2023.06.11英語学習・フレーズ

日本人が英語を話せないのはなぜ?話せるようになるにはどうすればいいか

英語を話せない日本人が多い理由と、どうすれば英語を話せるようになるかについて解説しています。
日本人が英会話を苦手としているのは、実践の場が少ないこと以外にも様々な理由があります。
なかなか英会話を習得できないという方におすすめの記事です。

日本人が英語を話せない理由とは

英語の必要性を感じていない

日本人が英語を苦手とする理由として、「そもそも日本で生きていくのに英語が必要ないから」ということが挙げられます。

日本以外の国では、一部の本やなどが母国語に翻訳されないケースがあり、やむを得ず英語が必要になる機会も多いです。

しかし、日本で暮らしている限り、日本語以外の言語が必要となる機会はまずありません。
仕事で必要になったから英語学習をはじめたものの、「実生活では必要ないのに」という思いがあり、なかなか英語学習のモチベーションが上がらないのかもしれません。

英語と日本語は違いすぎる

日本人が英語をなかなか習得できない理由としては、英語と日本語が「遠い」言語であることが挙げられます。
アメリカの国際機関「FSI(The Foreign Service Institute、外務職員局)」の調査では、日本語は英語から最も「距離の遠い」言語の1つであることが明らかになっています。

(Language Learning Difficulty for English Speakersより引用)

日本語の習得は英語話者にとって、最も難易度が高い「III. exceptionally difficult(非常に難しい)」というカテゴリーに属しています。
つまり、日本語話者にとっても、英語は「非常に難しい」言語である可能性が高いのです。

インプットが足りていない

先ほどのFSIの調査では、英語話者が、「近い」言語であるスペイン語やイタリア語を習得するのに必要な学習時間が600〜750時間であるのに対し、「遠い」言語である日本語を習得するには、2200時間もの学習時間が必要であるということが指摘されています。

仮に、日本人が英語を習得するのにも同じく2200時間必要だとしましょう。
しかし、日本の学校教育で小学校から高校まで英語を学習する時間は、今までの学習指導要領で700時間程度、新しくなった学習指導要領でも1000時間程度です。

学校でたくさん英語を学習してきたように思えるのですが、実は学習時間自体も、英語習得に必要な時間の半分にも満たないのです。

アウトプットが足りていない

日本の学校での「英語の授業」はもともと、単語と文法の学習に重点を置きすぎていて、スピーキングのトレーニングがほとんど行われていないという問題点が指摘されてきました。
学校以外の場面でも、日本に住んでいる場合、実際に英会話を行う機会はほとんどありません。
多くの日本人が英語を話せない理由として、実践の場が足りないということが考えられます。

英語の音声変化を把握していない

日本人が英語の「スピーキング」を特に苦手としている理由として、英語の音声変化を理解していないことが挙げられます。
以下の例文を見てください。

Can you take a picture?
この文の発音を、「キャン ユー テイク ア ピクチャー?」と発音しても、英語話者には通じないでしょう。

まず「Can」と「you」、「take」と「a」は、それぞれくっついて発音されるので、「キャニュー」「テイカ」というように発音する必要があります。
また、英語では内容語を強く、機能語を弱く発音する必要があるので、「take」や「picture」をはっきりと発音する一方、その他の単語、特に「a」は非常に弱く発音するのが自然です。
文字面の発音ではなく、音声変化を含む英語の自然な発音を把握していないことで、日本人の発音は聞き取りづらいものになってしまいます。

英語への勉強意識が強すぎる

「英語=勉強」と考えて、脳が拒否反応を起こしてしまうと英語は続きません。

特にもともと勉強が得意でない人は、勉強というイメージをもつと脳の仕組み的にやりたくないと感じてしまうことが多いです。
私も勉強が好きなタイプではないので、TOEIC単語帳や試験英語を勉強していたときは、非常にストレスを感じて継続ができませんでした。

よって、勉強と感じないようにするために、Youtubeや簡単に使える単語アプリなどで、楽しく英語学習をするのがおすすめです。

和訳して考えるクセがついてしまっている

英語の授業では必ず英文を「和訳」することが求められます。それにより、「英文を一旦和訳する」クセのある人が多くいます。
「和訳して考えるクセ」があると、英会話において発言する機会が遅れてしまい、英会話についていけないという事態につながります。

間違えることを恐れるクセがついている

英語に限らず、学校教育ではとにかく「間違い」を指摘されます。一方で、「うまくできたこと」をほめてもらえる機会はあまりありません。
英語のテストでも、頻繁に「文法的な誤り」を指摘される機会があります。そのため、日本人は文法の間違いに過敏になる傾向があり、間違いを恐れて言葉がうまく出なくなってしまうのです。

日本人が英語を話せるようになるにはどうすればいいか

英語に触れる機会を増やす

英語を話せるようにするには、英会話の機会をたくさん設けるのが一番です。
しかし、スピーキング(アウトプット)ができる前提としてのインプットや、そもそも基本的な文法・語彙の知識が不足している英語学習者も多くいます。

事前に文法・語彙を学習し、基本的なフレーズを学んでおけば、自信をもって英会話に臨むことができます。
アウトプットの機会を多く設けて、英会話の数をこなすのはもちろん重要ですが、基礎的な英語学習もしっかり行いましょう。

英語を話すかっこいい自分を想像する

近年、第二言語習得研究のモチベーション分野で研究されているのが、「L2自己」という考え方です。
L2自己というモチベーションには、「 L2理想自己(Ideal L2 self)」と、「L2義務自己 (Ought to L2 self)」の2種類があります。

「理想の自分になりたいから」英語を学習するというモチベーションが「L2理想自己」、親や上司など、「周りに学習するように要請されたから・必要に迫られて」英語を学習するというモチベーションが「L2義務自己」です。

そして、第二言語を使う ”理想の自分”(L2理想自己) を具体的にイメージできる学習者ほど、第二言語学習に成功しやすいことが、第二言語習得理論の研究結果として、明らかになっています。

「仕事で必要だから」「上司に命じられたから」という理由でしぶしぶ英語学習をするより、「かっこよく英語をしゃべる自分」をイメージして、楽しみながら英語を学習すると効果的です。

終わりに

「日本人が英語を話せないのはなぜか」といわれると、「話す機会がないから」という理由で片づけがちですよね。
そして、「英語を話すために海外に留学したりする時間もお金もない。だから英語を話せないのはしょうがない」と諦めている人も多いのではないでしょうか。

しかし、日本に居ながらにして英語習得に成功しているビジネスパーソンはたくさんいます。

忙しい社会人が仕事と英語習得を両立させるのに最適なのが、英語コーチングです。英語コーチングでは、学習方法だけでなく、学習時間の捻出方法も教えてくれます。

時間は「ある」ものではなく「作る」ものです。そのサポートとして、英語コーチングの利用を検討してみてはいかがでしょうか。


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