2025.08.09英語学習・フレーズ

「out of」の意味5つとは?例文とともに解説|似ている表現や使い分けも

「out of」という熟語を日本語に訳すと、さまざまな意味になりますよね。
「~の外へ」という意味だけでなく、「~を切らしている」という意味や、「~からできている」という意味もあります。
幅広い範囲を指す熟語なので、なかなか覚えられないと感じている方も多いでしょう。

この記事では、まず、「out of」の意味を把握する簡単なコツを紹介します。
さらに、これだけはおさえておきたい「out of」の意味5つを解説するので、ぜひ参考にしてください。

「out of」の意味を覚えるコツ

「out of」の意味は、大きく分けると以下の5つになります。

  • 空間(~の外へ)
  • 状態(~外の)
  • 不足(~を切らしている)
  • 理由(~という動機で)
  • 材料(~からできている)

この5つの項目だけを並べると、まったく関連のない、ばらばらの意味を指す熟語に感じられるかもしれません。

しかし、「out of」のすべての意味は、ひとつのコアイメージから派生したものです。
そして、「out of」のコアイメージは、文字通り「内から外へ」というものです。

これを踏まえると、先ほどの5つの意味も、イメージで把握することができます。

  • 空間:物理的に「外へ」
  • 状態:本来の状態・状況から「外れる」
  • 不足:所有範囲の「外」
  • 理由:感情の「出どころ」
  • 材料:物の「出どころ」

まず、「He walked out of the room.(彼は部屋の中から外へ歩いて出た)」のように、物理的に「中から外へ」という表現なら、イメージしやすいですよね。

それ以外にも、「使用不能」の「状態」を指す「out of service」という表現は、「通常の状態から “外れている”」と解釈することができます。

「This table is made out of wood.(このテーブルは木から作られている)」という表現の場合、テーブルがどのような材料からできたのか、「出どころ」や「源」を指しているのです。

次の章では、「out of」の5つの意味を、さらに詳しく見ていきます。

「out of」の意味5つ

先ほど触れたように、「out of」の意味は、大きく分けて以下の5つです。

  • 物理的に「外へ」
  • 通常から「外れた」状態
  • 所有範囲の「外」=「不足」
  • 感情の「出どころ」=「理由」
  • 物の「出どころ」=「材料」

それぞれの意味を、例文とともに詳しく見ていきましょう。

1. 物理的に「外へ」

「out of」は、まず、「内から外へ」物理的に移動することを指します。

She got out of the car.
彼女は車から降りた。
The cat jumped out of the box.
猫が箱から飛び出した。
Take your phone out of your bag.
カバンから携帯電話を出して。

この意味は、問題なくイメージできる人が多いと思います。

2. 通常から「外れた」状態

「out of」を理解するうえで少し難しくなるのが、「本来の状態・状況から “外れている”」描写です。

以下の例文を参考にしてください。

The machine is out of order.
その機械は故障中だ。
She is out of work.
彼女は失業中だ。
He was out of control.
彼は手がつけられなかった。

これらの例文は、それぞれ以下のように解釈することができます。

  • 機械が正常な機能から ”外れている” 状態
  • ひとが定職から “外れている” 状態
  • ひとが自制心から ”外れている” 状態

「正常な」・「通常の」または「望ましい」状態から、「外れている・抜け出している」という意味でも、「out of」が使われるのです。

3. 所有範囲の「外」=「不足」

「out of」は、「所有範囲、ストックの中から外に出てしまった(切らした)」という意味で使われることもあります。

以下の例文を参考にしてください。

We’re out of coffee.
コーヒーを切らしている。
The printer is out of paper.
プリンターの用紙が切れている。
I’m out of money.
お金がない。

4. 感情の「出どころ」=「理由」

「out of」は、ひとの行動の「理由」を表す時にも使います。

He did it out of kindness.
彼は親切心でそのようなことをした。
She apologized out of guilt.
彼女は罪悪感から謝った。
He acted out of fear.
彼は恐怖から行動した。

少し難しいかもしれませんが、感情・心理的な動機が内側にあって、それが行動という形で「外に出た」というイメージです。

5. 物の「出どころ」=「材料」

「out of」は、製品の材料を指す時にも使われます。
以下の例文を見てください。

This bag is made out of leather.
このバッグは革でできている。
She built a house out of recycled materials.
彼女はリサイクル資材で家を建てた。

この場合は、「材料の中から、目的の形に作り出した」とイメージしてみてください。
同じ「~でできている」という意味の「made of」や「made from」との違いは、のちの章で解説します。

番外編

「out of」は、数字や割合を表現する時にも使われます。
基本的には、限定された集合や範囲の、「外にある」または「外された」というイメージです。
以下の例文を参考にしてください。

Out of 50 students, 10 failed.
50人の生徒のうち、10人が落ちた。

ちなみに、「外にある」「外された」というと、ネガティブなイメージに聞こえますが、必ずしもネガティブな意味で使われるわけではありません。
以下の例文を参照してください。

Ten out of twenty people agreed.
20人中10人が賛成した。

この例文の場合は、「20人という全体の中から、10人が “選ばれて” 外に出た」というイメージでとらえることができます。

out ofと似ている表現と使い分け

ここでは、「out of」と似ていて混同しがちな表現と、両者の使い分け方を解説します。

  • from(~から)
  • without(~なしで)
  • made of(材料)/ made from(原料)
  • because of(理由)

それぞれ例文とともに、詳しく見ていきましょう。

from(~から)

「起点」や「出どころ」を指す表現として、「from」がありますよね。

日本語に訳すと、「from」も「out of」も「〜から」となります。

ただ、fromは「どこから来たか」に焦点を当てているのに対し、out ofは「中から外へ出る動き」に焦点が当たっており、より動的です。

たとえば、「彼はバッグから本を取り出した」と言いたい時は、「He took the book out of the bag.」と言う方が自然です。

「He took the book from the bag.」と言いたくなりますが、この言い方だと、「ほかのどの場所でもなく、バッグから取り出した」ということを強調してしまいます。

「取り出した」という「動作」には焦点が当たらないため、少し不自然な表現になってしまうのです。

without(~なしで)

「out of」と同じく、「不足・欠如」を指す表現として、「without(~なしで)」がありますよね。
ただ、「without」の場合は、「最初から~がない」ことを指すのに対し、「out of」は、「もともとあったが、今はない」状態を指します。
次の例文を参考にしてください。

I drink coffee without milk.
コーヒーは牛乳なしで飲む。
We’re out of milk.
牛乳を切らしている。

最初の例文の場合、この例文の話者は、もともとミルクなしでコーヒーを飲むのが習慣であるという意味になります。

それに対して、2番目の例文の場合、牛乳は常備されていて、たまたま切らしているというニュアンスになります。

made of(材料)/ made from(原料)

前の章で、「made out of」は「~でできている」という意味になることをお伝えしました。
ただ、「~でできている」は英語で「made of」または「made from」だと、学校で習った方が多いと思います。
「made of」を使った文には、以下のようなものがありますよね。

The chair is made of wood.
その椅子は木でできている。
This ring is made of gold.
この指輪は金でできている。

このように、見た目材料がすぐにわかる場合や、素材の種類に焦点を当てたい時に、「made of」を使います。
それに対して、素材が原形をとどめておらず、製造過程や変化に焦点を当てたい場合は、「made from」を使いますよね。

Wine is made from grapes.
ワインはぶどうから作られる。
Paper is made from wood.
紙は木からできている。

それでは、「made out of」はどのように使うのかというと、「素材から作った」ことに、「意外性・工夫」というニュアンスが加わります。

He made a wallet out of old jeans.
彼は古いジーンズから財布を作った。
The sculpture was made out of scrap metal.
その彫刻はスクラップ金属から作られた。

最初の例文からは、「工夫して作った」というニュアンスが見てとれますし、2番目の例文では、「意外な材料」であることに焦点が当たっています。
ちなみに「made out of~」を使う場合、素材の原型は、とどめている場合も、そうでない場合もあります。
クリエイティブな創作物を描写する場合や、リサイクル・アップサイクルの文脈に最適な表現なので、ぜひ使えるようにしておきましょう。

because of(理由)

「out of」は「理由」を表す時に使えるということを前の章でお伝えしました。
「理由」を指す英語表現としては、「because of」もよく使いますよね。

ただ、「out of」は、内面的な感情(kindness, fearなど)が「理由」となっている場合を指します。

それに対して、「because of」は事実・状況が原因

He helped me out of kindness.(親切心から=内面的動機)
彼は親切心から私を助けてくれた。
He stayed home because of the rain.(雨が理由=外的要因)
彼は雨が原因で家にとどまった。

最初の例文から分かるように、理由を指す意味で「out of」を使う時は、内面的動機が「理由」となっているケースが多いです。
それに対し、「because of」を使う場合は、基本的に「外的要因」が「理由」になっています。

まとめ

「out of」には、以下の5つの意味があることを解説しました。

  1. 物理的に「外へ」
  2. 通常から「外れた」状態
  3. 所有範囲の「外」=「不足」
  4. 感情の「出どころ」=「理由」
  5. 物の「出どころ」=「材料」

和訳してしまうと、ばらばらの意味に見えてしまいますが、それぞれ「内から外へ」というコアイメージから派生していることを踏まえると、少し覚えやすくなるかと思います。

すべて使いこなすのはなかなか難しいかと思いますが、うまく取り入れると、英語表現の幅がぐんと広がります。
ぜひ、日常英会話や英語ビジネスシーンで活用してみてください。

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