2023.09.02英語学習・フレーズ

英語のスピーキング力を上達させるコツとは|勉強法・練習法からお役立ちアプリまで

英語の単語や文法の知識は充分なのに、英語のスピーキングができなくて悩んでいる人が多いのではないでしょうか。
「TOEICでハイスコアをマークしているのに英語が話せない」という話もよく聞きます。

英語の4技能(読む・書く・聞く・話す)は、連動してはいますが、それぞれ独立したスキルで、読み書きができるからといって話せるとは限らないのです。
しかし、英語の基礎ができている人がスピーキングを勉強すると、爆発的に成長するようです。

この記事では、英語のスピーキングについて練習法や上達のコツをまとめます。
スピーキングの習熟度の指標となるテストや資格についても紹介するので、英語スピーキングスキルをアップさせたい人はぜひ参考にしてください。

英語スピーキングが上達する勉強法

このセクションでは、英語スピーキングを上達させるために必要な勉強と、その方法について紹介します。

英語の基礎知識を身につける方法

「英語は学生時代以来手付かず」という人や、それに近い人は、単語・文法の知識を学び直すところから始めましょう。
まずは中学生レベルの知識で大丈夫です。好みの文法書・単語帳を1冊選んでやり通しましょう。

文法書や単語帳を何冊も買って学習するのはおすすめできません。文法書は重複箇所が多いのに表現方法が違うため、学習が二度手間、三度手間になってしまいます。
単語帳は、同じ単語帳で何度も同じ単語に触れた方が、定着率が上がります。

また、アプリでスキマ時間を利用して勉強したいなら、「スタディサプリENGLISH」の「新日常英会話コース」がおすすめです。

「スタディサプリENGLISH」といえばTOEIC対策が有名ですが、実は「新日常英会話」という別のアプリも配信されています。
そして「基礎講座」というセクションでは、「基礎英文法」や「基礎英単語」を学ぶことができます。

英語の瞬発力を身につける方法

「TOEICで600点以上をマークしているのに話せない」という人は、英語を英語で考える能力、いわゆる「英語脳」が出来上がっていないと考えられます。

「英語脳」がないと、英文を聞いた時、一旦和訳して解釈してしまい、さらに日本文を生成し、英訳してから相手に返事をすることになってしまいます。

和訳するクセが抜けていないと、英会話についていけなくなってしまい、「自分はスピーキングができない」という苦手意識につながってしまうのです。

ただ、「英語脳」を身につけるのはそれほど難しいことではありません。「日本語で考えるヒマもなく、口から自動的に英語が出てくる」状態を作ればいいのです。

「口から自動的に英語が出てくる」練習におすすめのアプリが、「パタプライングリッシュ」と「どんどん話すための瞬間英作文トレーニング」です。
「パタプラ」は「パターンプラクティス」の略です。パターンプラクティスでは、まずお手本の音声を繰り返す練習を行った後、元の英文に別の表現をどんどん代入していきます。 決まった「パターン」の英語表現を、膨大な回数口に出す、いわば「英語の筋トレ」です。
「英語が自動的に口から出てくる」ようにするには、とにかく「英語を口にする」量をこなすことが必要です。
そういう意味でもう一つおすすめのアプリが、「どんどん話すための瞬間英作文トレーニング」です。書籍版が有名ですよね。 書籍版では、左のページに日本文が書いてあり、右のページに英文が書いてあるので、右のページを隠して左のページを英訳していく必要がありました。

アプリ版では、日本文が表示されて、その後英文が表示されるので、右のページを隠す手間がなく、よりスキマ時間の利用がしやすくなっています。

瞬間英作文も、すべての英文をほぼ覚えてしまうくらいの回数をこなすと、英語の瞬発力がつき、いつの間にか「和訳して考える」クセがなくなっていることに気づくと思います。

英語スピーキングの練習法

英語のスピーキングを練習するには、「とにかく口に出して発話する」ことが大事です。
このセクションでは、スピーキングが上達する練習方法を紹介します。

音読・リピーティング

英語を口に出すのにあまり慣れていないという人は、まず「音読」から始めるのをおすすめします。
英文だけでなく、お手本の英語音声と、そのスクリプト(書き下し文)があるものを選びましょう。

初心者の方は、いきなりTED Talksのスピーチに挑戦するなどして、難しすぎる教材を選びすぎないことをおすすめします。
前のセクションでもお伝えしたように、スピーキングを上達させるためには発話の「量」をこなすのが重要なので、自分が好きなテーマ、興味が持てる内容の教材を選ぶと挫折しにくくなります。

まずは英語音声を通して何回か聞きます。その後、スクリプトを見ながら音読します。この時、なるべくお手本の音声に近い発音を心がけましょう。カタカナ英語で発音していても、スピーキングは上達しません。

そして、音読はあくまでスピーキングの練習の入口ととらえた方が良いでしょう。上手に音読できるようになったと感じたら、リピーティングのトレーニングに進みましょう。最終的に「シャドーイング」ができるようにするのが目標です。

音読からリピーティング、オーバーラッピング、シャドーイングに至るまで、全く同じ教材を使い続けると、初心者でも比較的簡単にシャドーイングができるようになります。

リピーティング

リピーティングは、英語スクリプトを通して読む音読と違って、1文1文英語音声を止めて、それをマネする方法です。
1文ごとに区切ってマネする分、お手本により近い発音ができます。ナチュラルスピードに近いスピード感も身につきます。

リピーティングも上手にできるようになったら、次の「オーバーラッピング」に進みます。

オーバーラッピング

オーバーラッピングは、スクリプトを見ながら、お手本となる音声にかぶせる(オーバーラップする)ように発音していくトレーニングです。

お手本の英語音声を聞いてから、ワンテンポおいて発話するわけではないので、ネイティブと同じスピードで発話しなければなりません。 また、リスニングとスピーキングを同時に行うことになるので、難易度がかなり上がります。

ただ、難易度が上がる分、期待できる効果も非常に高いトレーニングです。

シャドーイング

シャドーイングは、流れてくる音声をシャドー(影)のように追いかけて発話していくトレーニングです。
オーバーラッピングと違って、スクリプトは見ません。耳から聞こえる音声だけを頼りに、それを追いかけて発音していきます。

シャドーイングは非常に難易度の高いトレーニングなので、まずは、今まで音読・リピーティング・オーバーラッピングに使用してきた教材を使うことをおすすめします。
今までのトレーニングの「量」をこなしていれば、シャドーイングを比較的簡単に行うことができるでしょう。

慣れてきたら、初見に近い教材でもシャドーイングできるようにしましょう。
自在にシャドーイングができるようになれば、かなりの英語のスピーキング力がついているといえます。

英語スピーキングが上達するコツ

このセクションでは、英語スピーキングを上達させるコツを紹介します。このコツを押さえておくだけで、初心者も上級者も、効率的に英語スピーキングを身につけることができます。

正しい発音を身につける

初心者にも上級者にもおすすめしたいのが、「正しい英語の発音を身につけてから英語スピーキングのトレーニングを始める」ことです。

学校の先生に「発音なんてどうでもいい」といわれて、発音をあまり重視していない人も少なからずいると思います。
しかし、実は英語の正しい発音を把握しておくことは非常に重要です。

英単語を学習する際にも、正しい英語の発音で復唱することで、単語が定着しやすくなります。
オーバーラッピング・シャドーイングのトレーニングでも、英語独特のリズムを身につけていないと、トレーニングはうまくいきません。

そして何より、最終的にカタカナ英語の発音は英語話者にほとんど通じません。通じない英語を身につけるのでは、せっかくスピーキング力を磨いても意味がありませんよね。

学習効率アップのためにも、「通じる英会話力」を身につけるためにも、英語の発音は当初から正しくするよう心がけましょう。

自分の発音を録音して聞き直す

オーバーラッピング・シャドーイングを行っていると、「スムーズに英語を発音できるようになった」という実感がわいてくると思います。
そういう時は、一度自分の発話音声を録音し、お手本と聞き比べてみてください。
思いのほか「うまく発音できていない」自分に気づくと思います。

筆者も、シャドーイングをしていたわけではありませんが、以前録音機能付きのオンライン英会話のレッスンを受けた後、レッスン中の自分の発話を聞き返して驚きました。

あまりにも「Ah….」「Um…」と言いよどみが多く、印象としては「間抜けな」英語でした。
自分ではもう少しペラペラ話していたつもりだったので、かなりショックを覚えたのを覚えています。

皆さんもそうとは限りませんが、とりあえず自分の発音を「客観的に聞く」機会を設けることをおすすめします。

英語話者と実際に会話する

自分の英語を「客観的に」把握するという意味では、英語を話せる第三者に壁打ち相手になってもらうのが一番です。
この時、日本在住の英語話者の友人などを頼るのはあまりおすすめできません。英語話者の中には、「日本人の英語に慣れている」英語話者も多いからです。
実際に壁打ち相手として選ぶなら、日本語を話せないオンライン英会話講師などがおすすめです。

英語スピーキングに役立つアプリ4選

英語スピーキング力アップのためにはとにかく「量」をこなすことが必要です。でも、忙しくてまとまった学習時間が取れないという人も多いのではないでしょうか。

英語スピーキングの勉強にアプリが利用できれば、スキマ時間を有効活用できますよね。
このセクションでは、英語スピーキング力アップに役立つアプリを4つ紹介します。

スタディサプリENGLISH

スピーキングに必要な英語力を総合的にアップさせたい人には、「スタディサプリENGLISH」がおすすめです。

スタディサプリENGLISH では、有名なTOEIC講座以外にも、「新日常英会話コース」「ビジネス英会話コース」というアプリがあります。

新日常英会話コースでは、英語の基礎的な単語・文法の知識だけでなく、発音についても詳しく学ぶことができ、音声認識機能を使って練習することもできます。

聞き流しができる「オートリスニング」や、「瞬間発話プラクティス」、そしてビジネス英語コースには「シャドーイング」の機能があるため、スピーキングに必要な英語力の底上げを図ることができます。

ELSA Speak

英語の正しい発音を身につけたい人には、「ELSA Speak」がおすすめです。
ELSA Speakは世界100ヶ国以上で愛用されている発音矯正船用アプリで、非常に精度の高いAI音声認識機能が採用されています。

筆者も無料体験してみましたが、最初の実力診断テスト後、AIが自動作成してくれたカリキュラムがとても的確なので驚きました。

発音を練習しながら疑似的な英会話を体験する機能もあり、トピックの中には「就職面接の準備」などもあるため、実践的なスピーキング力にもつながるアプリです。

スピークバディ

オンライン英会話などで「ネイティブスピーカーといきなり話すのは恥ずかしい」と感じる人向けに開発されたのが、「スピークバディ」です。

スピークバディの強みは、高精度AIとのリアルな英会話体験。視覚的効果も工夫されていて、ほどよい没入感で、気軽に英会話を楽しむことができます。

AIが相手なので、予約の必要がなく、時間を選ばないのも嬉しいポイントです。

トーキングマラソン

英語の瞬発力をつけたいなら、50年以上語学教育に携わってきた「アルク」が「キクタン」をもとに開発したアプリ「トーキングマラソン」がおすすめです。

与えられた日本文を「6秒以内に訳す」というルールが適度なプレッシャーとなり、英語の瞬発力を鍛えることができます。
圧倒的な「発話量」を確保できるのもトーキングマラソンの強みです。

瞬間英作文の要素に加えて、文の要素をどんどん入れ替えていく「パターンプラクティス」を行う機会もあるので、英語が自動的に口から出てくる「英語脳」を身につけることができるアプリです。


ギャビーアプリ

英語脳を鍛えて、スピーキング力を効率的に身につけたいなら、ギャビーアカデミーが提供する「ギャビーアプリ」がおすすめです。

ギャビーアプリでは、言語脳科学に基づいた最先端のメソッドが採用されており、自主学習ツールを通して効率よくスピーキング力をアップさせることができます。

また、世界トップレベルの発音評価AIでスピーキング力を診断することができるため、何歳からでもネイティブのような発音を身につけることができます。

現在、AIによるスピーキング力診断を無料で受けることができるので、ご自身の発音がネイティブに通用するものかどうか、診断してみてはいかがでしょうか。

英語スピーキングを扱った資格・テスト4選

英語スピーキング力を身につけたら、資格やテストスコアという形でアピールしたいですよね。
また、英語スピーキングの勉強を続けていて、「本当に自分はレベルアップしているのかな……?」と不安になったとき、テストのスコアを一つの指標とすることで、モチベーションを維持することができます。


TOEIC S&W Test

日本で一般に「TOEIC」と呼ばれているテストの正式名称は、「TOEIC Listening & Reading Test」といいます。つまり、リスニングとリーディングを扱ったテストということです。

そしてTOEICには、「TOEIC Speaking & Writing Test」という、スピーキングとライティングスキルを扱ったテストもあり、近年受験者が増えつつあります。

リスニングとリーディングのみを扱った「TOEIC L & R Test」でハイスコアをマークしていても、ビジネスの現場で即戦力とならない人材が多いことを、企業の採用担当者も周知しつつあるからです。

そのため、TOEIC S & W Testのスコアは、就職面でスピーキング力をアピールするのに強力な武器となります。
転職・就職を見据える社会人におすすめのテストです。


実用英語技能検定(英検)

「英語力の指標といえばTOEIC(L & R)」という風潮が見直され始め、再び脚光を浴びているのが実用英語技能検定、通称「英検」です。 高校生の場合は、英検で2級以上を取得していると大学受験で優遇措置が取られるため、受験を検討している人も多いでしょう。

英検はTOEIC(L & R)と違って、「読む・書く・聞く・話す」の4技能をバランスよく判定するため、就職・転職の際、履歴書に書くと有利になることもあり、社会人の方にもおすすめです。

後に紹介するTOEFLやIELTSなどのハイレベルな英語テストの準備段階として英検を利用する人も多いようです。


TOEFL

TOEFLは、英語圏の大学に進学したり、移住したりする際に、英語力を示すために受けるテストです。
スピーキングのテストは全4問で構成されており、Q1は45秒、Q2〜Q4ではそれぞれ60秒の回答時間が与えられます。
採点はコンピュータで行われ、流ちょうさや文法・語彙の正確さ、そして論理性が判定されます。


IELTS

IELTSもTOEFLと同じく、英語圏の大学に進学したり、移住したりする際に、英語力を示すために受けるテストです。
スピーキングのテストは3つのパートで構成され、試験官と1対1で行います。
オンライン受験の場合は、ビデオ通話を通じて実施されます。

パート1では12問の質問に答え、パート2では自分で引いたトピックカードをもとに1〜2分のスピーチをします。
パート3ではパート2で話した内容についてディスカッションします。

IELTSのスピーキングテストでは、流ちょうさと文法・語彙力、そして発音が判定の対象になります。


VERSANT

VERSANTは、ビジネスで使える実践的な英語スピーキング力を測るテストです。グローバル展開する大手企業や、各国の政府機関でも採用されている信頼性の高いテストなので、英語のスピーキング力を示すのに最適です。

VERSANTのテストは、音読・復唱・質問・文の構築・話の要約・自由回答の6つのパートで構成されています。テスト時間は約20分です。

テストはPCやアプリを使って行われ、コンピュータによって採点されるため、採点結果をすぐに受け取ることができます。

メンタル・ブロックの克服も課題

日本人が英語スピーキングを苦手とする大きな要因として、「間違えることを恐れる」気質があると思います。
「和訳して考える」クセに加えて、日本人は、「文法的に間違える」のを恐れ、「文法的に完璧な一文」を作ってから話そうとしてしまうのです。

さらに、なんとなく「外国人が怖い」という心理がはたらく人も多いと思います。

これらのメンタル・ブロック(心の壁)を取り除くには、やはりスピーキングの量をこなすしかないと思います。
具体的には、オンライン英会話やミートアップイベントなど、外国人と実際に話す機会をたくさん設けてほしいと思います。

もちろん、失敗をしたり、気まずい思いをしたりすることも多々あるでしょう。

筆者も、もともと社交的なタイプではなく、海外渡航経験もなかったため、イギリスやアメリカで過ごしていた時、空気を読まない発言をして、不審者を見るような目で見られたことがあります。

でも、そういった経験を重ねるうちに、だんだん「空気」が分かってきて、それまで感じていた「なんとなく外国人が怖い」という心理も消えていった気がします。

「なんとなく外国人が怖い」のは、「よく知らないから怖い」のだと思います。
一緒に過ごしてたくさん話すうちに、決して怖い存在ではないと気付けると思います。

そのためには、まず実際に外国人と話す勇気ある一歩を踏み出す必要があると思います。
そしてその一歩を踏み出すためには、充分にスピーキングの練習をして、自信をつけておくことが効果的です。

最近のアプリのAI音声認識の制度などは目を見張るものがあります。
ぜひ有効活用して、英語スピーキング力と、自信を手に入れてください。


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