2023.09.15英語学習・フレーズ

英語にも丁寧語はあるの?間接疑問文で相手への丁寧な英語の言い回しを学ぼう

英語には敬語にあたる表現はないというのは本当でしょうか?
確かに日本語の「敬語」にあたるものは存在しませんが、英語にも相手を尊重する際に使う丁寧な表現が存在します。

英語話者は人に何かを聞いたり頼んだりするとき、自分と相手との距離感に応じて、間接疑問文を用いることでそれを表します。間接的であればあるほど丁寧な表現となります。
注意したいのは、英語話者は先輩と後輩、上司と部下のような「縦」の距離感ではなく、自分とどれだけ親しいかという「横」の距離感で、表現の仕方や度合いを変えます。

つまりは、明らかに年下の人でも、初めて会う人であれば間接疑問文で物事を頼み、毎日会っている上司に対してはある程度の直接疑問文を使うことで親密さを表すのが良いでしょう。

さて、今回はそんな英語での丁寧な表現の使い方やその例について学んでいきましょう。


直接疑問文と間接疑問文


間接疑問文とは、直接疑問文を文中に埋め込んで、間接的な言い回しをする疑問文のことです。
英語では特に初対面の相手やビジネス・フォーマルなシーンでは、この間接疑問文を使って丁寧な物言いをします。

では、具体的な間接質問とはどのようなものか、さらにはどのように使えばいいのかを説明します!


直接疑問文


まず初めに、間接疑問文を解説する前に、直接疑問文がどんなものかを理解しておきましょう。

直接疑問文は、その名の通り直球で質問を投げかけるものです。
例えば、「はい/いいえ」のどちらかで答えられる質問や、WH-で始まる疑問詞を含む質問、選択式の質問がその代表例です。

以下は直接疑問文のいくつかの例です。


YES/NO質問
– Have you made a document?(資料は作りましたか?)
– Is she coming to the office party? (彼女はオフィスパーティーに来ますか?)

WH質問
– What did you work on today? (今日はどんな仕事をしましたか?)
– Where is the office building? (オフィスの建物はどこにありますか?)

選択式質問
– Do you prefer working from home or office?(家とオフィスどちらで仕事をするのが好きですか?)


間接疑問文


先述の通り、間接疑問文は直接疑問文よりも礼儀正しく丁寧な表現とされているので、フォーマルシーンやビジネスの場面で好んで使われます。

直接疑問文と異なるのは、「I wonder」「Could you」「Do you know」などの表現を使うこと。
直接的に何かを尋ねるのではなく、こうしたクッションフレーズを文頭に配置することで、より柔らかい印象を相手に与えます。例えば、“What time is it?”(今何時ですか?)と尋ねる代わりに、“Could you tell me what time it is?”(何時か教えていただけますか?)のように尋ねることになります。
以下は一般的な例です。


~を教えていただけますか?
– Can/could you tell me . . . ?
– Can/could you let me know . . . ?

~していただけませんか?
– Would you mind . . . ?
– I was wondering . . .
– Would it be possible . . . ?

~はご存知ですか?
– Do you know . . . ?
– Do you have any idea . . . ?


では、上記の直接疑問文を間接疑問文に変えて、違いをもう少しよく理解していきましょう。


直接的質問:
Have you made a document?
(資料は作りましたか?)

間接的質問:
Could you tell me if you have made a document?
(資料を作成したかどうか教えていただけますか?)



間接的質問:
What did you work on today?
(今日はどんな仕事をしましたか?)

間接的質問:
Can you let me know what you worked on today?
(今日はどんな仕事をしたのか教えてくれますか?)



間接的質問:
Do you prefer working from home or office?
(家とオフィスどちらで仕事をするのが好きですか?)

間接的質問:
I was wondering whether you prefer working from home or office.
(在宅勤務とオフィス勤務、どちらがお好きでしょうか。)



間接的質問:
Where is the office building?
(オフィスのビルはどこにありますか?)

間接的質問:
Do you know where the office building is?
(オフィスのビルはどこにあるかご存知ですか?)



直接的質問:
Is she coming to the office party?
(彼女はオフィスパーティーに来ますか?)

間接的質問:
Do you have any idea whether she’s coming to the office party?
(オフィスパーティーに彼女が来るかどうかわかりますか?)


文法の順番


直接疑問文で「is」または「are」を使用する場合、間接的質問文では文の最後に配置されます。


直接的質問:
Where is the office building?
(オフィスビルはどこですか?)

間接的質問:
Do you know where the office building is?
(オフィスビルはどこかご存知ですか?)


間接疑問文では、補助動詞「do」「does」「did」は使用しません。

注意)過去のことについて質問をする場合、直接疑問文では過去時制の「did」を使用するため、間接疑問文では動詞は過去時制となります。常に適切な動詞の時制を使用するようにしてください。


直接的質問:
What did you work on today?
(今日はどんな仕事をしましたか?)

間接的質問:
Can you let me know what you worked on today?
(今日はどんな仕事をしたか教えていただけますか?)


間接疑問文に補助動詞がある場合、主語の後に配置されます。


直接的質問:
Can he make the materials for the presentation today?
(今日彼はプレゼンテーションの資料を作ることができますか?)

間接的質問:
Do you know if he can make the materials for the presentation today?
(今日彼はプレゼンテーションの資料を作ることができるか分かりますか?)


ifとwhetherを使う場合


上記の例文でも登場した「if(もし)」または「whether(~かどうか)」を使った疑問文。 これらは一般的に他の疑問文と同じように使用されますが、通常よりフォーマルな文脈で使われます。


選択質問
I was wondering whether she preferred Christmas or New Year’s Eve.
(彼女はクリスマスと大晦日のどちらを好むのでしょうか。)



Yes/No 質問
Could you tell me if you’ve joined that meeting?
(そのミーティングに出席したか教えて頂けますか?)


ifでは言い表せないYES/No質問もあります。そのような場合は、不定詞を使った「Would it be possible . . .」を使うこともできます。


Would it be possible to finish this tomorrow?
Would it be possible for you to finish this tomorrow?
(明日中に終わらせることは可能ですか?)


YES/No質問(選択肢の質問ではない場合)では「or not」を含めることもできます。


「if」で始まる質問
Could you tell me if you will join the meeting tomorrow?
(明日のミーティングに参加するかどうか教えていただけますか?)



「whether」で始まる質問
Do you have any idea whether he’s coming to the office party or not?
Do you have any idea whether or not he’s coming to the office party?
(彼が明日のオフィスパーティーに参加するかどうか分かりますか?)


相手を敬う英語表現を身につけよう


いかがでしたか?
英語にも丁寧な表現が存在することを理解頂けたでしょうか。

個人的な経験ですが、あまりにも直接的な表現で人に物事を頼む人を見たことはありません。
例えば、レストランでお水を頼むときに”Please bring me a glass of water.” なんていう場合は、怒っている時だけです。この場合は “Can I have a glass of water?” 程度に間接的な言い回しをするのが好ましいでしょう。

それでは丁寧に言っておけば間違いはないだろうと思って、”Would you mind if I asked you to bring a glass of water?”のようにいうと、言われずともお客さんへ水を提供するようなレストランでは過度に丁寧な表現となります。

つまり、これらの表現を自然に使いこなせるようになるには、ネイティブの日常会話を通じてパターンを習得するのが一番の近道。
Gabby Academyではこうした丁寧な英語表現が自然と習得できるようなトレーニングを、脳科学的アプローチに基づいて英語ネイティブコーチ伴走のもと行います。

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