以前は、ビジネスレベルの英語が必要とされるのは主に外資系企業でしたが、最近では、国内に拠点を持つ企業でも、英語を使える「即戦力」を求める傾向が強くなっています。
また、就職・転職というケースに関わらなくても、会社内の部署異動でビジネスレベルの英語が必要になった方も多いのではないでしょうか。
そうすると、「ビジネスレベルの英語力」とは、具体的にどれくらいの英語力なのか気になりますよね。
この記事では、TOEIC・英検などの資格試験を目安にしながら、ビジネスレベルの英語について解説します。
また、ビジネスレベルの英語力を身につける方法も紹介するので、ビジネス英語を習得してキャリアアップしたい方は、ぜひ参考にしてください。
ビジネスレベルの英語とは
ビジネス英語とは
日常英会話とは違って、フォーマルな表現が好まれ、それぞれの専門分野に特化した用語が使われることも多いです。
さらに、国際社会では英語話者の8割がノンネイティブだということもあり、相手に誤解を与えないよう、できるだけシンプルな表現が好まれるのも、ビジネス英語の特徴です。
参考:ビジネス英語と日常英会話の違いとは|ビジネスシーンで実際に使えるフレーズも紹介
ビジネスレベルの英語とは
ビジネスの場で英語が必要とされる業務には、以下のようなものがあります。
電話応対
ビジネスメールの作成
報告書の作成
会議
プレゼン
また、以上のような業務を行うにあたって、以下のような状況で英語を運用するスキルが求められます。
依頼をする
質問する
提案する
説明する
確認する
報告する
交渉する
謝罪する
ビジネスレベルの英語力とは、単に英語を話すだけではなく、プロフェッショナルな場で相手との信頼関係を構築し、円滑にコミュニケーションを行うためのスキルといえます。
英語を使った実際の業務で使えるフレーズに興味のある方は、以下の記事も参考にしてください。
参考:電話対応でもう困らない!ビジネス英語フレーズ・例文集【今すぐ使える】
参考:英語でビジネスメールを書くには?そのまま使えるフォーマットとフレーズを紹介
参考:会議で使えるビジネス英語フレーズ集|オンライン会議で使える表現も紹介
参考:ビジネス英語プレゼンを成功に導く秘訣8選 | 実際に使えるフレーズも紹介
以下の記事では、英語での「交渉」で使える表現を紹介しています。
参考:効果的な英語での交渉術とは?実際に使えるビジネス英語フレーズと交渉のコツを紹介
ビジネスレベルの英語力を資格検定試験で表すと
それでは、「ビジネスレベルの英語力」は、TOEICや英検といった資格検定試験で表すと、どれくらいのレベルなのでしょうか。
この章では具体的なスコア・級を紹介します。
また、近年文科省や多くの企業で考慮されているCEFR(セファール)という尺度についても知っておきたいところです。
TOEIC
TOEICを運営する一般社団法人国際ビジネスコミュニケーション協会によると、「業務上大きな支障はない」とされているスコアが、「730点〜860点(レベルB)」です。
そして、採用の応募条件として「TOEIC700点以上」を掲げている企業も多くあります。
ただ、外資系を中心とした大企業では、TOEIC800点以上を基準としている場合も多く、「TOEIC 700点」はあくまで「最低ライン」です。
英語力をビジネス上の武器の1つにしたいと考えている人は、まずはTOEIC 700点を目標とし、可能ならばその上を目指していくとよいでしょう。
参考:>PROFICIENCY SCALE(国際ビジネスコミュニケーション協会)
英検
日本英語検定協会によると、「実際に使える英語力」の証明として評価されているのが「準1級」です。
英検は、英語の「読む・書く・聞く・話す」4技能全てを備えている証明となります。
英語の読み書きだけでなく、実際に英語を使って会話ができることを示せるのでおすすめです。
参考:各級の目安(日本英語検定協会)
CEFR
外国語の習熟度や運用能力を測る国際的な指標として、文科省も導入しつつある基準です。
CEFRを採用の際の英語力の基準として導入する企業も増えています。
CEFRではB1(中級)がビジネスレベルの英語力に該当すると定められています。
具体的には、「意見や計画についての理由や説明を簡潔に述べることができる」とされているのがB1レベルです。
ただ、B1はあくまで「最低ライン」であり、B2以上の英語レベルを求める企業も少なくありません。
ビジネスレベルの英語力を目指している人は、自分が「CEFR」でいうとどのレベルに相当するのか意識しておくのもおすすめです。
参考:The CEFR Levels Table 1 (CEFR 3.3): Common Reference levels(COUNCIL DE EUROPE)
ビジネスレベルの英語力を身につけるには
独学で学ぶ
ビジネス英語を学ぶには、まず、ビジネスの場で使われる特有のフレーズを覚えるのがおすすめです。
参考:ビジネス英語でそのまま使える!単語・フレーズ100選|場面別に紹介
また、一般的なビジネス表現とは別に、自分の業界・職種特有の専門用語も覚える必要があります。
もし、今すぐにビジネスレベルの英語を必要としている方ならば、慣れるまでは定型文をそのまま使っても問題ないでしょう。
ただし、会議・プレゼンの質疑応答や交渉など、高度な英語コミュニケーションに臨むには、丸暗記したフレーズだけでは足りません。
実践的な英語力を身につけるためには、まず、大量のインプット(読む・聴く)トレーニングが必要になります。
インプットの「量」を確保するのに効果的なのは、「多読」と「多聴」のトレーニングです。
インプットの「量」を確保したら、アウトプット(主にスピーキング)の量も確保しましょう。
スピーキングのトレーニングとしては、「シャドーイング」が効果的です。
そして、自主トレと並行して、実際にビジネスの場でどんどん話していくことで、ビジネスレベルの英語力を身につけることができます。
英会話スクールに通う
多くの英会話スクールでは、ビジネス英語に特化したカリキュラムが用意されています。
ちなみに、ビジネス英語を学ぶ前に、日常英会話の基礎を固めておく必要はありません。
日常英会話で使われる語いと、ビジネス英語で使われる語いはかけ離れているので、いきなりビジネス英語から始めて大丈夫です。
英会話スクールを選ぶ際は、「自分の学習目的に沿ったコースが提供されているか」「自分に合ったスクールか」などのポイントを十分に検討しましょう。
通勤に使う駅に近い立地など、「通いやすさ」も重要なポイントになります。
ただ、通学型の英会話スクールは、1人の先生が大勢の受講生に対応するため、自分に合ったレッスンを選びづらいというデメリットもあります。
オンライン英会話を利用する
通学型の英会話スクールに通うのが難しい方や、毎日同じ日にまとまった時間を確保するのが難しい方におすすめです。
オンライン英会話スクールでも、ビジネス英語に特化したカリキュラムを提供しているところは多いですし、ビジネス英語に特化したスクールもあります。
ただ、オンライン英会話スクールの講師には、実際にビジネスを経験者した講師があまりいないため、「活きた」ビジネス英語を学びにくいというデメリットがあります。
現地の大学・職業訓練校で学ぶ
特にオーストラリアでは、州立の職業専門学校であるTAFEが100校以上存在します。
働きたい国や職種が決まっているのであれば、思い切って現地で実践的な英語を学ぶのもよいかと思います。
英語コーチングを利用する
英語コーチングでは、カウンセリングを通して受講生の弱点を明らかにし、ピンポイントで攻略していくため、ムダがなく、最短距離で目標を達成することができます。
また、受講生のライフスタイルに沿った学習プランを立ててくれるので、仕事が忙しくて英語学習時間の確保が難しい社会人に特におすすめです。
そしてビジネス分野でグローバルに活躍したい人におすすめの英語コーチングサービスが、「ギャビーアカデミー」です。
ギャビーアカデミーでは、自然な英文を素早く生成するトレーニングと、英語の音を身につけるトレーニングを通して、英語を「自分の言葉」として習得することができます。
初心者向けの「スピーキング強化コース」だけでなく、「ビジネス英語プロコース」や「議論力強化プロコース」も提供されているので、ビジネスシーンで英語を使って自分の意見を発信したい方にぴったりです。
アプリでの自主トレーニングと、専門資格を持つネイティブコーチによるコーチングの組み合わせによって、3ヶ月で目標達成を目指します。
日本人スタッフによる日本語でのサポートも提供されているので、英語初心者の方でも安心です。
まとめ
そのため、要求される英語レベルはかなり高いです。TOEICでいうと730点が最低ラインと考えてよいでしょう。
「TOEIC730点が最低ライン」と言われると、「ハードルが高い……」と呆然とする方も多いかもしれませんね。
しかし、ビジネスレベルの高い英語力を身につけていれば、思わぬタイミングで素晴らしい機会に恵まれるかもしれません。
ビジネスチャンスが世界中に広がるからです。
ちなみに、勘違いされがちですが、ビジネスレベルの英語力として求められているのは、「ネイティブのようになめらかな英語」ではありません。
世界の英語話者のうち、8割は非ネイティブです。そして、英語非ネイティブのビジネスパーソンがみんなネイティブのような英語を話しているわけではありません。
文法的誤りをおかすことも多いですし、出身国独特の訛りもあります。
ビジネス英語において重要なのは、「誤解を生まないこと」と「相手に不快な思いをさせないこと」です。
そのため、「丁寧」かつ「分かりやすい」英語表現を身につけていく必要があります。
ぜひ、ビジネスレベルの英語を身につけて、世界に広がるチャンスをキャッチしてください。