海外就職を考えるうえで悩むことはたくさんあると思います。中でも、就職におけるアドバイスや相談に乗ってくれる人が欲しいと願うことは多いのではないでしょうか。そこで、解決策として海外で主流なのがメンター制度。海外では学生から社会人まで幅広く利用されており、主に就職・転職活動をする際のコネクション作りの手段としての魅力があります。
キャリア相談だけに限らず、個人的な悩み、人間関係、精神的なサポートも含みます。このブログでは海外就職活動におけるメンター制度の重要性についてお話しします。
海外就職におけるメンター制度の重要性
そもそも、メンター制度とは、自分より経験や知識が豊富な方に、幅広い分野でアドバイスやサポートをしてもらう制度で、アドバイスを与えるをメンター、アドバイスをもらう側をメンティーと呼びます。また海外では、人材育成の方法の一つとしてメンター制度がある会社も多くあります。
メンターとメンティーは定期的にコミュニケーションを取り、話し合いをすることでよりお互いを知り、相談しやすい環境を作り、信頼関係を築いていくことが理想です。また、一緒にイベントなどに参加したりなどすることもおすすめです。
メンターは、なぜ大切なのか?
メンター制度を通して、今まで知らなかった新たな知識や情報を得ることができ、自分の学びと成長へとつながります。メンターはメンティーの最終目標に沿ったアドバイス、そして様々な面からサポートを与えてくれます。中でも大きなメリットとして3つ挙げられます。
1.ネットワークを構築する
海外就職をする上で大切なのはコネクションづくりです。現地でネットワークを広げるためにも、興味のある分野で働くメンターと出会うことは、自分の就職チャンスにつながります。定期的な連絡、ミートアップを通して良好な関係を築くと、メンターから新たにその業界で働く人を紹介してもらえることもあります。
2.情報収集
メンター制度を通して、実際に何年も海外で働く方から、直接その職業を見つけた経緯や、必要なスキル、経験談を聞くことで、仕事を探すのに有益な情報を得ることが大切です。経験、知識が豊富なメンターから直接アドバイスをもらうことで、学校やインターネットでは教えてくれないこともたくさん知ることができる良い機会になります。
3.やりたいことが見つかる、モチベーションが上がる
メンターとの会話を通じてキャリア形成における新たな視点が得られることもあるでしょう。視野が広がり、やりたいことが見つかることもあります。また、様々な経験を経たメンターから、自分の今後のキャリア形成の相談や、アドバイスをもらい、問題解決することで、モチベーション向上につながります。
メンターの探し方・アプローチの仕方
ここまでで、メンター制度がどういうものなのかはわかってきたと思います。とは言え、日本で身近ではないメンター制度を利用して、自分に合ったメンターを探すには、まず何から始めればいいかわからないですよね?
実際に私も、メンター制度を利用しようとしたときは、カナダの同級生や先輩に聞くしかありませんでした。私の経験を基に、おすすめの探し方をご紹介します。
自分の目標に基づいた探し方ができるように丁寧に説明します!
1.「Mentorship program 地域名」で検索する
海外ではインターネットで「Mentorship program 地域名」と検索すると、ローカルのコミュニティー団体が行っているメンター制度が調べられます。そこで自分の長期目標や興味のある分野に携わる人、または団体を見つけ、応募しましょう。ローカルの方、普段出会うことができない方からアドバイスがもらえる絶好の機会です。
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こんな人におすすめ
将来海外で現地就職を考えている方
2.社内コミュニティを活用する
自分の会社内、または同じ職種で活躍する違う会社の人を探すこともできます。メンター候補の方に、今後のキャリアパスについてアドバイスをしていただけないかと連絡したり、コーヒーチャット(主にネットワークを広げる目的で行うカジュアルなミーティング)に誘うこともおすすめします。
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こんな人におすすめ
今後キャリアアップを考えている方
3.ネットワーキングイベントに参加
自分の興味のある職業分野のネットワーキングイベントに参加し、実際に海外企業で働いている方から、直々にどのようなキャリアを積んだのか、必要なスキルのアドバイスをもらうことができます。イベント時間内で聞ききれないこともたくさんあると思います。そういう時は、LinkedInの交換をしておくのがおすすめです。海外で働くうえでLinkedInは必須ツールです。もし、登録をしていない場合は事前に登録しておきましょう。
イベント終了後、なるべく早くLinkedInで連絡をして、もっと具体的にキャリア形成において話が聞きたい、キャリア経験について興味があるから再度話をする時間が欲しいことを、メッセージで伝えましょう。
海外就職でLinkedInの使い方について知りたい方はこちら
➜ 詳しくはこちら
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こんな人におすすめ
興味のある分野でのコネクションづくり、海外転職を考えている方
4.尊敬している人に直談判
海外では、自分から積極的に意見を言ったり、自分の考えをしっかりと相手に伝えることは当たり前の世の中です。目的をもって能動的に動くことで、自分の道が開けます。
社内や社外で出会った人など、自分が尊敬する人に直接、自分から「メンターになってもらいたい」「アドバイス、相談がしたい」とお願いすることもできます。
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こんな人におすすめ
すでにロールモデルとなる人が存在する方
メンターとの良好な関係を築くうえで大事なのが、定期的に連絡を取り合うことです。簡単な近況報告をしたり、「また困ったら相談していいですか?」と積極的に聞くことでより素晴らしい関係となるでしょう。また、感謝のフォローアップメールを送ることも大事なことです。
どんな人をメンターにしたらよいか?
海外だと、外国人のメンターがついてくれることもあると思います。メンティーにアドバイスを与え、自分の目標達成するためにはどんなメンターが良いのでしょうか?
下記3つのポイントを押さえておきましょう。
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1. 就職希望の職種、または企業や団体で、5年・10年以上など、勤続年数が一定年数を超える人
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2. 経験や知識が豊富なだけでなく、人間としても尊敬できる人
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3. 何でも相談に乗ってくれる余裕のある人
私の体験談
カナダの高校に進学し、慣れない海外生活のため進路で悩んでいた際、学校のキャリアカウンセラーにおすすめしてもらったのが、カナダ・バンクーバーのローカルチャリティー団体 YWCA (Young Women’s Christian Association) High School Mentorship でした。女子高校二、三年生を対象としたメンター制度で、現地企業で活躍している女性の方とマッチングするものです。メンター制度に応募したときに自分が興味のある分野や趣味、このプログラムを通しての最終目的などをインタビュー形式でミーティングがありました。私は当時、現地の大学のビジネス学部、国際的なビジネス、貿易関係に興味があったので、マッチしたメンターの方は、UBC ビジネス学部卒業、在バンクーバー・イギリス領事館で事業開発部で働いていらっしゃいました。
このプログラムでは、毎月開催されるイベントやアクティビティーに参加することが決まっており、同時に他のメンターの方や自分と同じ高校生と交流を深める機会もありました。その他は、カフェでお話を聞いたり、キャンパスツアーをしてもらったり、メンターの方のオフィスに連れて行ってもらったり(OB訪問)など、自分たちで連絡を取り合います。
私は、カナダの現地大学に受験する際に必要なエッセイ添削を手伝ってもらったり、領事館のオフィスツアーをしていただくことができました。そこでもメンターの職場の方々に、業務内容やどんな職務経験があるのかを質問をしたりなど、とても貴重な体験ができ勉強になりました。
大学在学中も定期的に連絡し、お互いに近況報告をしていました。最近だと、私が現地就職で悩んでいた際に、アドバイスをくれたり、メンターの知り合いの方を紹介していただいたりと、現地でのキャリア構築においてたくさんサポートしていただきました。
最後のメッセージ
キャリア形成において重要な役割を果たすメンター制度。特に慣れない土地での生活や海外就職にあたって、メンターは大きな心の支えにもなります。一人に限らず、複数の人からアドバイスを受けることも良いと思います。この素晴らしいメンター制度をより多くの人に知ってもらい、今後の海外就職・転職活動に役立たせていってほしいです。