2023.09.22英語学習・フレーズ

英語の発音を良くするにはどうしたらいい?|効果的なトレーニング方法とおすすめアプリ

英語の発音って難しいですよね。文法や単語の知識は十分に持っているのに、発音がネックになって英会話が通じず悩んでいる人も多いのではないでしょうか。

実は、英語の発音を良くするには、英語の個々の音を把握するだけでなく、英語の発音のルールを把握することが不可欠です。

この記事では、英語の発音のルールを解説するとともに、英語の発音を良くするためのトレーニング方法について紹介します。
英語の発音に悩んでいる方・英語の発音を良くしたい方はぜひ参考にしてください。

まずは英語の個々の音の発音を覚えよう

日本人が英語の発音を「難しい」と感じる理由の一つに、日本語より英語の方が音の種類が圧倒的に多いことが挙げられます。

以下に、英語の母音を表にまとめました。

音声記号表

音声記号表

音声記号
/æ/ apple /æpl/
/ɑ/ want /wɑnt/
/ʌ/ but /bʌt/
/a/ right /raɪt/ ※二重母音
/ɪ/ give /gɪv/
/i:/ feel /fiːl/
/ʊ/ good /gʊd/
/u:/ group /grúːp/
/ɛ/ bed /bɛd/
/e/ great /ɡreɪt/ ※二重母音
/ɔ:/ talk /tɔ:k/
/o/ road /roʊd/ ※二重母音
/ǝ/ bird /bə́ːrd/

このように、例えば日本語では「ア」1つで済む音を、英語では4種類に区別して発音しなければなりません。そして、/ǝ/ のように、そもそも日本語にない音も存在します。

英語の子音も一覧表にまとめます。

音声記号表

音声記号表

音声記号
/k/ key /kíː/
/g/ goal /goʊl/
/s/ sun /sʌ́n/
/z/ zebra /zíːbrə/
/ʃ/ show /ʃoʊ/
/ʒ/ casual /kǽʒuəl/
/m/ monkey /monkey/
/n/ nice /naɪs/
/ŋ/ king /kɪŋ/
/tʃ/ coach /koʊʧ/
/dʒ/ jewelry /dʒúːəlri/
/h/ house /haʊs/
/w/ wind /wínd/
/j/ yogurt /jóugərt/
/p/ pen /pen/
/b/ banana /bənǽnə/
/f/ wife /waɪf/
/v/ vivid /vívɪd/
/r/ right /raɪt/
/l/ milk /mɪlk/
/t/ tomato /təméitou/
/d/ dear /díər/
/θ/ think /θíŋk/
/ð/ this /ðís/

子音も、日本語で「ラ行」にまとめられているものを「L」と「R」に区別して発音しなければならなかったり、/θ/ や /ð/ など、日本語にない発音があります。

英語の個々の音を理屈で理解し、正しくトレーニングする必要があります。

英語の「音声変化」を理解しよう

日本人が英語の発音を「難しい」と感じる大きな理由の1つが、「音声変化」の存在です。
英語には、文中で単語同士の音と音がくっついたり、音が消えてしまったりする現象があります。
一方で日本語では、単語がくっついたりしないため、英語の「音声変化」に戸惑う人が多いのです。
このセクションでは、英語の音声変化について詳しく紹介します。

連結

連結(リンキング、リエゾン)は、2つの単語がくっついた状態で発音される現象です。
例えば、以下の例文を見てください。

Let’s have a look. ちょっと見てみましょう

この文は、「レッツ・ハヴ・ア・ルック」とは発音されません。
「have」の最後の子音 /v/ と、「a」がくっついて、「ハヴァ」のような形で発音されます。

このように、子音で終わる単語と、母音で始まる単語がくっついて発音される現象が「連結」です。

同化

同化(アシミレーション)は、隣り合う音に影響を受けて、音が変わってしまう現象のことです。
/t/, /d/, /s/, /z/ が後に続く /j/ によって違う音に変化します。
具体的な表現を見てみましょう。

I need you. 私にはあなたが必要なんです

この文では、「need」と「you」がくっついて「ニージュー」のように発音されます。
/d/ と/j/ がくっついて、新たな音 /dʒ/ が出現するのが「同化」です。

脱落

脱落は、単語の一部の音が消えてしまう現象です。主に、破裂音が文末・語末にくるときに起こります。
次の例文を見てください。

I feel sick. 具合が悪い

この文では、「sick」の語末の /k/ はほとんど発音されず、「スィッ」のような発音になります。

また、破裂音に子音が続く場合、前にくる破裂音が脱落します。以下の表現を見てください。

Good job. よくやった

この表現では、破裂音 /d/ の後ろに /dʒ/ という子音が続くので、/d/ はほとんど発音されません。
カタカナ語でも「グッジョブ」という表現は有名ですよね。

このように、主に破裂音において、もともとあるはずの音が、消えたりほとんど発音されなくなる現象を「脱落」と言います。

フラッピング

フラッピングは、主にアメリカ英語で起こる現象で、/t/ や /d/ が日本語の「ラ行」のように発音される音声変化です。

例えば、「water」という単語は、アメリカ英語では「ワーラー」「ワラ」のように発音されます。
「better」という単語も「ベラー」のように発音されます。

このような現象を「フラッピング」と言います。
把握しておくと、不規則な英語の発音を聞き取りやすくなる音声変化の1つです。

弱形化

弱形化は、前置詞や代名詞など、文法をサポートする単語が、本来より弱く短く発音される現象です。

例えば、以下の例文を見てください。

She loves him. 彼女は彼を愛している

この時、主語の「She」は元の単語の音のまま発音されますが、目的語の「him」は弱形となり、/ǝm/ (ェム)のように、省略されて弱い形でしか発音されません。

弱形化は前置詞でも起こります。以下の例文を見てください。

It’s a picture of Mary.

この時、「of」は「オヴ」とは発音されず、「ァッ」のように、母音は弱く、/v/ もほとんど発音されません。

このように、文法をサポートする単語を弱く短く読むのが「弱形化」です。
前置詞や代名詞のほかにも、助動詞やbe動詞で弱形化が起こります。

アクセント・リズム・イントネーションを理解しよう

アクセント

アクセントとは、英単語の中の特定の音節を強くゆっくり読むことを指します。「ストレス」とも呼ばれます。
ちなみに「音節」というのは、英単語の中の、母音を中心としたひとかたまりのことです。
例えば「information」という単語は、「in・for・ma・tion」と4つの音節に分解することができます。
そしてアクセントが置かれるのは3番目のアクセント「ma /meɪ/」です。

英語においてアクセントはとても重要で、アクセントをおく位置によって、単語の意味が変わる場合も多いです。

例えば、「object」という単語は、「ob・ject」というように最初の音節にアクセントを置くと、「物体」という意味の名詞になります。
その一方で、「ob・ject」と2番目の音節にアクセントを置くと、「反対する」という意味の動詞になってしまいます。

そのため、アクセントを正しい位置に置いて発音しないと、誤解が生じたり、コミュニケーションに支障をきたす可能性があるのです。

リズム

言語には、それぞれ特有のリズムがあります。日本語においてリズムはあまり重視されませんが、英語ではリズムが非常に重要視されます。
リズムさえ正しければ、他の発音要素が間違っていても英語が通じるといわれるほどです。

具体的には、「内容語を強くゆっくり読み、機能語を弱く素早く読む」のが英語のリズムです。

内容語とは、名詞・形容詞・動詞など、文の意味を構成する重要な単語のことをいいます。
そして機能語とは、前置詞・冠詞など、文法をサポートする単語のことをいいます。

例えば、以下の文を見てください。

Mary wrote a letter to her grandmother. メアリーは祖母に手紙を書いた

この文の中で、内容語は「Mary」「wrote」「letter」「grandmother」です。これらの単語は強くゆっくり読みます。 そして「a」「to」「her」は機能語なので、弱く素早く読みます。


リズムとしては、以下の縦線と縦線の間を同じくらいのスピードで読むイメージです。

Mary | wrote | a letter | to her grandmother.

英語のリズムに沿って読むと、重要な内容語だけが浮かび上がるので、意味を把握しやすくなります。
しかし、日本人は冠詞や前置詞もはっきり読みがちなので、むしろ文の意味は伝わりにくくなるのです。

筆者もオーストラリア留学時代に口を酸っぱくして注意されたポイントです。

イントネーション

イントネーションは、抑揚とも呼ばれ、文中または文全体で、声の調子を上げたり下げたりすることをいいます。

イントネーションは文法によってある程度決まっています。
例えば、平叙文や否定文・Wh疑問文では語尾を下げると学校で教わりましたよね。そしてYes/no疑問文では語尾を上げます。

そして、イントネーションは話者の意図によっても変わります。

例えば、「You hear something.」(あなたは物音を聞いたんだね)という文は、イントネーションによって次のように意味が変わります。

You hear something. (他の人じゃなくて)あなたが物音を聞いたんだね
You hear something. (空耳じゃなくて)確かに物音を聞いたんだね

そのため、誤ったイントネーションで発音してしまうと、誤解を生んだり、コミュニケーションに支障が生じかねないのです。

英語の発音を良くするための練習方法

英語の個々の音・音声変化などの発音ルールについてしっかり理解したら、正しい方法でトレーニングを重ねる必要があります。
このセクションでは、おすすめの練習方法について紹介します。

声に出して練習する

正しい英語の発音を習得するには、声に出して練習することが不可欠です。

英語の発音を実際に声に出すのは少し恥ずかしく感じるかもしれません。
しかし、英語の発音は、頭で理解するだけでなく、唇や舌、口周りの筋肉の動きを習得することも重要であるため、実際に発声してトレーニングする必要があります。

シャドーイング

独学で英語の発音を習得する方法として非常に効果的といわれているのが「シャドーイング」と呼ばれるトレーニング法です。
流れる音声に影(シャドー)のようについていくトレーニングで、スクリプト(書き下し文)は見ず、聞こえてくる英語音声に集中しながら、その音声をまねて発音します。

リスニングとスピーキングの両方が鍛えられるということで、非常に高い効果が期待できるトレーニング法です。
しかし、初心者には少々難易度が高いため、いきなり挑戦すると挫折する危険があります。

シャドーイングを始めたい場合は、まずお手本の音声をまねてスクリプトを音読し、慣れてきたら1文1文リピーティングします。
リピーティングにも慣れてきたら、スクリプトを見ながら英語音声と同時に発声する「オーバーラッピング」を行いましょう。

オーバーラッピングがほぼできるようになったら、その教材でシャドーイングをしましょう。

このようにお手本をまねて英語をたくさん発音することで、自然な英語の発音を身につけることができます。

Color Vowel Approach(カラー・ヴァウエル・アプローチ)

英語の発音を習得するには、発音記号を学ぶのがおすすめですが、どうしても発音記号が覚えられないという人は、カラー・ヴァウエル・アプローチという学習法を試してみてはいかがでしょうか。

カラー・ヴァウエル・アプローチは、アメリカのEnglish Language Training Solutions(ELTS)社が開発した画期的な学習システム。
色彩、イメージ、リズム、動作を活用して、正しい英語の母音と英語独特のアクセント・リズム・イントネーションを習得することができます。

「通じる英語」の発音が効果的に習得できるということで、アメリカ国務省やハーバード大学など、アメリカのトップ機関でも採用されている学習法です。

英語コーチングサービス「ギャビーアカデミー」では、カラー・ヴァウエル・アプローチと脳科学を組み合わせた発音習得コースを提供しています。
興味のある方はギャビーアカデミーの無料体験レッスンを受講してみてはいかがでしょうか。

アプリを使って発音をチェックする

スピークバディ

スピークバディは、最先端の音声認識AIが搭載された英会話トレーニングアプリです。
AIが発音記号レベルで発音を判定してくれるため、ネイティブにも伝わる英語の発音を手に入れることができます。
AI相手のリアルな英会話体験も魅力です。


スタディサプリEnglish(新日常英会話コース)

スタディサプリEnglishは、2022年から「新日常英会話コース」」「ビジネス英語コース」「中高生英会話コース」において、新たに「基礎発音講座」を提供しています。

「基礎発音講座」では、カリスマ講師のイムラン・スィディキ氏の動画で発音を学びながら、実際に発音練習をし、確認テストで定着をはかることができます。

英語学習の中でも発音を苦手とする学習者が、特に苦手意識を持ちやすい音素について短時間で効率良く学べるのが特徴です。

ELSA Speak

ELSA Speakは、世界100ヶ国以上で利用されている発音矯正アプリです。
世界トップレベルのAIと、そのディープラーニングによって、学習者の発音を音素レベルで認識することができます。
レベルチェックテストによって、それぞれの学習者に応じたカリキュラムが組まれるのも魅力です。

ギャビーアプリ

ギャビーアプリは、英語コーチングサービス「ギャビーアカデミー」が提供する英語学習アプリです。
世界トップの発音評価AIによるスピーキング力診断を行うことができます。

ギャビーアカデミーでは、「スピーキング強化コース」や「ビジネス英語プロコース」のほかに「発音習得集中コース」も提供されています。
英語コーチングサービスと、発音トレーニングアプリを併用すれば、効果的に英語の正しい発音を習得することが可能です。

英語話者の意見を聞く

独学やアプリでも、方法次第で英語の正しい発音を習得することはできます。
しかし、本当にトレーニングの方向性が合っているのか、自分が身につけた英語の発音はネイティブに通じるのか、確かめる相手がいた方が安心ですよね。

身近にネイティブスピーカーの友人がいればいいと思いますが、そうでない場合は、オンライン英会話を利用すると、自分の発音が通じるかどうか判断してもらえます。

また、英語コーチングサービスを使えば、発音に精通したプロコーチが発音のメカニズムを丁寧に説明してくれます。

特に発音に特化した英語コーチングサービスでは、発音のルールから口の筋肉の動かし方まで学べるので、効果的に英語の発音を身につけることができます。

まとめ:トレーニングの「量」も確保しよう

正しい英語の発音を習得するためには、トレーニングの「質」だけでなく、正しいトレーニングの「量」が必要です。
例えばシャドーイングをマスターすることを目指すなら、何百回、何千回と英文を発音して、英語を口になじませる必要があります。

忙しい社会人の方にとって、そんなトレーニングの時間を捻出するのは難しいことかもしれません。
しかし、時間は「ある」ものではなく「作る」ものです。
スキマ時間を見つけて地道なトレーニングを重ねましょう。

友人や大切な人とお酒を飲んだり、自分の時間を大事にしたりするのも、かけがえのない時間の過ごし方だと思います。
ただ、英語習得にかける時間は、人間関係を広げ、収入アップにもつながる、一生モノの投資です。

まずは発音から英語を学びましょう。正しい発音を学ぶと、それだけで英語力の底上げになります。
英語を学ぶと、レベルが上がれば上がるほど、人間関係の幅が世界へと広がります。

思わぬ出会いから、思わぬ人生の可能性が生まれるかもしれません。
そう考えると、ワクワクしませんか。


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