日本語で「窓口」というと、担当者・部署・受付・問い合わせ先など、幅広い意味を持ちますよね。
しかし、英語には、日本語の「窓口」を一言で表す便利な訳語は存在しません。
英語ビジネスシーンで、「窓口」としてもっともよく使われる表現は、「point of contact」です。
ただ、「point of contact」が指す範囲は限定的なので、状況に応じて、いくつかの表現を使い分ける必要があります。
「窓口」として「window」は絶対に使わない

「窓口」という日本語に引っ張られて、つい「window」という単語を使いたくなってしまう方も多いかもしれませんね。
しかし、「window」はあくまで「窓(ガラス窓)」の意味であり、「窓口」を表す言葉としては一切使われません。
「Please go to the window.」と言うと、「(物理的な)窓のところに行ってください」という意味になってしまいます。
英語初心者の日本人の方に非常に多いミスです。注意しましょう。
「窓口」を指す一般的な表現は「point of contact(POC)」

英語ビジネスシーンで「担当窓口となる人」と言う時にもっともよく使われるのは、「point of contact」という表現です。
プロジェクト管理、営業、海外とのやり取りなど、幅広い場面で使われます。
ビジネス文書・メール・会議などでも広く通用します。
英語ビジネスシーンでの具体的な使い方は、以下の例文を参考にしてください。
このプロジェクトの主な窓口は誰になりますか?
技術的なご質問については、私が窓口を担当いたします。
窓口を1人に統一していただけますか?
「point of contact」は、社内文書やメールでは「POC」と略して使われることもあります。
ただし、正式な文書などにおいては、略さずに書く方が無難です。
「窓口」を指すその他の表現

「窓口」を指す一般的な英語表現は「point of contact(POC)」だとご紹介しました。
しかし、英語に「窓口」を指す対訳はないため、状況に応じてさまざまな表現を使い分ける必要があります。
- department in charge / responsible department
- contact point
- contact person
- representative
- help desk / support desk
- office / counter
それぞれの表現について、例文とともに詳しく見ていきましょう。
department in charge / responsible department
人ではなく、部署全体が「窓口」となっている場合、もっともよく使われるのが、「department in charge」または「resposible department」という表現です。
主に総務・人事・経理・カスタマーサポート・広報などの分野で使われます。
以下の例文を参考にしてください。
カスタマーサポートの窓口となる担当部署にご連絡ください。
質問は担当窓口までお寄せください。
書類は担当窓口に提出してください。
担当窓口より折り返しご連絡いたします。
ちなみに「department in charge」は「実務処理」のニュアンスが強いのに対し、「responsible department」は「責任」のニュアンスが強いです。
contact point

「contact point」は、一見「point of contact」と同じような印象ですが、ニュアンスが大きく違います。
point of contact(POC)は、「人」としての「窓口」を強く意識した言葉です。誰が担当者なのか、責任者なのかを明確にしたい時に使います。
それに対して「contact point」は、「問い合わせ先」全般を指すため、「人」だけでなく、部署・電話番号・メールアドレスなども含む、広い概念です。
以下の例文を参考にしてください。
このメールアドレスが一般的な問い合わせ窓口です。
下記の問い合わせ窓口にご連絡ください。
「point of contact」より軽い意味で、よりカジュアルな表現です。
contact person
「contact person」は、「連絡先の担当者」という意味合いで使われます。
「point of contact」に比べると、「責任者」という意味合いは薄く、やや軽いニュアンスがあります。
以下の例文を参考にしてください。
彼女が登録・書類に関する窓口です。
彼が人事関連の窓口です。
当社の窓口担当者が24時間以内に回答いたします。
representative

「contact person」とは対照的に、「単なる連絡担当」ではなく「組織を背負って応対する立場・権限を持つ人物」というニュアンスの強い表現が、「representative」です。
以下の例文を参考にしてください。
このアカウントの営業窓口を彼が担当します。
当社の担当窓口が追ってご連絡いたします。
カスタマーサービスの窓口担当にお話しください。
主に営業や顧客担当の分野で使われ、とくに「営業担当者(Sales representative)」は「Sales Rep」と略して使われることもあります。
Sales Rep(営業担当者)を含む、「担当者」を指す表現が気になる方には、こちらの記事もおすすめです。
help desk / support desk
技術的な問題や問い合わせに対応する「窓口」として使われるのが、「help desk」や「support desk」という表現です。
「help desk」は、主に IT関連のトラブル対応の窓口を指し、PC設定、ネットワーク、システムエラーなどの質問に対応します。
以下の例文を参考にしてください。
技術的な問題が発生した場合は、ヘルプデスクへご連絡ください。
当社のITヘルプデスクは24時間対応しています。
「support desk」は顧客サポート・プロダクトサポート全般の窓口で、「help desk」より広い範囲のサポートを指します。
問題解決だけでなく、操作案内・設定サポートなども含み、SaaS企業やカスタマーサポート部門でよく使われます。
以下の例文を参考にしてください。
製品のセットアップはサポートデスクが対応いたします。
リクエストはサポートデスクを通じてお送りください。
office / counter

最後に、ビジネスシーンではあまり使われる機会が少ないですが、「窓口」という意味でよく使われる「offce」・「counter」という表現もおさえておきましょう。
「office」は対面業務を行う「課」「係」という意味の「窓口」で、大学・行政機関・病院などでよく使われます。
以下の例文を参考にしてください。
書類は事務窓口に提出してください。
証明書は学生課の窓口で申請できます。
「counter」は職員が対面で受付する場所そのものを指すので、日本語の「窓口」のイメージにもっとも近いかもしれません。
以下の例文を参考にしてください。
2階の窓口へお進みください。
お支払いは会計窓口で承っています。
まとめ

英語で「窓口」と言いたい時、「window」は絶対に使いません。「point of contact(POC)」という表現が最も一般的です。
ただ、「point of contact」は明確に「人」を指し、また、強い責任のニュアンスがあります。
そのため、「人」ではなく「部署」を表現したかったり、単なる「受付窓口」を意図している場合は、別に使い分けが必要となります。
この記事では、ほかに以下の表現を紹介しました。
- department in charge / responsible department
- contact point
- contact person
- representative
- help desk / support desk
- office / counter
それぞれのビジネスシーンに応じて最適な英語表現を選ぶと、誤解を避けることができるだけでなく、コミュニケーションをより円滑に進めることができます。
ぜひ、あなた自身と世界をつなぐ「窓口」として、この記事で得た知識を役立ててください。
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ホール 奈穂子
株式会社ギャビーアカデミー代表取締役
元九州大学職員。TOEIC 990、IELTS 7.5(Speaking 8.0)を誇る、英語学習独学のスペシャリスト。27歳から英語を学び直し、自らの人生で英語習得がもたらす可能性を証明。米国赴任、留学プログラムや海外大学との共同学位取得プログラムの設計・運営に携わった経験から、日本人の英語学習における課題を深く理解し、効果的な学習方法を追求。その集大成として、東京大学と共同で、脳科学に基づいた独自の英語スピーキング習得メソッドを開発。現在カナダ・バンクーバーに在住。世界を舞台に活躍する日本人ビジネスパーソンの育成に情熱を燃やし、日本とバンクーバーを往復しながら精力的に活動中。趣味はカナダを舞台にしたサケ釣り。

