世界的にみても、「日本人の英語力は低い」という不名誉な結果になっています。
そこでこの記事では、なぜ日本人の英語力は低いのか、その理由と、そもそもなぜ英語が低いままではいけないか解説し、英語力をアップさせる方法を紹介します。
日本人の英語力が低い理由とは
今まで英語を学ぶ必要がなかったから
日本以外の国では、一部の本や映画などが、母国語に翻訳されないケースがあります。
読みたい本が英語版しかないため英語で読まざるを得なかったり、映画が母国語に翻訳されていないから英語で映画をみたりします。
一方で、日本で暮らしている限り、日本語以外の言語が必須となる機会はめったにありません。そのため、日本は外国に比べて英語に触れる機会が少なく、英語が身につきにくい環境が生まれます。
英語と日本語は「遠い」言語だから
第二言語習得論では、母語とこれから学ぼうとする言語との「距離」と、言語習得の難易度が関連しているといわれています。
そして、アメリカ国務省の付属機関であるFSI(The Foreign Service Institute、外務職員局)の調査でも、日本語は英語から最も「距離の遠い」言語の1つであることが明らかになっています。
そして、英語話者がスペイン語やイタリア語を習得するには600〜750時間であるのに対し、英語話者が日本語を習得するには2200時間もかかるということです。
つまり、英語と日本語は「違いすぎる」言語であるため、英語話者にとっても、日本語の習得は難しいのです。そのため、日本語話者にとっての英語習得も、ほかの母語話者より難しいものだと考えられます。
ただし、日本語と同じくらい「かけ離れている」はずの中国語と韓国語などを母語とする人たちは、それほど英語習得に苦労しているようには見えません。
「言語間の距離」は日本人の英語習得を考える上で一つの「要因」にはなりえますが、決定的な「原因」とはいえないようです。
誤った英語教育を受けてきたから
さらに、英語の授業では必ず英文を「和訳」することが求められます。常に英文を和訳することによって、「英文を一旦和訳する」クセがついてしまいます。
しかも、英文を自然な英語に訳すには、「後ろから訳す」必要があります。
そのため「和訳して考えるクセ」があると、英会話において発言する機会が遅れてしまい、英会話についていけないという事態につながります。
それに加えて、英語のテストでは「文法的な誤り」を指摘されます。そのため、文法の間違いを極度に恐れるようになってしまうのです。
文法の誤りを恐れることで、英語に対する苦手意識が生まれます。
学校教育では、「和訳」する習慣を少なくし、文法の誤りを気にしない環境でスピーキングのトレーニングができる機会を導入する必要があります。
なぜ英語力が低いままではいけないのか
しかし今の日本では「英語学習をしない」では済まされないケースが多々あります。
まず、就職時にTOEICスコア・英検など、英語の資格試験を要求する企業が、外資系企業に関わらず、国内企業にも増えています。これは、海外進出を視野に入れた時に「即戦力」となる人材を確保しておきたいからだと思われます。
そして、転職や昇進の時にも、英語力は大きな武器になります。ビジネスを開拓する上でも、英語を使えないと、チャンスをつかむ場が非常に狭くなります。
プライベートで友人を作る上でも、英語を話せると話せないとでは、コミュニケーションをとれる相手の数が圧倒的に違います。
英語を話せることで、人生の可能性が大きく広がるのです。
日本人が英語力をアップさせる方法とは
インプット・アウトプットの量を増やす
仮に、日本人が英語を習得するのにも同じく2200時間必要だとしましょう。
しかし、日本の学校教育で小学校から高校まで英語を学習する時間は、新しくなった学習指導要領を加味しても、1,000時間程度です。
学校でたくさん英語を学習してきたように思えるのですが、実は学習時間自体も、英語習得に必要な時間の半分にも満たないのです。
アウトプット(英会話)のトレーニングはもちろんですが、インプット(リーディング・リスニング)のトレーニング量を確保しましょう。
膨大なインプットを行うことで、「和訳して考える」クセは徐々になくなり、英語を英語で考える「英語脳」にシフトしていきます。
学習方法を見直す
そして、英語学習の「質」を変えると、より効率的に英語を習得することができます。
自分に合わない学習法を続けると、英語習得が遅れてしまいます。現状の英語レベル、学習目的、得意分野や苦手分野を考慮に入れた学習方法を取り入れると効果的です。
でも、自分に合った学習法を見つけるのはなかなか難しいですよね。
そこで、英語コーチングを利用するのはいかがでしょうか。
英語コーチングなら、一人ひとりの受講生に合った学習方法を提案してもらうことができます。そして、学習の進捗度を見て、学習法を微調整してもらうことが可能です。
英語学習の「量」も「質」も確保して英語力をアップさせ、国際化社会を生き抜くスキルを身につけましょう。
終わりに
学校教育のせいかもしれませんし、昔ながらの「恥」を嫌う文化ゆえかもしれません。
でも、日本人なのに、日本の歴史や文化をきちんと説明できないのは、それはそれで恥ずかしいことではないでしょうか。
近年急増している外国人観光客に「日本の良い所」・「ふるさとの魅力」を伝えられるようにしたいものです。
文法が間違っていても、単語の羅列でしかなくても、まずは通じればいいのです。大切なのは「伝えたい」という気持ちです。
その時のために、まずはカタコトの英語を話せるよう準備をしておきましょう。そして、日本語を話せない外国人相手に、物怖じせず、笑顔で話しかけてみてください。
きっと相手も笑顔で答えてくれるので、「英語を学習しておいてよかった」と思えるはずです。