カナダの大学卒業後、現地法人に就職したことが意外にまれなケースだったためか、どうやって海外で仕事探したの?海外ではどんなスキルが求められているの?という質問を多く受けるようになりました。
まず日本とは違って海外では基本的に新卒採用というものがないため、決まった時期に一斉に就活をするということがありません。どれだけ職務経験があるかを問われることが多いため、正直、大学の勉強で必死だった私には現地就職というのは難しく大変でした。
また実力があるだけではダメで、海外ではいかにコネクション、人脈づくりができるか、そしてそれに対し自分がどう、どんな方法でアクションを起こすかです。この記事が、これから海外就職を目指している方、留学後は現地法人への就職を目指している方に少しでもお役に立てれば嬉しいです。
そこで今回は、現地の人も使うネットワーク・コネクションづくりに役立つ、カナダ現地就活事情を見てきた私も実際に使ったおすすめのツールを4つご紹介します。
海外就職で現地法人の探し方と受かるための4つの必須ツール
1.ローカルの就活イベント
Career Fair といって、さまざまな業界、職場環境、キャリアの選択肢を知るためにぴったりな就活イベントです。私が通っていたカナダの大学では、毎年春と秋に行われていた Career Fair に現地の友達と何度か参加しました。様々な企業が参加していて、リクルーターの方が企業説明や今後の採用スケジュールなどを説明してくれました。今すぐに就職しなくても、インターンシップやCo-opのポジションはあるのか、学生の間にどんな経験をしておくといいのかなど、突っ込んだ話を人事と直接話すことができるいい機会です。カナダだけではなくどこの国でもあるのでぜひ参加してみてください。
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おすすめ度
★★★★☆
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ちょこっとアドバイス
LinkedInや連絡先を交換、そしてフォローアップすることが大事!相手に印象付けることで、少しでも他の人より目立つことが重要です。
2.LinkedIn
LinkedInは海外で就職する際には必須で、ビジネス目的のコミュニケーションがメインのSNSツールです。プロフィールには自身の職歴、学歴、スキル、その他ボランティア経験などをより充実させることで、企業の人事から直接スカウトメッセージがくることもあります。
また、”Open to work” 就職活動中などと設定することもでき、企業はLinkedInを通じて採用活動を行ってることが多く、企業・人事からのスカウト率もうんと上がります。それ以外にも自分から人事の人にメッセージを送ることもできます。LinkedInを使うことで、自分のネットワークをさらに広げることができ、また求人情報をいち早く入手可能なので、海外で就職を考えている方にはぴったりです。
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おすすめ度
★★★★★
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ちょこっとアドバイス
LinkedInの機能の一つで、スキルをリストする際にEndorsement(スキルと経験の裏付け)というものがあります。一緒に働いている人や知り合いの方に評価してもらうことによって、プロフィール内容の信用性につながるのでアプローチされる確率も高くなるのでぜひ参考にしてみてください!
3.メンターシッププログラム
日本では「メンターシップ」という言葉はあまり聞かないですが、カナダ・アメリカでは幅広く、学生から会社でも大事にされています。メンター制度というのは豊富な知識や経験をもった人(メンター)が後輩 (メンティー) にキャリア相談やガイダンス、アドバイス、個人の成長のためのサポートなどをする仕組みです。
個人的な話をすると、高校生の時にYWCA Metro Vancouver (Young Women’s Christian Association) で出会ったメンターさんには、UBC進学、キャリアアドバイスですごくお世話になっています。
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おすすめ度
★★★★★
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ちょこっとアドバイス
カナダではMentorship Programと検索すると、自分の興味のある業界・分野ごとにみつけることができます。現地でどんどんネットワークを広げていくためには、プロとして働く方から直々にアドバイス、相談をする最高のプログラムだと思います。
4.Meetup(ミートアップ)
Meetup(ミートアップ)は、海外ではとても有名な Networking (ネットワーキング) イベントでコネクション作りにぴったり。様々なテーマ・グループがある中で、自分の気になるところに登録して参加する形式です。自分と同じ興味を持つ人やその分野で実際働いている人とも会える良い機会ですし、情報収集にもすごく役立つこと間違いなしです。
実際に参加したときは、ちょうどマーケティングを職業にしている人たちをメインにしたミートアップだったので、いろんな分野から現地で働いている方々が参加されていました。そこでのつながりはいまでも、前述したLinkedInでつながっていたりもしています。
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おすすめ度
★★★☆☆
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ちょこっとアドバイス
自分の目的によって参加するイベントをしっかり選んで上手に使うことが重要。
コネクションの大切さ
繰り返しにはなりますが、海外の人たちは本当に、ネットワーキング、つまりコネクションづくりを本当に重要視しています。日本で「コネ(コネクションの略)」というと良い印象はありませんが、海外で就職するには大事なツールの一つです。現地の人たちは人と人との繋がりをとても大事にしていて、お互いに紹介し合い、ネットワークを広げることで、会社や案件の紹介を受けることで、仕事を獲得しています。
海外で就職するのは決して簡単なことではないです。現地の人たちと比べて、知り合いが少ない留学生やこれから海外就職を目指している方は、海外でどうやって人と知り合っていくかが重要です。
でも日本人にとってはなかなかコネクションを作れと言われても、国民性的に難しいかもしれません。それでも志を高く、下記を意識してください。
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主体的に動く
受け身だと自分が苦しくなる世界です。
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みんな優しいし、フレンドリー
どんな内容でもいいので、とにかく積極的に話しかける。
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自分を強く持つ
将来へのプレッシャーを感じるかもしれませんが、目標を忘れずに自分を信じる。
私の体験談
高校生の時に大学進学で迷っていた際、高校のキャリアカウンセラーに紹介されてサインアップしたYWCA Metro Vancouver High School Mentoship Program。現地で働く女性の方と一対一でペアアップされ、最低月1回会い、プログラム期間中にYWCAチームが提供するワークショップに最低1回は参加します。
当時、在バンクーバーイギリス領事館でビジネス開発部署で働いていた女性とマッチングし、学生時代の経験、インターンシップのお話を聞いたり、実際にオフィス見学をさせてもらったこともありました。一緒にネットワーキングイベントに参加したりなどと、普通では絶対に経験できないようなことをたくさん勉強することができました。
カナダに留学生としてきた自分にとってすごく心強く頼れる存在です。その後もたびたび連絡を取っていたため、私が就職に悩んでいた時もすぐに話を聞いてくれてサポートしていただきました。現在私は、そのメンターさんのおかげで知り合った彼女自身のメンターさんの下で、いつでもアドバイス、サポートを頂けるありがたい環境で働いています。
最後にメッセージ
今後、海外就職したいけど英語に自信がないと不安に思う方も多いと思います。日本を離れて慣れない土地での就職活動を成功させるには、英語ももちろんですが、現地の情報収集がとても大事です。事前準備をしっかりして目標に向かって進んでいってほしいです。自分に合った方法でネットワーク・コネクションを広げていきましょう。