2023.01.23受講生インタビュー

「自分の言葉で現地スタッフに酒造りを教えたい」英語に苦手意識を持つ松藤さんが英語学習に取り組む理由とは|旭酒造株式会社

世界一の料理学校といわれる「The Culinary Institute of America(CIA)」からのオファーをきっかけに決まった、旭酒造のニューヨーク進出。ニューヨーク州マンハッタンから、北に2時間ほどハドソン川を上ったハイドパーク市、CIAにほど近い場所に、酒蔵の建設が進められました。

すでに現地在住の外国人の採用も進んでおり、酒蔵内では、旭酒造が創業七十四年の歴史で培ってきた、日本酒の醸造技術が伝えられています。

ただ、そんな中で大きく立ちはだかるのが、言葉の壁です。
山口県岩国市で創業した旭酒造にとって、会社を上げて本格的に海外進出するのは、今回が初めてのこと。
日本酒醸造という仕事柄、酒蔵の中で英語をつかう機会は、まずありません。

今回、ニューヨークの新事業に抜擢された、松藤直也さんはどのような気持ちで、この獺祭の挑戦を受け止めているのでしょうか?

<松藤さんの経歴>
2008年に旭酒造株式会社に入社し、製造部部員として酒造業務に従事する。2011年に麹室初代責任者、2012年に2号蔵の初代工場長、2015年に本社蔵初代工場長を歴任。2016年に営業部に転属し、2017年には営業部長との兼務という形で、米国酒蔵プロジェクトに従事することとなった。米国酒造プロジェクトでは、酒蔵の設計や製造設備の設定など、プロジェクトに関わるすべての業務に携わっている。


「英語を話せる人間はたくさんいるが、獺祭を作れる人間は自分たちしかいない」という自負

簡単な自己紹介をおねがいします。

松藤直也(まつふじ なおや)です。年齢は39歳です。仕事の内容ですが、もともと入社してすぐは日本酒の製造に携わっていました。10年程本社蔵の工場長(名称は当時)を勤めておりました。
しかしその後、東京で営業をするようにとの辞令が下り、東京滞在中に、ニューヨーク進出の話が持ち上がりました。
ニューヨーク進出事業では、酒蔵を設計する段階から参加していたため、しばらくは東京での営業とニューヨーク進出のプロジェクトを掛け持ちしていたのですが、酒蔵の完成が近づいてからは、CTOとしてニューヨークでのプロジェクトに専念しています。

英語に関しては、「全くできない」というのが実感で、オンライン英会話などの英語学習サービスを受講した経験もありません。

現在の心境を教えてください。

英語が全く話せなかったので、新事業に抜擢された時は、不安を感じました。
ただ、世の中に、英語を話せる人はたくさんいても、日本酒が作れる人材、さらには獺祭の作り方を知っている人材は少ないだろうという自負がありました。
そのため、不安な気持ちよりも、「任されたからには全力でやるしかない」という使命感を強く感じています。

また、日本とアメリカでは、仕事に対する考え方が違うということも、少し不安に感じています。
現地のアメリカ人スタッフの考え方を理解しながら、その一方でこちらが望むパフォーマンスを発揮してもらうよう、考えをすり合わせるのは、かなり大変なことだと思います。

ただ、実際に会った限りでは、現地のスタッフは、色々な作業の指示を出してうまくこなせていない部分を指摘すると、素直にやり直してくれました。
そういう意味では彼らと一緒にうまくやっていけるのではないかと期待しています。

それに、現地での酒造りを楽しみにも感じています。
日本とアメリカでは、環境も、水も、原料も違います。設備も日本とは若干変わってきます。
そのため、どんなお酒が出来上がるか分からないという面白さがあるのです。

最初からうまくいくとは思っていません。日本の獺祭の技術をアレンジするというのは、大変なことだと思います。それでもやはり楽しみな気持ちが上回るのです。


英語学習について現在の考えを聞かせてください。

多くの日本人が、中学校・高校・あるいは大学まで英語を勉強するわけですが、学校教育だけで英語を話せるようになったという話は、聞いたことがありません。

海外に留学して英語が話せるようになったという話は聞きますが、海外に語学留学に行くような人は、そもそも英語が得意なのではないかと思ってしまいます。

そのため、本当に大人になってから英語を学習すれば、英語を話せるようになるのか、半信半疑な気持ちです。


ギャビーアカデミーと旭酒造の挑戦

この度、株式会社ギャビーアカデミーと株式会社旭酒造は、ギャビートレーニングシステムを、ニューヨーク酒造に抜擢された3名の社員の方々にサービス提供させていただいています。

英語のスピーキング能力を脳科学的アプローチと発音アプローチから学習し、英語スキルを「0→1」にするため、3か月の特別トレーニングカリキュラムが組まれています。

旭酒造の新事業への挑戦を支援しています。


ギャビーを受講してみて

英語コーチングという手法についての印象を教えてください。

「英語コーチング」と聞いた時の最初の印象は、パソコンの画面の向こうに外国人の先生がいて英会話をする、オンライン英会話のようなものかなと思いました。
そして、「英語で話しましょう」と言われても、自分にできるわけがない、とも思っていました。

しかし、実際にギャビーのサービスについて聞くと、まず、「リスニングができなければ外国人講師の言うことは聞き取れないし、スピーキングができなければ自分の思っていることを言葉にできず、英語が身につかない」という考え方が前提になっていることを知りました。

そして、学習を進めていくうちに、「もしかしたら、この学習法なら、英語を習得できるかもしれない」と思うようになりました。
それからは、「どのみち英語を話せるようにならなければならないんだから、とりあえずこの学習法を進めてみよう」と思いました。


セルフ・トレーニングの感想を教えてください。

セルフ・トレーニングの内容は、難しいと感じました。
「Yes/No Questions」、「UG-Based Conversion Questions」、「Open Questions」のうち、「Open Questions」は全く着手していません。

一番易しいレベル1から始めた時は、レベル1の文ですら、速すぎて単語が聞き取れませんでした。
しかし、レベル2まで学習を進めて、たまにレベル1に立ち戻ってみると、英語が驚くほどゆっくり話されているように感じ、簡単に理解できたことがありました。

また、ランダムに繰り返される質問の中で、何度か同じ質問に出会ううちに、だんだんと質問を理解し、応答できるようになったこともありました。
そして、対応できる文の数がだんだんと増えていったことが実感できました。

その変化が、実際の英会話にどの程度役に立つかは、まだ半信半疑なのですが、「英語力ゼロ」の状態からは、少し進歩したのではないかと思っています。

ライブ・セッションの感想を教えてください。

日本人コーチとのセッションは、今まで思っていた英語学習と違って、ユニークでおもしろいと感じました。
現在は「Color Vowel Chart *」を使った発音の矯正を行っているのですが、レッスン中は「ここはredの発音だな」などと気をつけることができても、自分一人で正しく発音することはまだ難しく、インプットの道半ばといった印象です。

外国人コーチとのセッションの直前は、とても緊張していました。
実際のセッションでは、「何を言われていたのか分からない」というのが率直な感想です。

ただ、外国人コーチは、こちらが英語初心者だということをよくわかっていて、言葉選びも上手なので、単語の羅列でなんとなく意思疎通し、適切な表現に訂正してもらったりしました。

アセスメント・テストでは、「大学で何を勉強したか」と聞かれましたが、「20年も前なので忘れました」としか答えられませんでした。

*米国の英語教育研究機関、ELTS社が開発し、特許を持つColor Vowel® Chartは、発音記号を利用せず、色、イメージ、リズム、動作を活用することで、母語に影響されることなく、正しい英語母音と英語独特のストレス、リズム、抑揚を習得できる画期的なシステムで、米国国務省が行う移民の英語教育や、ハーバード大学、ジョージタウン大学などのトップ機関でも採用されています。

酒造りについて「自分の言葉」で伝えたい

今後の意気込みを聞かせてください。

まずは、現地でしっかり酒造りに臨んで、日本の「獺祭」に並ぶもの、あるいは日本の獺祭を上回る品質のお酒を作り上げるのが一番の目標です。
その目標を成し遂げるためには、現地のスタッフたちに技術や知識をしっかり伝えていかなければなりません。

現地には通訳ができるスタッフもいますが、彼が、私たちと同じくらい、日本酒造りに精通しているわけではないので、自分で直接伝えるということは、絶対に必要になってくると思います。
そのために、英語学習にしっかり取り組んでいきたいと思います。

取材を終えて

「日本の獺祭を超える日本酒を米国で造る」ー 現地での酒造りへの意気込みをこう熱く語ってくれた松藤さん。

話す言葉やバックグランドが異なる人達と一つのモノを作り上げるのは、途方もなく大変な作業です。そんな環境で私達を繋いでくれるのが「英語」という言語ではないでしょうか。

「英語を話せるようになりたい」という漠然とした目標を掲げる人は多いですが、本来は誰もが英語を話せるようになった先の目標を持っているはずです。酒造りのプロフェッショナルが自身の言葉で現地スタッフに酒造りの技術や知識を伝え、共に獺祭Blueを作り上げていく。
これこそが英語を話せるようになることの本当の価値ではないかと強く感じました。

Gabbyのトレーニングを通じて現地スタッフと酒造りをする松藤さんの姿を想像すると同時に、その使命感に胸を打たれたインタビューでした。


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