to build a hotel.
    ABC社はホテルの建設を契約しました。(請け負いました)

    「make」や「sign」を使うのが一般的

    「契約する」という意味の英語表現でメジャーなのが「to make a contract」です。「to make an agreement」ということもできます。

    「to make a contract / an agreement」と同じくらいメジャーなのが、「to sign a agreement / an agreemtent」です。

    直訳すると「契約に署名する」という意味ですが、署名することで契約が成立するという意味合いから、「契約する」「契約を結ぶ」「契約を交わす」という意味で使われます。

    I heard that Company A made a contract with Company B. What should we do?
    A社がB社と契約したと聞きました。我が社はどうしましょうか?

    We would love to sign a contract with your company.
    ぜひ御社と契約を結びたく思います

    The company signed a non-disclosure agreement with the writer.
    その会社はライターと機密保持契約を結んだ。

    そのほかの「契約する」ことを指す表現

    そのほかにも「契約する」ことを指す表現がいくつかあります。

  • to form a contract
  • to exchange contracts
  • to enter into a contract / an agreement
  • to conclude a contract / an agreement

  • 「to form a contract」は、「契約関係を形成する」という意味で「契約する」ことを表す言葉です。
    かなり堅い表現なので、「to form an agreement」という使い方はしません。

    「to exchange contracts」は「契約書を交わす」という意味で「契約する」ことを指します。書面での契約を想起させる表現なので、「to exchange agreement」とはいいません。

    「to enter into(〜に入る)」、「to conclude(決定づける)」といった表現を使うこともあります。

    「契約書」を指す英語表現

    実は、「契約書」も英語で「contract」といいます。「契約」「契約する」「契約書」と幅広く使える単語といえます。
    ただ、「make a contract」などというと、「契約を結ぶ」のか「契約書を作る」のか、紛らわしいというネイティブもいます。

    そのため、「written contract(書面での契約書)」または「contract document」のように、「書面である」ことを明示する場合もあります。

    また、「agreement document」という言い方もあります。

    具体的な使い方は、以下の例文を参考にしてください。

    Please sign this contract.
    この契約書にサインをしてください。

    Before you sign a contract, make sure you fully understand its contents.
    契約書にサインする前に、十分内容を理解しておきなさい。

    また、以下は「契約書」に関連する表現です。おさえておきましょう。

    契約条件

    契約関連でぜひ覚えておきたいのが、「terms and conditions(契約条件)」という表現です。

    「terms」も「conditions」も両方「契約条件」という意味の単語なのですが、「terms」は契約書面の「条項」という意味合いが強く、「condition」は契約内容における「具体的な条件」といったニュアンスがあります。

    契約内容に漏れがないように、英語の契約書では「terms」と「conditions」を必ずといっていいほど併記します。
    1つのテンプレートとして「terms and conditions」という表現を覚えておきましょう。

    契約条項

    契約書を読み解く上で「terms and conditions」とともにおさえておきたいのが「条」や「項」を表す「clause」と「article」です。

    具体的な使い方としては、以下の例文を参考にしてください。

    This clause should be added to the contract.
    この条項は契約書に追加する必要があります

    See Article 3 of the agreement for details.
    詳細については契約書の第3条を参照してください

    契約者

    「契約者」を表す英単語としては、まず「contractor」があります。
    「契約をする側」が「contractor」、「契約を受ける側」が「contractee」です。

    そしてよく使われる表現として覚えておきたいのが「party(to a contract)」です。

    ここでいう「party」という単語は、「催し物、イベント」のことではなく、「(合意している当事者のうちの)一方」という意味で使われています。

    さらに、「契約者」を表す英語表現は、契約内容によってケースバイケースといえます。

    保険契約であれば、契約者を「policy holder」と表します。電話などのサービスの場合、契約者は「user」です。
    賃貸借契約の場合、契約者は「resident(入居者)」などとなります。

    「契約違反」に関する表現

    契約関連で最も恐れるべき事態が、自分、または相手方による契約違反ですよね。

    あまり考えたくない話かもしれませんが、リスク回避のためにも、「契約違反」に関連する英語表現を押さえておきましょう。

    契約違反

    「契約違反」を指す英語表現には、以下のようなものがあります。

    breach ot contract 契約を破る
    contrct violation 契約違反

    「violation」は「交通違反」など広く「違反する」ことに使われる言葉です。
    それに対して、法律・約束・協定などを「破る」という意味の「breach」は、契約の場面独特の表現であり、かつ、よく使われる表現なので、ぜひ覚えておきましょう。

    例えば、以下の例文のように使います。

    That is a breach of contract.
    それは契約違反です。

    We may be sued for breach of contract.
    我が社は契約違反で訴えられるかもしれません。

    違約金

    「違約金」を表す場合、英語では「penalty」を使います。「ペナルティー」というと、日本語ではスポーツ競技における罰則を表すことが多いですが、英語での「penalty」は広く「罰則、罰金」を意味します。

    以下の例文を参照してください。

    As we have already signed a contract, we will have to pay a penalty if we terminate our contract.
    すでに契約を結んでしまっているので、途中で契約を解除する場合、違約金を支払わなければなりません。

    「契約違反により生じたお金」であることを明示するなら、「penalty for breach of contract」という表現を使ってもよいでしょう。

    契約を解除する

    「契約を解除する」ことを指す英語表現には、次のようなものがあります。

    to cancel the contract 契約を解除する(契約を取り消す)
    to terminate the contract 契約を解除する(契約を打ち切る)

    「cancel」はカタカナ語の「キャンセル」と同じく、契約を「なかったことにする」という意味での「契約解除」です。

    「terminate」には「終わらせる」という意味があり、「それまで続いてきた契約関係を終わりにする」という意味合いでの「契約解除」になります。

    「契約」に関するその他の英語表現

    ここでは、そのほかの様々な「契約」に関連する表現を英語でなんというか見ていきます。

    契約内容

    「契約内容」を直訳的に表すと、「content of contract」となります。「content」というのは、「内容物」という意味の単語です。

    「契約内容の詳細」という意味であれば、「contract detail」という表現を使うこともできます。
    「detail」は、「ディテール」とカタカナ語でも使われるように、「細部」を指す英単語です。

    Is it possible to change the contents of the contract?
    契約内容を変更することは可能でしょうか?

    I should have checked the contract details properly.
    契約内容をきちんと確認すべきだった。

    契約期間

    「契約期間」は「contract period」といいます。
    具体的な使われ方を例文で見ていきましょう。

    Is there a set contract period?
    決められた契約期間はありますか?

    The need for a contract period depends on the type of the contract.
    契約期間の必要性は、その契約の種類によって違ってきます。

    契約期間が「定められている」状態を表す時によく使われるのが「set」です。
    カタカナ語でも「セットされた」という表現を使うのでわかりやすいかと思います。

    ちなみに、「契約を結んでいる状態」であること、つまり「契約期間中」であることを指す英語表現としては、以下のようなものがあります。

  • under contract 契約期間中である(契約状況下にある)
  • to have a contract 契約期間中である(契約を結んでいる)
  • for the duration of the contract 契約期間中(契約が持続する間)
  • during a contract period 契約期間中
  • 仮契約・事前契約

    「仮契約」を英語で表現するには、以下のようなフレーズを使います。

  • provisional contract / agreement
  • tentative contract / agreement
  • preliminary contract / agreement

  • 「provisional」は「仮の、一時的な」という意味で、「tentative」は「試験的な」、「preliminary」は「本番の前の」というニュアンスです。

    「仮契約」の定義自体、曖昧なところがあるので、条件や内容についてきちんと確認するようにしましょう。

    契約更新

    「契約更新」を表現するには、「to renew」を使います。
    以下の例文を参照してください。

    It’s time to renew our contract.
    契約更新の時期ですね

    The contract must be renewed.
    契約を更新しなければならない

    まとめ

    「契約」「契約書」「契約する」は、すべて「contract」という単語で表現できることを紹介しました。
    また、「contract」よりもくだけた表現として、「agreement」を使うこともできます。

    「契約する」ことについては、「make a contract / agreement」または「sign a contract / agreement」という表現を覚えておくと無難でしょう。

    英語での「契約」は、日本以上に厳密に扱われるべきものです。また、「知らなかった」では済まされないのは、日本でも英語圏でも一緒です。

    ただ、冒頭でふれた通り、英語の契約書は日本語に比べると簡潔な文体で分かりやすく書かれるケースが多いです。

    最初は分かりにくいかもしれませんが、いくつかの用語に慣れてしまえば、日本語の契約書より読み解きやすいという側面もあります。

    ぜひたくさんの」契約交渉(contract negotiation)に挑戦して、「I got the contract!(契約をとったぞ!)」と喜ぶ機会をたくさん経験してください。


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